アリウスクソボケオオバッタ   作:カブライニキ

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駄文シリーズ二作目でございます。
この作品はほぼ全て私の主観と私の解釈によるお話なので、苦手な方は苦虫を噛み潰したような目でご覧ください。

もしかしたらライダー要素少なくなるかも(そのようなことがあろうはずがございません)


前日譚
第ゼロ話 秤アルトはヘイロー無し


 

「ハァ?何言っちゃってるんですかねこのババアは。ついに頭までお花になっちまったか?」

 

「......どこまでも失礼なガキですね。ですがその程度の言葉で私が苛立つとでも?」

 

 

「肌荒れてんぞ真っ赤ババア」

 

「身の程を知らないガキには再度教育が必要なようですね」

 

 

ビキビキと血管を浮かべながらタブレットを持つ少年を睨むベアトリーチェ。

睨まれている本人は非常にムカつく顔をしているが。

 

「......ふぅ、まぁいいでしょう。いつものことです」

 

「そうそういつものことだ。諦めろ」

 

「どの口が......」

 

普段の子供ならば『再教育』の言葉を聞いただけで震え上がり、要求を飲むというのに。

 

目の前のガキは扱いづらい。

自身が非常に貴重な血であることを理解している

 

 

「要求は......ベッドでいいのですね?」

 

「おん。あとレーションの費用またプラントの方に回しといて。あと追加の弾も。口径はいつものでいいから」

 

「......ふん、それもまぁいいでしょう。浮いた費用から購入しておきます。」

 

「助かる」

 

 

このガキがいなければ私の計画はもっとスムーズに運ぶはずだ。

だが、排除するのもまた不可能

 

悔しい事実だが、力勝負でこのガキに勝てた試しがない

 

 

そして、このガキが気に入らない事をしなければ財政が潤沢になるのもまた歴然とした事実。

 

 

「ほれ。」

 

 

「......なんですかこのガラクタは」

 

 

「アツコからだ。たまには土いじりでもしといた方がいいってさ」

 

「余計なお世話です。用件が終わったならさっさと出て行きなさい目障りです」

 

「へいへい。そんな怒って血糖値上げねぇようにせいぜいがんばれ〜」

 

 

そう言ってガキは入ってきた扉の前に立つ。

 

 

「......俺を、忘れるなよ?」

 

 

底冷えするような低い声に、ベアトリーチェの背はゾクリと凍る。

 

 

「......んじゃな。明日はプラントの拡大頼んだぞ」

 

 

今度こそ出て行った。

 

 

 

「......相変わらず、末恐ろしいガキ......」

 

 

 

秤アルト

やはりロイヤルブラッドは御せない

 

 

 

 

_____________________

 

 

 

「おいおいおいおいヒヨリィィ!おめえ肉ばっか食ってんじゃあねぇーぞ!!」

 

「ひぃぃぃ!でも美味しいんですぅぅう!」

 

「野菜もバランスよく食え!みんなが食う分なくなんだろーが!」

 

 

アリウス自治区12番地

アリウス分校寮舎

 

あたりのボロボロの建物とは比較にならないほど小綺麗な建造物。

その食堂では、いつもの如く『槌永ヒヨリ』と秤アルトの声が響き渡っていた。

 

 

「久しぶりの焼肉なんだから食う分考えろ!!ちゃんとサラダもくえ!」

 

「うわぁぁぁん!私なんて草でも食ってろって事ですか!?やっぱり人生は苦しいですぅぅぅ!」

 

「てめっ......!それ言われたら食わせるしかねーだろ!!」

 

 

騒ぎ立てるヒヨリの皿に程よくタレが絡んだ肉が乗せられる。

 

すでに山盛りになってはいるが

 

 

「え、えへへ......ありがとうございますぅ」

 

「.........おう。しっかり食えな。」

 

 

ニヘニヘと笑みを浮かべるヒヨリの頭をアルトは撫でる。

 

基本アルトはヒヨリを甘やかす

 

 

「......お兄ちゃん?」

 

「.........違うんだ妹よ」

 

後ろから物凄い圧を感じ、アルトの背はピンと張る。

 

 

「またヒヨリばっかり甘やかしてたんだ」

 

「いや......その......ち、違うんすよ!」

 

 

苦しい言い訳である。

顔は笑っているが目の奥が笑っていないアツコに言い訳は通じないと分かっているだろうに

 

