OCG・マスターデュエルデッキ使いの行くGX世界〜ヲーと記憶喪失メンヘラを添えて〜 作:名無しのモンスター
憑依対象を凶行に走らせてでも対象を護る守護霊って何だよ()
後、6月19日に貰った評価でバーが緑色に……こりゃヤバいってマジで吐きそう(血涙)
それはそうと、昨日は遊戯王の日でしたね。おめでとう‼︎(おせーよホセ)
三沢
LP:4000
神楽坂(
LP:4000
それによって守護霊に乗っ取られた神楽坂──守護霊坂──はデッキを守護として窃盗・独占するという凶行に走ってしまった。どういう経緯や思考になったらそういう行動をするようになるんだよ、マジで……
で、俺が相手するも後攻ワンキルされ、全ては三沢に託すことになってしまった……十代ー‼︎ 早く来てくれー‼︎
「先攻は俺からだ。ドロー‼︎
いきなり【融合】か……しかも
「手札の【バフォメット】と【幻獣王ガゼル】で融合‼︎」
やはりその組み合わせか。大体予想できていたぜ。
守護霊坂の頭上に、額に一本角を付けた黒い鬣を持つ四足歩行の獣と、山羊の角と鳥獣の翼に鬣を持つ二足歩行の獣が現れる。
そして出現した青や橙色などの色合いのある混沌の渦によって、溶け合い混ざり合いながら入っていく。そして渦の中心から発生した淡い光の中で、新たな生命を芽生えさせる。
「現れろ、【有翼幻獣キマイラ】‼︎」
【有翼幻獣キマイラ】
ATK:2100
DEF:1800
現れたのは、【バフォメット】と【幻獣王ガゼル】の頭部を2つとも持っている、合成された獣。翼の色は白くなり、尾の先が蛇の頭となっているため、融合による摩訶不思議な力で他の獣も混ざり合った姿となっていた。
「永続魔法【ブランチ】と【補給部隊】を発動‼︎」
……ん? えっ? ちょっと待って?
「【ブランチ】はともかく、アカデミア入学の時期に実装されたばかりの【補給部隊】が、
「いくら
いやまぁ、それはそうだけど……展示させるなら、歴代のカードを入れた感じにしてくれないと……
「カードを1枚伏せる‼︎ 俺はこれでターンエンドだ」
早くも手札を全て使い切ったか。けど、俺の【ティアラメンツ】デッキに後攻ワンキルしたんだ。あいつが手札を全て失ったからって、それだけで終わるとは思えない……
神楽坂(
LP:4000
手札:0枚
フィールド:
【有翼幻獣キマイラ】ATK:2100
【ブランチ】×1
【補給部隊】×1
伏せカード×1
「早速融合モンスターか……相手にとって不足はない‼︎ 俺のターン、ドロー‼︎」
さて、問題は三沢のデッキだな。彼は今回、どんなデッキを使うというんだ?
「俺は手札から【
【
ATK:1800
DEF:500
三沢が呼び出したモンスターは、濃い灰色が主体で部分的に赤や紫がかった光沢が見られるオヴィラプトル。背中に迸らせている青い炎が、不気味で禍々しいオーラを放っている。
三沢が恐竜族モンスターを召喚した……ということは、今のあいつのデッキは【ウォーター・ドラゴン】デッキか。5割ファンデッキ寄りのヤツでどう最新式(?)
……とにかく、今は三沢を信じるしかないな。この時代では乱入デュエルができないし、そもそも俺負けてるし。
「【
オヴィラプターの隣に青い霊魂らしきものが灯された。オヴィラプターが食べた魂の1つで、それを体内から放出していたのだろう。それは1枚のカードとなって生成され、それが三沢の手札へと加わった。
「手札の【デューテリオン】の効果発動‼︎ 自分メインフェイズにこのカードを手札から捨てる事により、デッキから【ボンディング】
水素によって生み出された、ティラノサウルスを模した形状の青い水の生物らしきものが現れ、本物の生物らしく雄叫びに似た音を上げる。雄叫びに似たというか、雄叫びそのものに聞こえるが。
その雄叫びに共鳴されてか、【デューテリオン】の中央の体内が光り出す。その光の大きさはそのままに、【デューテリオン】の身体は吸い込まれるかのように縮小していく。そして光は1枚のカードとなり、三沢の手札へと加わる。
手札を増やすカードの演出、大抵何かがソリッドビジョンでカードに変換するのばっかだな。俺が転生してどうなったらそうなる。
「
ここで手札入れ替えの禁止カードか。ある程度サーチしてから使ったということは、【デューテリオン】などの効果でのサーチ対象がなくなって手札に腐らせてしまうのを防ぐためにって事なのか? 考えたな三沢。
「ここで新しく出たカードを使わせてもらおう。装備魔法【ガーディアンの力】をオヴィラプターに装備‼︎」
あ、デュエルリンクスで一時期お世話になった装備魔法じゃんチッスチッス。一時期厄介だったからノーマルレアなのに強かったって話題だったなー。
そんな事を考えている中、オヴィラプターの周囲に様々な形状の剣・斧・弓などのオブジェの幻影が6つも佇まった。そしてその中央──オヴィラプターのいる位置──に虹色の光が差し込まれ、それがオヴィラプターを包み込んでいく。
「バトルだ‼︎ 俺はオヴィラプターで【有翼幻獣キマイラ】に攻撃‼︎」
「攻撃力を上げずに格上のモンスターに攻撃だと⁉︎」
「装備モンスターが戦闘を行う攻撃宣言時、【ガーディアンの力】の効果発動‼︎ このカードに魔力カウンターを1個乗せる‼︎」
オヴィラプターが雄叫びを上げる。するとそれに共鳴されてなのか、オブジェとして土台に刺さっていた1本の細い剣が、1人でに抜かれた。
「これにより、装備モンスターが破壊される場合、この魔力カウンターを1個取り除く事で破壊を防ぐ事が可能となる。さらにこのカードの魔力カウンターの数だけ、装備モンスターの攻撃力が500ポイントアップする‼︎」
剣がキマイラに穂先が向くように動けば、一瞬虹色の輝きを放つ。それに合わせてオヴィラプターの身体も一瞬虹色に輝き、爪にその輝きが灯される。
【
ATK:1800 → 2300
「攻撃続行だ。いけ、オヴィラプター‼︎」
オヴィラプターが駆け出し、キマイラとの距離を詰めながら右腕の爪を振るう。キマイラも負けじと双頭の牙でオヴィラプターに食らいつこうとしたが、一頭はその爪を、もう一頭は突如飛んで迫って来た剣を受け止めるので精一杯だった。
残るはオヴィラプターの左腕の爪だけ。尾の蛇の頭がそれに食らいつこうとするも、時既に遅し。その爪は既にキマイラの胴体を切り裂き、火花を発生させながら爆発四散させた。
「ッ……」
神楽坂
LP:4000 → 3800(2300 - 2100 = 200)
「だが甘い‼︎ 破壊された【有翼幻獣キマイラ】の効果、それにチェーンを組んで【ブランチ】と【補給部隊】の効果発動‼︎」
まぁそんなこったろうと思ったよ。
「まずは【補給部隊】の効果でカードを1枚ドロー。次に【ブランチ】の効果で、俺の融合モンスターが戦闘破壊されたため、墓地から融合素材モンスターを1体特殊召喚する事ができる。【幻獣王ガゼル】を特殊召喚‼︎」
【幻獣王ガゼル】
ATK:1500
DEF:1200
キマイラが爆発した跡地に、彼を生み出した元の1つとなるモンスター……一本角を持つ四足歩行の獣の王が、漂う煙の中から姿を現した。まるで爆発する前に分裂して回避したかのように。
「そして【有翼幻獣キマイラ】の効果で、墓地から【バフォメット】か【幻獣王ガゼル】を特殊召喚する事ができる。よって残った【バフォメット】を特殊召喚だ‼︎」
【バフォメット】
ATK:1400
DEF:1800
ガゼルが出現した後でも漂っているままの煙を振り払い、様々な生物の体の部分を持つ二足歩行の獣が姿を見せる。まるで破壊をトリガーにしての【融合解除】でも行ったかのようだった。
「モンスターを増やしてしまったが、このくらいは必要経費だ。カードを2枚伏せ、ターンエンド」
その言い方だと、三沢は敢えてモンスターを増やさせたと言っているように聞こえるな。何かを狙っているのか……?
