OCG・マスターデュエルデッキ使いの行くGX世界〜ヲーと記憶喪失メンヘラを添えて〜 作:名無しのモンスター
恋する乙女(なのに何故か十代に恋してない感じだった)・早乙女 レイが帰ってってから数日後。授業の終わりにて、大徳寺先生が俺と十代にとある話題を持ち込んできた。
「代表決定戦、ですか?」
「へっ⁉︎ 俺も⁉︎」
「そうなのにゃ‼︎ 十代君と翼君がデュエルをし、勝った方がノース校とのデュエルに出場できるのにゃ‼︎」
あぁ、もうそんな時期か。レイと出会う原作イベントと来たら次はそう来るだろうと思ってたから、大体予想してたんだよなぁ。まぁ、対戦相手が原作通りの三沢じゃなくて俺だけど……
ここで大徳寺先生が話した内容を要約しておこう。
デュエル・アカデミアには、北部に姉妹校であるノース校がある。そことは毎年恒例の学園行事である対抗試合が行われる程に仲が良いとの噂だ。
対抗試合は、各学園の中から1名の代表者を選びその2人でデュエルするという、シンプル至ってシンプルなものである。去年は当時2年生だったカイザーが本校代表として出場し、勝利を収めた。そのためもう一度カイザーを出そうとしていたのだが……
急遽、ノース校から連絡が入ったそうだ。それも、ノース校の代表は1年生でいくとの事だ。
対抗試合は本校とノース校……各校の名誉を賭けた試合であるが、同時に各校の交流を深めるための行事でもある。そう考えれば、本校の代表となる学年も同じにしなければ無作法となるだろう。
誰を代表にすべきかと悩む中、カイザーが提案した。十代と俺、2人の内どちらかを代表にすればいいのではないか、と。
そこからさらに教師達は悩んだそうだが(精霊3人組は悩んでいるフリしてるだろうけど)、クロノス先生がデュエル・アカデミアらしくデュエルで決めるべきだと提案し、勝った方を代表にすると決めたそうだ。
まぁ……決まったもんは仕方ないし、昨日に報告したのもノース校が一昨日に突如変更したものらしいし、もう鞍替えとか出来そうにないからとやかく言わない方がいいだろうが……
「というか、なんで俺まで代表候補生に? そこはブルー生徒にするか、俺より成績優秀な三沢が適切かと思うんですが」
「三沢君が翼君よりも成績優秀なのは、筆記の成績も含めてからこそにゃ〜。一方で、翼君は神楽坂君とのあのデュエルを例外とすれば全勝しているにゃ。十代君と同じくらい実技の成績が良い翼君なら、代表候補に選ばれてもおかしくないのにゃ〜」
全勝って、十代もそんな感じだったと思うが……というか俺、その十代に入学初日に負けたんですが。大体。
「三沢とのデュエルやプロデュエリストとのデュエルでもそうでしたが、大抵のデュエルではどれも負けそうなラインからでの勝利でしたよ? 危なっかしい勝利をした奴なんかを代表候補なんかに───」
「普通、状況不利からの大逆転はそうそうできない事ですにゃ。それに、そうなる事も想定しながらのプレイングも見せている……そうじゃないですかにゃ? なら毎回負けそうなところからあっさり逆転なんてできないのにゃ」
ウグッ⁉︎ あ、そ、それは……目立ちたくないから、『わざとピンチを演出してからの逆転勝利での辛勝』を演じていただけ……なんて言えない。周りから恨み口を叩かれるから。『俺達とのデュエルでは手加減してんのか』って言われるのヤダ……
でも、そうか……あの演技が返って教師からの注目を浴びる羽目になったのか……迂闊だったぜ、チクショー。
「すごいよアニキ‼︎ 学園の代表だなんて‼︎」
「今までオシリス・レッドから代表に選ばれる事なんてなかったんだな‼︎」
おうおう、翔と隼人が十代のところに駆け寄ってきてまぁ。こんな機会なんて滅多にないから分からなくもないけど。それが階級が1番低いオシリス・レッドなら尚更だ。
『おめでとうございますご主人様‼︎ 学園を代表しての行事に出られる可能性をお出しになられるとは、さすがはご主人様です‼︎』
『ヲーとしてもこれは大快挙ではないか‼︎ これは絶対勝たねばならぬな‼︎』
