あの、マスターに選択肢なんていらないと思うんですけど 作:作刀
「んあ……朝か」
ベッドで寝ていた俺は目を覚ます。いやー、よく寝れたな。おかげで最高の目覚めだ──
『全裸でカルデア内をランニングする』
『逆立ちでカルデアを一周する』
──最悪の目覚めになったわ、クソが。テメェなに朝1で出てきてんだよふざけんな!朝っぱらからなんでそんな事させられなきゃならねえんだよ!?ていうか実質一択だろうが!全裸でランニングなんかできるか!
……非常にやりたくないけど、逆立ちでカルデア1周してきます
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「ちょっとあんた、なにやってんのよ……」
「おはよう黒ジャンヌちゃん」
逆立ちで歩いていると、黒ジャンヌちゃんことジャンヌ・ダルク〔オルタ〕に会ったから挨拶をする。まあ黒ジャンヌちゃんの目は変人を見るときの目だけど
「そんな目で俺のこと見ないで」
「いや、朝っぱらから逆立ちで歩いてるやつが何言ってるのよ」
「ごもっとも」
「で、なんで逆立ちで歩いてんのよ」
「まあ……トレーニングの一環かな」
「あっそ、これが私のマスターだと思うと悲しくなってくるわ……」
「泣くぞ?」
言葉に棘がありすぎる。心にグサグサと刺さってくるんだが?俺そんな嫌われること……した覚えしかないな。どうすんだよこれ、選択肢お前のせいだぞ。責任取れよ
『逆立ちしていることを利用して下着を覗く』
『この場で本気のブレイクダンスを踊り、ジャンヌ・オルタを魅了する』
やっぱ出てくんな!責任とか取らなくていいからおとなしくしてやがれ!?もう黒ジャンヌちゃんにセクハラしたら殺されるだろうからここはブレイクダンスを踊るしかない、刮目せよ!この俺のパーフェクトブレイクダンスを!
「───決まった」
「……何よ、急に踊りだして?しかも上手いのが腹立つわね」
「でしょ?ダンスなら得意だからね。また今度見せてあげよう」
「へ、へぇ?まあそんなに見せたいって言うなら見てあげても構わないわよ?」
「決まりだね。それじゃあ、そろそろカルデア1周が終わるから俺は行くよ」
「もう勝手にしなさい」
「それではよろしくお願いします、マスター!」
「うん、よろしくねリリィちゃん」
逆立ちでカルデア1周を終わらせた俺は朝飯を食べるために食堂へ向かった。カルデアのキッチンには俺のサーヴァントであるエミヤがいる。あいつ料理上手だから厨房に立ってもらってるんだよね。マジで美味いの
まあそれは置いといて、今は見てわかる通り俺の前にはリリィちゃんがいる。なんでも、オルレアンでの俺の戦いぶりを見て、ぜひ手合わせお願いできませんか?と聞いてきたから二つ返事でOKした。女の子の頼みは断らないのだよ俺は。たとえその内容が戦闘だったとしても怪我をさせない程度に手加減はする
「さて、いつでもいいよ?」
「では、行きます!」
「いい太刀筋だ。でも速度が足りないね」
俺は頭を後ろに逸らすことでリリィちゃんの攻撃をかわす。そして鞘から抜いた刀の柄をリリィちゃんの腹部に当てる。ごめん、でも遠慮は要りませんなんて言われたから、攻撃はする。怪我はしないように威力は抑えてるけど
「──ぐッ!?」
「まだまだ!」
リリィちゃんに袈裟斬りや斬り上げ、突きなどで攻撃するが、ギリギリで受け止められたりかわされたりしている
「やるね、最初の柄での攻撃以外全部受け止めたりかわしたりしてる」
「ギリギリですけどね……」
「じゃあここからは俺反撃しないから、好きなだけ攻撃してきていいよ。一撃でも当てられるかな?」
「……本当なら舐めないでください、と言いたいところですがマスターなら本当に一撃も当たらない可能性があるんですよね」
「そうそう、だから遠慮なく……ね?」
「分かりました、では参ります!」
リリィちゃんは俺に猛攻を仕掛けてくる。それをことごとくかわしていく……余裕を持ちすぎてちょっと当たりかけたのは内緒だよ?幸いにもリリィちゃんにはバレなかったけど
「はあ……はあ……やっぱり当たりません」
「俺にも意地はあるからね。あんな事言っておいて当たったらダサいじゃん?それじゃあ今度は俺から行くよ!」
俺はリリィちゃんに向かって走る。だが、なぜかなにもないところで躓いてしまい、リリィちゃんもろとも地面に倒れてしまった。ん?この柔らかい感触は……
「ま、マスター……?」
リ、リリィちゃんの胸に顔面埋めてるぅぅぅぅぅぅ!?やっばいじゃん!いや、でもこの場には俺とリリィちゃんしかいないから誰も見てないしこの後ボコられるってことはなさそうだな
『リリィの胸に顔面を埋めたまま深呼吸する』
『1時間ぐらいずっとこのままでいる』
アホか!1時間もできるか!俺は大丈夫だがリリィちゃんが嫌だろ。ここは深呼吸するべきですよね?誰も見てないんだから!仕方ない、仕方ないことなんだよこれは(自分がやりたいだけ)
ではいっきまーす!
「すぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「きゃっ!マスター!?ダメです!そんなに深呼吸しては……!」
「あー……満足した」
「むぅ……!マスター!」
あっやべぇ、赤面しながら俺のこと睨んでる。クッソ可愛いな。いや、そんな事言ってる場合じゃない、謝らな──
『最高でした☆』
『もう1回やっていい?』
謝るっつてんだろうがぁぁぁぁぁ!!なぜ火に油を注ぐようなことをするんだお前は!ああもうこんなことなら1日中部屋にこもってたらよかったよ!
「最高でした☆」
「もー!なんでマスターはそうやってエッチなことばかりしちゃうんですか!」
「……俺はね。美少女を前にしてしまうと理性がなくなってしまうんだ!」(死んだ目&いい笑顔)
「そんな自信満々に言うことじゃないですよそれ!?」
「いやぁ、すまなかったね。深呼吸したのは俺が悪いけど倒れてしまったのは事故だ。いやマジで」
「そこは疑ってませんけど……」
「ま、まあ気を取り直して手合わせを再開しよう!ね!?」
「分かりました」
この後めちゃくちゃした(戦闘)。戦闘が終わった後はリリィちゃんは先に自室に戻って俺は少しの間その場に座って刀の手入れをしていた
「いやぁ、ハプニングはあったけど何とか丸く収まった」
「よ、坊主」
「槍ニキ、どしたん?」
「いや、さっきリリィとすれ違ったからお前の場所聞いたらここにいるって言われたから来たんだよ」
「へぇ、何か用?」
「さっきまでリリィと手合わせしてたそうじゃねえか」
「まあ」
「なら俺も手合わせしてもらおうかと思ったんだよ。リリィは一撃も当てられなかったって言ったから、俺はどこまでやれるのかと思ってな」
「うーん、まあいいけど」
「よし、そんじゃあ構えな」
「もうやるのかよ……まあいいか」
俺は構えて槍ニキを見る
「刀は使わねえのか?」
「さっき使ったばっかだしいいかなって」
「まあ別にいいんだけどよ。んじゃ、早速始めようや!」
槍ニキは驚異的な速度で距離を詰めてきた。この人ケルト神話の英雄って言われてるだけあって強いんだよな。まあ全然やれる範囲ではあるけど
「速いなぁ」
「余裕で避けやがった癖によく言うぜ。まあいいか、そんじゃあ上げてくぜぇ!」
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「で?調子に乗って色々破壊しちゃったんだ……?」
「加減というものを知らないの?貴方達は」
「「はい……」」
現在俺と槍ニキはリっちゃん達に怒られています。というのもヒートアップしすぎて設備とかぶっ壊しちゃったから皆集まってきちゃって今に至る
「はぁ……お前達は本当に問題ばかり起こすな」
「なんだと赤弓兵この野郎」
「クーフーリン?」
「すいません」
槍ニキでも説教モードのリっちゃんには勝てなかったか……俺?俺がリっちゃんに勝てるわけないだろいい加減にしろ
「まあまあ皆さん、お二人とも悪気があったわけではないですから……」
「悪気があってもらったら困るのよ!」
「とりあえず2人ともスタッフさん達と設備修理するの手伝ってね?」
「「ウッス……」」
俺と槍ニキはスタッフさんたちと一緒に修理することになった。余計な仕事増やしちゃってごめんねスタッフさん
「はあ……逆立ちでカルデア1周から始まって黒ジャンヌちゃんにブレイクダンスを披露して、リリィちゃんと手合わせした後に槍ニキと手合わせしたら施設ぶっ壊して説教される……改めて考えたらハプニングが多すぎる」
リリィちゃんには例のごとくセクハラしちゃったし
「疲れたしもう寝るか……」
俺はベッドに寝転がり毛布をかけて眠りについた。朝起きたらなぜか清姫ちゃんが布団の中に潜り込んできてて、俺を起こしに来たジャンヌちゃんがその光景を見て赤面しながら俺に怒ってきた。解せぬ
はい、ということで幕間でした。次回からは永続狂気帝国セプテムに入ります