あの、マスターに選択肢なんていらないと思うんですけど   作:作刀

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19話 見捨てられるよりは怒られたほうがマシだよね。by拓也

 

 

「さて、余のローマは今、危急の時にある。栄光の大帝国の版図は今や口惜しくもばらばらに引き裂かれているのだ」

 

「かたや余が統治する正統なるローマ帝国。この首都ローマを中心とした領域だ。かたや、何の前触れもなく突如として姿を見せた余ならぬ複数の皇帝どもが統べる連合だ。連合ローマ帝国。かの者どもはそう自称し、帝国の半分を奪ってみせた」

 

「やばいじゃん」

 

 

ネロ陛下の城に来た俺たちは、陛下から話を聞かされている。このローマ帝国の半分を奪われたと言っているが、それってまずくない?まあでも言っちゃえばその連合ローマ帝国ってのを潰せばいいんでしょ?

 

 

「その連合潰せばいいんでしょ?簡単な方法があるじゃん」

 

「む?方法とはなんだ?」

 

「俺が単身で突っ込───」

 

「ダメに決まってるよね?」

 

 

ダメでした。正直俺1人で突っ込めば何とでもなる気がするんだけどな。だって特異点F、フランスの2つを攻略したけど傷1つ負わないんだもん。どうせ今回も怪我しないでしょ。まあリっちゃんからストップを掛けられたからやらないけど

 

 

「マスター、あまり単独で動くのは推奨できない。いくら強いとは言え敵は何をしてくるかわからない」

 

「そうだぜ?ていうか坊主1人でなんとかしちまったら俺たちのいる意味がなくなっちまう」

 

「確かに」

 

 

まあ、マスター1人で解決するなら召喚する必要ある?って感じだしな

 

 

「余としても拓也一人に行かせるのは承諾できぬ。これほど強い者たちが居るのだ、何も1人でやる必要はない」

 

「うん、しないよ。ただの案だから。止められないなら行っても良かったけど止められたならやらないさ」

 

「うむ、それなら良いのだ。では、改めて……最早余1人の力ではこの現状を打破することはできない。故に、貴公らに命じる、いや、頼もう!」

 

「余の客将となるがよい!ならば聖杯を入手するという目的を余とローマが全力で支援しよう!」

 

 

 

『もちろんさぁ☆』

 

『もろちんさぁ☆』

 

 

あれ、どっちも同じじゃ……いや違う!下だ!下がなんかもろちんになってるぞ!?あっぶねぇ、適当に下選んでたらもろちんとか言うところだった。変なトラップ敷いてんじゃねえよバカ野郎!

 

 

 

 

「もちろんさぁ☆」

 

『流石選くん。軽いね、軽すぎる。でもそれはこちらとしては願ってもない申し出だ。ボク達の目的は共通している。選くんの言う通り協力しよう』

 

 

 

 

『報酬は陛下でお願いします』

 

『勝った暁には胸を触らせてもらう』

 

 

大人しくしてろ!!もうそのくだりいいって!同じ人に何回やるんだよ!?ていうかもうやめてくれないかなぁ!?そうやって口説こうとしたりセクハラしたりしようとするたんびに俺が怒られるんだから!

 

 

 

「……報酬は陛下自身でお願いします」

 

「そこまで余のことが好きなのか!ならばやはり報酬は余の家臣ということに……」

 

「だからそれは先程も……いや、もういい。私にはお手上げだ。マスターのその女性であれば誰でも口説く癖が直らない限りは何を言おうとも効果はないらしい」

 

「どうやら矯正が必要らしいわね?」

 

「拓也さん、あなたという人は……」

 

「たっくん、覚悟しててね?」

 

「わ……わァ……」

 

 

やっぱ怖いよ。でもね?俺は俺の意思でこれやってるわけじゃないんだわ。でもやめられない。そして説教される。これからもこのループからは逃れられないだろう……ぴえん

 

 

 

「とうとう泣いちまったか。女装した男の泣く姿は見てておもしれぇからいいんだけどよ」

 

「ああ、ますたぁ、泣かないで……」

 

「大丈夫ですよ!あ、後で清姫さんと慰めてあげますから!」

 

「て、天使だぁ……」

 

 

いやでも、なんか怒られるのも癖になってきたかもしれん。でもいつか口説いたりしすぎて呆れられて放って置かれるなんてことに……なったら悲しいなぁ……あれ、また涙が

 

 

「う、うおおおおおおおおおん!!」

 

「た、たっくん!?どうしたのそんな泣いちゃって!?」

 

「いや、もし女の子を口説きすぎてみんなから見捨てられたらって考えたらなんか悲しくなってきたから……でもなんかもうこれは俺を形作る1つのパーツみたいになってるから、切っても切り離せないんです、というか切れないんです。だから見捨てないで……うう、うおおおおおおおん!!」

 

「見捨てません!見捨てませんから泣きやんてください拓也さん!?」

 

「そうだよたっくん!その口説き癖が治るまでは叱り続けるから!」

 

「……はい」

 

 

じゃあもう治らねえから一生説教確定じゃねえか。でもまぁ見捨てられないならそれでいいや

 

 

「拓也はやはり愉快な奴であるな!」

 

「おかげでこっちは苦労してるけどな」

 

「まったくだ」

 

「そんなますたぁも素敵です」

 

「もうマスターが何をしても清姫さんはそう言いそうですね」

 

「ほんと筋金入りね。それとアホマスター、あんまりバカみたいな事するようなら燃やすからね?」

 

「肝に銘じます」

 

 

燃やされるのは勘弁だ

 

 

この後はネロ陛下が俺達に用意してくれた部屋に向かおうとしたが、宴をすると言い出したネロ陛下に俺はOKと即答した。だがその直後に敵が襲撃してきたと兵士の人が報告してきた

 

 

 

 

『ボコボコにして二度と逆らえないようにする』

 

『無視する。俺はここに残ってみんなに行ってきてもらおう』

 

 

サボるんじゃねえ!!俺はいくぞ俺は!敵に慈悲はない、二度と逆らえないようにしてやるよぉ!!