三沢
LP:4000
手札:3枚
フィールド:
【
伏せカード×1
vs
神楽坂(
LP:3800
手札:1枚
フィールド:
【幻獣王ガゼル】ATK:1500
【バフォメット】ATK:1400
【ブランチ】×1
【補給部隊】×1
伏せカード×1
「装備モンスターに破壊耐性と攻撃力上昇を付与させるカードか……厄介だが、裏を返せば相手にとって不足はないぜ‼︎ 俺のターン、ドロー‼︎」
相手にとって不足はないと言っても、【サイクロン】とかで【ガーディアンの力】自体を直接除去すれば問題ないだろうけどな。ってのは内緒である。まぁそれに気づかない守護霊坂というか神楽坂でもないけど。
「
やはり【強欲な壺】も入っていたか。ってか、まだこの時期だと一家に一台って感じにみんな入れてるよな【強欲な壺】。それを使わずにあの連続ドローをした海馬社長はスゲーよな、みんな見習え。
「そして俺は
【ブラック・マジシャン】
ATK:2500
DEF:2100
まるで
俺とデュエルしてた時もそうだったけど、どうしてやる気満々に登場するんだこのモンスターは。今お前らを使っている奴はお前らの主人じゃないってのに。
「来たか、
三沢も本物の【ブラック・マジシャン】を見て圧巻されているようだが、だからといって状況をひっくり返されたとは思ってないはずだ。
現に【ガーディアンの力】が中々強いわけだし、そう簡単にオヴィラプターの攻撃力を超えられるはずがない。いや、攻撃力を超えれたとしても、【ガーディアンの力】の効果で破壊を免れるしな。
「バトル‼︎ 俺は【ブラック・マジシャン】でオヴィラプターを攻撃‼︎」
【ブラック・マジシャン】が杖を握りしめれば、その先端から黒紫色の光が灯される。バチバチと迸るそのエネルギーが、今にもオヴィラプターに向けて放たれんとしていた。
「残り手札で攻撃力を上げる目的での攻撃か……? だがどっちみち【ブラック・マジシャン】を残すわけにはいかない‼︎ 【ガーディアンの力】の効果発動にチェーンしてリバースカードオープン‼︎
今度は斧のオブジェが動き出し、虹色の光を放ちながら振り下ろされ、大地に突き刺さる。それによって地面に三方の亀裂が発生し、そこから紫色の光の壁が発生。臨戦態勢を整えていた守護霊坂のモンスター達を阻み、その光で力を吸い寄せていった。
【ブラック・マジシャン】
ATK:2500 → 100
【幻獣王ガゼル】
ATK:1500 → 0
【バフォメット】
ATK:1400 → 0
そして斧から放たれた光もオヴィラプターを包み込み、彼の力を上昇させる。虹色の光を纏った牙がその証だ。
【
ATK:2300 → 2800
よく考えたら、【分断の壁】もデュエルリンクスで一時期強力なカードとして結構活躍してたな。メインフェイズ2がないのに加え、
……もしかしなくても、この世界の三沢、デュエルリンクスの環境をも先駆けているのか?(そんなわけないだろうけどね)
「さぁ、俺のフィールドのモンスターの変動は起きてないぞ。このままだと【ブラック・マジシャン】は攻撃力がたった100のままでオヴィラプターに攻撃してしまい、返り討ちに遭うだけだ。神楽坂、君はこの状況にどう対抗する?」
三沢は敢えて挑発しているように見えた。この状況、
けど、三沢が警戒するのも分かる気がする。もしも
「……フッ。お前のリバースカードが攻撃反応系のカードでよかったぜ‼︎」
「何ッ⁉︎ まさか、【ブラック・マジシャン】の攻撃はブラフだったのか⁉︎」
「その通りさ‼︎ 速攻魔法発動‼︎ 【光と闇の洗礼】‼︎」
やはり回避するか‼︎ しかもあのカードは‼︎
「このカードは、自分フィールドの【ブラック・マジシャン】を生贄に捧げる事により、自分の手札・墓地・デッキのいずれかからこのモンスターを特殊召喚する事ができる‼︎」
【ブラック・マジシャン】の周りに、赤黒い霧が漂い出し、それが帯のように【ブラック・マジシャン】を包み込んでいく。まるで霧を鎧の代わりとして装着させていくかのように。
「降臨せよ、【混沌の黒魔術師】‼︎」
【混沌の黒魔術師】
ATK:2800
DEF:2600
霧が爆発のように飛び散り、【ブラック・マジシャン】は悪魔に似た2本角のついた暑帽子と拘束具にも見える黒い装束を纏った、黒髪長く靡かせる最上級黒魔術師となった。
「新しいモンスターを出すためのコスト要因にして、強制攻撃を回避したのか……だが、そのモンスターは今のオヴィラプターと攻撃力が互角‼︎ それにオヴィラプターへと攻撃宣言すれば、【ガーディアンの力】の効果でまた攻撃力が上がる上にさらに破壊されにくくなるぞ‼︎」
「その対策も俺がしてないと思うか?」
神楽坂本人ならともかく、守護霊坂相手だとそう思わないんだよなぁ(初見だから)。ってか、もう既に対策できるようになってんの? マジで?
「リバースカードオープン‼︎ 速攻魔法【滅びの呪文-デス・アルテマ】を発動‼︎」
そう来るかー‼︎ ちょいと効果を見たの覚えてるぞ俺はー‼︎
「このカードは、自分フィールドにレベル8以上の魔法使い族モンスターが存在する場合に発動できるカード。フィールドのカードを1枚、対象に取らずに選んで裏側表示で除外する‼︎ 除外するのはもちろんオヴィラプターだ‼︎ 喰らえ、滅びの呪文-デス・アルテマ‼︎」
霧散した赤黒い霧──否、魔法のエネルギー源となっていたそれが杖の先に集まり、赤黒い光を帯びて獲物を求めるように禍々しく輝いていく。そしてそれは巨大な球体となって放たれ、オヴィラプターへと迫っていく。
オヴィラプターの牙、浮遊している斧の斬撃、それぞれがそれを受け止めようとするも力及ばず。魔力の光に他のオブジェと共にあっさりと飲み込まれ消滅していった。
「クッ、まさか除外する事で対策するとは思わなかった……‼︎」
「これでお前のモンスターはいなくなった。よってそのままダイレクトアタックだ‼︎ 滅びの呪文-デス・アルテマ‼︎」
オヴィラプターと全てのオブジェを飲み込んだその禍つ魔力の光はそのまま三沢に迫っていき、足元付近で爆発。その余波が三沢に襲い掛かった。
「ぐあああっ‼︎」
三沢
LP:4000 → 1200
いきなり2800の戦闘ダメージを受けてしまったか……たったの数ターンでこれはまずいぞ……三沢の奴、本当に大丈夫だろうか……?
