OCG・マスターデュエルデッキ使いの行くGX世界〜ヲーと記憶喪失メンヘラを添えて〜 作:名無しのモンスター
マグネット・フィールド『じゃあなんであの時デュエルディスクは無効にできたんだ?』
ティアラメンツ・クライム『知らん』
※ちなみに作者のタッグフォース知識はほとんど皆無レベルです
三沢との実技デュエルが終わった放課後、俺はイエロー寮の自室にて三沢と一緒にデッキの見せ合いっこをすることになった。
何故かって? そりゃお前、三沢が既に俺が転生してOCGカードを作ってもらったことによる世界の帳尻合わせによって強化されたもんだから、まさか他にも……? と思ってしまってさ……
で、『ダメならダメでも構わない。見せてくれるなら他言無用にする』と頼んでみたら、まさかの『6つあるから君のデッキも6つ見せてくれるなら』という条件でOKを貰った。
ちなみに俺のデッキが6つも見られることに対して不満はない。彼も俺が持つデッキがどんなのか気にならないはずがないし、一方的に見られるのもアレだと思ってるだろうし、それが妥当だろうな……って思ったから。
で、実際にデッキを6つ見せ合いっこすることになったのだが。
「地属性デッキが俺と実技デュエルで使った試作の【マグネット・ウォリアー】。風属性のはメタビートをしていく【妖仙獣】で、炎属性は自壊で効果を発揮する【炎王】。光属性は条件が特殊だけど簡単にたくさん大型を並べられる【ライトレイ】で、闇属性が専用のアドバンス召喚で力を発揮する【インヴェルズ】か……色々と考えられてるデッキが多いな」
うん、さすがにこれはOCGを誕生させた俺への影響による恩恵を受けすぎだな。【妖仙獣】はペンデュラムが無い代わりに
こん中なら【ライトレイ】の方がまだ数倍可愛く思えるよ。昔のテーマだけど展開力はそこそこいいし、他の光属性テーマとの相性も良さそうだし……バランスの取れた良テーマだ。
ん? 【インヴェルズ】? アイツらは【帝王】
「ところでこのデッキは……属性デッキ、なのか?」
「何のデッキが気になるんだ?」
「水属性のデッキ。これは【ウォーター・ドラゴン】をエースモンスターにしているみたいだが……水属性以外のモンスターもそこそこいるし、そういった恐竜族が多いな? これは属性デッキというよりは恐竜デッキだと思うが……?」
「あぁ、そのデッキのことか」
【ウォーター・ドラゴン】。三沢のエースモンスターの1体である。炎属性相手なら戦闘に強く出れるし、破壊されても召喚に使ったモンスターを蘇生できるのが強みだ。だが重い召喚条件にしては効果がそれだけのせいで弱い扱いされて、10年以上の時を経て強化される羽目になったけどね。
そして【ウォーター・ドラゴン】は水属性で、三沢はこのモンスターを水属性デッキのエースモンスターとしている。デュエルリンクスでも三沢実装時にこのモンスターを召喚演出付きのエースモンスターとして設定されてるし。
なのにこのデッキには水属性は4種類しかない。【ウォーター・ドラゴン】と【ハイドロゲドン】、【デューテリオン】と強化されたエースの【ウォーター・ドラゴン─クラスター】だ。
他は風属性の【オキシゲドン】……こいつは【ウォーター・ドラゴン】を呼ぶのに必要だからまだ許せる。他は闇属性の【魂喰いのオヴィラプター】、地属性の【ブチラノドン】と【ベビケラサウルス】、炎属性の【怒炎壊獣ドゴラン】……
な? これもう水属性デッキじゃなくて恐竜デッキに見えるよね? 何処ぞの恐竜大好き後輩デュエリストかな? 他のデッキはモンスター全ての属性を1つに絞ってたのに。何故【ハイドロゲドン】以外の水属性じゃない奴らを……
「……そのモンスターは、俺が1番最初に組んでからよく愛用していたカードなんだ」
えっ?
