あの、マスターに選択肢なんていらないと思うんですけど 作:作刀
「ジークフリート、お前大丈夫か?傷が酷いようたけど」
「すまない……どうやら俺には呪いがかかっているようだ」
「呪い……?それ解呪出来ないの?」
「恐らく、洗礼詠唱ならば解呪できるはずです。ただ、相当高位のサーヴァントでなくては……」
「ジャンヌならできるのではなくて?」
「いいえ、試してみましたが私一人では力が足りませんでした。ジークフリートには複数の呪いが掛かっています。生きているのが不思議なくらいに……」
「やばいじゃん」
「複数の呪いを同時に解呪するためには聖人があと一人必要です」
『ならば探しに、世界の果てまでイッテQ!』
『聖人?ヒーローならいますが』
俺はヒーローじゃねえよ。ていうかたとえ俺がヒーローだったとしても解呪なんてできるか。そんで、なにが世界の果てまでイッテQ!だよ。そんな遠いところまで行けるわけないだろ!いい加減にしろ!でもまあ自分のことヒーローとか言う痛いやつにはなりたくないから上で
「ならば探しに、世界の果てまでイッテQ!」
「行きすぎだバカ野郎」
「そもそも、世界の果てまでいかずとも見つかると思うが?」
「ですよね」
俺もそう思う。誰が人探しのために世界の果てまで行くんだよ。バカなんじゃないの?
「世界の果てまでは行けませんが、探すというのは賛成です」
「すまない……俺のために」
「ジークフリ……いやもうすまないばっか言ってるからすまないさんでいいや。すまないさんお前卑屈すぎだよ」
「……すまない、卑屈ですまない」
「だからそのすまないをやめろって」
「すまない、すまないばかり言って本当にすまない」
「お前ら、さっきからすまないすまないうるせえぞ!?」
「「すまない、本当にすまない」」
「だあああああ!!坊主!お前までジークフリートに乗ってんじゃねえよ!」
「いや、なんか面白くなってきたから」
「マスター、ふざけている場合ではないぞ?一刻も早く彼の呪いを解かなくてはならない」
「……それもそうだ。ならリヨンの時みたいに二手に分かれよう。そうだな……俺とリリィちゃんとエミヤ。そしてリっちゃんのほうがジャンヌちゃんとジークフリートと槍ニキとマリーちゃんとアマデウスだ。ほんとはジャンヌちゃんもこっちにしようかと思ったけどもしそっちで聖人を見つけた時にジャンヌちゃんがこっちにいたら合流するまで解呪できなくなるからな」
「まあ、俺たちの方で見つけたらダッシュで合流しに行く」
「よく考えられたメンバー構成だ。いつもその調子でいてくれたらいいのだがな」
『俺は本気でおふざけする男だ。止められんぞ!』
『ふざけるのをやめられない止められないぃぃぃぃ!!』
うるせえ!!なにが本気でおふざけする男だよ!なにがやめられない止められないぃぃぃぃだよ!!止めろ!これ以上俺をネタキャラにしようとするなぁぁぁぁぁぁ!!
「ふざけるのをやめられない止められないぃぃぃぃ!!」
「たっくん、ステイ」
「はい」
「マスターのその常識にとらわれない姿勢、私は好きですよ!」
「リリィちゃん……!」
「いや、それ好きになっちゃダメだと思うけど?」
ああ、やっぱリリィちゃん天使だわ。結婚してほしい。別に結婚してしまっても構わんのだろう?
『リリィに2度目の求婚をする』
『この場で口づけからのにゃんにゃんタイムに突入する』
バカヤロォォォォォォォ!!時と場合を考えろよ!え?俺が結婚したいとか思うから?そういうのは心の中にしまっておくものなんだよたわけ!ていうかにゃんにゃんってなんだよ!?この場でそれをするのはマズイだろ!?相手のことを全く考えてねぇ……さてはお前モテないな?
ィ゙!?イダダダダダダダ!?あ、頭が割れりゅぅぅぅぅぅぅ!?ごめんごめん!もう言わないからやめてぇぇぇぇぇぇ!!!
