あの、マスターに選択肢なんていらないと思うんですけど 作:作刀
地下に潜り、しばらくしてから俺達は最下層に降りてきた。冬木の大聖杯と似てるけど、多分違うもんだろうな。ここに敵の親玉がいると思うんだが、すげえデカい機械がある。確かアングルボダだっけ?ロマニ君が言うに、あれこそが魔霧を発生させているらしい。とか考えてるとどうやらお出ましのようだ
『先手必勝。喋る隙すら与えない』
『身体中の穴という穴から水分を垂れ流しビビり散らす』
おっと、こちらもお出ましのようだ。お前は出て来てほしくなかったんだけどな……(懇願)しかも温度差。酷すぎるだろ、俺から人としての尊厳を奪おうとするな。ただでさえ無くなりそうなんだぞ?お前のせいだが。だからといって上を選ぶのもなぁ……だって絶対重要な情報持ってんのに喋らせずにぶっ飛ばすとか悪手だろ
まあ醜態は晒したくないのでぶっ飛ばします
「──奇しくも。」
「死ねオラァ!!」
「ッ……!?」メキィ
「悪即斬。悪は見つけ次第斬るに限る。まあ今回はぶん殴ったんだが」
「けっ、余計な真似しやがって。オレが消し飛ばしてやろうと思ったのによ」
「……どちらがやるにせよ、まずは情報を吐かせるのが先だろう。もし相手が重要な情報を持っていたらどうする」
だよな。俺もそう思うぞエミヤ。まあどうせ倒さなきゃいけないからぶっ飛ばすことにかわりはないが、せめて情報ぐらいは喋らせたいよな
「さて、来いよ。どっちかが倒れるまで殺り合おうぜ」
「……不意打ちとは、やってくれたな。しかし貴様らも無駄なあがきをするものだ。もうどうにもならないというのに」
「おしゃべりが好きなんですね。ですが敵を前にしてそれはどうかと思いますよ。だからこうして──背後を取られるんです」
「くっ……!」
沖田ちゃんが相手の後ろに回り込んで腹に刀を突き刺そうとするが間一髪でかわされた。チッ、やるじゃねえか
「勘違いするな。貴様らの相手は私ではない。アングルボダは既に暴走状態へ移行している。都市に充満させた魔霧を真に活性化させるに足る、強力な英霊が是より現界するだろう」
んなことさせるわけねえだろ!!その前にお前を吹っ飛ばして終いだ!
『いいだろう。テメェの罠にまんまと引っかかってやる。英霊とやらを呼び出すがいい』
『そんな事をさせるわけにはいかない。ダンスを披露して気を引こう』
終わってるよ!!ぶっ飛ばすっつってんだろ!?ていうかセル編のベジータみたいなセリフやめろ!それ負けるやつだから!だったら召喚されないようにダンスで気を引いてやるよ!またみんなの目が冷たくなるだろうけどな!
「おいお前ら!もう余興の時間はおしまいだ!さあ、楽しいビンゴ大会の始まりー始まりー!」
「ビンゴ!」
踊る方の選択肢を選んだ俺は、ベジータのビンゴダンスを踊りだした。なぜそのダンスをチョイスした!?ビルス様とウイスさんから下手くそと酷評されてたやつじゃねえか!bgmないからクソシュールなんだし。てかどっち選んでも結局ベジータじゃねえか
「地球は楽しいところだよ!」
「あいつ、頭のネジが何本か外れてるやつだとは思ってたが、こんなとこで踊り出すなんて思わねえよ。しかも下手くそだ」
「たっくん、私恥ずかしいよ……」
「マスター、あまり恥をかかせるな」
「拓也、お主やはり阿呆じゃな……」
仲間の皆さんからの辛辣なコメントもいただいて心がズタボロになったところで、そろそろダンスが終わりそうです
「楽しいビンゴ、楽しいビンゴ!ヘイッ!」
「……貴様、ふざけているのか?」
「マスター?今の踊りは一体……」
「■■■■■──?」
「ふーむ、やはりマスターの行動は予測できんな」
俺の行動を予測できたらそれは最早未来予知の域だから。にしても踊らせるだけ踊らせて後始末は俺に丸投げとか相変わらずふざけてやがる。どうせなら最後まで責任持てや!