「始めたての頃は、イラストがカッコいいからという理由で頑張って組んでたんだ。召喚コストは重たかったけど、出せた時の達成感が今でも忘れられなくてね。それでよくデッキに入れて、出しやすくするためのサポートカードなどの研究をしていく内に、いつの間にか水属性デッキのエースとしても使うようになったんだ。【ウォーター・ドラゴン】は……俺が今のデュエルスタイルを作るきっかけを与えてくれた、大事なカードだよ」
……なるほど、幼少期からの思い入れがあるんだな。そのカードをどうしても離したくなくて、今の三沢ができたと……
「そっか……そいつは良い話を聞いたけど、同時に悪いことしたな。すまん、これからも【ウォーター・ドラゴン】の事を大切にしてやってくれ」
「あぁ、言われなくてもそのつもりさ」
ヤベッ。今の俺の涙腺、緩くなってない? 泣きそうなの三沢にバレてない? 大丈夫だよね? 環境に負けずエースモンスターを愛用する姿勢、俺ァ嫌いじゃないよ……今回の実技デュエルでは【マグネット・ウォリアー】使ってたけど(そこ触れるなや)。
そんな事を考えてたら、デュエルディスクに一通のメールが届いた音が聞こえた。
「なんだなんだ? ……おっ、十代からだ」
「十代……あぁ、あの1番君か」
1番? あぁ、そういや三沢は入学試験の時に十代に『お前は2番目に強いけど俺は1番目に強い』って言われたんだったっけ。で、実際に彼のデュエルを見て納得がいったんだと思う……
いや、この世界ではさすがに無理がある。【
ま、そんな事はどうでもいいさ。どれどれ、一体どんな内容となってることやら……
From:遊城 十代
翼! 翔が攫われたんだ!
お前も一緒に女子寮に来てくれ!
[添付ファイル]
ファイルに入ってた音声→『丸藤翔は預かった。返して欲しくば女子寮まで来られたし』
あっ(察し)。
「誘拐だと? 一体何故……」
「俺が知るかよ」
そういや翔が訳あって誘拐されて、十代が彼を助けようとするイベントがあるんだったな。その理由があまりにもアレだけど。
ってか、なんで俺にそんな事を伝えて助けを求めたんだ? いくら連絡先を交換したからといって、何も考えずにお願いするのもちょっとどうかと……
From:王辻 翼
他のオシリス・レッドの仲間には頼まなかったのか?
From:遊城 十代
それがダメだった!みんななんか怖がってたみたいでさ……
まぁ、オシリス・レッドは階級が低いからな。夜に出歩くとなどの校則違反を犯して、それがバレて退学になるという事態を恐れて断るのも無理もない。
ハァ……本当は行きたくないけど、翔が誘拐された理由がアレだったんだし、文句一つでも言って翔に
とりあえず、『仕方ないから連れ戻しに行くよ』と伝えてっと……
「悪い三沢。2人が実質冤罪での校則違反で処罰されるのが癪だから、早急に翔をレッド寮に戻せるようにするよ。俺も校則違反受けるの嫌だけど」
「待ってくれ翼、俺も同行する」
………………は? いや今、なんて言った? 『俺も同行する』? お前何言ってんの? お前まで夜中に女子寮に行ったら、下手すると俺達と一緒に校則違反していることになるぞ。なのに何故……
「何故オシリス・レッドである彼がオベリスク・ブルーの女子に誘拐される羽目になったのか、それに何やら引っ掛かりを感じてな。その疑問を解決したり、もし何か誤解を招いていたらできる限りそれを解いてあげたりしようと思ってな」
「そ、そうなのか……」
な、なるほど……感じていた違和感から事件の解決に乗り出すことに決めたってわけか。お前にとっては得することじゃないのに(俺も得しないと思うけど)、同じアカデミア仲間のために体を張りながら事件の終息に乗り出すだなんて……お前は聖人か?
