アビドス編が終わってもまた次がございます。仮面ライダーとして活躍していくアルトくんをこれからも見守ってあげてください。
今までも見守ってくださりありがとうございました!これからもよろしくお願いします!
『クリエイト』
垓は何かを持ちながらホログラムを空中に投影している。
「何してるの?」
「お、ホシノ。いやね、ちょっと実験かな」
ホログラムはキーボードのような形になっており、垓はそれに向かってプログラムのようなものを書き込んでいく。
「こんな砂漠のど真ん中で......」
「砂漠のど真ん中だからな。それに、ここは昔オアシスだったんだよ」
それはホシノも知っている。野営の場所に丁度いい場所だから、パトロールの時はいつも使っている。
オアシスがあったら、水分でもなんでも補給できるのに。と何度か思ったことがある。
「こんなもんかな.........うし」
再び垓は手に持った『ゼロツープログライズキー』のスイッチを押し、機能を作動させる
すると________________
「よっしゃ上手く行った!」
「.........は?」
ホシノは目を擦る。
砂が目に入ったわけではない。むしろ、今のホシノの視界には砂粒一つ写っていなかった。
「物質の構築が可能なら緑地化にも使えると思ってたんだよ」
目の前に広がったのは、アビドスでは全くと言っていいほど見ない『緑』
生い茂る草木に、澄んだ泉
「.....オアシス......?」
「おう。範囲はかなり狭いが、これからの緑地化の足がかりになる!」
「いやっ、一体何を!?」
「ふっふっふ......これならアビドス砂祭りの開催も夢ではないッ!」
『アルト』の手の中では、強い蒼色の輝きを放つカギが握られていた。
____________________
「ぷはっ!生き返ったぁ......」
「こんなところにオアシスなんてあったんだ......」
アルト一行は砂漠の中にポツリと聳えていたオアシスで休憩をとっていた。
「懐かしいな......ホシノと一緒に作ったんですよ」
「“オアシスを!?“」
「ふっふっふ......全てを創造する『反則の鍵』......があったらもうちょい苦労してないんですけどねぇ」
ゼロツープログライズキーは現在アルトの元にはない。
「持ってるのは十中八九ホシノだ」
「“でも私が黒服と会った時、そのキーはまだ黒服が持ってたはずだけど......“」
「その線は薄いですね。もしも黒服が持ってるなら、契約が機能してる筈」
先生とアルトもみんなと同じく泉から湧き出る清水で喉を潤す。
このオアシスがあるのとないのとでは砂漠での行動範囲が段違いだった
「“『反則の鍵』って厨二心が惹かれる言葉だねぇ“」
「優秀な命名家が知り合いにいますんで」
ゼロツープログライズキーはミレニアムの叡智を結集させて作られた俺の最終手段。
ちなみに最初は『開ける君』に命名されそうになった。
使い方を考えれば大変強力な武器なのだが、実際仕組みとかどこまでできるかは俺も把握していなかったりする。
「黒服に渡した時はめっちゃ怒られましたね......」
「“当たり前だね“」
「普通に怒られるならまだ大丈夫だったんですけど......いつも飄々としてるやつといつも余裕綽々なやつが2人とも泣き出した時は普通に心が抉れた......」
あの時の失態を一度心にしまいつつ、アルトはタブレットに目線を落とす。
「......あとはこの先だけ、か」
「“何もない砂漠に見えるけど......“」
タブレットには確かに識別のための赤い点が浮かんでいるが、地図には建造物らしきものは何一つない。
「ここまで順調だ。本当にあの子達優秀だなぁ」
「ひゃっ!?つめたっ!」
「ん、先輩直伝手首水鉄砲」
「オアシスの水ってこんなに冷えてるんですね......」
「地下水から直で引かれていますからね」
オアシスの泉ではしゃぐ4人を2人は眺める。
「“アルトは遊んでこなくていいの?“」
「男子校生はJKと違ってはしゃぐのに抵抗がある人種なんでね。先生もわかるでしょ?」
「“同感かも“」
流石に砂漠のためスーツを脱ぐ先生と、砂漠ですら関係ないと言わんばかりにコートを着続けるアルト。
「おーい、そろそろ出発するぞ!」
「ん、帰りはホシノ先輩も沈めよう」
「砂漠の夜でそれやると寒中水泳になるが」
何げに『沈める』なのが怒りが滲み出てて怖いゾ。
はしゃぎすぎでびしょ濡れのシロコをタオルで拭いてやると、「ん!」と嬉しそうにする
「ほんと......ホシノママはこんな可愛い子をおいてどこ行っちゃったんでしょーね」
「ん、ホシノ先輩がママならアルト先輩はパパ」
「それだと俺が無責任クズみたいになるじゃん......」
そうだぞ、無責任クズ
「先輩、私にもタオル......