「はあ……はあ……」
「ま、マスター?」
「だ、大丈夫だリリィちゃん。それよりも」
「それよりも?」
「さっき俺の事好きって言ったよね?俺も大好きだから結婚しよう」
「ふ、ふぇぇ……?」
『いい加減にしろぉぉぉぉぉ!!』
もう何度見たか分からないリリィちゃんの赤面頂きました。最高です。そして皆さん、俺もいい加減にして欲しいと思ってます。でも選択肢には逆らえないんです。こんな弱い俺を許し──
「ふんっ!!」
「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁ!!?」
リっちゃんッ!?極まってる!腕ひしぎ十字固め極まってるからぁぁぁぁぁぁ!!?ぎ、ギブギブ!!
「リっちゃん!ギブ!ギブだから!極まってるからぁぁぁぁぁぁ!!」
「たっくんはすぐそうやって女の子に結婚しようとか言う!もう許さないんだからぁ!!子供の時に私にも結婚しようって言ってたの忘れてないんだからねぇ!」
「ジャンヌちゃん!た、助けてくれぇ!」
「ふん、藤丸さんの言う通りです。拓也さんは反省してください……私にだって告白したくせに……」
「す、拗ねてるジャンヌちゃんも可愛いなぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「この期に及んでまだ言うかぁぁぁぁ!」
「え、エミヤ!槍ニキ!アマデウス!すまないさん!だ、誰でもいいから助けてくれええええええ!!」
「マスターは少し反省しろ。流石に節操がなさすぎるぞ」
「お前さんは少し痛い目を見たほうがいいぜ?」
「僕も同意見だ。ていうかここで助けたら僕にも飛び火しそうだからやめておくよ」
「複数の女性に告白するなんていけないことだ……いや、すまない。他人の事情に口を出してしまってすまない」
「いいんだよ。悪いのはこのアホだ。そもそもお前の言ってることは正論だからな」
そのとおりです!俺が悪いですねぇこれはァ!反論の余地なし!判決死刑!笑えねぇ!な、なんとかして説得しなければ……
『別に良くないか?英雄色を好むと言うんだし』
『うるせぇ!!ハーレムを願ってなにが悪い!!』
開き直ってんじゃねえ!!俺は説得しようとしてんだよ!余計なことすんなよ!?ああもうダメだこれ。ていうか英雄色を好むって……俺は英雄じゃないんだからそんな言い訳通じるわけねえだろ!でも、ダメ元で……
「別によくないか?英雄色を好むと言うんだしぃぃ!?」
「そんな言い訳聞くかぁぁぁぁぁぁ!!」
「ギャァァァァァァ!?」
「バカだろお前、ていうかその言葉別にいい意味じゃねえだろ」
「全く、呆れたマスターだ……」
「流石の僕も擁護のしようがないな」
「紳士だと思っていたけれど、節操なしなのはダメよ?」
はい、おっしゃる通りです。そしてこの腕ひしぎ十字固めいつまで続くんですか……?
────────────
あれから10分ほどたってやっとリっちゃんに解放された俺は必死に土下座してなんとか許しを得た。大変でした。もう二度と受けたくありません。はい
んで、今はリっちゃんチームと分かれて聖人を探している。今いるのは確かティエールって街たったかな?んで、ロマニ君に聞いたところ、2騎のサーヴァントがいるらしい。聖人ならいいんだけど───
ドォォォォオン!!