「何やらおかしな物を見せられたが、まあいい。我らが王は貴様らの存在を許さないと決めた。すべては未到達のまま滅びる」
また我が王かよ。ずっと姿を現さずに何してんだよ。レフの野郎をブチ殺した時も出てこなかったし、部下とかどうでもいいのかなそいつ。まあいい、こいつを倒すことにかわりは──
『相手の名前を聞いていなかった。聞かずに倒すのは失礼だから聞いておこう』
『まずは自分から名乗るのが礼儀だ。その後に名前を教えてもらおう』
ふむ、そう言えば名前は聞いていなかったな。いやどうでもよくなってきたな。さっさと倒しちゃわない……?あ、ダメですか、そうですか。まあ下選んどくか。どんな相手にも礼儀はだいじだしな(と、礼儀のかけらもないやつが申しています)
「俺の名は選拓也!人類最強のマスターにして貴様らの王を討ち滅ぼす者だ!さあ、お前の名を聞かせろ!」
「え、急に……?」
「……私はマキリ・ゾォルケン。この場で貴様らに引導を渡す者だ。そして貴様は我らが王を討ち滅ぼすなどと宣った。しかしそれが叶うことはない。ここで我らが王に授かった力で貴様らを滅ぼすからだ」
そういったマキリ・ゾォルケンの肉体はあの時レフが変化した気持ちわりぃ肉の柱になった。うわっ、またあれかよ……
「気持ち悪っ!?マスターなんですかあれ……?」
「我らが王とか言う悪趣味な奴が授けた力らしいね。あの力を使った奴は多分あの姿になる。この前アレと似たような姿になった奴と戦ったんだ」
「悪趣味なやつじゃのう……」
「ええ、またアレと戦わなくちゃいけないの?拓也?今回は戦闘が終わった後に変な大会開かないでね?」
「……うっ、思い出したら痛みが……」
「嫌な思い出だな……」
あの光景を見たエミヤと大会を開いた当事者である俺は渋い顔をした。なんなら俺は股間押さえてるよ。選択肢の野郎が出してこない限りはそんなことは絶対しない。何で2度もおっさんの汚い悲鳴聞かなきゃならねえんだよ
「お前らは1回見てるみたいだな。だが、なんだあの魔力量は……!」
「我が名はバルバトス!この力を持って貴様らを消去してやろう!」
「それがどうした?消去されるのはお前だ」
「お母さん、なにするの?」
「まあ見てて。今から凄いことするから」
俺は腰を低くし、両手首を合わせ、腰に引き寄せる
「かーめー」
両手首を合わせた手の中には青色の魔力が溜まっていく
「はーめー」
そして、手を前に突き出し、溜めた魔力を放出する
「波ぁぁぁぁぁぁ!!」
「何っ!?ぐあああああ!!」
そう、ドラゴンボールの主人公である孫悟空の一番有名な技であろうかめはめ波を使った。界王拳ができるんだからそりゃかめはめ波だって撃てる。魔術って便利だよな。身体強化できたりビーム撃てたり。でも空を飛ぶのに関しては、魔力と気力じゃ勝手が違う。ドラゴンボールは舞空術を覚えればすぐに飛べるけど、この世界じゃ飛行魔術は術式自体は簡単だけど人間サイズのものを長時間飛行させるには膨大な魔力が必要らしい。例外はあるらしいけど詳しいことはよく分からん。でも俺は聖杯と同等の魔力あるし飛べるんじゃね?まあ普段は月歩使うからいいけど
「一撃か、つまらねえな」
「え、ええ……?マスターが手のひらからビームを……」
「わしはもうお前のことを人間とは呼ばん」
「魔神バルバトス選さんの一撃によって完全な沈黙を確認しました」
「訳の分からねえ怪物だったが、こいつ一人で倒しちまったから訳の分からねえままだったな」
「別に知りたくもありませんが……」
それな。さて、じゃああの機械を破壊しようか
「私を倒したところでもう遅い。ロンドンに満ちた魔霧の量は……既に充分に」
「またそれかぁぁぁぁぁ!!」
「ちょっ、おい!」
レフの野郎がそれやってアルテラさん出てきたんだぞ!また女の子出てきたらどうすんだボケぇぇぇぇぇ。俺はマキリをぶん殴ろうとしたが、その前に英霊召喚の詠唱が終わってしまった。クソっ!
『くっ、一足遅かったか!みんな気をつけて。サーヴァントが来るぞ!』
ああもう!来るならせめて男であってくれ!そう願い、出てきたら英霊を見る。するとそこにいたのはすげー電気を纏った男だった
来たぁぁぁぁぉぉ!!これで遠慮なくぶん殴れる!テメェを倒してこの特異点を修復してやる!!
相変わらず予測不能な選択肢さん。多分後2,3話でロンドン編は終わるかな