『帰ったら他の精霊達からもフライングで祝福されるだろうけど、とにかく今は候補に挙げられただけでも……ね。おめでとう』
『モシャシャー♪』
いや、まだ代表になったわけじゃないのに祝うの早くない? ってか祝うなら対抗試合に勝ってからにさせて……
ってか、俺シリアス回以外は目立つつもりはないんだよ。目立ったら目立ったで学園生活が大変な事になるって……
あ、神楽坂を庇うための連戦で全勝していたから今更か。………………自分から地雷踏んでしまったじゃねェか……
「えへへ……これでやっと再戦できるな、翼‼︎」
ちょ、おまっ。『再戦』って言葉は使わないで。やめて。周りが『何の事だ?』って思ってくるからさぁ……
十代のいる席へと降り、なるべく耳元まで近づき注意を促す。
「その言葉はみんなの前で言うなよ……。疑われるし、あの事がバレたらどうすんだよ……」
「え? あぁ……悪い」
うーん、これ腐向けからしたら勘違いされそうだな。俺は過激になる程の断然NL派だからな、勘違いすんなよNLよりも好きなカプがある者ども。
「というか、俺はこれ以上目立ちたくないから辞退しようかと思っているんだが……」
「えぇっ⁉︎ そんなぁ……いつもデュエルできるタイミングがズレてるから、せっかくチャンスが来ると思ったのに……」
「ウグッ⁉︎」
逃走不可能確定。
そういや俺、十代にしつこく関わられて、原作イベントの介入を見逃す云々などの悪い事態を避けたいがために、嘘ついてデュエルを拒んでたんだった……
よく考えたらあの行動、十代からの好感度が下がるヤツじゃん。逆効果じゃん。バカだろ俺。断られた奴の気持ち考えてなかったわ。
「……すいません、やっぱり受けます。だからこれまでの事は許してください……」
「……えっいいのか? サンキュー翼‼︎ お前とまた闘える事ができて嬉しいぜ‼︎」
おい、なんだその『意外だな』って反応は。このまま断られると思っていたんか? いや、そう思わせた俺も悪かったんだけどさ……うん。
「……というかこれまでにって、お前俺に何かしたのか?」
「……いや、気にしてないなら別にいいです……」
けどまぁ、正直に言えば……
「まぁいいや‼︎ 明日のデュエルでお前は一体どんなデッキを使うんだ⁉︎ くぅ〜‼︎ ワクワクしちゃって仕方ないぜ‼︎」
こういう無邪気な笑顔の十代を見れば、『やっぱりこの世界に来てよかった』と、自然に思えて気持ちが軽くなるからいいんだけどな。
「……フッ。そこまで期待されちゃ仕方ない。俺の明日のデュエルでの初陣デッキ、どんなのか気にしながら待ってろよ」
♢
……と、宣言したのはいいものの。
「やっぱりまだ使ってないデッキいっぱいあるから、どのデッキでいけばいいのか分からん……」
夕方。俺は自室で複数ものデッキを見ながらそう呟いた。
いやだってね? この世界に持って来れたデッキ、紙の方の一部のデッキだけならともかく、マスターデュエルでの一部のカードまでをも持って来れるようになったんだよ?
マスターデュエルは紙よりもたくさんのカードを集めやすい。つまり、紙よりも持って来れる枚数が多すぎる。そうなると、数多くのデッキから1つを選ぶって中々酷じゃね? ってなるよ。
「ここは融合主体のデッキでいくか……? けど十代の事だから、融合ができなくなっても挽回できそうで、こちらの融合手段が切れたらと考えると……じゃあ儀式主体のデッキか? けど融合のデッキと比べると事故率がな……むむむぅ……」
困った……やっぱり1人では選べないな。どのデッキも十代に対抗できそうといったら対抗できそうだけど、それだと逆に絞りづらいな……
「ティルルはどんなデッキを使ってほしいとかあるか?」
『わ、私ですか⁉︎ えっと……わ、私は、ご主人様の気分でお選びになったデッキでいってくれたら、としか……』
あぁ……うん、ティルルは俺に対して大抵なんでも肯定する感じだもんな。
けど俺の気分で選んでと言われても、十代相手にどのようにして勝つかとかさぁ、そういう問題もあるから真剣に考えないとアカンのよ。そこら辺分かってる?