セリカもアルトに近づき、タオルを貰おうとした瞬間_____
タァン!!
サイレンサーに遮られた小さな銃声が響く。
着弾は確実。弾丸はセリカに向かって飛来する
「危ないなぁ」
が、アルトはセリカをコートで隠し、クラスターセルを展開
「口径と銃」
『7.63mmのマークスマンライフル。着弾は二発でどちらもカイザー製のものだ』
「マジか。じゃあ片方の狙いは任せる」
『了解』
アルトの瞳が蒼色の輝きを放つ。
『演算視』
ゼロワンドライバーとデカグラマトンの演算を掛け合わせたアルトの瞳
権能は_____
「“アルト!“」
「ナイスピッチャー!」
先生が投げたアタッシュアローを受け取り、アルトは一気に狙撃手の元に駆ける。
「狙撃手にしては近すぎるんじゃないか?」
『早っ.....!?』
キルブレードの近接攻撃により、一体目撃沈
そしてノールックで別方向に矢口を向ける。
もちろんその先にはもう1人が居るだろう。
「『此の矢、絶対に当たる』」
引き絞った弓の先から矢形のエネルギーが発射され、着弾。
『別の隊の接近を確認』
「セルで堰き止める」
再びクラスターセルを展開し、防御を展開。
『残存HIDENマテリアル量60%』
「十分。全部使い切ってしまえ」
身体中から湧き出るバッタ群が障害物やバリケードを築く。
「“あれは......この前使ってたバッタ?“」
「クラスターセルつってな。流体金属の塊を飛蝗の形に加工してんだ」
空中を埋め尽くすクラスターセルの群れ。見る人が見れば鳥肌が立ちそうな光景。
「っと、ありがとねセリカちゃん」
「いきなり被せられたからびっくりしたわよ......」
狙撃対策とはいえ急にコートを被せられたらびっくりもするだろう。
「やっぱ、ここで正解だったみたいだ」
続々と現れるカイザーの兵士。そのプロテクトアーマーには『PMC』の文字がはっきりと刻まれていた。
「説明は後でする。今は包囲を突破するぞ」
『Hyper JUMP』
キーを起動して戦闘体制に入ろうとするが________________
「そこまで短慮になったか。天津垓」
「.........テメェは」
正面に開けたバリケードの入り口を堂々と歩いてくる巨漢を鍵穴状のエフェクトが出迎える。
「久しぶり......と言った方が良いか?」
「見たくねぇ面が一つ増えたこと、心底光栄に思いますカイザーPMC理事長殿」
アルトは今まで他人に見せなかった嫌悪の表情を映し出す。
眉間には皺がより、見るからに怒っている顔が出来上がる
「カイザーPMCって......」
「ん、昔私たちの学校が借金してた会社と同じ名前」
正しくはカイザーローンから借用していたのだが、アルトが秘密裏に一部のカイザーの系列企業が『消失』したことによりシロコ達はその正体を知らない。
「“アルト、あの人は?“」
「......ホシノを連れ去ったやつの元仲間です」
依然として臨戦体制をキープしたまま、シロコとアルトが前に出る。
「ってことはあいつがホシノ先輩を連れ去ったってこと!?それなら絶対に許さない!!」
「セリカ、落ち着いて」
シロコは激昂するセリカを抑え、抑えられたセリカは言われた通り深呼吸をし、一度落ち着く。
「......今更何の用だ」
「何の用?はっはっは!我々の仲ではないか天津垓。他人行儀は少し寂しいぞ?」
心にもないことを次々に吐いていく理事。おそらくアビドスのメンバーの精神的揺さぶりが目的のようだが_____
「俺の後輩達は優しい子ばっかりだからな。全部話したら許してくれたよ」
「ふむ.........何とも、つまらん」
さっきまでの演技を辞め、理事は左手を上げる。
すると、周りの兵士達が銃をこちらに向かって構える。
「ん、喧嘩なら買う」
「上等よ!かかってきなさい!!」
セリカとシロコはその売られた喧嘩を買おうと躍起になっている。
セリカは分かりやすかったが、シロコもホシノが連れ去られたことによりかなりご立腹のようだ。
「この子達に手を出すな」
だが、アルトはクラスターセルでハニカムシールドを造るだけで特に攻撃に転じることはしない。
2人もセルのシールドで上手く射撃ができない。
