OCG・マスターデュエルデッキ使いの行くGX世界〜ヲーと記憶喪失メンヘラを添えて〜 作:名無しのモンスター
やっとバーの色が黄色に戻った……ここからさらに評価が良くなるよう、迷走しながらも頑張らねば。
ヤッホー‼︎ ボクだよ、【
もうね、アレイスターと聖殿(【聖殿の水遣い】の事を指す)と一緒にマスターに内緒で小細工して教師になったわけだけど、アカデミアって結構楽しいところだよねー‼︎
授業の大半がデュエルモンスターズに関する事で正にデュエリスト向けって感じだったし、デュエルの実技で色んな奴のデュエルを観る事ができるし、もう良いとこ尽くめ‼︎ やはりアカデミアは楽しいところだった‼︎
ここまでで一番印象に残ったのは、やはりクロノス先生の間抜けヅラかな。免罪作戦が失敗した上に、そうしようとした証拠をボクに見せられたから、中々のショック顔を見せてくれたねー。そのおかげか、パック買い占めによる作戦の後処理もあっさりと引き受けてくれたわけだし。
おっと……話が逸れた。今読者のみんなが気にしているのは、突然モノローグを語り出したボクが今何をしているのかってところだよね。
ボクは今、この世界の主人公・十代に忘れ物を届けにレッド寮にいるよー。消しゴムを落としてただなんてうっかりさんだなーアイツは。ま、デュエル以外で絶対何処かでヘマを起こすとは思ってたけど。
あ。せっかく十代のところに行くわけだし、【エアーマン】や【ブレイズマン】みたいに【HERO】関連カードを鞄とかデッキケースとかにこっそりと入れておこうかな? 出来れば属性融合のアブソかトルネードを渡せれると思うしー。
十代の部屋は……あった、ここだ。ここは敢えてノックせずにお邪魔するとしようかねー。突然女性教師が自分達の部屋に来たとなると、どんな反応するのか楽しみだしー。特に翔が(笑)
というわけで……
「ドッキリ入室の時間だ‼︎ オラ……あっ」
「………………ぇっ。あっ───」
ドアを開けて僅か5秒、ボクはすぐさまドアを閉めた。
何故かって? ……いたんだよ、女子が。それもロリっ子体型の。しかも長髪で隠れてたからよく見えなかったけど、背中の白い肌が見えたから上半身が裸に近い状態だった。じゃあ閉めるしかないじゃん。
っていうか、あんな子アカデミアにいたっけ? そもそもなんでレッド寮で着替えてる感じなの? うーむ、分からん☆
いやそんな事よりも。着替え中にノックせずに突然入って来ちゃったものだから、謝らないといけないじゃん。大の大人が謝罪無しってのは失礼ってもんだよな。
というわけで、ボクはその場で扉をノックした。おーい、何故かレッド寮にいる少女に返答を要求した。要求って言葉は失礼か。
「……はい」
一拍置いて聞こえてきた、弱々しい声。やはり女の子……ロリっ子の声か。可愛ェ。アカデミアで子供体型なロリっ子なんて見かけなかったから、新鮮で新発見した感覚が……‼︎
でもなーんかどっかで聞いた事あるような声なんだよなー。それもこの世界に来る前にマスターの前世の情報を見ていた時に。なんだったっけ?
まぁいいや、とりあえず事情聴取っと。
「いやーさっきはごめんね? その部屋には男子が3人もいるもんでさ、そいつらにドッキリ仕掛けようとして、ついノックせず……ね? ホントごめん。見かけない顔だけど、もしかして編入生かな?」
編入生。なるべく簡単に言えば、既に入学試験が終わった時期に試験を受けて途中からその学校に入って来た生徒の事。アカデミアでは編入生はレッドからスタートするから、この子もそうなんだと思う。
アレ? 女子って編入生でもブルーにはなれずレッドからのスタートになるのかな? うーん、分からん☆
あ、扉が開いた。顔を出してきた。ぱっちりお目目が可愛い。帽子を被っているせいで半分見えないけど。
とりあえず部屋の中に指差して、入ってもオーケーか聞いてみた。そしたらその子は頷いてくれて、オーケーサインを貰ったからお邪魔しまーす。
おっ、
「じゃけんまずは自己紹介といきましょうね〜。ボクは間藤 羅宇、デッキ構築の授業の担任をしているよ。んで、君は何者だい?」
「さ、早乙女 レイ……です」
レイ……? ARC-Vの赤馬 レイではなくて、早乙女 レイ? うーん、どっかで聞いた事あるような……
あ、思い出した。確か恋する乙女のデュエリストだとかなんとか……で、ここに来た理由がカイザーに惚れたからとかなんとか……だったっけ? マスターの曖昧な原作知識から得た情報ではそんなんだった気がする。
ってか、なんでこの事は自己紹介してからずっと黙っているのさ? なんか表情も暗いし。ボクに対して何の悪い事もしてないんじゃ……
ははーん、そういう事か。
「あー、正体を見られたからバラされると思った? 大丈夫大丈夫、ボクはそこまで冷たい奴じゃないからね。ちょっと校則を守れなかったり、アカデミアの抜け目を掻い潜ったりしたぐらいで、ここに来たばかりの生徒に対して即刻『はいさよなら』なんて言う程には」
「えっ……ほ、本当ですか?」
おっ? 表情の暗さが弱まってるぞ? 少しでも助かる可能性を見出せたからかな?