 

「ふーん......何が違うの?」

 

「えーと......あの......そ、そう!ヒヨリが『人生は苦しい』だのなんだの言ったのがダメじゃないすか?!」

 

「そっか。お兄ちゃんはその言葉嫌いだもんね」

 

 

___た、たすかっ

 

 

「じゃあなんで頭撫でてたの?」

 

たと思ったアルトの姿は実にお笑いだったぜ

 

 

「......お、大型犬に見えたから......?」

 

 

「い、犬扱いですかぁ!?」

 

「だまらっしゃい!!こうなったら道連れだ!一緒に地獄に行こうぜェェェ!」

 

「い、いやです!!姫ちゃんのお説教は言い表せない怖さがあるんですぅぅ!!」

 

ギャーギャーと騒ぐアルトに、アツコが抱きつく

 

 

「じゃあ、私にも同じことして?勿論ハグもしてね」

 

「仰せのままに姫様」

 

 

言われるがままアツコを撫でる。

 

撫でられている本人は頭をグリグリとアルトの胸に押し付けている。

 

 

「そういえばサオリ達はどうした?」

 

「訓練が終わったからすぐ来るよ」

 

アツコは早くアルトに会いたいが余り訓練が終わったと同時にガンダッシュで食堂に直行。

サオリ達は置いてきた。

 

「今戻った。」

 

「おうおかえり。飯出来てんぞ」

 

遅れて食堂に入ってきたのは『錠前サオリ』と『戒野ミサキ』

いつもならつけているマスクは2人ともしていない。

 

「......ただいま」

 

「おけーり」

 

ミサキは無言でアルトに寄り、空いている方の肩にぽすりと顔を押し付ける。

アツコと同じく顔をグリグリと押し付ける。まさに伝統芸能

 

 

「ミサキ、腕見して」

 

 

「......ん」

 

 

顔を押し付けたままミサキは腕の包帯を取る。

 

 

「.......大丈夫そうだな。あとで首と足も見るから」

 

「分かった」

 

 

少し前の古傷は残っているが、直近で自傷したような痕跡は無い。

 

どうやらしっかり約束を守っているようで安心安心

 

 

「むぐむぐ......やっぱりご飯はアルト兄さんのが1番ですねぇ......」

 

「肉を鉄板に乗せて焼いただけだ。ヒヨリでもできる」

 

「でも姉さんが作ると苦くなりますけど......」

 

「ありゃ焼きすぎだ。焦げとる」

 

 

この前魚を焼かせた時は頭抱えたわ。

まさか全焼するとは思わなかった

 

「こ、今度は失敗しない。今度はアルトと一緒にやればいい」

 

「言い訳にしかなってないよリーダー」

 

やめたれ。そのツッコミぐっさぐっさ刺さっとるぞ

 

みんなと戯れつつアルトは全員の食事の準備をする。

ミサキとアツコに引っ付かれながら。

 

前は邪魔に思えたが、今では引っ付かれながらの動きが上達しているのでさして気にならない

 

 

 

「では、いただきますと書きまして、社会と解きます」

 

アリウス式伝統芸能その二・いただきます前の一発芸

 

「また始まった......」

 

 

「その心は?」

 

 

「どちらも、“手を打つ“のが大事でしょう。ハイッ!アルトじゃないとォォォォ!」

 

 

シーン。

 

 

 

肉を食らっていたヒヨリの箸の手すら止まる

 

 

「ブホッ!!......っ......」

 

サオリには効き目大らしいが。

 

 

________________

 

 

「そういや明日から任務だよな?」

 

「うん。みんなが居なくなってから初めての」

 

だだっ広い食堂にはスクワッドの五人だけが居る。

他の生徒達は全員アリウス自治区から離れて行ってしまった。

 

「トリニティ......お嬢様学校だよなぁ」

 

「私たちとは縁遠い場所だね。」

 

トリニティ総合学園

そこで締結されるであろう『エデン条約』の奪取

『ユスティナ聖徒会』をマエストロさんに複製させて侵略。

 

「巡航ミサイル、ね」

 

 

「た、たくさん人が死んじゃいます、よね?」

 

 

「しゃーないことだ。嫌だったら降りれるが......大丈夫か?」

 

 

最終目標は最近連邦生徒会に赴任した『シャーレの先生』を殺すこと

 

