あの、マスターに選択肢なんていらないと思うんですけど   作:作刀

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14話 決戦前夜なのに緊張感の欠片もない

 

「今日はこの辺で野営しようか。明日は決戦だ。ゆっくり休んでくれ」

 

 

リっちゃんのチームと合流した俺達は野営する場所を見つけて休むことにした。そして、どうやら襲撃された時にこっちが優勢だったからリっちゃんが黒ジャンヌちゃんに決戦は明日にしようと提案したんだとか。その提案を飲んだ黒ジャンヌちゃん達は一旦退散した……ということらしい

 

 

 

「作戦会議とかしとく?」

 

「うーん、正直私は作戦なんてなくても勝てると思うんだよね。だってこのメンバーならたっくんがいなくても80〜90%ぐらいの確率で勝てるのにたっくんがいるんだからもう150%勝てるでしょ」

 

 

 

 

『当たり前じゃん。俺は自他ともに認める最強なんだから』

 

『まあ俺一人でも勝てるし』

 

 

あんまり実力を過信しすぎるなよ……?そうやって慢心してるといつか痛い目見るぜ?まあ痛い目見るの俺であってお前じゃねえのは死ぬほどムカつくけど

 

 

「当たり前じゃん。俺は自他ともに認める最強なんだから」

 

「流石わたくしのますたぁ、常に自分を信じているのですね。素敵です」

 

「あまり過信しすぎるのもよくないがね」

 

「でも実際そうなのがムカつくんだよなぁ。どうせ今回も傷1つ負わないぜ?コイツ」

 

「まあね?……そうだ、そろそろ飯にしよう。食料も届いてるしね。今回も俺が……」

 

「マスター。食事なら私が作ろう」

 

「エミヤが?」

 

「ああ、私は少しばかり料理の心得があってね」

 

「そうなん?じゃあ任せるわ」

 

「任せておけ」

 

 

 

 

 

───────────────

 

 

 

 

 

「うま!?俺よりうまいじゃん」

 

「こればかりは負けるわけにはいかんからな」

 

「ますたぁ、わたくしが食べさせてあげます。はい、あーん?」

 

「むぅ、ここはマスターの1番目のサーヴァントであるこの私が」

 

「いーや、私が食べさせてあげるわ?その方が嬉しいでしょ?子イヌ?」

 

「それならたっくんと1番付き合いの長い私が。ほらたっくん、あーん?」

 

「いえ、ここは私が。拓也さんにはお世話になっているので少しでも恩を返さなければ」

 

「この流れは私もやるべきね!ほーら拓也さん、あーん」

 

「……天国かな?」

 

 

女三人寄れば姦しいって言うけど俺には心地良いよ。しかも6人いるから2倍だぜ?最高かよ。でもこれ選べねえだろ。誰選んでも俺に被害がきそう。ラノベの主人公とか見ててうらやましいなとか思ってたけど、実際その立場になってみると意外と簡単じゃなかった。これどう切り抜けりゃいいんだ?

 

 

 

『全員から食べさせてもらう』

 

『断る。俺は1人でも食べれる』

 

 

……これ断るのが安牌か?だって全員から〜とか言ったらボコボコにされるだろこれ。俺は知ってるんだよ。どんだけこんな感じのシチュエーションのあるラノベを読んできたと思ってんだよ。……だが?ここで全員から食べさせてもらうという選択肢を取らないのは、男と言えるだろうか?否、断じて否!

 

 

男なら!それぐらいの気概を見せてみろッ!!

 

 

「まあ落ち着いてくれよ。俺は誰か1人を選ぶつもりはない……全員だ。これ以外に選択肢は……ないッ!!」

 

「言い切ったぞコイツ」

 

「……決戦前夜ということを忘れてはいないか?」

 

「相変わらずだねぇ彼は」

 

 

 

フ、言い切ったぞ……あれ?なんか周囲の空気が重くなっているような……?あ、ヤバいわこれ

 

 

「ねえたっくん、ダメだってわかってて言ってる?」

 

「ますたぁ、浮気は許しませんよ?」

 

「もちろん私を選ぶわよね?」

 

「信じていますよ。マスターは私を選んでくれるって」

 

「どうか私を選んでください、拓也さん」

 

「もう、そんなのじゃダメよ。拓也さん?」

 

 

 

でしょうね、こうなることは分かってた。調子に乗って全員とか言わなければよかったかもしれない。俺は視線を男サーヴァント達に向けて助けを乞う。だが……

 

 

「これはマスターの撒いた種だろう?自分で何とかするといい」

 

「で?誰選ぶんだよ?」(・∀・)ニヤニヤ

 

「私は彼の事はあまり知らないのですが、随分と女性の方々に好かれているのですね?」

 

「彼はああいうやつだ。誰か1人に絞る気なんてサラサラない。欲望に忠実すぎる男だよ」

 

「すまない、俺にはどうすることもできない」

 

 

 