「メインフェイズ2で、【バフォメット】とガゼルを守備表示に変更する‼︎」
【バフォメット】が腕を交差しながら右膝を地面に付け、ガゼルが地に伏せて防御態勢を整えた。
「俺はこれでターンエンド‼︎ この瞬間、【混沌の黒魔術師】の効果発動‼︎ このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンのエンドフェイズ、俺の墓地から
うわ、禁止カードを回収しやがった。禁止カードのリサイクルなんて結構ヤバいじゃねェかこの野郎。タイムラグがあるとはいえ、
三沢
LP:1200
手札:3枚(【ボンディングーDHO】×1)
フィールド:
無し
vs
神楽坂(
LP:3800
手札:1枚(【強欲な壺】×1)
フィールド:
【混沌の黒魔術師】ATK:2800
【幻獣王ガゼル】DEF:1200
【バフォメット】DEF:1800
【ブランチ】×1
【補給部隊】×1
『ふむ……本人が使っているわけではないとはいえ、除去の難しいカードを難なく攻略するとは、やはり
ちょっと黙ってくれませんかね元凶。貴方がとんでもないヘマをしなければ、こんな事にはならなかったはずだから。
「どうにかして巻き返せるようにしないとな……俺のターン、ドロー‼︎
出たな。この世界では2枚目の【強欲な壺】として、ちょいちょい評価されている壺シリーズのカード。融合主体のデッキよりも融合する必要のないデッキが結構多いから、評価されていくのも納得いくな。
三沢のフィールドに、欲深い表情をした緑のゴブリンの顔、その裏に金満に満ちた金色のゴブリンの顔が彫られている壺が現れる。
金色のゴブリンが舌で三沢のエクストラデッキから6枚のカードを抜き取り、緑のゴブリンが満面の笑みを浮かべるのに合わせて壺の開口部から2枚のカードが飛び出してきた。
「これは……仕方ない。フィールド魔法【ドラゴニック
この瞬間、三沢のフィールドに巨大な石造りの構造物や円形の台座が中心に描かれ、さらにドラゴンなどの竜ー連想させる紋章が描かれた。構造物にも竜の力を象徴とするような彫刻や意匠が施されており、神秘的な竜の力が宿る場所を指していた。
ってか、アレって【真竜】シリーズのフィールド魔法じゃないか? 確かテーマ内でのアドバンテージが強すぎて、長期間の制限がかかったとか……
「【ドラゴニック
プテラノドンの形を作った緑の風が現れ、淡い光に包まれながらすくに消滅してしまった。それと同時に、巨大な龍の姿が半透明で一瞬だけ現れたように見えた。
「手札の【真竜皇バハルストス
【真竜皇バハルストス
ATK:1800
DEF:3000
主に水素水によって作られた2つの水柱が、大きな水飛沫どころか大波を巻き起こしながら発生した。そしてその間の位置にも発生した水飛沫の中から、巨大な藍色の海竜が姿を現す。
その海竜は四足歩行のタイプで、水の膜を持った4枚の天使らしき翼と突き出している鋭い角、そして先端の尖った尾が大きく魅せている。身体中の鱗も、波に反射して輝きを放っていた。
「水属性モンスターを2体破壊してバハルストス
海竜が咆哮を上げ、翼を大きく羽ばたかせる。すると大波の規模が広がっていき、やがて【ブランチ】と【補給部隊】のカードのソリッドビジョンを飲み込みながら引いていった。
「後続へと繋げるカード達が除外されたか……だが、そのモンスターでは俺の【混沌の黒魔術師】を突破するのは困難だと思うぜ? 守備表示で出したのなら尚更だ」
「だが、こいつを出した事に意味はある。いずれ分かる事だけどな。ちなみに【ドラゴニック
【真竜皇バハルストス
ATK:1800 → 2100
DEF:3000 → 3300
「俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ」
まさかのバトルフェイズを行わずしてのターンエンド。いくら攻撃力が【混沌の黒魔術師】よりも低いとはいえ、他の2体は倒せるからアドバンス召喚の要因を減らしてもいいはず……
いや、バハルストス
三沢
LP:1200
手札:0枚
フィールド:
【真竜皇バハルストス
【ドラゴニック
伏せカード×1(【ボンディングーDHO】)
vs
神楽坂(
LP:3800
手札:1枚(【強欲な壺】×1)
フィールド:
【混沌の黒魔術師】ATK:2800
【幻獣王ガゼル】DEF:1200
【バフォメット】DEF:1800
「俺のターン、ドロー‼︎ 【強欲な壺】を発動‼︎ カードを2枚ドローする‼︎」
これで守護霊坂の手札は3枚となったから、ドローしたカード次第ではさらに守護霊坂が状況有利になってくるだろうな。そうなると、三沢がバハルストス
「
「今度は手札交換も込みか……」
うわ出た、
いや、考えるな俺。そういうのは予想したら実際に起きてしまうものだ。この世界だと尚更……のはず。
「この中から……そうだな、この2枚を捨てるか。そして手札から
【ブラック・マジシャン】
ATK:2500
DEF:2100
そんなこんなを考えていたら、翡翠色のアンクの光に導かれ、紫色のローブを纏った最上級黒魔術師が再び姿を現した。【混沌の黒魔術師】の隣に並び立ったことにより、まるで異次元の自分同士の邂逅が行われたように見える。これまた圧巻だな。
「ここで速攻魔法【魂のしもべ】の効果発動‼︎ 墓地のこのカードを除外する事により、フィールド・墓地の【ブラック・マジシャン】、【ブラック・マジシャン・ガール】、【守護神官】モンスターの種類の数だけカードを1枚ドローする事ができる。俺のフィールドに【ブラック・マジシャン】と墓地に【ブラック・マジシャン・ガール】が存在するため、合計2枚ドロー‼︎」
うわ、マジか。まさかの本当に墓地効果を使えるヤツがあったんかい。1枚ドローだけでも役立つってのに、2枚ドローはさらにヤバすぎるって。下手すれば【強欲な壺】を超えてまうって。現代カードもやっぱりヤバいか。【強欲な壺】ェ……
というか、ブラマジ関連カードをデッキトップに置くデッキトップ操作の効果は使わなかったのか? それよりも必要な手札のカードを捨てたくないがために使わなかったとでも?
