OCG・マスターデュエルデッキ使いの行くGX世界〜ヲーと記憶喪失メンヘラを添えて〜 作:名無しのモンスター
他の遊戯王世界へ転生させる神「マ?」
翼
LP:2000
手札:4枚(【ティアラメンツ・シェイレーン】×1、【融合】×1、【
フィールド:
伏せカード×1
三沢
LP:4000
手札:1枚(【
フィールド:
【磁石の戦士マグネット・バルキリオン】ATK:3500
【電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン】ATK:3000
【ライカン・スロープ】ATK:2400
【ライカン・スロープ】ATK:2400
【生還の宝札】×1
フィールド魔法【マグネット・フィールド】
伏せカード×2
さてと……一応手札はそこそこ潤滑ではあるけど、今の盤面から見ると三沢の方が有利になっているな。このままでは三沢に負けてしまうのも時間の問題だ……
アカデミアに来てから2戦連続敗北かつnot白星とか洒落になんねーぞ。みんなから変な噂を流される前にどうにかしないと(最初の1戦は翔しか観戦してなかったけど)。
「俺のターン、ドロー‼︎」
よし、まずはこのカードに賭けよう‼︎
「
舌をデロンと情けなく垂れ出し、ゲヘゲヘとしたウザい表情をした紫色の壺が現れる。その壺は俺の墓地ゾーンから5枚のカードを、長い舌を使って器用かつ丁寧に取り出して口に含む。そしてガタガタと体となる壺を揺らし、頭部の壺の開口部から2枚のカードを噴き出した。
その2枚のカードを手に取って確認し……不意に笑顔が溢れた気がした。中々に良い手札だったからだ。
「手札の【ティアラメンツ・シェイレーン】の効果発動‼︎ 俺のターンのメインフェイズ、このカードを手札から特殊召喚することができ、その時に自分の手札からモンスターを1体墓地へ送る‼︎ 現れろ、【ティアラメンツ・シェイレーン】‼︎」
【ティアラメンツ・シェイレーン】
ATK:1800
DEF:1300
長い銀髪のツインテールを揺らしながら、ハゥフニスと似た青と白のヴェールを着込みながらも複数の銀の装飾を目立たせ、右手に白い羽に似た装飾のついた銀箔の長細い剣を持った美少女が姿を現した。
『………………………………むぅ』
その少女──シェイレーンが周囲を見回したと思えば、何を思ったのか不機嫌そうに頬を膨らませた。
えぇ……(汗) 何が不満でそんな顔してんの……? 出たくないのに俺が召喚しちゃったからなのか……?
「手札の【ティアラメンツ・レイノハート】を墓地に送り、その後の効果でデッキの上からカードを3枚墓地送りだ。えっと……すまんシェイレーン。ご機嫌斜めなところ悪いが、効果処理頼む……」
『……ふんっ』
不機嫌かつ気怠るさがありながらも、天高く真っ直ぐ剣に掲げるシェイレーン。その動作で剣を振るったことによる風圧によって、3つの水泡が現れ浮き出る。
それを見据えたシェイレーンがすぐさま剣を横薙ぎに振るい、破裂。その時に出てきた3枚のカードが、俺の墓地ゾーンへと自動的に入っていった。
一連の流れが終わるまでを見届けたシェイレーンだったが、それが終わったのと確認したのと同時に、俺の方に顔を向けてきた。しかも睨んできてるんですけど。怖っ……
『………………マスター』
「(あっはい。なんでしょうか……?)」
な、なんだ? 何に対してお怒りなんだ? 今日はオフの日のつもりで過ごしていた、とかか……? そ、それなら埋め合わせでもしないといけないが……
『何故レイノハート様がフィールドにいないのですか?』
「………………へっ?」
「ん? どうした?」
「あっいや、なんでもない……」
予想外の言葉が出てきたので、俺は思わず声を出してしまい、三沢に問いかけられたので誤魔化す羽目になった。
ってか、えっ? 今、この子なんて言った? 何故レイノハートがフィールドにいないのか? オイオイオイオイ、何故DV系……ってかモラハラ元上司の名前が出てくる? まさか早く仕返ししたい気分なのか?