 

 

 

 

 

 

 

──────────────

 

 

 

 

 

 

「出てきたぞ!総員突撃!!」

 

『おおおおおおおおおお!!!』

 

 

 

フハハハハハ!!鴨が葱を背負って来やがった!!バカみたいに真正面から突っ込んできやがって、蹴散らしてくださいって言ってるようなもんだぜぇ!?

 

 

 

「さて、今回使う技は……流水岩砕拳だ」

 

 

 

そういって俺は構える。構える際に両腕にまるで川を流れる流水を模したような青いオーラを纏っている。流水岩砕拳は流水の如き動きで相手を翻弄し、激流の如き一撃で巨岩をも粉砕する拳法だ

 

 

 

「さぁ、耐えられるかな?」

 

 

 

向かってくる兵士たちの間を流れるように通り過ぎていく。すると向かってきた兵士たちはその場で倒れ、ピクリとも動かなくなった。やっぱ弱いわ。こんなもんで気絶しやがって

 

 

「やりがいがないな」

 

「マスターは本当に多才ですね!最早出来ないことはないんじゃないですか?」

 

「いや、俺も出来ないことはあるよ。リリィちゃんみたいにビームとか撃てないしね。それにエミヤみたいに武器を作り出すことも出来ないし黒ジャンヌちゃんみたいに炎を出して敵を燃やすことも出来ないし、清姫ちゃんみたいに竜に変身したりも出来ない」

 

「いや、まぁ火薬とか使えば燃やすことはできるけどめんどくさいし、やらないな」

 

「何よそのやろうと思えばできるみたいな言い方は!私ができてあんたが出来ないことがなくなるじゃないの!」

 

「あら、そこまでこだわることなのですか?ジャンヌオルタさん」

 

「当たり前よ!アホマスターに負けてるのはなんかムカつくのよ!」

 

「酷い言いようだ」

 

「そもそも戦闘能力という点では我々を凌駕しているのだから最初から負けてはいないか?」

 

 

それ、認めちゃったらサーヴァントの存在意義無くならない?いや、人間のくせにサーヴァントより強い俺がおかしいんだろうけど

 

 

「な、なんなんだこいつら!会話しながらなのに全く攻撃が当たらないぞ!?それどころかこちらが倒されている!」

 

「特にあの女装男だ!剣を振ればその攻撃の方向を変えて隣にいる兵士に当てたり、ありえないほどの連打で反撃の隙なくやられてしまう!いったい何者なんだ!?」

 

「そんな律儀に俺のやったこと説明しなくても。よく漫画とかにいる解説ポジのやつかよ」

 

「降参して引き上げたほうが身のためだぞ?このまま続けても無意味に戦力を消費するだけだと思うが」

 

「何言ってるのよ?襲ってきたなら殺されても文句言えないでしょ。兵士なんだからそれぐらいの覚悟はあるでしょう?」

 

 

 

わーお物騒。別に殺すことにこだわらなくていいんじゃないかな……

 

 

 

「やはり野蛮人は言うことが違いますね」

 

「は?なによ、まずあんたから燃やしてやりましょうか?」

 

「ああ、ますたぁ、わたくし怖いです……」

 

「んな……!?」

 

「まあまあ2人とも、まあ、今回は別に殺すことにこだわってはいないからおとなしく帰ってもらおう。俺たちの目的は聖杯の回収であって殺戮じゃない。相手が人間じゃなくて魔物とかだったら躊躇無く殺れたんだけどねぇ」

 

「……分かったわよ」

 

 

 

さて、敵はまだまだやる気みたいだから殺さない程度にぶっ飛ばそうか

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、夕暮れになってやっと帰ってくれたと……どんな執念だよ!?この時代の兵士ってここまで粘れるもんなの!?」

 

「まあ、どうせ忠誠心とかそんな感じのもんだろ。何もなしであそこまでやるとは思えねえしな」

 

「忠誠心もそこまでいくと怖いな」

 

「なにはともあれ、よくやってくれた!少し遅くはなったが、これより城に戻り宴を始めようではないか!」

 

「ふむ、宴に出す料理なら任せておけ。少し厨房を借りるぞ?」

 

「いいねぇ、酒は好きだぜ?俺は」

 

「俺はまだ未成年だから飲んだことないけど、今は日本には居ないし、時代が時代だから別に飲んでも何も言われないよね!」

 

 

 

 

こうして俺たちは城に戻って宴を始めた。だが、なぜかあまり酔わなかったのに選択肢がやらかしたせいで修羅場になったのは解せない

 

 

 

 




聖杯に願っても選択肢は消えないと思うのでこれからも付き合っていくことになるの笑える。多分沖田さんの病弱スキルとおんなじ感じの扱い。こいつ英霊じゃないんだけどな……
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