「さらにいくぜ。【幻獣王ガゼル】と【バフォメット】の2体を生贄に捧げ、【魔道騎士ガイア】を攻撃表示で召喚する‼︎」
【幻獣王ガゼル】と【バフォメット】。【有翼幻獣キマイラ】となる2体が光の粒子へと変換されていき、やがて混ざり合って巨大な光の球体と化す。
そして上空へと昇っていけば、その光は落雷となって地面を弾き、そこから人影を見せていく。その姿は、正に乗馬している勇敢なる騎士。
【魔道騎士ガイア】
ATK:2300
DEF:2100
現れたのは、金や赤のアクセントが施された濃紺色の、鋭角的かつ重厚な鎧で全身を覆った騎士。自身のと似た兜を被った赤い身体に赤黒い鬣の馬に跨り、金の装飾を施した紫色の槍を2本も携えていた。
「アレは、神楽坂が作ろうとしていたデッキにも入っていたカード⁉︎」
そう、【魔道騎士ガイア】は神楽坂も自分なりの
実際、
「【魔道騎士ガイア】の効果発動‼︎ このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、自分の手札・墓地からドラゴン族・レベル5モンスターを1体選んで守備表示で特殊召喚する事ができる‼︎ 手札から来い、【呪われし竜ーカース・オブ・ドラゴン】‼︎」
「また神楽坂のデッキのモンスターを……⁉︎」
【呪われし竜ーカース・オブ・ドラゴン】
ATK:2000
DEF:1500
騎士の背後から飛行して現れたのは、やや骨ばった骸骨のような手足の無く、翼を大きく広げている細長い龍。灰がかった暗い金色の鱗で覆われ、胴体に膜が見えてややボロボロに見える事から、龍の骨が呪いによって生物となったと捉えられる。
【呪われし竜ーカース・オブ・ドラゴン】も神楽坂が自身のデッキに1枚だけ入れており(レア度が高いから)、【カース・オブ・ドラゴン】系統だから
「【呪われし竜ーカース・オブ・ドラゴン】の効果発動‼︎ このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから【暗黒騎士ガイア】のカード名が記された
………………あ、これはソリッドビジョンでの表現無しなのね。表情ありと無しの基準が分からん……
それよりも、【
いやそうじゃなくて。【
「さぁいくぜ‼︎
【魔道騎士ガイア】と【呪われし竜ーカース・オブ・ドラゴン】での頭上に、混沌が原力だと言われている揺らぎの渦が発生。その中に2体が飛び込めば、発光と同時に溶け合い混ざり合っていく。
「現れろ、【魔道騎竜カース・オブ・ドラゴン】‼︎」
【魔道騎竜カース・オブ・ドラゴン】
ATK:2000
DEF:1500
こうして誕生したのは、【魔道騎士ガイア】の鎧を頭部と背中に装着した【カース・オブ・ドラゴン】。【魔道騎士ガイア】の魔力を得たためか、全体から稲妻を迸らせていた。
「【魔道騎竜カース・オブ・ドラゴン】の効果発動‼︎ このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、墓地から【暗黒騎士ガイア】のカード名が記された
迸らせている雷の中から、1枚のカードが生成されていく。それが意識を持っているかのようにヒラヒラと浮遊しながら移動していき、やがて守護霊坂の手札に加わった。
ってか、魔道騎竜がいる状態で【
「
「何ッ⁉︎ そのカードにはターン制が無いのかッ⁉︎」
やっぱり発動できるのかそれ。11期以降にしては珍しい名称ターン1の無いカードなんてそんなにないものだからなのか、はたまた名称ターン1のカードがどんどん出てくるようになったからなのか、この世界でその反応はかなり珍しいな。
「それだけじゃないぜ‼︎ 【魔道騎竜カース・オブ・ドラゴン】がモンスターゾーンに存在する限り、自分がドラゴン族・レベル7モンスターを融合召喚する場合、自分の墓地のモンスターを除外して融合素材とする事もできる‼︎」
「墓地融合を可能にするだとッ⁉︎」
これだよこれ、魔道騎竜がいる状態で【
「これにより、俺は墓地に存在するルール上【暗黒騎士ガイア】モンスターとして扱う【魔道騎士ガイア】とレベル5以上のドラゴン族モンスターである【呪われし竜ーカース・オブ・ドラゴン】で融合‼︎」
【魔道騎士ガイア】と【呪われし竜ーカース・オブ・ドラゴン】が、半透明となって再び姿を現す。そしてすぐさま発生した渦が2体を引き寄せ、混ぜ合わせながら新たな生命を誕生させる。
「魔道極めし騎士よ。その魔力で竜の呪いを解き放ち、伝説の竜騎兵となれ‼︎ 融合召喚‼︎ 現れろ、
【竜魔道騎士ガイア】
ATK:2600
DEF:2100
発生した光から現れたのは、馬の代わりに【呪われし竜ーカース・オブ・ドラゴン】に跨った【魔道騎士ガイア】。背後に炎を漂わせている事から、2体の魔力が混合し互いを強化したのであろう。
って、アレ? この世界の者で召喚口上を言ったの、海馬社長を含めるとこれで2人目か? 時代的に結構珍しい事もあるんだな。
「【竜騎士ガイア】が強化された姿か……」
「それだけじゃない‼︎ 【
「何ッ⁉︎」
【竜魔道騎士ガイア】の身体に、赤と青……2つの光の膜が覆われる。その光と共鳴してなのか、【魔道騎士ガイア】が槍を優雅に振るい、【呪われし竜ーカース・オブ・ドラゴン】が咆哮を上げながら鼓舞した。
【竜魔道騎士ガイア】
ATK:2600 → 5200
「攻撃力、5200……‼︎」
また出たな、オベリスク様超えの攻撃力のモンスター。神であるオベリスク様の攻撃力を超えたとなれば、もうそいつらが神でいいだろ。オシリス様の攻撃力上昇も手札枚数依存によるものだし、ラー様の介護カードで……だし。『汝?』
「ハハハァッ‼︎ どうだ‼︎ これこそ新時代の
守護霊坂のキャラって、本当は定着してないの?
「最高の気分でいるのか───
「……は?」
え?
「
「俺が演技しているだと?」
はい? 取り憑かれてない? どゆことなん? じゃあ原作通りの感じに、神楽坂本人が
いや、それはないだろ。多分。俺やエルドリッチ様に『自分なりの
「ここまでの君を見て、さすがに違和感を感じていたんだ。そのデッキを護るとか言ったり、
なるほど、三沢もそこに目を光らせていたんだな。確かに守護霊坂には性格とかが定着していないところがあった。神楽坂本人の人格と混ざった結果で不安定になったのでは? とは思っていたけど。
「……それは……このデッキを護るために使っているんだと思ったら、色々とテンションがおかしくなっただけだ」
なんだその理由。守護霊が守護する対象を使用するとおかしくなるなんて、どんなある意味ヤバい奴なんだよ。俺だったらそんな守護霊とは契約とかしたくねー。
「そして、君が守護霊に取り憑かれているというのが嘘である事が確信づいたきっかけが、今見つかった。それが、『最高の気分だ』と言っていた時の表情が苦かった点だ」
「ッ⁉︎」
「……あっ」
そういえばそんな顔してたな、神楽坂の奴。ふと見た感じでだったけど、調子乗っている割にはそこまで笑顔じゃなかった気がしたんだよなァ。
「もしやこのデッキの欲しさに、エルドリッチさんと交渉して手に入れたのかとは思ってはいたが……あの表情からして何処か乗り気ではないところが見え、プレイングでも、
「……」
「そして、【ブラック・マジシャン】を『
あぁ……その可能性はあるかも。守護霊は対象を守る存在。対象に万が一の事が起きないよう、不純物になり得るものは入れなさそうな感じがある。なのに対象となるデッキに、神楽坂の新たな切り札らしきものが入ってるとのこと。
そう考えると、本当に守護霊とやらが神楽坂に取り憑いているのか? ってなるな。仮にそうだとしても、対象のデッキに神楽坂のカードを入れるとか何を考えているのかと思ってしまう。守護霊としてちゃんと機能しているかどうか怪しく思えるな。
「神楽坂……君は今、何を思ってそのデッキを使っているんだ? そして何処で手に入れたのかも分からないカードを入れて改造をしたんだ? エルドリッチさんと交渉し、何かに操られているフリなんかまでして、一体何を狙っている?」
まぁ、エルドリッチ様が絡んでる可能性はあるな。あの人、俺に無断で現界して大企業まで建てたんだし、
だとしても、何故彼と神楽坂が手を組んで、
「……と、三沢は言ってますが、エルドリッチ様はどうお思いで?」
『………………いや、なんの事か余は知らぬ』
知らないなら明後日の方向を見ながら喋らないでくれませんかね? この人も共犯者or元凶の可能性濃厚だよ。何してくれてんのアンタも。
「……思い込みはやめてもらおうか。そうやってデュエルへの集中力を切らすつもりだろうが、その手には乗らないぞ」
あ、なんか誤魔化そうとしてる。しかも平然を装っているし。なんかズルッ。俺より頭の冴えている三沢に目を付けられたら、もう……ね?