『せっかくソリッドビジョンシステムでレイノハート様と並ぶ機会ができたというのに、そんな彼がフィールドにいないとかどういうことですか? 他のカードの制約とかで出せないのでしたら百歩譲ってまだ納得がいきますが、そうでないのなら何故ですか? 今のレイノハート様が何かしたとでもいうのですか? もう私達に真珠を出させることはしてないので、心置きなくイチャイチャしたいのですが』
なんだろう……DV彼氏を庇う恋人かな? なんかよくわからんけど、レイノハートに対して何かしらの怒りがあるとかそういうのでないみたいだ。もうレイノハートは自分達に酷いことをしないとか言っていたし……
ってかイチャイチャって。お前とレイノハート、本当はそういう関係だったのか? それともお前が一方的に好意を寄せてるだけなのか? どっちにしろわかんねェな……
おっといけね。デュエルに集中集中。
「(すぐにそいつを呼んでやるから待ってろ)」
『………………早めにお願いします』
「効果で墓地に送られた【ティアラメンツ・レイノハート】の効果発動‼︎ このカードを特殊召喚し、手札から【ティアラメンツ】カードを1枚墓地へ送る‼︎ ただし、この効果で特殊召喚したそいつはフィールドから離れた場合に除外されるけどな」
「そいつは自己蘇生効果持ちか……」
俺の目の前に突如として青と黒の混じった魔法陣が出現する。そこから複数もの水泡が出てくる内に、その魔法陣から光の柱が立ち上がる。
「現れろ、【ティアラメンツ・レイノハート】‼︎ 守備表示!!」
『……‼︎ き、来た……‼︎』
【ティアラメンツ・レイノハート】
ATK:1500
DEF:2100
光の柱が消え、魔法陣のあった位置に1人の青年が立っていた。その青年は【ティアラメンツ・カレイドハート】の本来の──人間の姿であり、耳と脚が普通の人間のものとなっていた。
ちなみに、彼がフィールドに現れたのを確認したシェイレーンはというと……
『あぁ、レイノハート様……私、ついにあの頃と同じ貴方と並ぶことができるのですね……♡』
『何故喜んでいるのだお前は……』
シェイレーン、レイノハートが俺のフィールドに現れたことに喜ばしく思ったのか、なんか『未○日記』の超絶ヤバいチートヤンデレヒロインの恍惚ヤンデレポーズをとっていた。
それを見たレイノハート、ドン引き。自分が特殊召喚されただけでこの反応だもんな、気持ちはわかる。
「この後の効果処理で、手札から【ティアラメンツ・メイルゥ】を墓地に送る。そしてレイノハート、メイルゥのチェーンでそれぞれの効果発動‼︎」
それはそれ、これはこれで、とりあえずデュエルを進めさせてもらおうか。レイノハートが出たからには、ここからは融合ラッシュとさせていただ───
「ならばそれにチェーンして、永続
なっ⁉︎ そのカード達は⁉︎
「他に何もなければチェーン順に処理させてもらう。【
『わたし、参上‼︎ ……ってアレ? なんで目の前にマスターが?』
【ティアラメンツ・メイルゥ】
ATK:800
DEF:2000
三沢のフィールドに、他の闇属性下級【ティアラメンツ】と同じ手足・ヴェール・ティアラを持つ少女が現れた。他の2体と違うところといえば、銀色の髪が短くミディアムに近い髪型で、鎚状の柄頭を備えた打撃用武器──
で、その少女──メイルゥは自分が入ってるデッキの持ち主である俺と対面する形で特殊召喚されたため、何故自分がこの場にいるのかと疑問を持っている様子だ。
そして、【
「その後、自分及び相手フィールドから、種族が同じとなるモンスターを1体ずつ選んで除外できる。シェイレーンとメイルゥを除外だ」
『なっ……⁉︎』『えっ?』
そう、この
【ティアラメンツ】は効果で墓地に送られた時の効果を使ったり、融合での回収でモンスターを使い回したりすることに長けている。そこに除外効果を打たれてしまえば、戦力を大幅に削られてしまう。ましてやシェイレーンは2枚、ハゥフニスとメイルゥに至っては1枚しかデッキに入れられない状況のため、詰みレベルが非常に高まってしまった。
『そ、そんな……せっかくレイノハート様と並べたのに……ふぎゃっ‼︎』
『出てすぐ除外オチとかサイテー‼︎ もごっ⁉︎』
そうこう考えている内に、突如俺と三沢のフィールドに発生した吹雪が、局所的にシェイレーンとメイルゥの立っている位置にだけ吹き荒れてきた。尋常じゃない量の吹雪によって頭の斜め上から積もっていく雪の重さに耐えきれず、シェイレーンとメイルゥはその雪に埋もれてしまった。
シェイレーン、せっかくお前の望む状況にいられたのに……そしてメイルゥ、相手フィールドに出されてすぐに除外されるとかめっちゃ不遇じゃねェか……
「次に永続
俺達のフィールドの頭上に、モンスターの属性のマークと思われるデザインの、丸状の物体が浮遊してきた。
「まさかとは思うが……そのカードが、俺のデッキパワーをある程度封じ込めるために入れたカードなのか?」
「あぁ。本当は属性がバラバラな【ドラゴンメイド】対策として入れていたが、【ティアラメンツ】にもこれはこれで刺さるものがあるようだな」
【御前試合】が【ティアラメンツ】にも強いことがある、そう語る三沢の意見もあながち間違ってない。
【ティアラメンツ】モンスターは闇属性であることが多いが、レイノハートみたいな水属性も存在している。そのレイノハートだけがフィールドにいる状態で【御前試合】を使われてしまったため、
ちなみに三沢が【御前試合】にチェーンして【天龍雪獄】でシェイレーン(とそのついで感覚でメイルゥ)を除外したのは、【御前試合】の効果処理として俺がレイノハートを手放し、被害を最小限にする行動を阻害するためだと考えられる。【御前試合】でどの属性を墓地に送るのかは各フィールドのプレイヤーが決めることになるからね、仕方ないね♂
『これは一本取られたな、汝よ。だが汝のプレイングもデッキも悪くない。今の彼奴の判断力が1つ上だっただけである』
『水と闇以外の属性のモンスターもいるから、そいつらがフィールドにいる時じゃなくてよかったね』
デュエルにしばらく参加できない精霊2人組に慰められるも、今の状況が不利であることに変わりない。多く採用している【ティアラメンツ】じゃない融合モンスターも闇属性が多いため、そいつらも出しづらくなったからな。
「さぁ、後は君のカード達の効果処理だ」
「クッ……メイルゥは除外ゾーンに行ってしまったため、自身の効果で融合素材にすることができない。よって不発……レイノハートの召喚・特殊召喚成功時の効果は適用できるため、デッキから【ティアラメンツ】モンスターであるハゥフニスを墓地へ……」
『あの男、姑息な手をやってくれたな……』
愚痴を溢したレイノハートは、己の持つ鞭で地面を軽く叩いた。するとその地面が、水溜りから発生しているかのように波紋を出していた。その中心となる位置からなんと1枚のカードが飛び出し、そのままの勢いで俺の墓地ゾーンへと送られた。
「これでまた【ティアラメンツ】モンスターの墓地送り時の効果が使えるな。で、水属性の融合モンスターはいるかい?」
……オイ。それ嫌味で言ってるのか? それとも素で心配してんのか? ここまでに出した【ティアラメンツ】融合が全員闇属性だったとはいえ、もうちょい言い方ってもんが……どちらにせよ良い気がしないことは確かだけどな。
だがなぁ三沢君よぉ……闇属性以外がいる状態で【御前試合】を適用させて、ある程度は詰ませることができたと思っているだろうが……
「いるんだよなァこれが‼︎ 効果で墓地に送られた【ティアラメンツ・ハゥフニス】の効果発動‼︎ 自身と墓地の【沼地の魔神王】で融合‼︎ 沼地は手札・フィールド・墓地のこのカードを、融合モンスターカードにカード名が記された融合素材モンスター1体の代わりにできる‼︎ よってこいつを【ティアラメンツ・キトカロス】の代わりにする‼︎」
俺がそう説明している内に、地面から再び這い出た緑色の粘土性が高い液体で固められた顔が、何故か俺に向けて『任せろ』と言っているかのようにサムズアップしてきた。ネタにされることを狙ってやってるのかそれ?
