あの、マスターに選択肢なんていらないと思うんですけど 作:作刀
現在俺達は浜辺にいる。だがそんな俺達の目の前には3人のサーヴァントがいる。しかも2人は見覚えがあるしそのうちの1人はさっきまで一緒にいたやつだ
「おい、お前らなに裏切ってんだよ槍ニキにエミヤ。それにそこの美人のお姉さん誰だよ。あ、俺は選拓也です。よろしくお願いします」
「そう、この子ね。あなた達のマスターというのは」
「おう、そんでこいつが敵に回ってるということは……」
「我々に勝ち目はない……ということだ」
「はぁ……貧乏くじを引かされたというわけね……」
「まあ、こんな状況でもなきゃ本気でやりあえねえんだ、存分にやらせてもらおうか!」
「遠距離から狙撃したところでその驚異的な直感で弾いてくるからな。ならば私も正面から攻めるのみ」
「いいぜ?かかってこいやぁ!」
俺は槍ニキとエミヤを同時に相手取ることにした。みんなには悪いけど出番は後にしてくれ。さぁて、いっちょやりますか
「抜刀───疾ッ!」
「うおっ!?速すぎんだろ……!?」
「服装も相まってまさしく侍だな。だが相手が二人ということを忘れるな!」
「忘れちゃいねぇさ!それよりもお前ら大丈夫か?あのお姉さんキャスターだろ。そんな前線で複数のサーヴァントを相手できんのかよ」
「彼女は神代の魔女だ。そう簡単にはやられんさ」
「それより今は俺たちに集中しろよ。突然腹に槍が突き刺さるかもしれないぜ?」
『クー・フーリンを真っ二つに斬り裂く』
『アーチャー、自害せよ』
真っ二つて。槍ニキになんか恨みでもあんのかよ。いや、裏切ってるし残当だな。どうせ死んだってカルデアに戻るだけだし。で、なんだよ自害せよって。ちょっと気になるからこっちにしよ
俺は下を選んだ。すると俺の意思とは関係なく体が動き出す
「アーチャー、自害せよ」
「はっ?」
「な、なんでさぁぁぁぁぁぁ!?」
俺がそう言うと右手の令呪が光り、エミヤは自身が投影した干将・莫耶を心臓に突き刺した。あ、自害せよって、令呪で自殺を強制することだったんだ
「お、お前、惨い事すんな……やべっ、いつかの記憶が……」
「アーチャーが死んだ!この人でなし!」
「おい、それ違うやつ。それ俺だから……いや、俺も何いってんだよ。ていうか殺したのお前だよ」
「それはそう」
「じゃあ、アーチャーが心臓を刺して死んだなら。お前も心臓を貫かれるべきだよな?」
「いや、エミヤはいいけど俺は死ぬだろ」
「いや、死なねえだろテメェは」
いや、心臓打ち抜かれて死なないわけ……いや、多分ギャグ補正かかってるから死なねえなこれ。だって全体的にぐだぐだだから常に補正かかってるんだよなこれ
「その心臓、貰い受ける!
槍ニキは真正面から俺に突っ込んできた。今回は投げボルクではなく刺しボルクだった。確か因果逆転で槍が心臓に命中したという結果を先に用意してから槍を放つことによって放つ=確実に刺さるとかいうインチキ宝具だ。やばいなこれ。でも、ものは試しだ、一応やってみるか!
「疑似界王拳、3倍だ!!」
「……!?」
「シャオラァ!」
俺は心臓に刺さるはずだった槍を疑似界王拳で強化した肉体と魔力を纏わせた刀で弾き返した。よし、因果をパワーで捻じ曲げよう作戦成功だ!
「やればできるもんだな」
「テメェ、いったい何しやがった」
「圧倒的なパゥワーで因果を捻じ曲げた」
「ふざけんななにデタラメなことしてやがんだよ」
「それはギャグパワーってことで!じゃあ、お前もカルデアに帰れ!」
俺は槍ニキの顎に疑似界王拳で強化された超パワーのアッパーを食らわせた。槍ニキは遥か彼方まで吹き飛んでいった
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「1人の人間があの2人を負かしたと言うの……!?あの2人の言っていたことは本当だったのね……」
「あ、お姉さんまだ残ってたんだ……というか、桜セイバーちゃんどうしたの!?」
「今日は特別体調が……こふっ!?」
「ヤベーイッ!」
『ここは白馬の王子様のキスで病気を治してあげよう』
『魔力供給(意味深)だ。これで少しは楽になるだろう』
意味深てなんだよ。これ絶対下ネタ的なあれじゃん。魔力供給って物理的な方法じゃ非効率なんじゃなかったっけ?まあ正式契約してないからパス繋がってないしありなのか?……いや落ち着けだとしても意味深はダメだろ。場所考えろ
あれ?これ上の選択肢も終わってね?なーにが白馬のだよ!俺白馬何て乗ってねえし王子でもねえよ!ていうかそれで治るの毒リンゴ食った白雪姫だけだから!御伽噺だから!
だが、選ばない限り時が止まったまま動くことはない……ええいままよ!せめて口以外の何処かにしてくれ!
ズキュゥゥゥン!!