「今は話す気はないってことか」
「『今は話す気がない』じゃない、『俺の言っている事全てが本当の事だ』と言っているんだ‼︎ 黙ってお前もデュエルに集中しろ‼︎」
「……ならそうさせてもらうよ」
あー、結局デュエルに集中する羽目になっちゃったよ。
でもどっちみち、デュエルに勝たないと神楽坂……いやまだ守護霊坂か? 今はどっちでもいいか。奴に勝たないとデッキを返して貰えない感じだし、ね? 他の大人の助けを借りた方がいいのではってのは内緒)
「ホッ……これで一旦デュエルに集中できる……」
オイ小声。俺の耳に聞こえたぞマジで。誰にも聞こえるわけがないとか思ってんだろうけど、んなわけないからな? 個人個人の身体の特性舐めんな。
「バトルだ‼︎ 【竜魔道騎士ガイア】で【真竜皇バハルストス
二双の槍を構えながら、【魔道騎士ガイア】が【呪われし竜ーカース・オブ・ドラゴン】に指示を送り、天高く飛翔させる。そして飛行速度と降下による勢いが掛け算となって空圧を生み出し、その威力を持ってしてバハルストス
このまま攻撃が通り、バハルストス
このままいけば、であるが。
「………………あくまで俺の予想として、これだけは言わせてもらおうか」
「……? なんだ?」
「中途半端に力を調整しては、デッキの底力を発揮しにくくなるぞ‼︎
「
三沢のフィールドに緑の風が柱となって吹き荒れ、その風を挟むように、濁りのある色の水と薄紫色の水がそれぞれ水柱となって発生する。そしてそれらは2つの柱になるように混ざり合い……清らかな色となった2つの水柱となり、生命がそこに宿る。
「水素・酸素・重水素が結合する事により、『重水』が誕生する‼︎ 現れろ、【ウォーター・ドラゴン-クラスター】‼︎」
【ウォーター・ドラゴン-クラスター】
ATK:2800
DEF:2600
やがて2つの水柱は、2対の古龍となった。髭どころか身体全てを水として誕生させたそれは、とぐろを巻き赤い瞳を光らせながら咆哮を上げた。
こうなったらもう……形成逆転したな。
「【ウォーター・ドラゴン-クラスター】の効果発動‼︎ 相手フィールドの効果モンスターはターン終了時まで、攻撃力が0になり、効果を発動できなくなる‼︎」
「何ッ⁉︎ まずい、【竜魔道騎士ガイア】の破壊効果は、メインフェイズ中にしか発動できない……‼︎」
そう、ここで神楽坂は少しばかりのプレイングミスを犯したのだ。
【竜魔道騎士ガイア】は、このカードの攻撃力を2600ダウンし、対象に取ったこのカード以外のフィールドのカードを破壊する効果を持っている。
だが、それが発動できるのは互いのメインフェイズ中のみ。今はバトルフェイズ中のため、クラスターに対してチェーン発動は不可能だ。
ならば何故、神楽坂は破壊効果をメインフェイズ中に使わず、バハルストス
それは効果破壊によってバハルストス
結局発動しようがしなかろうが、クラスターが出てきた事によって、バハルストス
「これにより、【ブラック・マジシャン】以外の攻撃力はこのターンで0になる‼︎ クラスター・ゾーン‼︎」
【ウォーター・ドラゴン-クラスター】が咆哮を上げ、身体である水柱の回転速度を上げていけば、フィールド全体を覆い尽くす程の水気が発生。神楽坂のモンスター達を飲み込んでいく。
偶然的とはいえ、モンスター2体分の大きさである【竜魔道騎士ガイア】の背後にいた【ブラック・マジシャン】は水気に触れることはなかったものの、他のモンスター達はその水気によって力を奪われ、その場で膝をついたり地に伏せたりしてしまった。
【竜魔道騎士ガイア】
ATK:5200 → 0
【混沌の黒魔術師】
ATK:2800 → 0
【魔道騎竜カース・オブ・ドラゴン】
ATK:2000 → 0
「クソッ……相手フィールドのモンスターの数が変動したため、【竜魔道騎士ガイア】の攻撃は中断だ……」
おおっ、三沢の盤面を崩せるような速攻魔法はない感じか。つまり三沢は助かったと。まだ首の皮が1枚繋がった程度とはいえ、これならまだなんとかなりそうだな。
「カードを2枚伏せる‼︎ 俺はこれでターンエンドだ‼︎」
「エンドフェイズに【ウォーター・ドラゴン-クラスター】の効果は切れる。だが【
徐々に水気が収まっていき、力を奪われ地面に体をつけていた神楽坂のモンスター達は徐々に力を取り戻し、やがて本調子へと戻っていった。
【竜魔道騎士ガイア】
ATK:0 → 2600
【混沌の黒魔術師】
ATK:0 → 2800
【魔道騎竜カース・オブ・ドラゴン】
ATK:0 → 2000
三沢
LP:1200
手札:0枚
フィールド:
【ウォーター・ドラゴン-クラスター】ATK:2800
【真竜皇バハルストス
【ドラゴニック
vs
神楽坂(
LP:3800
手札:0枚
フィールド:
【混沌の黒魔術師】ATK:2800
【竜魔道騎士ガイア】ATK:2600
【ブラック・マジシャン】ATK:2500
【魔道騎竜カース・オブ・ドラゴン】ATK:2000
伏せカード×2
「俺のターン、ドロー‼︎ 【強欲な壺】を発動‼︎ カードを2枚ドロー‼︎ そして
「なっ……⁉︎」
出たー‼︎
するとフィールドの中央に、薄緑色の巨大な羽根帚が現れる。それが一振り動けば突風が発生し、神楽坂が伏せていたリバースカードを全て吹き飛ばしていった。
「クソッ‼︎ 【黒魔族復活の棺】と【攻撃の無力化】が……‼︎」
うおっ。着地狩り&モンスター入れ替えをするカードに、攻撃封じのカウンター
「見える妨害がなくなったのなら続けさせてもらうぞ。【ドラゴニック
バハルストス
それと同時に、その位置から人影がゆっくりと降下していく。
「バハルストス
【真竜導士マジェスティ
ATK:2300
DEF:1500
淡い色の髪を風に靡かせながら現れたのは、魔法使いらしき杖を持つ女性。緑や青を基調とした流れるようなローブやドレスを着込み、装飾が風の世界の竜を彷彿とさせていた。
その女性──マジェスティ
「そしてマジェスティ
現実とは非情なり。『えっ、これでもう出番終わり⁉︎』みたいな表情をしながら三沢の方を振り向いたマジェスティ
【真竜拳士ダイナマイト
ATK:2500
DEF:1200
そして代わりに現れたのは、銀色の鉤爪を着け、口を鉄のマスクで隠した1人の男性拳士。竜を模した翼をつけた深緑色の巨大かつ重厚感のあるパワードスーツが、彼に威圧感を与えていた。