それと同時に、巨大な2つの水泡がゆっくりと降りてきて、沼地がその内の1つの中に飛び込んでいった。それも水泡が破裂することもなく、沼地が溶けてしまうことも身体を崩されることもなく、だ。お互いタフだなオイ。ちなみにもう1つの水泡にはハゥフニスのシルエットがある。
それらが互いに引き寄せられ合い、互いに触れた途端に破裂。それによって出てきた水滴全てが渦のように混ざり合って光りだした。
「壱世壊に住む絶世の姫君よ。嫋々たる漣歌姫となりて、哀しみの支配の現世を切り拓け‼︎ 融合召喚‼︎ 煌びやかに舞え‼︎ 【ティアラメンツ・ルルカロス】‼︎」
『とうっ‼︎』
【ティアラメンツ・ルルカロス】
ATK:3000
DEF:2500
光を切り裂くように現れたのは、ヴェールの白いスカート部分を長くしたりそのヴェールに施されている鱗が増えたりして煌びやかな恰好となり、女王として成長したキトカロスだった。武器も長細くかなりの数の鱗が施された剣となっており、表情も凛々しいものとなっていた。
俺のフィールドに降り立ったキトカロスもといルルカロスは、光を切り裂くのに使ったのであろう剣を天に掲げながら、フンスッと満悦とした表情を見せる。
『………………………………』
が、そんな彼女を横目で見ていたレイノハートは、何故か彼女を警戒している様子を見せていた。まぁ、イラストストーリーでは不意打ちされる形でキトカロスに倒されて、その力の一部を互いの本意に関係なくキトカロスの剣に宿しルルカロスへと成長させてしまったからな。敵意を見せるのも無理もな───
『貴様……本物のルルカロスなのか? それともあのドロドロとした奴の方なのか? 人格はどちらにある?』
『えっ?』
違った。彼女を出すのに使った融合素材で、沼地をキトカロスの代わりにしたせいで、彼女がルルカロス本人かどうか分からなくて警戒していただけだった。
『いやほら、貴様はキトカロスではなくあのドロドロの奴を融合素材にして出されたものだからな……』
『確かに【沼地の魔神王】を素材として呼ばれましたが、ちゃんとこの私キトカロス本人として出てますよ?』
『そ、そうか……』
ルルカロス本人がそう答えるも、きちんとして分かりやすい証拠がないから完全に納得がいっていない様子だ。ま、俺も彼女が言っていることが本当なのか分からなくて実感が……
「お。驚いた……まさか融合【ティアラメンツ】にも水属性モンスターがいたとは……」
おっといけね。三沢がルルカロスの属性が水属性であることを知って呆気に取られた声を出していたから、デュエルに集中しなきゃ。とはいっても、これ以上の展開はできないから、この2枚のカード次第ではバトルフェイズに入るしかないけどな。
「墓地の【ティアラメンツ・クシャトリラ】の効果発動‼︎ 自分・相手メインフェイズにて手札・墓地のこのカードを特殊召喚することができる。ただしこの時、手札・墓地の【ティアラメンツ】カードを除外する必要があるがな。出てこい、【ティアラメンツ・クシャトリラ】‼︎ 守備表示‼︎」
【ティアラメンツ・クシャトリラ】
ATK:2300
DEF:1200
赤紫色の瘴気を纏いながら現れたのは、キトカロスがその瘴気と同じ色をした機械の鎧を纏ったかのような女性だった。
キトカロスよりも髪の色が白と灰色の混ざった配色となっており、顔はフェイスマスクで眼も黒い縁で隠されている。そして武器もキトカロスと異なり、剣でもなく少々形が歪で巨大な斧を持っていた。
「この後の効果で【
溢れ出ていた瘴気から【
『あ、私をコピーした子だ。元気にしてたかしら?』
『………………』コクリ
ルルカロスがクシャトリラを見かけたと思いきや、彼女に向けて剣を持ってない左手を振った。機械のように無反応かそっけない反応で返されるかと思ったが、クシャトリラは頷きながら手を振り返してた。ノリ良いなオイ。
『元とはいえ複製の敵に馴れ馴れしいな貴様……奴も奴で何故ノリが良いのかわからんが』
この一連を見たレイノハート、昔は敵対していたことがあったらしいのか、今の2人を見て呆れた様子を見せていた。確かに昔の敵と馴れ馴れしくしているのを見ていると、何か複雑に感じるよね……
ま、いっか。デュエルに集中させてもらうぜ。
「【ティアラメンツ・クシャトリラ】の効果発動‼︎ 召喚・特殊召喚成功時、自分または相手のデッキの上から3枚を墓地に送る。お前の墓地に【マグネット・ウォリアー】を溜め込ませるわけにはいかないから、俺のデッキから墓地に送るけどな」
クシャトリラが自身の放つ瘴気に向けて、3回に分けて斧を大きく振るった。そして3つに分かれた瘴気はそれぞれカードとなり、俺の墓地ゾーンへと直行した。
……よし、これでこの伏せカードが使える。
「リバースカードオープン‼︎ 速攻魔法【大欲な壺】を発動‼︎ 除外状態のカードを3枚デッキに戻すことで1枚ドローすることができる‼︎」
【貪欲な壺】とは異なるウザい笑顔をしている灰色の壺が現れる。その壺は『はよカードを寄越せや』と言わんばかりに、小さく出している舌を指の代わりとしてクイクイッと動かしている。うわこれはこれでウザっ。
「俺は【
「【
「除外対策で入れただけだよ、除外対策」
そして3つの光が壺の口の中に入れば、ゴクンッと飲み込んだその壺の開口部から1枚のカードが飛び出し俺の手札に加わった。これは……展開には使えないか。仕方ない。
「バトルだ!! 俺は【ティアラメンツ・ルルカロス】で【ライカン・スロープ】を攻撃!! クライムセイバー!!」
『未来を切り拓け!!