「……わかった。けど、ヤバいと感じたらお前だけでも逃げてもらうよう言っとくからな」
「そうさせてもらうよ」
よっしゃ。早速ブルー女子寮に行って翔の救出に出掛ける。後に続け三沢‼︎
……と、その前にこの事を
♢
で、十代と合流してブルー女子寮に来た結果。
「捕まった原因が覗き見かよ。それするために警備とか掻い潜ってここまで来るとか、逆に尊敬するわ」
「するな。……で、君は本当にしてないのか?」
「してないよ‼︎ こんなの冤罪だよ‼︎ それでもボクはやってなーい‼︎」
やってた人の言いがかりみたいな感じになるのやめーや。逆に冤罪になるぞコラ。
はい、というわけで翔が女子に捕まった理由がこれ。翔が女子風呂を覗き見した……という冤罪を受けたことによるものである。翔のために言っとくけど、原作を前世でちょっとだけ知った俺には分かる。冤罪なのは本当だ。
「言っとくけどな翔……誰が送ったのかは知らんが、他人宛てかつ明らかに女子が書いた文字じゃないラブレターに釣られて、こんな男子禁制の施設に行くとか……なんと言うか……その……」
「言い淀まないで⁉︎ そっちの方が逆に結構傷つくっすよ⁉︎」
すまん。何かしらのフォローはかけるつもりだったが、良い言葉が思いつかなくてな……でも、ラブレターの誘惑に負けて様々な違和感に気づかなかったお前も悪いからな? こんなのが非モテの性だなんて俺は一切認めないぞ。
「しかし……経緯がどうであれ、無実となる証拠がない上に、翔が立ち入り禁止の場所に入ってしまったのは事実だ。これはどうしたらいいものか……」
それでも事件の真実を探そうとする三沢、やはり聖人……とはいかなくても良い意味でのお人好しだな。
そんな彼が悩んでいる中、灰色がかっている瞳をした金髪ロングの、同じ原作主要キャラでオベリスク・ブルー女子の天上院 明日香が声を掛けてきた。というか提案を出してきた。
「その事について提案があるのだけど。これから私と十代、そして残りの男女1組でデュエルをして、1人でも男子が勝てばこの件は水に流すことにするわ。それでどうかしら?」
「デュエルで勝てばいいのか? なら安いもんだぜ‼︎」
やはりデュエル……‼︎ デュエルは(この世界では)全てを解決する……‼︎ 困ったことがあればデュエルで全てを決める、この世界ではよくありがちなことだからある意味助かるぜ……
「いやちょっと待てよ? 『1人でも勝てば』? オイオイオイオイ、それは覗き見されたお前達にとってメリットがあるとは思えんぞ?」
「正直に言って、彼が本当に覗き見したのかどうかも怪しいのよ。知らずに入ってしまったって感じが出ているみたいだし」
「……それはまぁ、そうか。優しそうなヘタレっぽい翔が覗き見する度胸も無さそうだし」
「辛辣⁉︎」
よかったなぁ翔、お前のヘタレな感じが許してもらうための条件を軽くして貰えたみたいだぞ? 広い心を持った天上院に感謝することだな。
「……で、残った俺達は誰を相手すればいいんだ? もしかしてそこのツインテールの奴とか?」
「アラ、もしかして私とのデュエルをご所望かしら?」
「いや対戦相手がそうなるのかと聞いてるだけだ。なんでナンパされてると思ってんの?」
よく見れば、原作にはいなかった薄紫色の腰近くまで長いツインテールの女子がいた。ジュンコとももえとは違って天上院に近い強いオーラを放っているように感じるため、もし彼女と闘うとなれば警戒する必要がある。
「雪乃の事かしら? えぇ、彼女も中々の強さを持っているから、それが妥当でしょうね。それで、彼女とは誰が闘うの?」
「私は貴方達がどれほど強いのかを、実技デュエルを観て理解したから、どちらが相手でも大歓迎よ?
………………あ? 今、この女なんつった?