こ、こいつら役に立たねぇ!?頼る相手を間違えたか……それはそれと槍ニキはしばく。さて、この状況をどう切り抜けようか

 

 

『意思は曲げない。全員に食べさせてもらう』

 

『諦めて自分で食べる』

 

 

よし、この修羅場を抜け出すためにもう自分で食おう。なあに、これから食べさせてもらう機会なんていくらでもあるでしょ。その時を待つまでさ……

 

 

「……今回はお預けだ。異論は認めない」

 

「……意外だな。マスターならば意地でも皆から食べさせてもらおうとすると思っていたが」

 

「修羅場が怖いです」

 

「お前そんなのにビビるタマじゃねえだろ」

 

「槍ニキ、うるせえぞ。俺にだって怖いものはある」

 

 

修羅場になった時に1番被害を受けるのは誰だと思う?俺だよ。こういうのは決まって争いの中心となる男がボコられる。そんなことになるぐらいなら男を捨てますよ俺は、ええ。ダサい?何とでも言え

 

 

「……たっくんがそう言うなら、今回は諦めるよ」

 

「私はもともとこの状況に乗っかっただけだし、拓也さんがそう言うのなら大人しく引き下がります」

 

「残念ですが、私も引き下がります」

 

「マスターの決定に従います」

 

「皆さんが諦めるのでしたらわたくしが……」

 

「あんたなんかにやらせるぐらいなら私がやるわよ!」

 

「……何ですか?」

 

「何よ」

 

 

 

え?そこでケンカ始まんの?ねぇエミヤあれ止めてくれ。元凶である俺が止めようとすればもっと酷いことになりそうだ

 

 

「仕方がない……2人ともそのぐらいにしておけ。マスターは自分で食べると言っているのだ、仮契約であれ、彼のサーヴァントならマスターに従うべきだと思うが?」

 

「そうそう、今度があればその時は2人きりでね?」

 

「分かりましたわ。この清姫、できる女ですので」

 

「ふん、まあいいわ」

 

「冷めないうちに早く食べてしまえ」

 

 

 

それもそうだ。料理はあったかい内が一番うまい。さっさと食って寝よう。明日は決戦だからね。あ、今日は俺寝るから男性サーヴァント達は交代でいいから見張っててね?

 

 

 

 

 

 

──────────────

 

 

 

 

 

 

朝だ。昨日は寝ようとした時に清姫ちゃんが一緒に寝ようとしてきて、それをOKしようとしたらみんな、主に女性陣から止められたので渋々一人で寝た。まあそんなアクシデントはあったけど今日でフランスの旅は最後だ。誰一人欠けることなくハッピーエンドで終わらせようじゃないか

 

 

『とりあえず一人で荒らしに行く』

 

『やっぱ怖いから待機する。多分勝つから皆が戻ってくるのを待とう』

 

 

プライドはねえのかテメェ!いいよやってやるよ!一人で敵陣地に乗り込んで荒らすだけ荒らしてやるよォ!?

 

 

「よし、まずは俺1人で敵地に乗り込む」

 

「そうか、俺たちの分も残しとけよ?」

 

「ちょっとは心配しろよ」

 

「僕も君の心配はしていないよ。君が先に行くなら僕たちはゆっくり行ってもいいんじゃないかな?」

 

「……」(´・ω・`)

 

「ああ、ますたぁ……わたくしは心配です」

 

「(´Д⊂グスン……清姫ちゃん」

 

「よしよし」

 

 

ああこれやばい……俺清姫ちゃんの子供になっちゃう……はっ!?いま正気を失っていた……清姫ちゃん、恐るべし!

 

 

「マスター、本当に1人で行くんですか?」

 

「まあ、敵も俺1人で来るなんて思わないでしょ。いやまぁこれまで奇っ怪なことばっかしてきたからワンチャン警戒されてるかもしれないけど」

 

「怪我だけはしてはダメですよ……?」

 

 

ぐぅ!?ジャンヌちゃん、その上目遣いは反則……!だが、ケガなんてしねえよ。どうせ今回も無傷で終わるさ

 

 

『当たり前だぁ!!』

 

『大丈夫、傷なんてつかないよ』

 

 

お前、いや、何も言わないでおくよ……さぁて、カッコよく決めてやろうか!

 

 

俺はジャンヌちゃんの頭に手を置いて撫でる。そして少し離れた場所に歩き出し、止まってから叫ぶ

 

 

「当たり前だぁ!!」

 

「拓也さん……」

 

「ひゅー、いいねぇ。男ならそれぐらい言わなきゃな」

 

「……そんじゃあ、行ってくる!」

 

 

俺はジャンプして飛び上がり、そのままオルレアンの方向まで飛んでいく

 

 

 

 

 

 

 




次回は最終決戦かな。ていうか人数が多過ぎてみんな喋らせようとすると誰が誰だかわかんなくなりそう。でも全く喋らさずに放置もあれだし……
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