「……ラー様とユベルは、どう思って……」
『ヲーはヲーの入ってるデッキを使ってほしいが、シリアスの場面でしかダメであろう? ならば何も言わん』
『適当に選べばいいんじゃない? どのデッキも強いわけだしさ』
自己中神と能天気無性悪魔がッ……‼︎ 自分を使ってくれないからといって助言なしとかふざけんな。ユベルはそんな大雑把な考えやめろ。このアカデミアの名誉を背負う代表を決めるデュエルに使うんだぞ? 真面目に考えろよこの野郎。
『お困りのようだな、王辻少年‼︎』
ふと、勇猛さのある声が聞こえてきたため、俺は思わず後ろの方に振り向いた。そこにいたのは、何やら巨大な段ボール箱を前に置き、額に白い鉢巻を巻いているレギュラスだった。
「えっと……レギュラス? お前一体何を……?」
『少年が遊城少年とのデュエルで使うデッキに悩んでいる。そして候補となるデッキは全て遊城少年相手に対等以上に闘えるものと想定している。その中から1つに絞る必要があるとするならば、こうしようと思ってな‼︎』
レギュラスがそこまで言えば、彼の後ろから次々と俺のデッキの精霊達──キトカロス・メイルゥ・ハゥフニス・ワイト・ウェンディ・【シャドール・ビースト】──が前に出てきた。それも、全員様々な色の鉢巻を付けて。
一体何をすると言うんだ……?
『これより‼︎ 第1回(もうやらないと思うけど)・王辻 翼使用デッキ決定ジャンケン大会を開催する‼︎』
「……はい?」
何故にジャンケン? デュエルの世界で何かを決めるなら、デュエルで全てを解決するのかとは思ってたんだが……
『デュエルで決めるとなれば、対戦の組み合わせとデッキの相性次第で優劣が決まり、対等的な解決とはならぬ‼︎ 話し合いもコミュニケーション力や説得力による平等さが無い気がしてな……そこで、ジャンケンでなら平等かつ対等的に決められるのではという事で、これで王辻少年に使ってもらうデッキを決める事にしたのだ‼︎』
「な、なるほど……」
話し合いが平等じゃないのかどうかは、語る人次第だからグレーラインなのはともかく、ジャンケンで決めるのは確かに対等的になるからいいな。
「ジャンケンで決めるってのは分かった。……で、お前らは何のデッキを候補に挙げてんの?」
『それについてはこのリストに書かれてある。少年よ、よく目を通してみてくれたまえ』
「あ、あざっす」
レギュラスから何やら各デッキを候補にしている者達のリストを貰ったので、それを一通り確認することに。さて、こいつらの運によって俺の使うデッキが決められるのだが、果たして……
・キトカロス:【ファーニマル】
・メイルゥ:【
・ハゥフニス:【ローガーディアン】
・ワイト:【ワイト】
・ウェンディ:【ダイノルフィア】
・【シャドール・ビースト】:【○○○○】
ほーう、こんな感じになってるのか。女性モンスター4名が選んだデッキには、注目度の高い程の可愛いモンスターがカテゴリー内に入っているから妥当だな。
……ってか。
「ワイトは何自分のデッキを候補に入れてるねん。大体【ワイト】デッキはもう使ったっての───」
『そのデッキ、藤乃少女とのデュエルで少女と三沢少年しか見ていないのではないか?』
「………………あっ」
そういえばそうだった。【ワイト】デッキは雪乃とのデュエルでしか使ってないし、それも翔が退学になるかどうかのデュエルで、三沢以外は十代と明日香のデュエルの方を見ている感じだったし。
という事は、【ワイト】デッキは実質アカデミアの連中にとっては初見となるって事か。いくら雪乃でも【ワイト】デッキの事をバラすはずがないから、十代に攻略される事はないだろうな。
「よし、【ワイト】デッキはセーフってことで」
『ワイトは嬉しいと思います』
思いますじゃなくて、実際嬉しいんやろ。喋る時必ず『ワイト』という一人称と語尾に『思います』となる性質上仕方ない事かもしれないけどさ。
………………ん? アレ? ちょっと待って?