「よし、ならばここは俺が───」
「三沢、こいつの相手は俺にやらせろ」
「翼……?」
率先して前に出ようとした三沢を制止し、俺は雪乃の前に立った。
「お前、名前は?」
「そういえば言ってなかったわね。私は藤原 雪乃、貴方達と同じ1年生よ」
「そうか………………藤原 雪乃。お前に1つ、ハッキリと忠告してやる」
これは他の者達と会話するに対して大切なことだから、耳の穴ん中ほじくってよーく聞きやがれよ、このアマが……
「他人を『ボウヤ』と呼んでいいのは子供だけだからな‼︎ だから俺などの同い年か同年齢以上相手に『ボウヤ』なんて言うんじゃねェ‼︎ お前が召喚するモンスター
「え……?」
「「「「「「悪口がちょっと独特だ(っす)(ですわ)⁉︎」」」」」」
俺の文句がインパクトあったのか、雪乃は驚きのあまり目を見開いており、他の一同はツッコミもプラスしてくれた。ボウヤという二人称をかけていいのは子供にだけ、はっきりわかんだね。
「だからお前に教えてやるよ、『ボウヤ』呼び指定を間違えた者のデュエルでの末路を……な」
そう言って俺は雪乃を睨みつけながら、デュエルディスクを展開しながらデュエルの構えを取った。オイ、どうした? 俺か三沢の、強いデュエリスト相手なら大歓迎じゃなかったのか? 歳上お姉さん気取りのにわかがよォ?(笑)
『汝よ、今の汝はなんだか悪役に見えるぞ』
『いやもう悪役そのものの態度じゃないか』
あぁうん、自分でもこれは悪役じゃねェかって思ったわ。いくら『ボウヤ』呼びがイラッとしたからといって、さすがに中指立てるような態度を取ったのはよくなかったよな。反省はしてる。
「えっと……そ、そう。この私を楽しませてくれるってことなのね。な、ならいいわ、存分に楽しませてもらおうかしら」
一方の雪乃は、戸惑いながらも俺の挑発らしき独特らしい悪口に乗っかってくれて、デュエルディスクを展開した。お前もノリノリになれるタイプだったんだな、ある意味助かった。
「おい十代。お前も天上院とデュエルするならここからちょっと離れた方がいいぜ。俺のモンスター達の動きに巻き込まれかねないからな」
「お、おう。わかった……ちょ、ちょっと闘う場所変えれるか? 明日香」
「え、えぇ……あ、あそこの湖にボートがあるから、そこで移動してお互い距離を離しながらやりましょうか……」
なんで湖でボードに乗ってするのかって? ここでやると寮の近くだから、誰かに気づかれて校則違反になってることがバレてしまうんだよなぁ。だから湖移動でボート移動もしてその可能性をなるべく減らそうってわけ。
♢
そして数分後。湖のボートが4隻もあったのでそれぞれに分かれて乗ることになった。んで今。一隻に十代と翔、一隻に明日香(名字呼びを止められた)・ジュンコ・ももえの3人、一隻に俺と三沢、最後の一隻に雪乃が乗っている。
「なんで雪乃のボートだけ専用っぽくなってんだよ」
「仕方ないじゃない。ジュンコとももえは明日香のファンみたいなもので近くで彼女のデュエルを見たいと言うし、ボートもそんなに多くなかったし……何より一隻のボートに男女1組が乗るのがアレだとかの文句もあったのだから」
最初のヤツだけ納得がいかん。なんだよ近くで推しのデュエルを見たいって。それでボートのバランスが悪くなって沈下して明日香に迷惑かけたらお前らのせいだからな? 擦りつけしようもんならデュエルで心折ってやる。
「まぁいいや、そろそろ始めようぜ」
「えぇ。私を昂らせないね、ボウ「あ ゙ぁ ゙?」……えっと……王辻君?」
よろしい。俺に対して同い年以下による『ボウヤ』が禁句であることは理解してくれたようだな。それで充分だ、さっさと始めようじゃないか。
「「
さぁ、お前は俺のデュエルプレイングに耐えられるかな?
翼
LP:4000
藤原 雪乃
LP:4000
ティルル『ご、ご主人様が珍しくブチギレ……こ、この状態の時のご主人様とは関わらない方が良いのかもしれません……』
ちなみに翼が三沢に見せた6つのデッキは、【ドラゴンメイド】と【ティアラメンツ】以外はネタバレ防止のために教えません。次回以外で使うヤツが三沢に見せたものとなるので、その時までご想像にお任せします。