それと同じく、理事側も銃を撃たない。
「......やはり、あの時と同じくガキにしては思慮深く......そしてつまらん男だ」
「俺にとってキヴォトスは生きづらい環境なもんでな。嫌でも疑り深く、思慮深くしないとすぐ死ぬもんで」
だが、依然として双方武器は構えたままである。
「ここにきた理由は、俺への復讐か?」
「学生1人に対してこの兵力を用意すると思っているのか?.........と言いたいところだが、貴様の言っていることで正解だ」
今度はPMC兵全員の銃口が一斉にアルトに向かった。
さっきまでは指がかけられていなかったトリガーに、しっかりと指がかけられている。
「貴様があの日......私の時間を全て奪い、壊した」
その包囲から理事だけが前に出て、アルトに接近する
「1からのスタートなんてものではない。プレジデントからは失望され、社内では弱者として虐げられた」
懐から拳銃を取り出し、アルトの額に押し当てる。
「“私の生徒に......!“」
「大丈夫ですよ」
強い剣幕で理事に詰め寄ろうとする先生を止め、銃口が押し当てられたままアルトは会話を続ける。
「全て貴様が元凶......!今にもこの引き金を引き、復讐を果たしたい!......だが、ここは貴様が買い取ったせいで正式なアビドスの自治区となっている故に!......貴様の脳髄を見ることは叶わないようで残念極まりない」
理事はアルトの眉間から銃口を離す。
「......んで?中身のない身の上話をいつまで聞けばいい?」
「それももう終わりだ。貴様は、小鳥遊ホシノの行方を追っているのだろう?」
「へぇ、わざわざ教えてに来てくれるなんて相変わらず親切だなァ。持ち合わせがあればお礼をしていたところだよ」
「ふはっ、相変わらず口の回る......その通り。貴様のためだけにわざわざ出向いたのだ......小鳥遊ホシノはこの先に居る」
「ここを通りたければ.....ってことか?」
「そんな幼稚なことは考えておらん。親切に、そして丁重に案内してやろう......ただし」
「来るのは俺だけってことか」
「......ああ。その通り」
ひとしきり会話が終わり、理事は部下に銃を下ろさせ、アルトもアタッシュアローをケースモードに格納する。
「こう見えても老体でな。満足に案内できるのはどうやら貴様1人が限界らしい」
「そうかそうか。じゃあ素直に隠居でもして残りの人生クソして寝てたらどうだ?今ならいいオムツの会社を紹介してやる」
「面白い冗談だ。貴様も赤ん坊らしく毒と寝小便を垂れ流すことしかできないらしいな」
2人は確かに武器を仕舞ったが、今度は毒の吐き合いを始める。
「ってことで先生、後の引率はお願いします。サクッとホシノ助けてくるんで」
「“......まさか1人で行ったりしないよね“」
「?ええ行きますけど」
「ぜ、絶対にダメです!先輩に一体何されるか!」
「こう見えて結構強い方だと自負してるんだけどなぁ」
「相手は軍事企業ですよ!?死にたいんですか?!」
アヤネはアルトを心配して言っているのだが、アルトには届かない。
「先輩なら多分大丈夫」
「“シロコまで何言ってるの!?“」
「このまま連れて行かれたら本当に死んじゃうかもしれないんですよ!」
後輩2人は意見が分かれるが、アルトはすでに準備を整えている。
「うーん......私は大丈夫だと思うけど......」
「セリカちゃん!?」
「ん、一対二だね」
「そんな子供じみた理由で......!」
まさかのセリカが賛成派に渡る。
「悔しいけど、この中なら秤先輩が1番ホシノ先輩を助けてくれると思う」
「私も同じ理由。アルト先輩なら絶対すぐに帰ってきてくれるから」
「私も賛成です。だってこの中で1番強いのは秤先輩ですから⭐︎」
流石に過半数に意見を押されてはアヤネも先生も言い返すことができなくなった。
それほどに、アルトに置かれている信頼の厚さを読み取ったから尚更。
「“っ〜〜〜〜.........わかった.........すごく不本意だけど、わかった“」
「.........私、も......秤先輩を信用します......!」