……幻竜族なのに、ドラゴンらしさよりもハイブリッドなロボットの方を連想されてしまう見た目なのは気のせいだろうか。
「【ドラゴニック
【真竜拳士ダイナマイト
ATK:2500 → 2800
DEF:1200 → 1500
「そして装備魔法【幻惑の巻物】を【混沌の黒魔術師】に装備‼︎ 装備モンスターの属性を、宣言した属性に変更する事ができる‼︎ よって【混沌の黒魔術師】を炎属性に変更させる‼︎」
「属性変更だと⁉︎ まずい、【ウォーター・ドラゴン】の進化形態であるクラスターがいる中で、炎属性モンスターがこちらにいてしまうとなれば……‼︎」
【混沌の黒魔術師】の周囲に、解析不明な文字が描かれている巻物が周り始める。その巻物は青・黄色・緑・白・黒と点滅するように色を変えていき、やがて赤色となって停止する。
それに呼応するかのように、【ウォーター・ドラゴン-クラスター】の周囲に水気が漂い始める。それは【混沌の黒魔術師】に向けて広がり始めていく。
「それにチェーンして、【竜魔道騎士ガイア】の効果発動‼︎ 自分・相手メインフェイズにて、このカードの攻撃力を2600ポイントダウンさせ、対象に取った1枚のカードを破壊する‼︎ 【ウォーター・ドラゴン-クラスター】はここで破壊させてもらうぞ‼︎
ここで止めるべきだと感じたのか、【魔道騎士ガイア】を乗せていた【呪われし竜ーカース・オブ・ドラゴン】がその場で顎に炎を溜め込んでいき、【ウォーター・ドラゴン-クラスター】に向かって放射しようとしていた。
「【真竜拳士ダイナマイト
「
確かに今の盤面的に、三沢に【竜魔道騎士ガイア】を止める術はない。【真竜】永続
だけど……止める事が出来なくとも、回避をする事はできる。一度三沢の【ウォーター・ドラゴン】デッキを見たからこそ分かる。【ウォーター・ドラゴン-クラスター】は、自分が除去されるのに強いのだと。
「さらにそれにチェーンを組み、【ウォーター・ドラゴン-クラスター】を生贄に捧げて効果発動‼︎」
「何ッ⁉︎ サクリファイス・エスケープだと⁉︎」
そう、これである。相手ターンであろうとも任意のタイミングでリリースする事ができるので、効果の対象にされてヤバい効果を受けそうになろうとも、逃げて不発にした上でリリースした後の効果を適用できるのだ。
どの位置にいようがモンスター効果なら無効にできるカードとか、墓穴とかにはめっぽう弱いけど、強いね、フリーチェーンのサクリファイス・エスケープ。
「この効果により、手札・デッキから【ウォーター・ドラゴン】を2体、召喚条件を無視して守備表示で特殊召喚する‼︎」
「【ウォーター・ドラゴン】を2体もだと……⁉︎」
双頭に変化が起き始めた。生えている髭が消え始め、眼の鋭さも薄れていく。すると双頭の身体を繋げている中心が割れ始め、分裂をし始めた。
「重水は一度分解され、水から生まれる存在を2つ作る事により再構成される‼︎ 現れろ、2体の【ウォーター・ドラゴン】‼︎」
【ウォーター・ドラゴン】×2
ATK:2800
DEF:2600
やがて三沢のフィールドには、【ウォーター・ドラゴン-クラスター】の代わりに、2体の旋回されている水から生まれた巨大な竜【ウォーター・ドラゴン】が佇んだ。
「回避されたか……‼︎ だが、攻撃力ダウンと破壊は同時併用‼︎ 破壊する対象がなくなったため、【竜魔道騎士ガイア】の攻撃力はダウンしない‼︎」
「それくらい想定済みさ‼︎」
排除する標的がいなくなった事を確認したのか、【魔道騎士ガイア】が【呪われし竜ーカース・オブ・ドラゴン】に放射を止めるようにと指示を出す。
その指示に気付いた【呪われし竜ーカース・オブ・ドラゴン】は炎を溜め込むのをやめ、ゲップ代わりとして小さめの火を吐いた。
「ここから残りの効果のチェーン処理に入ろう。ダイナマイト
ダイナマイト
湧き出てきたそれは、1枚の巨大なソリッドビジョンのカード・永続
「【竜魔道騎士ガイア】の効果は不発。そして【幻惑の巻物】の効果で【混沌の黒魔術師】は炎属性になる」
やがて【混沌の黒魔術師】を囲んでいた巻物から、まさかの炎が放たれる。それを受けた【混沌の黒魔術師】は炎を鎧のように纏った姿となり、さらに赤い光の膜で覆われた。
【混沌の黒魔術師】
闇属性 → 炎属性
「そして【ウォーター・ドラゴン】かフィールドにいる事により、炎属性モンスターは攻撃力が0になる」
【ウォーター・ドラゴン】の身体からも水気が発生する。その水気は熱に反応してか【混沌の黒魔術師】を飲み込み、彼の気力・活力を奪い取り、脱力させ力尽きさせた。
【混沌の黒魔術師】
ATK:2800 → 0
「だ、だが【ウォーター・ドラゴン】は2体とも守備表示‼︎ 攻撃できるのはダイナマイト
確かに【ウォーター・ドラゴン】は2体とも守備表示で出ていた。【ウォーター・ドラゴン-クラスター】の効果によるものだから仕方ないとはいえ……ね?
でも、それに対する対策をしてない奴ではないはずだ。何せアカデミアの中でめっちゃ賢い三沢だからね。
「何を勘違いしているんだい?」
「えっ?」
「そこら辺の対策は既に仕込んでいるさ」
ほら、やっぱり。何か準備してるだろうとは思ってたよ。何処で準備してるのかって? たとえば……墓地とか。
「墓地の【ADチェンジャー】の効果発動‼︎」
「お前も墓地からモンスター効果を……⁉︎」
「このカードを除外する事により、フィールドのモンスター1体の表示形式を変更する事ができる‼︎ これで【ウォーター・ドラゴン】1体は攻撃表示となり、攻撃可能となる‼︎」
突如としてポンッとコミカルな小さめの爆発と同時に、赤と白を基調とした応援団のユニフォームを着た2頭身の男子が現れる。彼の手には『A/D』と書かれているメガホンや旗のような小道具を持っていた。
その男子がメガホンに向けて何やら声を発せば、それと同時に旗を上に振る。するとその動きに共鳴されたのか、【ウォーター・ドラゴン】の1体が首……というよりは身体を長くしながら轟いた。
「だ、だがそれでも‼︎ ダイナマイト
「それはどうかな?」
「何……?」
出たー‼︎ アニメ遊戯王名物の1つ『それはどうかな』ー‼︎ この世界に転生してからこれ聞くのまだ2回目なんだけど、気のせいかな?
