機動戦士ガンダム 忌まわしき記憶の清算   作:くまたいよう

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 整理したものから、スパロボに対する私的なもの。特にZに対してのを投影したのを一つ。先ずはサブタイトルの御方。


ハマーンの忌まわしき記憶

 多元世界と呼ばれた世界。

 

 その世界において、自分が望んでいた状況であったハズの女性は正に天国から地獄と揶揄されるであろう事態になった。これは、その可能性の一幕であった。

 

 

 

 

 ――――――――――。

 

 

 

 

「シャア・・・・謀ったなシャア!!」

 

 悲願であったアースノイドの粛清をシャアと共にする手前だった。アクシズを地球への降下軌道に乗せる為の戦いに前線から一旦引いたハマーンは遠くで聞いていた。

 

 わなわなと怒りに震える身体を操縦桿を握って止めたハマーン・カーンは奇しくもシャアの親友であったガルマ・ザビと同じ台詞を叫び、愛機キュベレイの推力を全開にしてシャア・アズナブルの元へ向かう。

 

 シャア個人やエタニティフラットと呼ばれる状況を打開する問題以前に結局のところ自分を謀った。立ちはだかるUG勢力の機体をジグザグ軌道を取りつつすれ違い様に斬り伏せた。遠目からでも視認できない程な動きをする白い機体はハマーンの怒りによりスペックを越えた力を発していた。

 

(シャア、結局。お前は私を置いて行ってしまう気だったのかっ!)

 

 シャアとしては自分がいなくなった後のネオジオンを託す気だったかのだが、ハマーンからしたら体よく利用されただけだと怒りが頂点に達していた。シャアの駆るサザビーを射程に捕らえる寸前に横からビームが飛んで来たが、当てる気ではないのがわかるのが余計にハマーンの癇に障る。ビームの来た方向から飛んできたのは自分が倒すべき敵とした少年が駆るゼータガンダムだった。

 

「ハマーン、やめろ!」

 

「カミーユ・ビダン・・・・貴様が、貴様がいなければっ」

 

 ハマーンは何故か発した言葉が真実だとわかる。拘っていると見られたアムロ・レイとの対決に賭ける気概が少ないように感じた答えの一因だ。

 

 カミーユを筆頭にした若者達がクワトロと名乗ったシャアに影響を与えていたのは明らかであったのだ。

 

「そこをどけ!私はシャアに報いを与えねばならないのだ!」

 

「あの人には、やって来たことの責任は取ってもらう!だけど、それは世界の運命を決めてからだ!」

 

 ハマーンはキュベレイのビームを撃つが、それを機体を捻りながら最短距離を飛んで来てロングビームサーベルで斬り掛かってきたので何とか両手のビームサーベルで受け止めた。ビームの干渉で火花を散らすが、何とか弾いてファンネルを射出したが。

 

(しまった!)

 

 ハマーンはカミーユの意図に気付いた。ファンネルを使ってしまって消耗させられてはシャアのサザビーを相手にするのに不利だ。落とそうとしても他に気を取られながらでは不利。少なくとも時間を稼がせてしまう。嘗てコロニーレーザー内で自分とシロッコをカミーユが足止めしようとした事があるが、その時と似てるようで不利な状況に持ち込まれてしまった。

 

「腕だけではなく知恵を回せるようになったようだな、だからこそ許せん!貴様もシャアと同じだっ!」

 

「貴様、他人の意思も在り方も自分の思い通りに!」

 

 シールドで防ぐか回避されるかだが、益々ハマーンを苛立たせた。ゼータガンダムのシールドは元々キュベレイのファンネルでは決定打にはならず。今はIフィールドすら纏う複合兵壮となっているようだ。ならば?

 

「来、る・・・・っ!」

 

 再度接近戦を仕掛けると見せ掛けた動き、だがゼータを急上昇させてハマーンの意図を未然に防いだ。そのままなら応じた瞬間に死角からファンネルで撃たれていた。そのまま飛ばしながらの通常から高速戦闘を仕掛けられたが、カミーユとてアムロとシャアがフィスルナでファンネルをドッグファイトさせながら本体は他が立ち入る隙すら無い戦闘を行う光景を目の当たりにしているので簡単には引っ掛からない。掻い潜りながらのビームを回避しつつ半分を回収して、もう半分のファンネルで仕掛けるようとするハマーンはアクシズの地表にある溝や坑道に誘導されていると気付いた。データでサイコガンダムをまんまと嵌めた戦闘を見たのを思い出したしビームコンフューズを使われたら厄介だ。

 

「カミーユ!」

 

 新手でシンのデスティニーが来たのも確認した。ハマーンも以前に小競り合い程度で戦ったが、カミーユ同様に以前のような不安定さが失せているとわかっている。長距離射程のビーム砲が最大出力で放たれ。カミーユが回避したところを狙おうとしたが、キュベレイは紫色のオーラで弾いてしまう。

 

「なっ、何だよアレ・・・・」

 

「シン、アレに気圧さ・・・・危ないっ!」

 

 第二射を撃とうとしたシンは思わず機体を後退させるが、回収していなかったファンネルにビーム砲を撃ち抜かれて慌ててパージした。カミーユも機体を屈めたら背後からビームが通過して冷や汗を掻く、シンは撹乱の為に機体を最大稼働させるがキュベレイに先回りされてたの斬撃を見舞われてシールドで止めるのがやっとだ。気圧されている以上に対艦刀アロンダイトを抜く隙すら無い。ひたすらカミーユと連携しながらの高速戦闘で当たるしかない、気を抜いたり無駄な動きをしたら最期だ。シンも本体とファンネルを全力稼働しながら戦闘をさせる技術はアムロとシャアの戦いで見た。実際に向き合うと恐怖そのものだ。