2人も行くことに同意してくれた。
「その代わり!ちゃんと、ホシノ先輩と帰ってきてください!」
「“もしも怪我したら、ちゃんと怒らせてもらうからね“」
2人は紛れもなく秤アルトを『信用』した。
アルトは自分の無事を願ってくれる2人を見据え、聴こえるように呟く。
「.........信用してくれて、ありがとう。じゃ、先生達の言う通り五体満足で帰ってきますわ」
アルトはそう言って先生に背を向け、カイザー理事の後ろにつく。
「はっはっは、良い茶番を見せてもらった。いや何、素晴らしい青春物語だ」
「御託はいい、さっさと案内しろ」
「そうだったな。時間が押しているから早く行くとしよう」
兵士たち全員が銃を下ろし、アルトと理事の後ろをついていく。
そうして、クラスターセルも全て回収され、オアシスには再び静けさが戻った。
「......やっぱり、似てる......気がする?」
「似てるって......誰に?」
歩いていくアルトの背を見送るセリカはポツリと呟き、その言葉にアヤネが反応する。
「......なんというか......先生とホシノ先輩のミックスみたいな......強いのに大人っぽい?みたいな......」
「言われてみれば......」
「先輩は元々大人っぽかった」
「確かよく校舎裏でタバコを吸っていたような「“ノノミ、その話あとで詳しく聞かせてね?“」アッ......」
どうやら、怪我をしてもしなくてもアルトの説教は確定したらしい
_______________________
「アビドス高校本校舎.....ねぇ」
「黒服が実験室として住み着いている根城だ。我々も入ることはほとんどない」
軽く薄暗い校舎を眺めてみる。
校舎、と言ってもすでに砂に覆われているため後者に似つかわしくない保護電球が廊下を照らしているだけで学校らしさは全くと言っていいほど感じられない。
「......随分広いところに出たもんだ」
「その通りだ。ここは奴が今回我々のために造った......まぁ、『闘技場』のようなものだ」
そう言って理事は着ていた高そうなコートを脱ぎ去る。
そしてその腹部には_______________
「......なるほど、そりゃ技術は流出してて当然ってやつだな」
黒で彩られた小型のベルトが現れる。プログライズキーの装填部分はあるものの、共通点のあるアルトの『ゼロワンドライバー』とは似ても似つかない無機質な形状。
「カイザーPMCの技術を集約し、貴様の技術を流用して作り上げた最高傑作......名を『レイドライザー』」
『レイドライザー』
アルトは広い部屋の中央に立たされ、その周りを兵士たちが囲む。
その兵士達も全員、レイドライザーを装着していた。
「民間人専用新型技術装備、と言うやつだ。ここで貴様を倒すことができれば、私のアイデアと技術は認められ、再び以前の.......いや、それ以上のポストに返り咲くことができる」
「あっそ。ところでホシノはどこにいる?」
「先ほど貴様が言った通りだ。小鳥遊ホシノの居場所が知りたければ________________
「我々を殺してみろ」
そう言って理事と兵士たちは次々にプログライズキーを起動させる。
『Hard!』
兵士たちはカブトガニのエンブレムが刻印されたプログライズキーを起動させ、それをレイドライザーに素早く装填する。
『Search』
理事だけは白色のプログライズキーを起動し、レイドライザーに装填。
そして理事は静かにPassを言い放つ。
「実装」
レイドライザー側面のスイッチを押し、レイドライザーを起動
『レイドライズ』
『『『実装!』』』
『レイドライズ』
兵士達も同じようにレイドライザーを起動し、その姿を変えていく
『スカウティングパンダ』
There is nothing unknown to his eyes
理事は大柄、そして純白の怪人に変貌する
『インベイディングホースシュークラブ』
Heavily produced battle armor equipped with extra battle specifications.
