OCG・マスターデュエルデッキ使いの行くGX世界〜ヲーと記憶喪失メンヘラを添えて〜   作:名無しのモンスター

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前回のあらすじ‼︎

翼「負けたけど相手が主人公だし興奮したからヨシ‼︎」


主人公とさらに仲良くなりました

 

 十代とのデュエルが終わり、ラー・イエローの歓迎会が終わったその日の夜。俺は歓迎会が始まるまでにやっていた複数のデッキ調整を行っていた。

 

「さて、どうするか……前世でずっと禁止カードだったヤツを入れると強いだろうけど、それだとなんか最初(ハナ)から負けてる気がするんだよなぁ……ズルしてるって気がして……」

『前世でのジェネレーションギャップの弊害、ですか……』

「わざわざジェネレーションギャップとかカッコいい言葉で言い換えないで? 『時代の流れに合わせすぎた』とかでいいから」

 

 この世界の時代に合わせて禁止カードを使うべきかと考えてはいるものの、やはり俺はOCGプレイヤーかつマスターデュエルユーザー。前世で禁止カードとされているヤツをこの世界では禁止されてないから使うということに抵抗を感じている。

 だってよく考えてみろよ? 【強欲な壺】を1枚発動するだけで手札が1枚多く増えるとか、【天使の施し】を使うだけで手札を減らさず手札交換+2枚墓地送りからの墓地発動が可能……そんなパワーカードが発動に必要な条件も無しに使えるなんてインチキやろ? 別のカードゲームのように重い必要コストとかがあるならまだ許せるけどさ。

 その分禁止カードにされてない【おろかな埋葬】はまだ可愛い方だ。発動条件無しに墓地に送れるカードがたったの1枚だけ。それ以外に何かあるわけではないってのがちょうど良く感じれるのだから。

 

「まぁ、それらがこの世界でまだ禁止カードに指定されてないのは、時代が時代だからだろうな……」

『ですが、この世界ではご主人様が私達のいる前世で使ったデッキを複数お持ちしております。なのでそれが影響して、強いカードがこの世界にも流通し、それらが広まれば前世で禁止指定されたカード達がこの世界でも……』

 

 まぁ、一応神様にカードプールの件で1つの願いを頼んではいたけどな。『他のデュエリストが使うカードは全てOCG基準でアニメオリカ無しかつ俺の世界のリミットレギュレーションに合わせ、ルールもマスタールール2020にしてほしい』って。

 リミットレギュレーションとルールはまだ俺が介入する前のと同じではあるけど、カード効果はOCG基準にはなってるな。

 十代とのデュエルでも、アニメでは途中まで手札コスト無しで破壊効果が使えたサンダー・ジャイアントや、アニメでダメージ計算時でも発動可能だった【決闘融合-バトル・フュージョン】がそうなってたし。あ、【ソウルテイカー】もリリース代用から破壊に変わってたな。アレはややこしい裁定をせずに済む。

 それに、アレイスターがこの世界よりも先の時代に出るカードを入れた自作(であろう)パックを十代に渡したこともあるし、その影響が及んで他の奴らもそのようなカードを使いまくる可能性も出てくるだろうなぁ……

 

「そうなったらそうなったで、前世の禁止カードも原作よりも早めに禁止になってくれたら嬉しいし、何より俺が無双できてデュエルがつまらなくなる可能性もなくなるけどな」

『ですね。デュエルに対する熱意を失ってしまえば、ご主人様のデュエル人生に悪影響を及ぼしますし……』

 

 うん、そうだね。もしも勝てそうにない状況になったら、何の躊躇いも無くサレンダーしてしまうか焦ったりしてプレミを繰り返したりしてしまうし……カードプールを前世に合わせてくれたら非常に助かる。

 

「ま、そうなる時まで今は待ちながら目立ちすぎない程度の無双をしとくか」

『無双する事自体が目立つ行為だと思われますけどね……』

 

 やかましい。どうせアカデミアに入った時点でいっぱいデュエルせなアカンから、無双は避けられんやろがい‼︎

 