さっきも言ったが、これについては仕様がない

個人的に恨みもあるもんでね

 

 

「だ、大丈夫です......ちょっとでも皆さんの役に立たないと......」

 

それに俺はみんなを守らなきゃいけない。

 

 

「ごめんな。アツコ達には辛い思いをさせる」

 

少なからず誰かを殺すことに変わりはない。

だが、俺の計画のために犠牲は気にしていられない

 

決意を新たに最後の晩餐を食らう。

 

 

 

......そうだ。

 

 

この任務を終えて、俺はみんなを自由にする

 

 

 

 

罪は、俺が全部背負って

 

 

 

 

 

 

_________________

 

 

 

秤アルトは転生者である。

 

彼の人生は随分と呆気なく終わった。

好きな特撮グッズを買いに行こうと電車のホームに立っていたら、

 

 

誰かに後ろから突き飛ばされ、呆気なく彼は肉塊になった

 

 

だが、目を覚ませばどうだろう

なんと赤ん坊になって居るではないか

 

しかもその生まれた世界は『ブルーアーカイブ』の世界。

平気で銃弾が飛び交い、戦車が平気で道路を走る世界。

 

さらに不幸だったのが、生まれた場所は......いや、生まれてしまった場所は『アリウス自治区』

過酷な世界であるキヴォトスにおいてもさらに危険な場所。

 

 

そんな場所に生まれてなぜ彼はここまで生きて来れたのだろうか。

 

それはひとえに『家族』と呼べる人間がいたからだろう。

 

 

アリウススクワッドは彼にとっての『最愛』

だが、彼自身には戦う力がない

 

 

 

 

____そう。

 

 

 

 

()()()には

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『囲め囲め!!』

 

『今日こそここを突破するぞ!』

 

 

アリウスにはたくさん過去の遺物が散乱している。

だからこそジャンク拾いの様な泥棒かぶれが日常的に侵入してくる。

 

 

 

「帰れ。今帰れば道案内までしっかりしてやる」

 

 

『今日はガキ1人だ!』

 

『しかもあの()()()()()()だ、やっちまえ!!』

 

 

......普通なら、自治区を守る治安組織が存在しないような自治区には連邦生徒会が介入する。

 

だが、アリウスは秘匿された土地

 

 

 

自衛は、一般生徒がする他ない

 

 

 

 

『ゼロワンドライバー』

 

 

 

 

腰に大きなガジェットを押し付ける。

そうすると両端からベルトが飛び出し、自動的に腰部に装着される

 

 

『JUMP!』

 

 

続けて、腰に鎖で繋いでいたカードキーの様なものを手に取り、起動させる

 

 

 

ヘイロー無し。

その通りだ

 

アルトにはヘイローが無い。

 

その言葉を聞いた時、普通なら弱者を想像するだろう。

 

ヘイローが無いということは一発の弾丸だけでも致命の一撃となる。

 

普通なら、楽な相手だと想像するだろう

 

 

 

 

『オーソライズ』

 

 

 

カードキーをドライバーに翳すと、ドライバーから音が流れ出る

 

それに乗じるように地下からバッタのような怪物が現れる

 

 

 

 

『ば、化け物!?』

 

『お、おい!!逃げんぞ!』

 

 

 

夜の闇の中で蠢く『ソレ』は煌々と黄色に輝き、アルトの周りを飛び跳ねる

 

 

 

 

 

カードキーを開き、ベルトに装填。

 

 

 

 

 

 

 

「変身」

 

 

 

 

逃げようとする二人組の前に跳躍しながら、静かに唱えた。

 

 

『飛び上がライズ!ライジングホッパー!』

 

 

体にバッタの怪物を纏い、それは装甲に変化する

 

 

そして、そのまま二人組を殴り付け、片方は蹴り飛ばす。

 

 

 

「こんなもんか......次からは変身無しで良いな。」

 

殴り付けた方は頭が完全に吹き飛び、機械パーツが散乱。

蹴り付けた方も......同じ

 

 

 

『A jump to the sky turns to a rider kick.』

 

 

 

アルトが前世の記憶から再現した技術の塊。

 

家族を守る力。

 

 

 

その力は、ベアトリーチェをも凌ぐ。

 

それほどの脅威的な力を持つ彼を、裏の世界の者達は畏怖を込め

 

 

 

 

 

 

 

_______『ヘイロー無し』と呼んだ

 

 

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