兵士たちはそのまま、特殊な装甲を身にまとい、『バトルレイダー』へと変貌した。
『どうだ.........どうだ!これが、これこそが私の力......!強靭であり、無敵のこの力ッ......!一年前にこの力があればと何度も夢に見た!何度も何度も何度も何度も敗北のラーニングを植え付け.....!貴様の全てを知り尽くしたッ!』
感嘆、と言うよりも狂悦にも等しい声が薄暗闇に響き渡る。
『だが......その苦悩も今日で終わりとなろう』
はっはっは、といつも通りの笑い声を上げるカイザー理事
「.........ホシノの場所を教えろ」
『......どうした?この数と力を前に、怖気付いたのか?』
「.........あと2回だけ言うぞ」
アルトは無防備に近づいてきた理事に向かって底冷えするような声で問う。
『今ならば、その高い頭を地に伏して許しを乞うのなら温情を与えても良いのだが?』
「ホシノの居場所を教えろ」
『.........可愛げも愛想もないただのガキに、なんの価値があるかと聞いている』
理事はしつこくアルトに向かって妙に甘ったるい戯言を吐き続ける
『ああ、良い事を思いついた。貴様とあのホルスを番にでもして新たな神秘を生み出すのはどうだ』
「............」
『胎児にはより純粋な神秘が宿る。黒服なら有効活用できるだろう』
「...............」
アルトは、無言を貫き続ける。
演算視は、すでに光を失っていた。
『さすればもっともっと効力の高い兵器の製作も難儀ではなくなる......!私は遂に......遂にあの鼻につくプレジデントすら蹴落とし、キヴォトスの頂点に「その汚い口を閉じろ」______ガッ!?』
アルトの拳が、理事を吹き飛ばした。
みれば右腕だけが限定的に『シャイニングアサルト』の装甲を纏っており、その拳が理事を殴り飛ばしのだろう。
「ずっとずっと、我慢の限界なんだよ」
すでに起動状態の『シャイニングアサルトホッパープログライズキー』をドライバーの『オーソライザー』に翳す
「自分にも......お前らにもうんざりだ」
『オーバーライズ』
「果てには........気色の悪いことばかり.........」
闇の中で電球がその圧倒的な磁気によって一つ、また一つと割れていく。
『これ、はっ!?』
ドライバーからは警告音が断続的に流れ続け、アルトの頭上に『オービタルユナイト』と飛蝗型のライダモデルが合成された装甲が浮かび上がる。
「お前らに聞くのはもう辞めだ」
そして___アルトの頭上の電球以外が割れた頃、アルトは勢いよくドライバーにキーを装填する。
『プログライズ!』
『シャイニング』『アサルトホッパー』
アルトの怒りが頂点に達したと同時に、変身が完了。
最後の電球が、ぱりんと音を立てて割れる。
その暗闇が、オービタルユナイトの輝きを不気味に浮かび上がらせた。
ゆっくりと、その手に握られた『オーソライズバスター』の砲身を斧の形状に変更する。
『アックスライズ』
「.......お前ら」
アルトは顔を起こし、言い放つ。
いつの間にか八千文字も書いてしまった……