オイ今別作品のネタを引っ張り出してなかったか? その名前をやめた方がいいぞマジで。既にそれを使いそうな奴の名前があるモンスターがエクシーズにいるし……ね?
そんな事を考えている中で、ルルカロスの剣の鱗が淡い光を放ち出した。その剣の輝きに【ライカン・スロープ】の1体の視界が遮られ、その隙を狙ったルルカロスが剣を振り下ろす。淡い光は衝撃波となって大地を削りながら【ライカン・スロープ】に急接近し、彼の身体を光の粒子と化しながら一刀両断してしまった。
「クッ……‼︎」
三沢
LP:4000 → 3400(3000 - 2400 = 600)
「メインフェイズ2。前のターンのハゥフニスの効果で墓地に送られていた
「表側表示の
「そう、破壊されるカードは【御前試合】だ‼︎」
背景に宇宙が映し出されるかのような白銀に光る渦が現れ、フィールドに浮かんでいる『水』と『地』のマークが吸い込まれていく。
「わざわざメインフェイズ2で【御前試合】を破壊したということは、本当にルルカロスを出してからの展開するためのカードがないんだな?」
「そういうことになるな……カードを2枚伏せてターンエンドだ‼︎」
本当はフィールドの2体で融合して【ティアラメンツ】じゃない融合モンスターを出そうかと思ったけど、手札にあったカードやルルカロスの効果の発動条件も考えれば、ここで止めておいて正解だったと思う。
翼
LP:2000
手札:2枚(【融合】×1)
フィールド:
【ティアラメンツ・ルルカロス】ATK:3000
【ティアラメンツ・レイノハート】DEF:2100
【ティアラメンツ・クシャトリラ】DEF:1200
伏せカード×2(【
三沢
LP:3400
手札:1枚(【
フィールド:
【磁石の戦士マグネット・バルキリオン】ATK:3500
【電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン】ATK:3000
【ライカン・スロープ】ATK:2400
【生還の宝札】
フィールド魔法【マグネット・フィールド】
「俺のターン、ドロー‼︎ 【
【
ATK:1500
DEF:1500
頭や両手にU字型の磁石を付けた、朱色の磁石の身体を持つ丸い頭の戦士が再び姿を現した。そして帯電させている電流の力を強め、それによる磁力で磁石を引き寄せ、三沢の手札に【マグネット・ウォリアー】を引き寄せるつもりだろうが……
「そのサーチは待った。βの発動にチェーンして永続
「前の俺のターンで墓地効果を使ったカードか……」
通すわけがないんだよなぁこれが。相手の思い通りの事が運ばれる前にそれを防ぐ、これ常識。
「俺のフィールドに【ティアラメンツ】モンスターが存在する場合、相手フィールドの効果モンスター1体の効果を無効にする。対象はもちろんβだ。そして自分フィールドの【ティアラメンツ】モンスターを墓地に送る必要があるため、クシャトリラを墓地に送る」
クシャトリラの周囲に複数もの水晶が浮遊したのと同時に、彼女が見た目とフェイスマスクによって見えなくされている口とは裏腹の、フィールド全体に響く美声を放ち出した。
全てのモンスターがその美しい歌声を聴き入れている中、βの迸らせていた電流が水晶に吸い込まれていき、それを全て吸い込まれたβは機動力を奪われたのか両膝をついてしまった。
それと同時に歌い終わったクシャトリラが一礼をすると、光の粒子となって消えていった。
「なるほど。もう1つの効果が、フィールドの【ティアラメンツ】をコストに俺のモンスターの効果を永続的に無効にする効果だったのか。しかも効果で墓地に送られた時の効果を使わなければ、この効果で毎ターンに1回も……これはかなり手強いな」
そう、この効果無効は永続的。しかも発動しようとした方じゃない効果も含める。これがコストさえあれば毎ターン使えるってわけよ。TUEEEよなこれ。
無論、【
これによって、サクリファイス・エスケープ込みのリクルートもベルセリオンの効果使用の素材確保を増やすのを防ぐこともできるってわけよ。すまんね。
「おっと。効果で墓地に送られた【ティアラメンツ・クシャトリラ】の効果も忘れずに発動。デッキから2枚を墓地送りだ」
クシャトリラのいた位置に紅く巨大な水泡が2つ現れ、それが破裂。その中に入っていたカードが2枚とも俺の墓地ゾーンへと送られていった。
おっ‼︎ このカードはいいぞ。
「効果で墓地に送られた【ティアラメンツ・シェイレーン】と【ティアラメンツ・メイルゥ】の効果発動‼︎」
「何⁉︎ 今ので2枚同時に墓地に行っただと⁉︎」