『で、ですが……その度にカッコいいご主人様のデュエルしている姿を見られるのならば、ティルルは幸せ者です……♡』

「あ、うん。そうだね……」

 

 お前、本当は俺が目立つ程の無双ができることを期待してない? 余計な面倒ごとは避けたいから期待しないで? 頼むから。とは言っても、目立たない程の無双ができるデッキなんてどんなのがいいのか分からんから、厳選せざるを得ないけどな……

 いや、十代とデュエルした事で目立つ確率は上がっただろうけどな。だってアイツなら俺がどれだけ強かったのかをみんなに伝えようとする気がするし……言っても聞かないかもだけど、翔と一緒に釘刺しておかないと───

 

「……ん? アレ?」

『ご主人様、どうかなさいましたか?』

「そういえば俺、十代に何か聞こうとしてたんだけど……何を聞こうとしてたんだっけ?」

 

 なんか今後の事で大事そうなことを聞くべきだったと感じたけど、何だったっけ……? ダメだ、思い出せねェ……明日になれば思い出せるのだろうか……?

 

『汝よ、ヲーとユベルがいるから何を十代という少年に聞こうとしていたのか分かるであろうに……』

『あんな白熱としたデュエルで完全燃焼した弊害だろうね。ま、すぐに思い出してくれるよ』

 

 

 

 

 

 

 翌日、デュエルの基礎知識についてなどがあった午前の授業が終わった時間帯。

 

「ティルル、よかったら1個食べていいぞ。並んでた時に気にしてたみたいだから」

『あ、ありがとうございます。……ご主人様からの貰い物……えへへ』

 

 俺は購買にてドローパンを3個買い、食堂の窓からちょっと近い位置のテーブルに座り、内1個をティルルに渡したところだ。中身は開けるまでのお楽しみというカードパックと同じランダム制であるため、どんなのが入っているのか楽しみである。

 ちなみに授業の方だが、思ったよりも結構面白かった。フィールド魔法は基本的にどのような効果を持つものが多いのかとか、生贄召喚──後のアドバンス召喚が定められた経緯などと、デュエルに関する基礎や応用・現在のルールに至るまでの歴史について色々と知ることができたから。

 ちなみにデュエルに関係ない教科書はデュエル関連よりも結構薄かったな。いや、デュエル関連のが思ったよりも分厚かった……と言った方が正しいか。社会に出るためにも普通の教科も入れることはいいことだが、この差は一体何なのか……

 

「思い返してみれば、基礎知識の授業ではいいものが見れたな。十代の奴、いい仕事してくれた」

『あの授業の事ですか? 確かに十代さんは良い事をしておられましたね』

 

 クロノス先生に当てられた翔がしどろもどろになりながら口をまごつかせ、赤っ恥を受けてクロノス先生に呆れられた時。その時は十代が翔をフォローするように『知識と実績は関係ないと思う』『俺はオシリス・レッドだけど先生に勝ってたし』と指摘してな。

 で、十代を賞賛したかのようにみんなが笑って、正論を言われたクロノス先生が悔しがってたな。

 だけど先生はあの仕打ちを受けて正解だと思う。いくら基礎中の基礎を答えられなかったからと言って、その生徒を悪く見るのはどうかと思う。その生徒はそういう性格なのかと受け止め、それに合わせた対応をすべきだ。教師としての常識……の、はず。

 

「それを気づかさせることを堂々と言えるなんて、やっぱりスゲーな十代は」

『そうですね……』

「俺がどうかしたか?」

「うおっ⁉︎」『きゃっ⁉︎』

 

 本人‼︎ 本人来てた‼︎ 本人の事を呟いてたら来てた‼︎ しかもドローパンをいっぱい買ってる‼︎ なんつータイミング‼︎ ちょうどいい、ここはその時の事を褒めてやろう。

 

「あぁいや、あの時はよく翔を庇えたなお前。翔にアニキと呼ばれるだけのことはある」

「授業の事か? そんな大したことはしてないぜ? 俺はただ思ったことを言っただけさ」

「それがすごいんだよ。結果的に恥ずかしい思いをした子を助けたんだから」

「そうか?」

 