「そういえば、他のドラゴンメイド達にシェイレーン、それとレイノハートは? 見当たらないしリストにも載ってないけど」
俺がそう問いかければ、レギュラスは何を思ったのか『あぁ……』と呟きながら答えてくれた。
『ドラゴンメイド達は、さすがに乗り気ではないと言っていたものでな。あのパルラ君も珍しくそっち側だった。そしてシェイレーン君とレイノハート君は……シェイレーン君がレイノハート君に3日に1回のペースでよくやる夜這いを仕掛け、レイノハート君がそれによる鬱憤を爆発させ一転攻勢に入って……後はもう察しの通りだ』
「アッハイ」
レイノハート……シェイレーンに性的に襲われて搾られたんだな。しかもまたって事は、タッグデュエル前の時の他にも何回かされて……んで、さすがにキレたのか反撃に出てアヘらせたってわけか。
にしても、シェイレーンとレイノハート……背景ストーリーの裏で一体何があったというんだ? 姉妹共にレイノハートにバシバシ虐められたはずのシェイレーンが、何故性的に襲いたくなる程にレイノハートの事を……?
頼むからマゾに目覚めたからとか、そんなくだらない理由で好きになったからはやめてくれよ……(切実)
「ほとんどのデッキが結構強そうで、どれも十代相手でも良い勝負になりそうなのが多いな……俺はこの中から何のデッキを使う事になるんだ……?」
『どのデッキも気になるものですし、どれを使っても損は無さそうですけどね……』
まぁ、それもそうだな。どのデッキのモンスターも効果が強力なのが多いし、【ワイト】なんか【ワイトキング】が強いから結構やるしな。ぶっちゃけ言えば、どのデッキも捨てがたいけど。
……ただ、ビーストが選んだデッキは持って来れたカード次第ってのがあるから、不安しかないんだけどな。
「ってか、レギュラスも参加しない感じか?」
『私は大会進行者だからな‼︎ こういう役割の者がいないと、トラブルが起きた時の対処が大変だろう?』
それはまぁ、そうなんだけど……
『ではいくぞ‼︎ 2人1組となってジャンケンし、勝ったら今度は3人1組で決めるぞ‼︎』
『『『『はい‼︎』』』』『おウ‼︎』『ワイトもそのルールに文句はないと思います』
『ちなみに手がヒレとなっているティアラメンツ達とチョキが上手く作れないビースト君は、ジャンケンに使うためのカードを出してジャンケンを行うように‼︎』
あ、そういう配慮もちゃんとしてるんだな……
さぁ、どんなデッキを使う事になるのやら……
『ではいくぞ───野球するなら♪』
『こういう具合にしやしゃんせ〜♪』
ん?
『投げたらこう‼︎♪』
『……打って打ったらこう受けて〜♪』
『ランナーになったらエッサッサー♪』
『アウト‼︎♪ セーフ‼︎♪』
『『『『『『よよいのよい‼︎♪』』』』』』
何故にその掛け声なん? 何故野球拳? 負けたら服を脱ぐとかないよな? そもそもビーストは服ないし。
♢
そして翌日。プロデュエリストとのデュエルでも使われた、アカデミアの特設リングにて。
「シニョール、シニョーラ、お待たせしたノーネ‼︎ ただいまカーラ、学園代表決定デュエルを始めるノ~ネ‼︎」
何ノリノリでポーズ取ってるんですか。少しでも注目度を浴びたいんですか? あくまで代表を決めるデュエルに参加する2人が目立つんですから、変な事を考えないでくださいな。
「ラー・イエローからは王辻 翼。……そしてオシリス・レッドからは、遊城 十代っと」
なんで適当な感じなん? なんで十代の事はそんなやる気の無い感じに呼んでる? たくさんの生徒や他の教師達の目の前ぞ? そんな態度取ったら教師としての評価が……
いや、もういいや。さっさとリングに行こう。十代も待っている事だしな。
「へへっ……さぁ翼‼︎ このデュエルを楽しもうぜ‼︎」
「お前は代表になるかどうかじゃなく、ただ楽しいデュエルがしたいだけなんだな……けど、やるからには俺は勝つ気でいく。お互い手加減なしで行こうぜ」
「おうよ‼︎ 全力で来い‼︎」
互いに健闘を誓い合い、同時にデュエルディスクを展開させる俺達。さぁ、勝つのはどちらになるのやら……
「それでは、
「「
翼
LP:4000
十代
LP:4000
何故ビーストの選んだデッキが○で隠されてたのか、それは次回明らかに……