うん、ここに来て強運が出たんだよ。奇跡が起きるのおせーんだよ。けどこれで最初のピンチから完全に巻き返せるで。
「まずはメイルゥの効果で、このカードと融合モンスターであるキトカロスを融合‼︎」
メイルゥとキトカロス、2体の【ティアラメンツ】のシルエットがそれぞれ施された2つの水泡が出現し、溶け合うように混ざり合う。完全に重なったことに合わさったのと同時に光が発生したと思えば、その光から出てきたのは……海に似つかない、複数もの刺々しい茎だった。
「血と肉に飢えし生物と化した蔦よ、己が持つ毒に侵されし者を呪え‼︎ 融合召喚‼︎ 現れろ、レベル8‼︎ 【
【
ATK:2700
DEF:1900
収まった光のあった位置にいたのは、茎を体全体の代わりとして巨大な龍の姿を模した巨大な植物。翼を模した巨大な紫色の翼を大きく広げ、身体から毒のような紫色の瘴気を放ちながら轟咆を上げた。
「ゆ、融合素材の組み合わせとしては全く似つかないモンスターだな……ま、まぁレイノハート系以外の【ティアラメンツ】に比べたら向き合いやすくはあるが……」
「『向き合いやすい』? それ、どういう意味だ?」
「あ、いや。なんでもない……」
なんだお前? さては美女に弱いタイプなのか? そんなんでよくここまで俺のモンスターを見ながら冷静な判断ができたな。自分の欠点のデュエルをすることができたなんて逆に尊敬するわ。
「言っとくが、チェーンの処理はまだ終わってねェぞ? シェイレーンの効果でこのカードとフィールドのレイノハート、クシャトリラの効果で墓地に送られた【絶海のマーレ】で融合!! 自身の効果で特殊召喚されたレイノハートはフィールドから離れる時に除外される」
『あぁ……レイノハート様と融合で混じり合う感覚が、はっきりと伝わります……♡』
『何故惚悦とした感じに言うのだ貴様は……?』
『あらあら♡』
……なんか、どっかからシェイレーンがヤンデレ気質な言葉をねっとりとした喋り方で声を発してるような気がするんだけど……レイノハートもルルカロスもそれに反応してるし……シェイレーン、怖っ……
そう恐怖で身体を震わせていると、レイノハートの背後に、シェイレーンと【絶海のマーレ】、2体のシルエットがそれぞれ施された2つの水泡が降下してきた。それらがレイノハートの身体を覆い尽くした途端、突如放たれた淡い光がレイノハートの全身を包み込んだ。
「哀しみの感情しか持たぬ壱世壊の支配者よ。今こそ覚醒し、全てを哀しみのみの世界へと沈めよ‼︎ 融合召喚‼︎ いでよ、【ティアラメンツ・カレイドハート】‼︎」
【ティアラメンツ・カレイドハート】
ATK:3000
DEF:3000
レイノハートの耳がヒレの形となり、鎧も鱗が増え禍々しくも輝きを増す。そして脚も変化・膨大化しながらその本数を増やしていった。悲哀の暴君となる支配者【ティアラメンツ・カレイドハート】が、レイノハートから姿を変える形で再び姿を現した。
『2度目の召喚なのだから、口上など別にいらないだろう?』
「(黙らっしゃい。ARC-Vでよくやってた召喚口上、アレ結構好きだったんだ。だからエースモンスターらしい奴や儀式・融合を出す時は毎回やらせてもらうからな。シンクロもエクシーズもやりたいけど)」
『……欲張りだな』
うるせェ。何ドン引きしてんだよ。お前も召喚口上を言われながら呼ばれるの悪い気がしないんだろう? だったら大人しく聞いとれバカタレが。
「カレイドハートが特殊召喚された……ということは」
おっといけない。三沢、毎回毎回デュエルに戻してくれる前振りあざす。おかげで効果処理を忘れずに済む。
「カレイドハートの効果発動‼︎その効果でマグネット・バルキリオンをデッキに戻す‼︎ サドネス・アンガー‼︎」
『また戦闘破壊されるのは懲り懲りだからな、貴様にはここで消えてもらう』
再び俺達のフィールドに深い水面が発生し、βの半身を覆い尽くす。長身であるマグネット・バルキリオンとマグネット・ベルセリオン、【ライカン・スロープ】も膝辺りを浸からせられてしまっており、安易に動くことが困難な状況になっている。
そんな中で、マグネット・バルキリオンの脚がカレイドハートの足らしきものの数本に絡みつき、その勢いで強く脚から一気に引き摺り下ろしていく。
マグネット・バルキリオンの頭までもが水面深くへと引き摺り込まれた後、水面は徐々に潮の如く引いていった。全て引いてはいたものの、引き摺り込まれたマグネット・バルキリオンの姿は、部品の1つすら見かけることはなかった。
「無傷での戦闘破壊をもう一度狙おうと思ったが、それも叶わないか……こうなればやむを得ん、バトルだ‼︎」
やむを得ん? 一体何を狙うつもりだ?