「まずはバトルだ‼︎ 俺は【真竜拳士ダイナマイト
ダイナマイト
そして空高く飛翔し、降下しながら拳を突きつけるダイナマイト
「グァアアアッ‼︎ クソッ……‼︎」
神楽坂(
LP:3800 → 1000
これでこのまま【ウォーター・ドラゴン】で【魔道騎竜カース・オブ・ドラゴン】を攻撃しても800ポイントのダメージで、本当に神楽坂のライフが500と残り、このターンで三沢が勝つ事はできないだろう。
このまま攻撃すれば、の話だが。
「ここだ‼︎ 永続
「こ、攻守の半減だと⁉︎ しかもその言い方だと、その効果は永続に続くのか⁉︎」
「その通りだ‼︎ よってダイナマイト
攻撃を終え大地に着地したダイナマイト
そして電撃をまともに受けてしまった神楽坂のモンスター達は次々と苦しみ出し、全員その場に伏せたり膝をついたりとしてしまった。
【竜魔道騎士ガイア】
ATK:2600 → 1300
【ブラック・マジシャン】
ATK:2500 → 1250
【魔道騎竜カース・オブ・ドラゴン】
ATK:2000 → 1000
「そ、そんな……⁉︎
『あっ、ヤバいんだったこの状況』
あ、とうとう守護霊とやらに取り憑かれてない証拠となる呟きが出てきやがった。しかもエルドリッチ様も隣で小声だけど、神楽坂とグルである事が確定な言葉を漏らしてやがる。
ウチの精霊の皆さん、ボイスレコーダーみたいなもので録音しました? 証拠を見せつけるために必要なんですがねェ。
「何を考えて君のカードをそのデッキに混ぜたのかは知らないが、作った上に元から組まれたデッキに自分のカードを入れた……そんな中途半端なデッキを、ぶっつけ本番で使っても、そのデッキの本領を発揮しにくい事が分かっただろう? この状況に対抗できなかったのが、その証拠さ」
「ッ……‼︎」
いや俺、そのぶっつけ本番デッキに後攻ワンキルされたんですけど。それについてはどうお考えになられますか? 俺は本当は2人よりも弱いってことですか? ねェ。
「そろそろ、この攻撃で目を覚ましてもらうよ。【ウォーター・ドラゴン】で【竜魔道騎士ガイア】を攻撃‼︎ 迷いに馳せてしまった神楽坂を正気に戻せ‼︎ アクア・バニッシャー‼︎」
【ウォーター・ドラゴン】の口から溢れ出そうな程の水流が、回転しながら溜め込まれていく。そしてそれはやがて奔流として放たれ、【竜魔道騎士ガイア】を押し込む。
炎による相殺どころか槍を使っての押し返しすらできず、【竜魔道騎士ガイア】は巨大な水飛沫を浴びながら消えてしまった。
「クソッ……」
神楽坂
LP:1000 → 0(2800 - 1300 = 1500)
♢
デュエルが終了したのと同時に、神楽坂はその場で両手両膝をつき、落胆した様子を見せた。一部構築を変えたとはいえ、あの
そんな彼の元に三沢が近寄り、神楽坂と目の位置が合うようにしゃがみ込み、問いかける。
「さぁ、教えてくれ神楽坂。何故エルドリッチさんと手を組んでまでして、こんな事をしたんだ?」
「………………」
少しの間、神楽坂は沈黙した。
一方のエルドリッチ様はというと、このまま誤魔化し通せそうにないと思ったのか、目を逸らしていた様子だ。やはりグルだったのかこの人も。カードを見せて『白状しないとここに戻すぞ』って脅迫すべきか? そろそろ真相を明らかにしないといけないし。
『そ、その事については余が理由を「そのエルドリッチさんに言われたんだ、
脅迫する前にとうとう白状しようとしたエルドリッチ様だったが、それより先に神楽坂が折れた。やっぱり事の発端はエルドリッチ様によるものだったのか。
「『人のデッキをアレンジして作りたいのなら、まずはその人のを実際に使って体験してみるべし』。彼にそういうアドバイスをされて、いつの間にか流されて……」
「な、流されて……?」
「ま、まぁな……実際に使えば何か参考になるんじゃないかって思って、つい……ただ、そのまま使うのは気が引けたから、相談しながら構築を変えてからっていう感じでだけどな。【竜騎士ガイア】系統のカードがそれなんだ。新しく手に入れた2枚のカードも、初めてエルドリッチさんと会った時に引き当てたもので……」
なるほど。罪悪感や遠慮がちな部分が出た事によって、色々話を進められて、【竜騎士ガイア】系統のカードを入れて使用する事になったってわけか。
ってかあの後パックから見事引き当てれたのか。俺達に内緒にしやがってこの野郎。
「けど……やっぱりダメだった。三沢の言う通り中途半端な事をした上に負けて、結局『使い手が良くないと強い者のデッキを使っても意味ない』ってのが改めて分かるような結果を作って、ただ主催者との共犯でデッキを勝手に持っていった事でみんなに迷惑をかけただけ……ホント、何しているんだろうな、俺は」
その乾いた笑い声と苦しそうな笑顔はやめてくれ、マジで。なんかこっちも申し訳なくなるんですが……
「そ、それ以上気に病むなよ。こんな結果を作った元凶はエルドリッチ様なんだからさ」
『事実だがさすがに辛辣ではないのかね⁉︎』
うるせェ元凶。そちらが準備した物の上、何を思ってこんな事をしたのかは知らないけど、人の物……それも世界で有名な人の物に勝手な事をしておいて、他の人達を騒がせる程に迷惑かけて……そんな奴に優しくなんかできるわけないやろが。
「……1つ、訂正させてほしい。中途半端だとか言ってしまったが、本当は色々と考えてデッキを改造したんだろう?」
「あ、あぁ……」
「なら、さらに訂正させてくれ。正直に言うと、率直で作ったデッキにしてはかなり強かった。
確かに、混ぜ物にしては全く弱くなかった。寧ろ強かったな。融合モンスターが除去された時の対策もしていたし、あの強化された【竜魔道騎士ガイア】を手軽に出していたし、俺と闘った時は後攻ワンキルしてたし……
自分が使うデッキの内容を把握し、その中の戦術が1つでも弱くならないように調整し、それぞれによる展開が行えるようにする……この短期間でそういった事をしてあぁなるようにできるなんてマジですごいよな。
正直、
ここまでのデュエルで
「そして、
「えっ……?」
「見てくれ、あっちの方を」
三沢が森の方向を見るようにと神楽坂を促していたので、俺もそっちの方に振り向いてみた。その方向には……
「よっ神楽坂‼︎ 見ていたぜお前達のデュエル‼︎」
「じゅ、十代⁉︎ それに、みんなも……⁉︎」
「すごかったよ神楽坂君‼︎ あの
「改造したとか言っていたけど、それでも結構強すぎたんだな‼︎」
「お前、ここまで人のデッキを使い熟せたんだな……」
「まるで
「中々良いデュエルでしたわ」
なんと、十代・翔・隼人のレッド3人組だけではなく、半次・雪乃・舞香のゲームオリキャラまでもが、草むらから三沢と神楽坂のデュエルを見ていた事が判明した。
しかも6人とも神楽坂のデュエルを評価しており、意見は様々だが、どれもデッキだけではなく神楽坂本人を評価していた。
……っていうか。
「いやちょっと待て。なんでお前ら隠れてたんだ? デュエル中にいつ出てきてもおかしくなかっただろ」
「「「「「「あっ」」」」」」
おかしいと思ったわ。十代や舞香(グレー判定)はともかく、他の4人はなんで三沢と神楽坂がデュエルを、それも神楽坂が
「い、いやその……ボク達全員、本当は2人を見つけてからすぐにそっちに行こうとしたんだけど……」
「私達教師が伝えていったんですよ、『遠くから2人のデュエルを観戦しに来い』って、エルドリッチ社長に言われて」
翔の言い訳を遮ってそう説明してきたのは、晴田先生こと【聖殿の水遣い】だった。その後ろには亜鈴先生ことアレイスターと間藤先生ことマッドラヴもいた。
えっ何? 3人とも精霊繋がりでグルだったの? まぁ原作開始前ら辺で勝手に現界して教師になってたんだし、その可能性もあり得たんだけどね。っていうか。
「教師にまで外堀りを埋めてもらうとか、どんだけタチが悪いんですかエルドリッチ様。大手企業だからってやっていい事と悪い事がありますよ」
『………………』
オイ海の方向を見て知らんぷりするな。こっち見ろや。
「正直に言えば、回りくどかったね社長は。デッキを盗まれた感を出しておいて、誰かがそれを確認したのに合わせてボクらに『観戦しに来い』なんて言ってくるものだから」
「しかも賄賂で釣ってきたしさー。おかげで
本人の目の前でそんな事言うな。アンタら後でエルドリッチ様にどんな事されても知らないからな。
ぶっちゃけ少なくとも、この事をメールとかで知らされなかった俺と三沢は被害者なんだよ。特に神楽坂との対戦相手という名の実験にされた感のある三沢は。俺もそうなんだけど。
「……って、ん?