「モチのロン‼︎ ボクは教師なんだ。少なくとも、生徒1人1人に何か事情があるだろうって事ぐらいは想定しているつもりさ。だから……君がそういう格好をしているのも、どうにかしてここに編入して来たのも、何か
「………………」
ここまで言っておいて『話してくれるなら自分のタイミングで話していいから』とだけ付け加え、後は出方を待つだけ。早急に説明する事を強要するのではなく、本人が話せる心境になってから話してもらった方があやふやになる事もなく聞いているこっちも理解しやすくなるからね。
そうして少しだけ時間が経ち、1つ深呼吸をしたレイちゃんはここに来た理由を、冷静に話してくれた。
男装したのは数多くいる男子生徒の中に入れば潜りやすいと思ったから、理由がカイザーに会いたいからというマスターの原作知識と同じ理由だった。なんか雑誌などのメディアでアカデミアの特集の中にカイザーがいて、彼のデュエル魂とかを知って惚れたからだそうな。
その恋から試験に合格して編入されるとか、乙女の恋心ってすごっ。ここまで人を動かせるものなんだな……
「えっと、その……こんな事、先生に対して言うのもなんですが……間藤先生には、ボクがこんな子なんだっていうのは内緒にしてほしいんです」
「えっ? ボクはそのつもりだって言ったんだけど?」
「あっいや、一時的な意味ではなくて、ですね……とにかく、この事を知られてしまったら、きっとボクはアカデミアを追い出されるので、せめて亮様に会って話すまでは……」
なるほど、つまり念押しに頼んでいるって感じだね。それも、目標達成できそうなところまでいきたいっていう強い意志を持ってして。
こういう時、寛大な教師ならどう答えると思う? そんなの決まってるさ。
「つまりずっと黙っておけって事だね。オーケー牧場」
「へっ……? い、いいんですか?」
「教師であるボクの度肝を抜かしてくれた記念の対応さ。それとも何かな? いつかバラされる恐れがあるから、いっそのこと楽にしてくれって感じかい?」
そう悪戯気味に言ってみたら、レイちゃんは高速で首を横に何度も振った。分かってる分かってる。ここまで頑張って来たというのに、それがすぐに水の泡になってしまうのは、さすがに嫌だもんね。わかるよ○イジ君。
「冗談だって冗談。ちゃんと黙ってあげるからさ。その代わり、条件があってね……」
「じょ、条件?」
「そ。4つあって、その内の3つは簡単そうなヤツ。そして残りの1つが、君の心境云々に関係するヤツ」
そしてその残りのヤツの内1つが、君の今後を左右するといっても過言じゃない条件さ。原作知識のある読者はなんとなく察せれるでしょ。
♢
そして数分後。間藤ことマッドラヴがレイと何かしら話し合った後、レッド寮を去った後の事である。
「にゃ~。みなさんに紹介したい人がいますのにゃ」
十代達レッド寮の生徒達が集まって夕食を摂る中、大徳寺が皆の前に立ちそう口にする。それも皆にはっきりと聞こえるように。その声に何か何かと皆が注目する中、「どうぞにゃ〜」という大徳寺の声に合わせて1人の人物が入って来た。
「編入テストを受けてこの度オシリス・レッドに入ってきた、早乙女レイ君だにゃ‼︎ みんな仲良くしてにゃ〜」
そう、先程マッドラヴと話していたレイ本人である。マッドラヴの言葉通り、誰かに公言される事なくそのまま編入される事になったようだ。
「キレイな女の子みたいなんだな」
「デュエル仲間が増える事は大歓迎だぜ‼︎ レッドになって落ち込んでいるだろうけど気にすんな‼︎ 俺達と一緒に頑張っていこうぜ‼︎」
そう言ってフォローしながら十代はレイの肩をポンポンと叩く。そんな距離を詰めて来た彼に、レイは思わず苦笑している。
さすがに十代がやりすぎたのか、ここで大徳寺が「はいはいストップ」と言いながら止めに入る。
「何を勘違いしているんですかにゃ? 早乙女君は成績が悪くてオシリス・レッドに降格したって訳じゃないのにゃ。途中編入生はまずこの寮に入るんだにゃ。編入試験での早乙女君の成績なら、近いうちにラー・イエローに移ると思うのにゃ‼︎」
「えっ」
そう、これは十代の単なる早とちり。レイは成績が悪いどころか、寧ろ最初からイエローにいてもおかしくない。ただアカデミアの方針でレッドからのスタートになっただけとのことだ。
バツが悪そうに、十代はチラリとレイの顔を見やる。彼女(彼)も十代に悪気がないことを理解したのか、苦笑したままながらも軽く頷いた。
「そ、そっかぁ……ハハハッ……と、とにかく!! 短い間だけかもとはいえ、オシリス・レッドの仲間が増えることは大歓迎だぜ!! なぁ翔!! 隼人!!」
先程の失言を誤魔化そうと、十代が苦笑しながらそう大袈裟に語り、翔と隼人に振った。2人はそんな十代に少々呆れながらも、「うん」「だな」とそれぞれ呟きながら頷いた。
他のレッド寮の生徒達も、何れ移動することになるとはいえクラスメイトが増えて嬉しいと思っているらしく、釣られるように頷いている。
それを見た大徳寺はホッと胸を撫で下ろし、呟く。
「良かったにゃ~、早くも仲良くなってくれそうで助かったのにゃ!!
