アリウスクソボケオオバッタ   作:カブライニキ

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久しぶりの変身回だぞ!アルト君が変身したの第一話以来ってマ?


第五話 秤アルトは強襲する

 

『演算が完了した』

 

その言葉が響いた瞬間、自分を守ろうと覆い被さるカヨコを思い切り引っ張り、飛んで来る光に手を向ける。

 

 

クラスターセル 展開

 

 

その瞬間、手から、足から、身体中から細かいバッタの群体が現れる。

 

それはまるで水のように溶け合い、固形化して大きな壁を空中に生成した。

 

『再射撃の予兆無し』

 

了解だ。

 

 

アルトはカヨコを店の中に押し込む。

 

 

「一体何が......!?」

 

「先生のこと頼んだぞ!ついでに店から一歩も出るな!」

 

 

扉を勢いよく閉め、出入り口をクラスターセルで固める。

多少の消耗はあるが、想定内

 

 

「シャインシステムの準備、それと『アサルト』の装甲も頼んだ」

 

『すでに済んでいる。グリップをキーと接続しろ』

 

「流石、仕事が早い」

 

 

早歩きでこちらに物騒なもんを向けてきた奴らの元へ歩く。

 

『______演算が完了した。L2232対地型設置砲弾.......ゲヘナ風紀委員会の迫撃砲と型番が一致した』

 

「鹵獲された可能性は?」

 

『ありえない。あれは風紀委員長の権限によって動かせる高威力兵装だ』

 

『アサルトグリップ』をキーに接続し、ドライバーと意識をリンクさせる。

 

 

「......まぁ、やっぱりって感じだよな」

 

目の前に広がるのは、夜戦型兵装を纏った風紀委員会の姿。

しかも、大隊レベルで進行してきている。

 

 

「ヒナ直々にアビドスに.....いや、俺に手を下しに来たか」

 

『それも有り得ない』

 

「......珍しく理屈が出てこないみたいだけど、理由は?」

 

 

『.........空崎ヒナへの『信頼』だ』

 

似合わないことを言い出す自販機にアルトは少し驚くが、今は雑談してる状況でもないだろう

 

 

「そこで止まれ」

 

風紀委員達の前に立ち、先頭に立つ銀髪の少女にそう言い放つ。

 

 

「......はぁ?!せ、先輩!?」

 

「なんでこんなところに......!?」

 

『銀鏡イオリ』と『火宮チナツ』は見覚えのある......と言うより、見覚えしかない人物の登場に目を見張った。

 

 

「......堂々アビドスに侵攻か?」

 

「い、いや、違くて.....問題児を捕まえにきただけで.........」

 

 

「問題児?」

 

ゲヘナに問題児が多すぎて見当がつかんぞ

 

 

「便利屋のことです。現在アビドスで居を構えていると言う情報が入ったので」

 

チナツは冷静に説明を始めた。それに対してイオリはいつもの冷静さを失っている。

 

 

「なら、アビドスの自治に任せたらいいだろ。廃校対策委員会に、生徒会だっている」

 

「手を引けと?」

 

「そう聞こえなかったか?何度も言うがここは紛れもなくアビドス自治区だ。早々に立ち去ることをお勧めする」

 

 

チナツとアルトの口論が始まった。

ゲヘナ風紀委員として問題児である便利屋を捕まえなければいけないチナツ

 

それに対してアルトはこれ以上アビドス自治区に面倒ごとを起こしたくない。

 

 

「.........アコか」

 

 

大体考えは読めた。

 

 

「なるほど、あいつがやりそうなことだな......というか、聞いてんなら出てこい」

 

少し圧を強め、風紀委員達に対して......と言うより、通信で聴いているであろうアコに対して呼びかける。

 

 

『.......本当に、勘が強い人ですね』

 

「こう見えても十八年キヴォトスで過ごしてるんでね。察しはいい方なんだよ」

 

 

嘘である。全く察しは良くないが、実際頭はよく回る。

前世の経験や、今世の努力の賜物だが。察しは全くよくない(2回目)

 

 

「......便利屋の首、そして____________

 

 

『お察しの通り先生の身柄ですよ』

 

「んで、夜襲とは......これまた性格の悪い悪い」

 

 

少々小馬鹿にしたようにアルトは煽る。

だが、アコもそれを意に返さない

 

「こちとら最近はまた体調が悪くなってきてるってのに......めんどくせぇ」

 

 

大きくため息を吐き、戦闘体制を取る。

 

 

「最後の警告だ。ヒナに見つからんうちにゲヘナに帰れ」

 

『......お断りします。こちらも仕事ですので』

 

 

交渉決裂。アルトはキーのカード部分を起こし、接続状態に変形させる。

 

 

「え、先輩と戦うのか!?」

 

「マジで?」

 

「私らに勝ち目ないじゃーん」

 

「ハハッ、ワロス」

 

 

最初から戦意を失ったような言葉を連ねる委員達だが、一応銃を構え、隊列を組む。

 

 