 本人はその時の事を全く気にしてない様子みたいだ。自尊心の無い奴だ……だから気に入った。何も考えず自分の思ったことをぶつけ、その行動で見ず知らずに誰かを助ける……正に元気な主人公の鑑だ。俺にはないスピリットだ。さすがは主人公。

 

「それより十代、翔はどうしてるんだ? なんかいつも一緒にいそうなイメージがあるんだが」

「翔なら同じオシリス・レッドの隼人と一緒に購買でまだ並んでるぜ。結構人気なんだなあそこって‼︎ ドローパンっていう中身がカードパックみたいにランダムで入ってる面白いパンもあるし、カードのパックだって見たことのないのばっかり入ってるみたいだし‼︎ 毎日行きたい気分だ‼︎」

「わかる」

 

 確かにアカデミアの購買はヤバいよな。ここに来る前のカードショップには無かったカードがここで売られていたり、カード以外にも面白いものが売られていたりと、さすが専門店って感じだったよ。俺もお金に余裕を作って頻繁に訪れようかな?

 

「ところでさ翼、ちょっと質問いいか?」

「なんだ?」

「その隣に座ってる女の子……アカデミアの制服を着てるけど、もしかしてカードの精霊か?」

 

 ……やっぱり見えてたか、ティルルの事が。さすがは同じ精霊が見えるデュエリスト、アカデミア女子の制服のコスプレをしたティルルの存在に気づくとはな。

 ちなみに何故ティルルがコスプレをしているのかというと、偶々ティルルの事が見えるようになってしまった奴らを驚かせないための処置のためだ。まぁ角と尻尾が見えているせいで、制服で誤魔化すなんてことがただの応急処置になってしまったけどな。

 

「……よく当てたな。ま、角と尻尾があるからここの生徒じゃないだろって思うだろうけど」

『それにしても、やはり貴方も見えるのですね……私達みたいなカードの精霊が』

「あぁ‼︎ 何せ俺にもいるからな、精霊‼︎」

『クリクリー』

 

 十代がそう自慢気に胸を張っていると、彼の顔近くから例の精霊──ハネクリボーが姿を現した。デュエルの時はあっさりと倒してしまったからよく見てなかったけど、実際によく見るとすごく可愛いな。結構モフモフしてそう。

 

『ラ、ラドリーの尻尾みたいにモフモフしてそうです……』

 

 あ、同じ事を考えてたよこの子。

 

『クリリー』

「よかったら触ってみるか? 相棒もオッケーだってさ」

『いいんですか⁉︎ ではお言葉に甘えて‼︎』

 

 うわおすごい食い気味。そしてティルルはすぐさまハネクリボーの後ろに回り込み、その子の毛むくじゃらな体をモフモフと触り始めた。しかもお互いご満悦な表情をしちゃってまぁ。2人……というか2体とも可愛い。

 

「お前も精霊が見えるってのはわかった。よって1つ聞く。実は俺の精霊は何体かいるが、昨日のデュエルで見えたのはどれくらいだ?」

「あのデュエルで出てたモンスター全員だ‼︎ まさかあの【ドラゴンメイド】全員が精霊だったなんて思わなかったけどな‼︎」

 

 うん、そこは予想の範囲内だ。精霊の見える奴の目の前でみんな結構喋ってたし、たとえ確証がなかったとしても勘付かれるに決まってる。

 ……だが、問題はここからだ。

 

「念のためこれも聞かせてくれ。俺がデュエル中に呼び出した奴ら以外の精霊って、見えてたか?」

 

 ここでもし、十代がラー様やユベルの事も見えてしまったとしたら、それはそれで大問題となるだろう。

 前者はもう存在しなくなったはずの(モンスター)がいたことに内心動揺を隠せなかったはずだし、後者は十代の記憶を通して悪影響を及ばしかねないはずだ。

 特にユベルはヤバい。そいつと会って記憶を思い出してしまったとしたら、ユベルに対するトラウマが起きかねない。ユベル本人は十代と会っても記憶が思い出せなかったが、果たして彼の場合はどうなのか……

