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『ハイランダー鉄道学園ゲヘナ便をご利用いただき誠にありがとうございます。次は終点、ゲヘナ学園正門、ゲヘナ学園正門でございます。お手荷物のお忘れ物のないようご注意下さい』
車内アナウンスが流れ、乗っていた学生や社会人の皆様方が荷物を持って席を立つ。
計りあるともその一人だ。
キャリーケース一つだけの軽い荷物に手を掛けて降車の準備をする。
「ふぅー......背中バッキバキになるわ......」
アリウス分校からの最寄駅から乗り継ぎに乗り継ぎを重ね、実に5時間以上の長旅。
アルトの肉体がどれだけ強靭であろうとも筋肉の硬直は避けられない。
『漸くゲヘナ学園か。』
「おう。めっちゃ久しぶりに来たわ」
昔ヒナと一緒に暮らししてた時を思い出す。
地獄の二ソリ事件、ヒナの精神崩壊。
言葉に起こすと碌でも無い思い出のように思えるが、アルトにとっては紛れもない楽しい思い出だった。
「てかお前も見えてんの?」
『問題無い。お前の網膜から情報を得ている』
「ハイテクだねぇ」
さっきからアルトと会話しているのは、ご想像の通りデカグラマトンである。
アルトの監視を使命としているデカグラマトンが監視対象を見失うことは絶対にない
「......昔な、一時期一緒に暮らしてた友達がここにいるんよ」
聞いているかどうかもわからない自販機に対してあるとは語らう。
「その子はさ、俺が知ってる中ではめっちゃ貧弱で、めっちゃ甘えん坊な後輩なんだ」
ヒナと出会ったのはヒナがまだ中学生の頃だった。
まだアリウスにも人が沢山いて、人間が鬱陶しかった
そんな時に出会った小さなモップのような女の子。
誠実で、優しくて、頑張り屋さんで.........無理屋だった
誰かに仕事を頼まれればそれを飲んでしまうし、しかもそれを誰かに頼ったりしない。
「溜め込みはしちゃんだけどさ、それを誰かにぶつけたりもしない。めっちゃ良い子なんだ」
でも、流石に風紀委員会に抜擢された時は毎日辛そうにしていた。
大好きな寝ることも、どんどんままならなくなっていった
「.........でも、一緒に暮らしていくうちに家事とかもたくさん覚えてくれて、もう一人でも大丈夫だなって.......それで......」
連絡先も交換せずに、ゲヘナを出て行ったっけ。
いや、連絡先は交換しなかったわけじゃない。できなかったんだ。
アリウス自治区に都合よくスマートフォンが落ちているわけもないし、その時はまだ資金繰りも安定していなかった。
『......会いに行けば良かったのでは?いくらでも時間はあっただろう』
「.........男心が解っとらんなお前」
やっぱりこいつに話すんじゃなかった。すでに三年近く一緒にいると言うのに全くもって俺の心情を解っとらんのは本当どうかしてるぜ。ゲブラを連れてくれば良かった
「ゲブラ君はお前と違ってイケメンだからな!お前と違って!」
『ゲブラには肉体的美を追求したつもりはない。彼女達は違ったようだが』
「......アインかぁ」
故;デカグラマトン勢力で唯一交流がふっかい少女を思い出す。
「また今度会いに行こうな」
『それについては賛成だ』
アインについては今は忘れて、電車を降りることだけ考えよう。
俺は....と言うより俺達は漸く立ち上がる。
腰の痛みを若干気にしながら左側の扉の前に立つ。
『お出口は左側です。』
電車の速度が段々ゆっくりになり、漸くゲヘナの地に足を踏み入れ________________
ドガァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!
「何だ......?」
電車後方から聞こえた爆音。おそらく爆発音と見て間違い無いだろう。
『警告:後方車両が脱線した。車体が十二度ほど傾いている』
「つまり?」
『横転するぞ』
「じゃあさっさと逃げんぞ!」
アルトはキャリーケースを放り出し、電車のドアを蹴破る。
元々無くても困らない荷物ばかりだから大してショックは無い
ギギギ、と音を立てながら傾きが増していく車体。
『JUMP!』
アルトは素早くプログライズキーを起動し、アタッシュカリバーをブレード状態に起こす。
荷物の中からかろうじて取り出した。
「車体の角度は」
『すでに21°を超えた。あと3秒ほどで横転する』
「オーケー」
『Progrise key confirmed. Ready to utilize.』
『grasshoppersアビリティ』
車体が横転するならば_____
「残ってる部分だけ残せばいい」
『調整完了。撃て』
「てんきゅー」
アルトは黄色のエネルギーを纏った刀身を大きく振り翳し_____
「三枚おろしだ」
狙うは連結部分
ラ
イ
ジ
ン
グカバンストラッシュ
一刀両断
「上手くいったか?」
『車体の角度が狭まった。このまま持ち直すだろう』
自販機の言った通り倒れかけていた車体はまるで力士の四股ふみの如く車体を安定させた。
連結部分を断ち切ることによって別車両の横転に巻き込まれることを防げた。
切断時の衝撃も使ったからちょっと中身がぐちゃってるかもしれないけど......まあええやろ!別に俺の管轄じゃ無いんだし
「あったあった」
さっき放り出したキャリーケースを再び取り戻し、ガラガラと音を鳴らしながら引く。
「はーっはっはっは!!」
「みんなー!がんばれー!」
「「「開発しろー!!!」」」
アルトの歩は進んでいく。
「次は、掃除の時間だな」
これから起こる地獄を知らない者達の元へ
________________
「はっ......!はっ.........ぁ!」
ヒナはゲヘナ校内を駆ける。
目的地は勿論正門前の駅
「間に合って.........!」
愛銃である『終幕:デストロイヤー』を携え、彼女は自前の翼をはためかせ、もはや飛翔とも呼べるレベルで滑空する
その速度はそんじょそこらの車なんて目じゃ無いほどに。
勿論いつもこの速度を出せるわけではない。ヒナ自身も現状の速度に驚いている。
(先輩__っ!)