『Hyper JUMP』

 

キーを起動すると、アルトの目の前に鍵穴のようなエフェクトが現れる。

 

 

『全隊、対象を取り囲むように展開して下さい』

 

 

アコの指示通り、委員達はアルトを取り囲む。

情報は出揃い、数、戦力共にアルトの不利。

 

 

『オーバーライズ!』

 

 

ドライバーから警告音が流れ始め、それと同時に風紀委員達が射撃を開始した。

 

だが、それも空中に投影されたライダモデルに防がれる

 

 

キーを空中のエフェクトに差し込み、鍵を回すように開ける

 

ライダモデルが開けた鍵の中に飛び込み、拡張式のアーマーが展開。

 

 

「それではこれより、連邦生徒会長秘書権限を用い_______________

 

 

 

 

お前達を拘束する」

 

大きく腕を振りかぶり、キーをドライバーに装填

 

 

 

「変身」

 

 

『プログライズ』

 

 

『Warning,warning. This is not a test』

 

『ハイブリットライズ』

 

『シャイニングアサルトホッパー!』

 

 

バッタのようなライダモデルがアルトの体を包み、アンダーアーマーが拡張武装に適応する。

それを拡張武装である『オービタルユナイト』が人間の骨格に合わせて変形。

 

 

 

“No chance of surviving this shot.“

 

 

蒼色のオービタルユナイトが宵闇に光る。

 

 

「......さて________________

 

 

 

 

 

 

 

お前達はここで退場だ」

 

 

 

 

 

「「「「「「『参りました』」」」」」」

 

 

「最初からそう言え」

 

 

VS

ゲヘナ風紀委員会

 

 

勝者『秤アルト』

 

 

決め手:戦意喪失

 

 

 

___________________

 

 

 

「すまんな。せっかく寝てたのに」

 

「ううん。こっちこそごめんなさい先輩」

 

場を鎮圧に来てくれたヒナ。多分寝ていただろうに、申し訳ない

 

 

「......すんすん......この匂いって......」

 

 

「あ、すまん煙草だこれ」

 

アルトは急いでコートを脱ぐ。流石に後輩を前にして煙草の匂いを垂れ流せるほど胆は座っていない

 

「......ふふっ、先輩も不良生徒みたいなことするんだね」

 

 

「あー......おう、そんなところだ」

 

心配症のヒナに今の俺を見せるわけには行かない。

そう思い、アルトは軽くはぐらかす。

 

 

 

「まさか先生の身柄を拘束するためにアビドスまで来るとは......俺がいなかったらどうしてたんだよ......」

 

『う“っ......それはその......申し訳ありません......』

 

「謝んな。お前もお前で条約のこと考えてたんだろ?見方を変えれば真っ当な行為だ。まぁ、それが俺に合わなかったってだけのこと」

 

 

バツが悪そうに表情を曇らせるアコをアルトは肯定する。否定ばっかしても次に繋がらないもんね

 

 

「......それじゃあまたね。先輩」

 

「おう。バイバイ」

 

 

2人は少し手を振り合ってそれぞれの帰路についた。

 

 

「......あ、先生達店から出すの忘れてた」

 

 

__________________

 

 

「......え?」

 

ホシノは硬直した。

原因は先生の一言だが、その一言で動きを止めたのは、ホシノだけだったようだが

 

「垓先輩アビドスに来てるんだ......会いたいな」

 

 

「かれこれもう一年ぶりですね〜......お元気そうでしたか?」

 

 

「“うん。あと便利屋の子達とも____“」

 

 

「先生、それっていつ!?どこで!?」

 

 

「“うえっ!?えーと......き、昨日の夜の柴関ラーメンで......“」

 

 

ホシノは先生に対して食い下がる。

だが、なぜかその剣幕は、ひどく悲しそうだった。

 

「ほ、ホシノ先輩......?」

 

「......ん、この前から変」

 

 

「“ホシノ、大丈夫?“」

 

 

そこでホシノは我に返ったように、ふっと落ち着きを取り戻した。

 

 

「あ.........せんせ..........その、ごめ.......」

 

 

我に返ったと思えば、ボロボロと大粒の涙を溢しどこかへ去って行く。

 

 

「“......垓の話題になると、いつもああなっちゃうの?“」

 

 

「そんなことない......って言っても、いつもは先輩の話はしないから......」

 

 

「......あの、さっきから仰っている『天津垓』先輩、と言うのは......」

 

「私もずっと気になってた」

 

 

セリカとアヤネは三人に問うた。

流石にあのホシノの様子と自分たちの知らない先輩の話。

どちらも気にならないわけがなかった。

 

 

「.........天津先輩というのは..........」

 

 

 

「私に学生証をくれて________________

 

 

 

 

 

 

 

ホシノ先輩を、アビドスを裏切った人」

 

 

 

 

 

最も、シロコの表情はその言葉を肯定していなかった

 

 




お待たせしました。次回から過去編フェーズに入ります

曇らせ曇らせ〜♩
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