「念のため言っとくがルルカロスがいる限り、自身以外の俺の水族モンスターは戦闘では破壊できないぞ?」
「そうか、それもそれで中々厄介だな……だが、狙いはそいつらじゃない。【
まさかの自爆特攻だった。βは両手に電気を溜め込み、その拳をもってしてカレイドハートに殴りかかっていく。
普通のデュエリストならこの行動は『こいつ正気か?』と思うだろうが……頭脳戦が得意そうな三沢のことだ、何か考えがあるからこそ、このような行動をしているんだ。俺は今の奴の行動を馬鹿にしたりはしない。そもそも今のβは第2の効果を使えないし。
この盤面から考えるに、三沢が狙っているのは……やっぱりあいつとあのカードの効果かな。そいつらを狙って自爆特攻を狙ったのかもしれねェ。だが、今の俺の盤面なら……
「上等‼︎ 迎え撃て、カレイドハート‼︎ 哀叫なる狂撃‼︎」
『指名された以上、叩きのめさないといけないな』
カレイドハートが持つ鞭に紫がかった青い瘴気が宿り、彼はそれを振るい空気を切り裂く。それによって瘴気と同じ色……もしくは瘴気そのものが変化した衝撃波の刃が発生し、カレイドハートに殴りかかるために跳躍していたβに命中する。
顔と胴体が半分になるかのように綺麗に衝撃波の刃をぶつけられたβは、その力に押し負けてしまい風景となるビルらしき巨大な建物に激突。爆煙を巻き起こしながらその建物ごと光の粒子となって消えていった。
「すまない、β……」
三沢
LP:3400 → 1900(3000 - 1500 = 1500)
「だがこれにより、フィールド魔法【マグネット・フィールド】の第2の効果が使える‼︎ 1ターンに1度、自分の岩石族・地属性モンスターとの戦闘で相手モンスターが破壊されなかったダメージステップ終了時、そのモンスターを手札に戻す‼︎ 効果でフィールドから離れはするものの、その行く先が墓地じゃなければすぐにフィールドに戻ってくることもない‼︎ また俺のターンに退場してもらおうか‼︎」
『面倒なことを……‼︎』
近未来的な風景に並んでいる様々な施設・装置からバチバチと電流が迸り始めた。その電流が原力となっていき、カレイドハートを体内に磁石でも仕込ませたかのように上空へと引き摺り込もうとしていた。
このまま眺めていれば、天井の装置みたいなものにカレイドハートは吸い込まれて手札……もとい融合デッキ(エクストラデッキ)に戻ってしまうだろうが……
「チェーンブロックの作られる効果なんだから、止めないわけがないよなぁ⁉︎ というわけでカウンター
「ッ⁉︎」
「俺のフィールドに【ティアラメンツ】モンスターが存在し、モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時、その発動を無効にし、そのカードを持ち主のデッキに戻す‼︎」
『あのフィールド魔法は私が退けます‼︎ ……今の効果の演出で』
虹色に近い光の輝きがルルカロスの剣から放たれた。ルルカロスはその剣を握り締めながら飛び上がり、天井の【マグネット・フィールド】の装置の中央に突き刺した。
剣から……否、剣を突き刺された装置から虹色の光の粒子が漏れ出てくる。その粒子は【マグネット・フィールド】の全ての装置に触れ、一斉に消えていく。
「その後、自分の手札からモンスターを1体を選んで墓地へ送る。俺が墓地に送るのはハゥフニスだ」
『……やったねお姉様。いえーい』
『あ、ハゥフニスちゃん‼︎ いえーい‼︎』
【マグネット・フィールド】が消えていく中、剣を引き抜いたルルカロスがその場で着地。そんな彼女の背後にハゥフニスが半透明の姿となって現れ、陰気臭くもルルカロスと軽くハイタッチを交わしながら消えていった。
アレ? 【
「【ティアラメンツ】が効果で墓地に送られた……ということは」
「その通りだ‼︎ ハゥフニスの効果で、こいつと【針虫の巣窟】の効果で墓地に送られた最後の1枚である沼地を、【暗黒界の龍神 グラファ】代用で融合‼︎」
「【暗黒界】の融合モンスターだと⁉︎」
これで何度目なのだろうか。巨大な水泡が2つもゆっくりと降下し、ハゥフニスと【沼地の魔神王】のシルエットをそれぞれ強調させていた。それらが渦の如く混ざり重なり合い、淡い光を放ち出したかと思えば、バチバチと稲妻らしき黒い電流までもが放たれていく。
「暗黒の中世の龍王よ。神の領域に達したその力で逆らう者への断罪を与えろ‼︎ 融合召喚‼︎ 来い、【暗黒界の龍神王 グラファ】‼︎」
【暗黒界の龍神王 グラファ】
ATK:3200
DEF:2300
龍の骨を外膜として纏っているかのような強靭な外骨格を持つ、細身ながらも筋肉隆々とした龍を模している悪魔。四肢に分かれている脚と腰辺りに追加で生えている鋭い爪つきの腕、こめかみと顎から前に向かって伸びた4本の角、そして4枚の黒い膜の巨大な翼がさらに悍ましい風格を放っていた。
ってか、よく考えたら【暗黒界】融合モンスターなんて出してよかったのか? この世界でも既にあるテーマだけど、こいつは先の未来でOCG化されたヤツだし、なんか悪役が使ってるし……俺、やらかした?
「驚いたな……最近出たばかりだが効果が強すぎて即高額なレアカード指定となったモンスターまでをも持っているとは……」
「えっ? あ、あぁ……げ、激レア指定される前の時期に偶々ゲットできた……みたいな? そんな感じで持ってるんだよなぁこれが」
あっぶねェ……‼︎ 他のデュエリストも使ってそうなテーマカードでよかったぜ……ってか、融合のグラファってもう既にこの世界に存在するようになったのか……反映はえーなオイ。
今度から古いテーマとかのカードを使う前に、誰がこういうのを使ってるんだろうってのをどうにかして調べないとな。じゃないと場合によってはグラファを出す前の反応だけじゃ済まされないからな。
「だ、だが‼︎ さっきの攻撃で【マグネット・ウォリアー】が墓地に行った‼︎ それにまだ攻撃は終わってない‼︎」
「だろうな……」
「マグネット・ベルセリオンで【ティアラメンツ・ルルカロス】に攻撃‼︎
マグネット・ベルセリオンが槍を強く握り締めながら、迸っている電流の力をさらに強めた。その槍を標準を定めるようにルルカロスに向けた後、駆け抜けながら跳躍し、彼女に向けて突貫しようとする。
このままいけば相打ち。普通のデュエリストならベルセリオンよりも攻撃力の低いドラゴスタペリアを狙うだろうが……俺の目は誤魔化せなかったな、お前の考えていることが!!