「えっ? それどういう意味なんだ?」
部屋の事で何か問題でもあるのかと問いかける十代。編入生が来るとなれば、その者の部屋を用意するための準備などが必要となってくるのだが。
「実は早乙女君、事情があって部屋は間桐先生のところになったらしいのにゃ。まぁ、今この寮には空きがなかったから困っていたところではあるし、レッド生の部屋の行き来は問題にゃくできるみたいんだけどにゃ~……」
「ふーん」
大徳寺の説明に頓着性のない反応を見せる十代。部屋が離れているから接する事ができないとのを理解しているからか、さほど驚きさを感じていないのだろう。
そんな中、レイは苦笑しながら1人でに心の中で呟く。
「(まぁ、それが間藤先生がボクの事を絶対内緒にしてくれる条件の内の1つなんだけどね……ある意味助けてくれているんだってのは、今気づいたんだけど)」
そう、これこそがレイかマッドラヴに課せられた条件の1つ『マッドラヴの部屋で同居する事』である。
複数の男子と同居するよりは肩が狭くなることはないだろうが、教師と一緒というのもそれはそれで肩が狭くなるようなものだ。その教師が女性である事が救いだろうか。
「まぁなんだ。もしも困った事があって部屋に間藤先生がいなかったら、いつでも俺達の事を頼ってくれよな‼︎ よろしく‼︎」
「よ、よろしくね」
何はともあれって事で手を差し伸べてきた十代。それに対してレイは少々押され気味ながらもその手を取るのだった。
ちなみに2つ目の条件は、『俺っ子な口調を無理にせずにいつものボクっ子みたいな喋りを男子寄りにしてみんなと話すべし』であるのだが、そこまで苦ではないのだ。
♢
レッド寮での自己紹介を終え、しばらく十代達との親睦をしたらしいレイちゃんは、ボクの迎えによって彼女の部屋がある教師の寮へと赴いた。
あ、ちなみに部屋はどうなっているのかというと……
たくさんのフラスコや様々な機械があったりと、科学者らしいものが結構揃ってある実験スペースと、テレビ観たり料理したりデッキの調整が出来るようにしたりとできるのんびりスペースの2つである‼︎
えっ? 料理もするのかって? 料理も実験みたいなもんじゃん、そりゃやるよ?