それって、言葉通り人をたくさん集めている……って事? エルドリッチ様、一体何を思って教師達にあんな指示を? というか一体誰を集めたと?
「おーい神楽坂くーん‼︎」
「観てたぞー、お前のデュエルをー‼︎」
「えっ……⁉︎ 今の声って……⁉︎」
ふと聞こえてきた、複数の男女の声。その声がする方向に俺達が向いてみれば、岩場に隣接した崖。その上に木々の隅々から、なんとアカデミア生徒達が次々と顔を出してきた。
「めっちゃ良かったぞ神楽坂‼︎」
「あの
「結構カッコよかったよ神楽坂君‼︎」
「アレンジもしてたと言ってたけどすごい強く見えた‼︎」
「三沢も‼︎ いい逆転だったぜ‼︎」
「もーサイコーだよ2人とも‼︎」
「今度は俺とデュエルしてくれー‼︎」
「あ、ズルい‼︎ 僕も闘いたいよ‼︎」
「アタシだってー‼︎」
レッド・イエロー・ブルー……階級に関係なく多数が、笑顔で2人を賞賛していた。矢継ぎ早に絶え間なく降りかかってくる、好意的な声。
さすがに50人近くいるように見えているからなのか、俺はその良好的な圧に押され気味になってしまった。どんだけいるんだよってか、いつの間にそんなに集められたんだよこの短時間で。
「……真似事でもしないと勝てないのかとか、真似事しても勝てないのかとか言われてきた俺を、みんなが褒めている……?」
「もうみんな、君の事を蔑む事はないだろうな。エルドリッチさんや
大量の賞賛の声、そして三沢のその言葉で、神楽坂は再び顔を伏せた。よく見れば今度は肩が震えており、歓喜などの感情から涙を流しているように見えた。
やはり裏では辛い思いをしてきたんだな、神楽坂。デッキが他人と似てしまっただけであーだこーだ言われてきて、今日初めてかなりの好意的な評価を受けて……溜まった様々な感情が涙となったわけか。
……これは、俺が無理に彼と会話する必要は無さそうだな。そうクスリと笑っていたら、エルドリッチ様が隣で呟いた。
『……ここに来る前に、余は様々な知り合い達からの協力の元、一通りアカデミアの生徒達の情報を見させてもらったのだ。そしてそこで、神楽坂という少年の情報を見た。そして思ったのだ、何故他人のデッキを上手く使い熟せる程の凄腕を持つ彼奴を、誰も注目しないのか。何故気づいてもくれなかったのか、とな。それが許せなかったのだ』
……なるほど。神楽坂の情報を知った上で、アカデミア全体に神楽坂の良さを共感してもらいたくて、今回の騒動に至ったってわけか……
じゃあデッキ盗難なんてのを表向きにする意味ないのでは? かえってあらぬ誤解から神楽坂共々処罰される可能性高くね?
「……それが、今回の悪巧み……いや、神楽坂への注目度を上げてあげる作戦に出たきっかけですか」
『うむ、そうである。しかしまぁ……回りくどかった上に晴田教論からのメールでは《遊戯ファンの雪乃が怒っててクロノス教論が犯人にされかけた》とあったのでな、さすがに反省しておる』
あ、さすがに自重すべきだったとは思っていたんですね。まぁ大企業を造った社長である以上、経営を続けるためにはヘマとかを起こしてはいけないからな。そこら辺の配慮の仕方とかも覚えないといけないよね。
「(ん? じゃあ
『(その通りだ。彼奴らは突然なんだ、みたいな感じだったもので交渉するのが大変であったがな)』
そりゃそうだ。いきなり『他人にお前らが入ってるデッキ使わすから協力しろ』なんて言われて、はいそうですかと易々と承諾してくれるわけがないもんな。当たり前である。
そんな事を考えながら、俺はふと崖の下の隅に視線を送った。そこにはカイザーと明日香の姿が見えた。もしかするととは思ってはいたけどな。
「カイザー、貴方まで見ていたんですか。それに天上院まで」
「えぇ、神楽坂君の次のターンが始まった時からね」
「俺達も
いやカイザー? 何俺から視線を離して……あっ、三沢と神楽坂の方を見ていたのか。
「そこで、止めるにしてはあまりにも惜しいデュエルをしていたものだからな。三沢という男には悪いが、神楽坂の勇姿も見るべく観戦させてもらった」
そしてその発言と視線に2人が気づいた。2人とも、カイザーも自分達のデュエルを観てくれていたのかって顔してるわ。驚いてる驚いてる。
そんな神楽坂に、カイザーが微笑みながら声を掛けた。うわおイケメンスマイル。
「いいデュエルだった。聞いた話によれば、君は君なりの
「カ、カイザー……」
よかったやん神楽坂、あのアカデミア最強と呼ばれているカイザーからのお墨付きを貰ったじゃねェか。こんな事滅多にねェぞ。おめでとう。
……アレ? ちょっと待てよ? そういえば……
「神楽坂が使った
「あっ」『あっ』
オイ、待てい。神楽坂はともかくエルドリッチ様はその事を視野に入れてなかったのかよ。大企業なのにその事態を考察しないとかどうかしてるって。どうすんだよ神楽坂タダじゃおかなくなるじゃないか。
「無罪にはならないだろうな。他人のデッキを本人の許可なく使用したのだから。だが、おかげで俺達は最高のデュエルを観る事ができた。神楽坂の処罰が少しでも軽くなるよう、署名活動するなりなんなりして、俺達もできるだけの事を尽くそう」
その心配はいらんとばかりに、カイザーが神楽坂に手を差し伸べるような事を言ってきた。やはり才能のある者が退学になるような事は起きてほしくないと思っているのかな。彼もまたデュエリストであるし。
「あぁ‼︎ 署名ぐらい喜んでやってやるさ‼︎」
「あの武藤遊戯のデッキが見れたんだ‼︎ 俺達もなんだって協力してやるさ‼︎」
カイザーに続くように、生徒達が次々と神楽坂に力を貸すと名乗り出ていく。その中にはブルー生徒も結構いた。階級とか関係なく手を差し伸べる光景……これは中々良きかな。
「みんな……‼︎ ありがとう……‼︎」
そう感謝の言葉を呟く神楽坂の瞳は、涙腺がさらに崩れたのかくしゃくしゃな感じになっていた。
よかったな神楽坂、お前の事を認めてくれる人達がいっぱいいてくれて……
『ところで余の署名活動はしてくれるのかね?』
「元凶は同じ大人の人達の力だけを借りてなんとかしてください。生徒仲間を危険に晒して助けを求めるのは虫が良すぎます」
『ひぃん』
後日。多数の署名やクロノス先生の減罪の要求、そして俺の意見もあってなのか、遊戯さんも海馬社長も神楽坂の事を許してくれた。しかし発端がどうであれ盗みはダメとの事で、神楽坂は3日間の謹慎を受ける事にはなったが。謹慎が1週間じゃなくて3日間って、なんか中途半端な気が……
エルドリッチ様? 知らん。色んな人達から怒られているのは確かだけど、この事を公にする事はないでしょ。海馬社長からの圧もあることだし……ね?
この話の結論を言うに、神楽坂は……
何故かエルドリッチに武藤 遊戯のデッキを使ってみるように促されたけど、これを期に自分を見つめ直してみた‼︎
って感じに行動してました。ぶっつけ編集だから自分でも何言ってんだって感じですが……(汗)