 

「いや、【ドラゴンメイド】以外の精霊なんて見えなかったぜ? なんか見えないといけないこととかでもあったのか?」

「……いや、それならいいんだ。変なこと聞いてごめんな」

 

 ホッ……よかった。嘘偽りなかった今の反応からして、どうやら2体とも姿が見えなかったようだ。

 にしてもスゲェな、龍の神様が送ってくれたペンダントは。ケースにカードを入れるだけで、精霊としての力を抑えたりそれが見える人でも見えないようにすることができるなんて。ホントに効果が適用されるとかマジ神。

 

「あ、そうだ‼︎ せっかく会ったことだしさ……」

「デュエルか? お前ならそう言いそうだけど」

 

 でも、昼飯食べながらデュエルを終わらせる程の時間なんてあるのか? うーむ、展開次第でもあるから微妙だな……

 

「デュエルしたいのは山々なんだけど、食べ終わってからだと最後までできるか分かんなくてな……」

 

 そういうのはお前もどうするべきかと考えてたんだな。時間なんて気にせずデュエルするタイプだと思ってたわ。

 

「だからホラ、今お前達もドローパンを買ったんだろ? だったらその中身がどんだけいいものが入ってるのかで勝負しようぜ‼︎ ティルルが1個だけしか持ってないから、俺もこの中から1個だけ選ぶからさ‼︎」

 

 なるほど、ドローパンの中身の良さで勝負か。ちょうど俺達もドローパンを持ってるからできる勝負ってことか。確かにそうやって運の良さで勝負を決めるのもアリだな。早く勝敗がつくし。何より面白そうだ。

 

「いいぜ、やってやるよ。ティルルもやるか?」

『はい。なんだか面白そうですし、是非』

「決まりだな‼︎ じゃあえーと、俺はこのドローパンを開封だ‼︎」

 

 おうおう、たくさんあるドローパンの中でそれを選択するのか。選ぶ時間そんなになかったな……ってか即決っぽかったぞ。迷いがねェなぁ。

 じゃあ俺は2つあるからどれにするか……なんか左の方が重いし、これにしてみよ。

 

「準備できたところだし、せーので食うか」

『わかりました』

「それじゃあいくぜ‼︎ せーの‼︎」

 

 十代が合図したのと同時に、俺達は一斉にドローパンを頬張った。さて、俺が選んだのには何が入っているのか……

 ふむ……米の一粒一粒がもちもちとしていて、塩がパンにも合うように調整されている。柔らかくも噛み応えがあって程良い甘さも……って。

 

「お、おにぎりィ⁉︎ 炭水化物の中に炭水化物が入ってんぞこのパン⁉︎ しかも1つの料理として完成したヤツて⁉︎」

 

 具材がランダムだからっておにぎり入れるのはどうかしてるぞ製造者さんんん⁉︎ クソッ、意外に美味かったのが腹立つ……‼︎

 

「おぉ‼︎ 俺の大好きなエビフライだ、ラッキー‼︎」

 

 十代はエビフライが入ってることに喜んでるようだ。この野郎、まともさもパンとの相性の良さもそっちの方がいいじゃねェかよ……‼︎

 

『ん? この食感は……あっ。これフォアグラですね』

「「えっ?」」

 

 まさかの高級食材が入ってるドローパンを当てたティルル、優勝。さすがにエビフライは高級食材には勝てなかったよ……

 この後合流した翔や隼人とも何気ない会話しながら昼飯を一緒に食べ、十代とデュエルディスクの番号を交換しあったりした。これで十代にデュエルの呼び出しを喰らう羽目になったけど、デュエルする気のない時は上手い具合に断りのメールを送ればいいか。

 ちなみにもう1個はラーメンの麺と具材が入ってました。なんで俺のドローパンは変わりすぎな具材が入ってんだよ……

 




ちなみにドローパンには中身が納豆とかの変わりものもあるみたいだってよ。パンと合わないんじゃ……?
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