「えっと……大半が実験室みたいになっているんですけど……?」
「失礼な、残りの大半はちゃんと普通の生活が送れるようにしてあるんだから‼︎ ホラ、ソファやテレビのスペースも良い感じだし、トイレも風呂場もそれぞれ別々になってて綺麗にしてるし‼︎」
「いや、それでも実験室みたいなところが目立ってて……というかそもそも、ここって借り物の部屋じゃ……?」
そういう細かいこたァいいんだよ‼︎ 中には夢中になりすぎて、その借り物の部屋の壁にまで計算式を書いてしまっている生徒だっているんだから‼︎
「あぁ……と、ところで、間藤先生はこの後何をする予定なんですか「タメ口」……へっ?」
「今は授業なんてやってないし、そもそもここは学園内ではない。ここはただの寮にある部屋の一室。そしてボクと君はルームメイト。だから今この時ぐらいは上下関係なんて気にせず接してよ」
「で、でも、ボク達は生徒と教師の関係じゃ───」
「教師のボクがいいって言ってんだから、2人きりの時くらいいいじゃないか」
これが、ボクがレイちゃんを匿う3つ目の条件。デュエリストはみんなフレンドリーに接していきたいんだよね〜。
そもそもこの時代、教師に対してタメ口する生徒なんていてもおかしくないって。それでも関係が悪いって奴がいるわけでもないんだしさ。
大体ボク、堅苦しすぎるのが苦手なんだよね。もう少し柔和性を持ってして接してほしいものだよ。堅苦しすぎてそいつの荷が重くなったら心配で仕方なくなるし。
「えっと……わ、わかりました……あ、じゃなかった。わかった……」
「うむ、それでよろしい‼︎ んで、ボクに何を質問しようとしていたのかな?」
「あ、あの……先生は業務からここに帰って来たら、いつも何をしているんですか……しているの?」
よし、少しはいい感じになったみたいだね。今日はこれくらいで許してやるとするか。
「そうだなぁ……仕事は学園内でチャチャっと終わらせちゃうから、後はふと思いついた事を実験するか、テレビ観ながらデッキ作りしたり料理したりするか、だなー。昨日はどのようにすればセミの寿命が8月31日まで延びるかって実験をしてた」
「セミの……えっ、なんて?」
どれも面白くて倫理観は守っている実験だというのに、これがみんなには良い評価がないんだよなぁ。何がいけなかったんだろうなー。
あ、そうだ(唐突)
「そういえば気になってはいたんだけど、レイちゃんってどんなデッキを使っている感じかな?」
「えっ。そ、その、ボクのデッキは……」
「……言いたくないのかい?」
「別にそういうわけじゃないんだけど、ボクのデッキはその……他の人達のとは変わっていて……」
ふむふむ、なるへそ物語。やはりレイのデッキは、この時系列的に原作通りあのカード中心のデッキ……って事か。けどステータス的に問題があるから、自慢したくてもできない感じかな。
よし、ここはガツンと言おうかなっと。
「それの何が恥ずかしいっていうのさ?」
「えっ?」
「デュエリストにはそれぞれ思い入れのあるカードが多いわけだろう? それを強さ云々関係なく大切に使ってあげるこそが、真のデュエリストだと思うんだよねボクは」
「大切に、使ってあげるこそが……」
「そしてボクはデッキ構築の授業の担当として、生徒のデッキを把握して、そのカードが活躍できるようアドバイスをしてあげたい。だから君のデッキとその中にいるフェイバリットカード、是非ボクとのデュエルで見せてくれないかい?」
実際マスターだって、ガチデッキとは別として色んなファンデッキを考察し、余裕があれば作ってデュエルする程だからね。自分の好きなカードを入れてデュエルする事の何が悪いんだってんだ。
「……うん、わかった‼︎ 先生にも見せてあげるね、ボクのデッキとフェイバリットカードを‼︎」
「よし、思い立ったが吉日‼︎ 早速外でデュエルしようか‼︎」
「うん‼︎ ……えっ? 外で?」
「心配しない心配しない‼︎ レッド寮の時みたいに帽子被れば、もし誰かに見られても君の性別がバレる事はないよ」
「いやそうじゃなくて……後もうちょっとで夜になりそうだけど……」
え、何? 時間とかちゃんと守る派なのかい? いい子だけど若いのに堅いね〜君。それが教師視線による理想の生徒なんだろうけどさ。
「適当に誤魔化しとくからいいんだよ。そういう細かい事は気にしない気にしない‼︎ さ、早く準備準備‼︎」
「えぇ、教師がそんなんでいいんですか……」
「今のボクは教師モードじゃないからいーんだよ‼︎」
ってか敬語に戻っとるやろがーい‼︎ タメ口はどうしたタメ口は‼︎ ホラ、早くデュエル出来そうなところ行こうぜー‼︎
♢
というわけで、ちょっとした草原らしいところでデュエルする事になったボクら。ここの方が帰りに迷子になったり熊に遭遇したりする可能性が減るし、崖よりも危険度がないからねー。
さ‼︎ 結構良いところを見つける事ができたので、早速デュエルディスクを展開させてデュエルの準備だァッ‼︎
「それじゃ、君のデッキの強さやバランスを軽ーくチェックさせてもらうよ‼︎」
「は、はい‼︎ ……じゃなくてうん‼︎ よろしくお願いします‼︎」
「おーい、最後の最後で敬語になってんぞー」
「あ。よ、よろしく‼︎」
緊張が抜けてない感じではあるけど、とりあえずデュエルディスクを展開してくれたレイちゃん。さて、この世界での彼女のデッキはどんなんだろうなー。
「「
間藤
LP:4000
レイ
LP:4000
オシリスパックが出るから、レイのデッキのモンスターの1体は……ね?