「ダニィ!?」
「マスター!恐らくドクターが言っていた2騎のサーヴァントです!」
「だろうな。どうするマスター?」
「言うまでもねえ」
「ふ……行くのだろう?」
「当たり前だ!」
俺達は爆発音がした方向に走っていく
「このっ!この、この、このっ!ナマイキなのよ!極東のド田舎リスが!」
「うふふふふ。生意気なのはさて、どちらでしょう?出来損ないが真の竜であるこの私に──勝てるとお思いで?エリザベートさん」
「うーーーっ!ムカつくったらありゃしないわ!カーミラの前にまずアンタを血祭りにしてあげる!この泥沼ストーカー!」
「ストーカーではありません。『隠密的にすら見える献身的な後方警備』です。この清姫、愛に生きる女です故」
戦っていたのは、2人の美少女だった……ああ、この街に来て正解だった……
「う、うううううう……」(号泣)
「マスター!?いったいとうしたんですか!?」
「か、かわいい……女の子達が、いっぱい……リリィちゃん……俺ここで死ぬのかな?」
「そ、そんなことありませんよ!?」
だってフランスに来てから何度も美女美少女とエンカウントしてるんだぜ?人生の運全部使ってもまだ払い足りねえよ。やっぱり死ぬのか?
「気にするなリリィ。このバカマスターの妄言は今に始まった話ではない」
「そ、そうですね」
「妄言て……まあいいや。さて、早速お話と行こうじゃないか……!あ、2人はそこら辺にいるワイバーンとかの相手してて?」
「ろくな結果になる気がせん……が、了解した」
「お任せください!」
『アサシンの如く、気配を遮断して2人の間に現れる』
『問答無用。ブッ飛ばす』
今までアーサー王とかマルタちゃんとかいろいろな女の子をぶん殴ってきた手前、あまり強くはいえないけど……問答無用にぶっ飛ばすことはなくない!?今までのは不可抗力じゃん!?俺だってブッ飛ばさずにすむならそうしたいよ!
なので今回は気配を消して2人のところに行きます!
「やぁ……麗しい女の子達?」
「「──!?」」
「あ、あんたいったいどこから現れたのよ!」
「……全く気配を感じませんでしたが?」
『癖になってんだ、音殺して歩くの』
『この喧嘩を、終わらせに来た』
どっちでもいいわ。でもまあ、音殺して歩くって言う方がカッコいいかな?終わらせに来たって言って強者感出すのもアリだけどなんか違うしね。ていうか某ゾルディック家と某赤髪海賊団船長じゃねえか!
「癖になってんだ、音殺して歩くの」
「何言ってんのよ……?」
「何か用ですか?私は忙しいのですが」
「まあまあ……喧嘩はやめようね?」
「あんたにそんなこと言われる筋合いないんだけど?」
「引っ込んでていだだけますか?」
「…………(´Д⊂グスン」
「「!?」」
「な、なに泣いてんのよ!?」
「どうなされたのですか……?」
「女の子に、そんなボロクソ言われたの、初めて……じゃないけどつらい……」
「え、ええ……?」
「まさかそんなに悲しまれるとは……」
『今だ。2人とも押し倒して分からせよう』
『めちゃくちゃ号泣する。目の前の2人がドン引きするぐらいに』
どっちも選びたくねぇ……!どう転んでも気持ち悪い男っていう印象がついてしまうんだが……?まあ、ワンチャン泣き落としが効くかもしれないしそっちで
「ねぇぇぇ!喧嘩やめようよぉぉぉぉ!!それと俺の事ボロクソに言わないでぇぇぇぇぇぇ!!うわぁぁぁぁぁぁぁん!!」(号泣)
「え、えっと、その、ほら!分かったわよ!やめるから!やめるから泣き止みなさいよ!」
「わたくし達が悪かったですから、どうか泣き止んでくださりませんか……?」
「……ほんとに?」
「はい」
「本当よ」
「うん、よかった!」(めちゃくちゃいい笑顔)
「「──!!」」
いやぁ、喧嘩やめてくれてよかったよ。何か大切なものを失った気がするけど。にしても泣き落としってほんとに効くんだ。キモイとか言われて引っ叩かれるかと思ったわ。まあこの2人にしばかれたらたぶん今以上に泣いてるけど
「マスター、周囲の敵は殲滅し……どういう状況だ?」