秤先輩の体は私たちと比べ物にならないほど脆い
そんな人間がこの世界の攻撃を喰らえばどうなる?
答えはすぐに出る筈。
「そ、空崎ヒナ?!」
「もう委員長出てきたの!?」
「いつもよりすっごく早い〜」
「ここは通さんぞ!風紀委員長!部長を逮捕したくばまず我々を倒してから_____
「邪魔っ!!!」
デストロイヤーから放たれた幾重もの弾幕が温泉開発部の部員達を襲う。
「ぎゃああああああ!?」
「キワミッ!?」
「ウボアッ!!」
「いつもより手厳しいッ!!?」
勿論部員達は無造作に地面に打ち捨てられていた。
いつものヒナならばセナに連絡するところなのだが、今のヒナの心にはアルトの安否を確認する。それしか無かった
「せん......ぱい.......!」
なぜか涙が滲み出す。
もし先輩が怪我したら、もし先輩が大怪我してたら
____もしも、死んだら
「っ......!」
必死にその念を頭から振り落として駅構内に突入する。
どうやら外にいた温泉開発部が大元だったようで、駅構内では電車事故に巻き込まれた人々が駅員の事情聴取に参加している。
だが、一向に先輩の姿が見えない。
駅のホームへ走る。見つからない
売店を探す。見つからない
トイレも、切符販売所も探した。
「そん......な」
どこを探しても見つからない。
ヒナはガシャンとデストロイヤーを足元に落とす。
すっかり肩の力が抜けてしまい、もはや立っているのすら眩暈のせいで辛く感じた
「ひ、ヒィぃぃぃぃぃ!なんで秤アルトがぁぁぁ」
「お前まじで何年経ってもうるっさい泣き方するな......」
「.............え?」
最後の最後、探していない場所から声が聞こえた。
駅のホーム。さらにその向こう。
「せん、ろ?」
ヒナは銃も置いて、ふらふらと線路に向かって歩き出す。
段々と大きくなっていく声がヒナの心をどうにか繋ぎ止めている
「おみゃーらが線路を爆破させたからこっちは約束の時間遅れそうなんだぞ?慰謝料払えよ」
「理不尽!?」
「おみゃーらがやったことのほうがよっぽど理不尽だろ(正論)」
聞き間違いじゃない。
「せっかくヒナに会えると思ったのによォ〜......てかカスミお前ヒナのこと知ってる?」
「部長いつもこんなふうに捕まってるよー」
「ヒナにまで迷惑かけおってよー......もう一回殴っとくか」
「ひえええぇぇぇっ!?」
先輩の、声が
ヒナは線路の奥でへたり込んでいる影を見下ろしている人に向かって走り出した。
「あーあ。もうめちゃくちゃだよこれ。事情聴取めんどくさ_____「先輩!!!」____ウ“ッ」
突如アルトの脇腹に突っ込み、そのままアルトを掻っ攫っていった謎のシロモップ。
アルトは苦しそうな声を上げながらぶっ倒れた。
「ヒ、ヒナまで来た!?」
もこもこはカスミを無視し、アルトに頭をグリグリと押し付けている。
「この時期にケサランパサランか......?ってこれは......」
吹っ飛ばされて頭らしき部分を押し付けられているアルトはモフモフに既視感があった。
そして、毛玉から香るお日様のようないい匂い
「先輩......っ......!秤先輩.........」
「ヒナ!めっさ久しぶりじゃん!」
先輩はようやく私に気づいて頭を撫でてくれた。
良かった
また会えて、良かった
「ところで私たちこのまま?」
「今のうちに逃げるぞ......!」
「に が す と で も ?」
「「ヒエ」」
皆さんは忘れ始めているはず………この小説のメインヒロインがアツコだということを……