「
『ブヘックション!!』
粒らな瞳を持つ黒毛の子ブタが突然現れてはくしゃみをした途端、鼻から子ブタ──【タスケルトン】の全身と同じ骨格を飛ばした。その骨はベルセリオンの顔面に直撃し、彼はその場で怯み後退する。
ベルセリオンが後退して追撃することがないと確認すると、【タスケルトン】はその場で転げ落ちていた骨格を拾い上げ、それを穴を大きく広げた鼻の中に入れた。えっ、それ別のデュエルでも再利用するの? ってか骨格出ちゃったのになんで生きてんの?
あ、デュエルモンスターズ界では意味不明な生態や現象が色々と起きるのは当たり前か。【タスケルトン】の生態が訳ワカメなのも無理もないか……いや納得したわけじゃないけど。
「相打ちも許さないのか……ルルカロスを破壊した後にカレイドハートをどうにかできれば、更なる不利な状況や予想外の事態を防げると思ったけどな」
「不利な状況を作られるのが嫌なのはこちらも一緒だからな、有利な盤面はなるべく保ちたいのさ」
特に前世の世界ではそんな感じだったしな。崩し崩されるのは別に日常茶飯事って程ではないけど。
「まぁいい、メインフェイズ2に入る。マグネット・ベルセリオンの効果発動!! 墓地のβを除外して……そうだな、グラファを破壊する!!
槍を天に掲げ、そこに帯電していた電流を雷撃として放とうとするベルセリオン。効果で墓地に送られると効果を使えるカレイドハートとルルカロスを避け、グラファの破壊を狙うつもりのようだ。
グラファには、相手のカードの効果を一度だけ俺の手札を1枚捨てさせる効果に書き換える誘発効果が携わっている。それを使って俺の手札に残っている【融合】を捨てさせて手札ゼロを狙い、手札リソースを減らして俺の盤面の停滞も狙いながら有利な状況を立て直すつもりだろうが……
「そうはさせるかよ!! ドラゴスタペリアの効果発動!! 各ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体に捕食カウンターを乗せる!!
ドラゴスタペリアが翼を広げれば、胴体から細い蔦が伸びる。そしてそこからワニの頭のような形をした深緑色の種子が飛び出し、それが噛み付くようにベルセリオンの胴体に纏わり付いた。
「捕食カウンターの乗ったモンスターは闇属性となり、レベルも1となる。さらに俺のフィールドにドラゴスタペリアがいれば、こいつの効果で捕食カウンターの乗ったモンスターの効果は無効化される」
ベルセリオンが右手で払おうとした種子から紫色の吐息……否、小さな霧が吐き出される。その霧に当たったベルセリオンの胴体は色が腐り始め、もがき苦しみだす。侵色は彼の持つ槍にも伝染し、電流が出なくなった。
「よって、ドラゴスタペリアを退かさない限り、ベルセリオンの効果はずっと無効にされたままだ」
「しかも毎ターンに他のモンスターにも捕食カウンターを乗せることができるのか……そのモンスターも厄介だ」
フフフ……どうよこの布陣は。
水族モンスターが効果で自分の墓地へ送られた場合でもデッキバウンスができるカレイドハート、特殊召喚を無効にしつつ効果での墓地送りされたら自己蘇生するルルカロス、毎ターン属性・レベルを変えての無効化ができるドラゴスタペリア、手札破壊に効果を書き換えるグラファと……中々に強固な盤面だろう?
ここまで並べれば、さすがのお前でも攻略しづらいだろ? クックック……
『墓地に送ったカードの運が良かっただけであろう』
『最後の笑い方、大ボスなのに負けフラグ濃厚なキャラにしか見えないよ』
観戦組に怒られちゃったよ……すみません、調子に乗りました。
「……やれやれ、してやられたよ。【ライカン・スロープ】を守備表示に変更。俺はこれでターンエンドだ」
【ライカン・スロープ】が腕を交差しながらその場に座り込んだのを確認し、三沢はそのままターンを終えた。もしや手詰まりか? 手札は通常モンスターの方のγだけだったし、まぁ無理もないけどさ……
翼
LP:2000
手札:1枚(【融合】×1)
フィールド:
【ティアラメンツ・ルルカロス】ATK:3000
【ティアラメンツ・カレイドハート】ATK:3000
【暗黒界の龍神王 グラファ】ATK:3200
【
【
三沢
LP:1900
手札:1枚(【
フィールド:
【電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン】ATK:3000(捕食カウンター×1)
【ライカン・スロープ】DEF:1600
【生還の宝札】×1
「……俺のターン、ドロー」
引いたカードは……【三戦の才】か。このターンでは発動できそうにないけど、三沢の盤面と墓地を見れば、このまま攻撃しても問題無さそうだな。
「……三沢。悪いけどこれは
「その気のようだな……たとえそうなろうとも、ここまで来てお世辞をもらうつもりもサレンダーするつもりもない。さぁ来い‼︎」
三沢……もう既に覚悟はできているようだな。なら、一気に決めさせてもらうぜ‼︎
「ルルカロスで【ライカン・スロープ】に攻撃‼︎ クライムセイバー‼︎」
『
またルルカロスが別作品ネタをやろうとしたところで、カレイドハートに指摘されるように睨まれて断念した。さすがのカレイドハートもそれ以上いけないと思ったんだろうな。
気を取り直して淡い輝きを放つ剣を振るうルルカロス。その輝きに思わず目を伏せた【ライカン・スロープ】の胴体を切り裂き、そのモンスターを光の粒子に変えて消していった。