「マスターが、慰められている?」
「いや、本当にどういう状況なんだ!?」
「あ、二人とも。見ての通り喧嘩は止めたよ。なんかいろいろ失った気がするけど」(遠い目)
「そ、そうか……聞かないほうがいいか?」
「できれば」
「分かりました。それでそこのお二方、少しお聞きしたいことがあるのですが」
「何よ」
「お二人のほかにサーヴァントを見かけませんでしたか?」
「頭がおかしくなったサーヴァントなら見たけど?コイツみたいに」
「一緒にしないで戴けますか。わたくしは言語をきちんと理解できるバーサーカーです」
「何よ」
「何ですか」
「2人とも、喧嘩は辞めるんじゃなかったの?」
「そうだったわね……」
「……もちろんです。この清姫、嘘を付くことはいたしません」
「……とにかく、私たちが探している聖人とは違うわけか。外れだな」
「おいエミヤゴラァ!!可愛い女の子2人見つけといて何が外れだ、ああ!?取り消せよ……今の言葉!」
「……落ち着け。今の言葉は取り消す、すまなかった」
「わかればいいんだよ」
まったく、何が外れだ……俺にとっては当たりも当たり。超大当たりだよ
「まあ、可愛いだなんて……」
「ふふーん、あんた分かってるじゃない。特別に、この私が味方になってあげてもいいわよ?」
「いえ、エリザベートなどよりわたくしをお選びください。ぜひ貴方様のお役に立ってみせましょう」
「は?」
「はい?」
「………」
「マスター、本当に大丈夫なのか?」
「不安です……」
向こうは聖人見つかったのかな?まあとりあえず戻ろうか
「あ、そういえば言い忘れていました。エリザベートと出会う前にその聖人と遭遇したのです」
「……まじ?」
「はい、彼の真名はゲオルギウス。こちらでは有名な聖人なのでしょう?」
『ゲオルギウス!聖ジョージともいわれる聖人か。うん、彼なら文句無しだろう』
「うおおおおおお!!清姫ちゃん超有能!最高!もうほんと大好き!」
「……今なんと?」
「……?大好きって言ったけど」
「ふ、ふふふ……その言葉、嘘ではありませんね……」
「……清姫ちゃん?」
「貴方のお名前を聞かせてはくれませんか?」
「俺は、選拓也」
「その……わたくしも、拓也さんの泣き顔や笑顔を見て一目惚れしてしまいました……」
「───!!」
この時、俺に電流が走った。俺のことが……好き?め、面と向かってそんな好きって言われたのは初めてだ……!
「ちょっと!何私を置いてけぼりにしてるのよ!」
「あら、貴方は別にこなくてもよろしいのですよ?なにせわたくしが拓也さんのお嫁……サーヴァントになるのですから」
「くぅ~……!あんた!私とも仮契約しなさい!しないなんて言わせないわよ!」
「いいよ」
「……取り込み中のところの悪いが、連絡が来た。どうやら向こうは聖人ゲオルギウスを見つけてジークフリートの解呪をしたのはいいが、襲撃を受けていたようだ。だがあちらはサーヴァントが多いのもあって退けることに成功したようだ」
「ふーん、流石……いや、なんで連絡きたの俺じゃないん?」
「……妥当だろう。今こちらに向かってきているようだ」
「ええ……?まあいいや、なら今からみんなでお話しようか」
「ええ、いいわよ。私が話してあげる。感謝しなさい?子イヌ」
「あら、エリザベート、わたくしのますたぁに子イヌとは失敬ですよ?」
「子、子イヌ……?い、いや、なんだこの感覚……?なんだか、ぞくぞくして……?もっと──」
「待てマスター。それ以上言うな。ただでさえ地に堕ちている威厳が地面を通り越して地下まで行ってしまうぞ」
「……確かに。止めてくれてありがとう、正直俺もどうかしてた」
「私はもうマスターが女性を何人も受け入れる事に反対はしません。ですが藤丸さんやジャンヌさんにはどう説明するんですか?」
「いつか後ろから刺されても文句は言えないぞ」
いや、怖いこと言うなよ
女の子2人の前で泣く選拓也(19歳)恥ずかしくないの?ていうかコイツ大好きって言う相手間違えたね。もう逃げられないゾ