 

「貴様等、何故邪魔をする!シャアはお前達すら謀ったのだぞ!」

 

「そうさ、けどクワトロ大尉が道を誤ったら俺やカミーユが戦うって言ったけど、あの人と戦いたいやつなんか俺達の中にはいなかったんだ!」

 

「【近くにいた者達】はの間違いだろう!」

 

 カミーユとシンはハマーンの言う事がわかった。例えばエゥーゴ内の連邦兵はクワトロがシャアと明かした時から僅かずつだが不和の芽を出していた。その時に自分達が一番愚かだったのだと気付いた。自分達が見ていたのは?

 

【クワトロであってシャアではない】

 

 尚も続くキュベレイの本体を含めたオールレンジアタックを凌ぎながら怯まずに攻撃と回避運動を二人は続けた。手心を加えれば一人で自分達が全滅させられるとまで危機感を抱いた男と戦った事があるので気迫負けだけは出来ないとするが、ハマーンは可笑しいと思い始めた。

 

(何だと言うのだ。二人が戦闘中に腕を上げているのだとはわかるが、カミーユの方は・・・・このレベル以上とすべき戦いを知っていると言うのか?)

 

 キュベレイの装甲をゼータのビームが掠めた時にハマーンはカミーユの心の声が聞こえて青ざめた。

 

(まだだ。あの時のクワトロ大尉は訓練でデータ上の6倍のファーストガンダムを落とした。あの時の・・・・あの時のクワトロ大尉、いや・・・・シャアのような動きをすれば!)

 

 ハマーンは知らなかった。アクシズにいた時のシャアは最もパイロットとして強かったシャアではない、一時的に過去を振り切ってアムロと向き合いたいだけの状態になったシャアをカミーユは見ていたのだ。

 

「シャア、何故だ・・・・シャア!?」

 

 キュベレイの動きが鈍って来た。ハマーンが見てきたものが否定されているし、認めたくない部分を突き付けられているようだと感じている。

 

【ハマーンが見てきたのは、シャアではない】

 

 シンにも何故かわかる。カミーユやセツコと出会ってなければと思う自分に近いものをハマーンに見た時だった。

 

『もうやめて!』

 

 声が聞こえた。ハマーンのではない女の声がシンにもだ。無調整と呼ばれる域の遺伝子操作しかしていない故な未知の部分がシンにはあった。その内にゼータとキュベレイがお互いに光と波動を出した。その光景をシンは以前も見たが、その時以上にべとついた感覚があって喉がカラカラになっていた。アレを見なくてはいけないとして。

 

 カミーユは真っ先に見た。

 

【ハマーンの身近にいた女性が見たシャアの本質】

 

 気に掛けてくれていたのはNTの資質があるからとしたが、全て繋がった。エゥーゴのクワトロでいたかった理由の全て。

 

「カミーユ!貴様だけは、貴様だけは許さん!シャアの前にお前を殺す!」

 

「ハマーン、聞こえたんだろ!」

 

「や、やめろ!やめろおおおっ!」

 

 遮二無二斬り掛かるキュベレイの猛攻は恐怖よりも寧ろとしてデスティニーが体当たり気味に組み付いた。シンとて見た光景に黙っていられない。

 

「あ、あんたって人はああっ!【見殺し】にしたのか!」

 

「ち、違う。違うんだ・・・・やめろ!」

 

「ひ、酷い事をしたんだってわかってるようだけど恨まれてない、恨まれてないんだよ!それが、それが・・・・【家族】ってもんだろ!」

 

 取り乱しているようで狂乱しているに近い状態に戸惑うがハマーンの発するプレッシャーにシンは思わずデスティニーの掌のビームを撃ってしまう。弾みで両肩のバインダーを吹き飛ばしたが、デスティニーをはね飛ばしてゼータに突撃するが、ゼータから出た紫色のオーラに弾き飛ばされてしまった。機体を整えたが、カミーユも忌まわしい記憶があった。衝動故に家族を死なせたのは自分の方が酷いのだとしたが、言わざるを得ない。

 

「ハマーン、やめろ!(やめて!)」

 

「あ、ああ・・・・」

 

 震えるハマーンは理解せざるを得なかった。以前にカミーユがシロッコを葬った光景を目の当たりにしたのにコレを気付かなかったのは忌まわしき記憶を封じようとする自分には致命的な見落としだった。

 

「お姉さんの話を(私の言うことを)聞けえ!(聞きなさい!)・・・・このわからずやああっ!(わからずやああっ!!)」

 

 ウェイブライダーに変形して突撃して来たゼータに成す術がないようで我武者羅な抵抗をしたハマーンの意思がバリアとなるが、それすら突破されようとした瞬間に、機体がゼータに宿る魂に逸らされたのか、キュベレイの左肩を先端が抉り抜いて弾き飛ばされてしまう、強力な負荷でスピンしながら飛ばされるハマーンは薄れ行く意識の中で、カミーユの身体を借りてまで自分を止めた女性の姿と名前を思い浮かべてしまった。

 

(な・・・・リー・・・・【ナタリー】・・・・)




 アラサーOLになった場合のように、シャアに対してそんなにアムロ・レイの方が良いのか!どこじゃないハマーン様おいたわしやから始まる物語でした。
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