「次だ‼︎ グラファでマグネット・ベルセリオンを攻撃‼︎ 龍神王炎雷波‼︎」
グラファがフィールドを揺らす程の咆哮を上げれば、胴体を通して全身に黒い電流──稲妻を迸らせていく。さらには顎に黒紫色の炎を溜め込み、そこにも電流を纏わせる。
そしてその炎と雷の混ざり合ったブレスが放たれ、マグネット・ベルセリオンのいる方向へと向かっていく。ベルセリオンも電流を纏った槍を振るいそれを切り払おうとするも、力不足。押し切ることも出来ず2つの熱に身体が耐えきれずに爆発してしまった。
「くぅぅぅ……‼︎」
三沢
LP:1900 → 1700(3200 - 3000 = 200)
「これをやっても意味はないだろうが……持ちうる全てを使わない方が君に失礼だ‼︎ マグネット・ベルセリオンの効果発動‼︎ このカードが戦闘または相手の効果で破壊された場合、除外されている自分の【
爆煙が漂う中、ベルセリオンのバラバラになったパーツが次々と宙を浮き始める。それらはなるべく同じ色の群になるように分けられており、それぞれで新しく合体するつもりのようだ。
ま、そんなことを簡単に許したら困るのが
「もちろんそれを通すわけにはいかない‼︎ ルルカロスの効果発動‼︎ モンスターを特殊召喚する効果を含む効果を相手が発動した時、その発動を無効にし破壊する‼︎ その後、手札及び自分フィールドの表側表示のカードの中から【ティアラメンツ】カードを1枚墓地に送るため、自身を墓地に送る。サドネス・チェインブレイク‼︎」
『我が剣の光よ、絶望を打ち払え‼︎』
ルルカロスが剣を天に掲げば、その剣の穂先から虹色に似た淡い光が広がりだす。その光がルルカロスの全身を包み込んでいき、さらにはベルセリオンのだったパーツ全てをも覆い尽くし、やがてそのパーツは全て影一つすら見えなくなっていった。
「そして融合召喚したルルカロスが効果で墓地に送られた場合、このカードは特殊召喚される。蘇れ、【ティアラメンツ・ルルカロス】‼︎」
『あのまま私も消えると思った? 残念、蘇生されるので実質消えてません‼︎』
【ティアラメンツ・ルルカロス】
ATK:3000
DEF:2500
光が晴れた時には、それが広がった場所に残っていたのはルルカロスのみとなった。各々で合体するはずだったベルセリオンのパーツは、先程の光に包まれたことによって消えたようだ。
「そしてバトルを終えたルルカロスが一度フィールドに離れてから戻ったことによって……後はもう分かるだろ?」
「あぁ、ルルカロスはもう一度攻撃が可能となる……もっとも、蘇生を止めれたとしても、他にも一回の攻撃で俺のライフ圏内となるモンスターが2体も残っているけどな」
まぁそうなんだけどさ……こっちがカッコつけたかったんだし、2体の攻撃が防がれる前提でそういう雰囲気を作りたかったから指摘しないで? 正直すまんかったから。
「とりあえず、これで終わりにさせてもらうぜ‼︎ ルルカロスでダイレクトアタック‼︎」
「『クライムセイバー‼︎」』
今、息を合わせなかった?
そんな俺の疑問を余所に、ルルカロスが三沢に目掛けて淡い輝きを放つ剣を振るった。ソリッドビジョンシステムによる演出のため、今の動作で三沢の身体が斬られることはないが、それでもライフポイントの変動は起こる。よって。
「……俺の負けか」
「あぁ、俺の勝ちだ」
三沢
LP:1700 → 0(1700 - 3000 = -1300)
デュエルが終了し、ソリッドビジョンで出ていたモンスター達がいなくなっていったのを確認した俺は、三沢の元に歩み寄り握手を求めた。
「いいデュエルだったぜ、三沢。正直お前の最初のターンでの墓地に送られたカードが良くなかったら負けてたし、【御前試合】にチェーンしての除去による強制制限には驚かされたよ。本当に試作デッキか? って思ったわ」
俺が三沢のプレイングに対して素直に褒めれば、彼は悪い気がしなかったのか握手を交わしてくれた。やったぜ。
「そう言ってもらえると嬉しいよ。今度は君に勝てるよう、全てのデッキの改良に取り掛かれるように心掛けてみる」
「その心意気は良いな。だが、次も俺が勝つぜ? 今度はなるべく運に頼りすぎないようにして、な」
そう互いに誓い合いながら微笑み合った。この友情、感激するデュエリストが1人もいないなんてことはないよな? 互いに強くなることを誓うのは真のデュエリストらしいやん。
にしても、まさか三沢がもう既に俺が転生したことによる影響──強化が施されたとはな。今後もそういった原作キャラも出てきそうだし、今後も用心してデッキを組まないとな。
ドラゴスタペリア『俺、捕食カウンターを1個撒いただけ?』
グラファ『俺なんか効果発動しなかったぞ。攻撃はしたけど』
メィル『私なんか、効果は発動したけどフィールドに出て即刻除外されたっきり今回はもうフィールドに出れなかったよ……しかも出たところが相手フィールドだったし……』
スタペリア&グラファ『あ、うん……すまん……』
シェイレーン『レイノハート様レイノハート様レイノハート様レイノハート様レイノハート様レイノハート様レイノハート様レイノハート様レイノハート様レイノハート様レイノハート様レイノハート様レイノハート様レイノハート様レイノハート様』
レイノハート『やめろくっつくな、怖い』