『はぁ!?』
「─────〜〜!?」
「…………」
く、口にいったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?白馬の王子様とか言ってるから嫌な予感してたけどやっぱそうきたかぁぁぁぁぁ!!こ、殺される!俺殺される……!まあ、正直な感想を言えば吐血した直後にキスしたから血の味がしました。ファーストキスはレモンの味とか言うけど俺の場合は血の味だった
「なな、なな……なにを……!?」
「……たっくん?」
「ひぇぇぇぇぇ……!」
「拓也のやつ、やりおった」
『流石選くん、ボク達にできないことを平然とやってのける、そこに痺れないし憧れない』
いや、痺れちゃダメだし憧れちゃダメなんよ。ほら見ろよ桜セイバーちゃんの顔。赤面して惚けてるよ。いや可愛いな!ああいやそんな事思ってる場合じゃない。これどうするべきだ!?
『ハイパー言い訳タイム』
『逆に開き直って魔力供給(意味深)もする』
もうでてくんなよお前!?素直に土下座してボコられたほうがマシなんだよ!開き直んなカス!
「い、いいいや、こここれには理由が……」
「理由……ねえ?どっちにしてもたっくんはあとでお話で済むかわからないけどカルデアに戻ったら私の部屋に来てね」
「これほど唆られない部屋への誘いはなかった」
「すごいわね貴方、流石島津セタンタと長宗我部エミチカを倒した男ね。この毛利メディナリの想像の遥か先を行く。でも何の合意もなしにキスをするのはいかがなものかと思うわ」
「もうほんとその通りで……」
「毛利?……島津?……長宗我部、……土佐?」
「……おや!?桜セイバーさんの様子が……!」
「うおおおおおお!!」
桜セイバーちゃんが叫ぶと姿が変わった。こ、これは……!?何の服装だこれ?
「哀しみと八つ当たりとファーストキスを奪われた怒りを力に変えて今こそ纏いましょう!我が誓いの羽織を!薩摩死すべし、慈悲はない!拓也さんもあとで1回斬ります!」
「はい、オワタ」
「自業自得じゃな」
「うむ、その通りであろうな。私も擁護はしかねる」
「ここまで来るとマスターはできないことがないんじゃないかと思いますね」
「いや、たっくんにもできないことはあるよ。それは自重だよ」
「ていうか、その怒りに関しては私関係なくない?」
「これは八つ当たりです!」
「そんな!?ていうか急に雰囲気変わって恐いんですけど!」
「俺も。ていうかなんでなん?」
何故急に姿が変わったのか、皆目見当もつかない
「説明するのじゃ!」
「わっ!びっくり!?」
「実はこの虚弱人斬りこと桜セイバー……その真名こそは幕末の京都にその名を轟かした薩摩絶対殺すマンこと新選組一番隊隊長、沖田総司なのじゃ!!」
「な、なんだってぇぇぇぇぇ!?いや、もう女の子である事には疑問は持たないけど、俺沖田総司にキスしたの?ヤッベ本格的に死の未来が見えてきた」
『選君はその不誠実さを一度斬られることで噛みしめるといいと思うんだ』
「ロマニ君、シャラップ」
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土佐への怒りと俺への怒りで毛利メディナリさんをぶっ倒した桜セイバーこと沖田ちゃん。まあそれは置いといて、俺は今正座してます。そして目の前には仁王立ちの沖田ちゃんとリっちゃん
「あ、あの……」
「たっくん」
「はい……」
「拓也さん、斬りますね?」
「待て待て待て!明日まで、明日までお待ち下さい!」
「問答無用!」
「おわぁ!?」
俺は振り下ろされた刀を真剣白刃取りで受け止める。止めてなかったら脳天から股にかけて真っ二つにされていたと思う。怖え……
「何故止めるのですか?」
「死んじゃうから」
「私はそのつもりで振り下ろしたのですが」
「いや、ホントごめんなさい。俺は君と契約してないから契約してパスをつないだら魔力を送れて少しは楽になるんじゃないかと思って行動したんだ」(ハイパー言い訳タイム開始)
「へぇ?その行動があれなんだ?」
「い、いやそれは……体が勝手に……でも!そこに邪な気持ちとかはなかったんだよ!?俺はただ単純に……!」
「……そういうことなら、もう、いいです」
俺の必死の説得(言い訳)が通じたのか、沖田ちゃんは許してくれた
「ですが責任は取ってくれるんでしょう?」
「へ?」
「……まさか人のファーストキスを奪っておいてそのままなんてことは……ありませんよね?(圧)」
「はいぃ……!」
「というか拒否されても勝手にカルデアに行くので」
「無法か!?」
「……ちなみに感想は?」
「血の味がしました」
「ふっ!」
「危なぁ!?」
「今のはマスターが悪いですね」
「そこ正直にいうか?普通。拓也の事が更によく分からんくなってきた」
「ふぅむ、聖杯からファーストキスはレモンの味という情報を与えられているが、例外もあるのだな」
「なに?聖杯っていらない知識まで渡してくるの?」
あ、これはぐだぐだというより修羅場です
ちなみにこいつ子供の頃に立香とキスしてるからファーストキスですらないという。本人は子供の頃は意味とかよく分かってないしノーカンだノーカン、とのこと。そして今回のキスに関しては血の味はしたが儲けものとかほざいてました