アリウスクソボケオオバッタ   作:カブライニキ

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最高です。フゥーーー!


第五話 アリウス分校とゲヘナ学園

 

 

「っ......巡行、ミサイル......!」

 

空崎ヒナは爆炎の中から立ち上がった。

 

幸い怪我は()()()()。問題なく動ける

 

 

あたり一面の建物は全壊しており、ヒナが乗っていた護送車は粉々になっている。

 

 

「......っ!!先生!」

 

空崎ヒナはかけだした。

先生はヘイローを持たない脆弱な肉体を持っている。

 

こんな爆撃を生きているとは到底思えない。だが、彼女はその脚力と翼で自らの恩師を探した。

 

 

武器も問題なく動き、発砲できる

 

 

一体何が。

 

巡行ミサイルと思しき光が着弾した瞬間、自分たちがいた古聖堂が爆破された。

 

 

「っ......誰......!」

 

突然、視界の端にゆらめく人影が映った。その方向に自らの銃を向けて威嚇する

 

 

「3秒以内に出て来ないのなら、撃つ」

 

 

そう言うと、その影は瓦礫の間を縫うように動き出し________________

 

 

 

「シス、ター?」

 

 

その、異様な姿を露わにした。

 

ガスマスクに礼拝装、そしてレオタードを纏った謎の人物。

その姿に、まるで生気は感じられなかった。

 

 

「っ!?」

 

 

相手は躊躇いなく発砲。撃たれた瞬間ヒナはその大きな銃身を謎シスターに叩きつけ、神秘をひたすらに込めた弾丸で貫く。

 

 

「なんなの.........詮索してる暇は、ないみたいね」

 

 

そいつを葬った瞬間、わらわらと湧き出すその異形達。服装、立ち姿、持っている銃。

 

そのどれもが統一されており、アサルトライフルの弾丸を放ってくる。

 

 

「邪魔っ!!!」

 

 

大声を張り上げながら弾丸をその幽鬼達に叩きつける。

()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「っ!!先生!こっち!!」

 

 

「“ヒナ!?“」

 

 

シスター達を葬りながら進んでゆくと、ヒナはようやく本人を見つけた。

みたところ、彼も怪我をしていないようだ

 

 

「怪我は!?」

 

 

「“大丈夫、ヒナは?“」

 

「私も問題ない......よかった......」

 

ヒナは安堵しつつ、再び軍勢に向き直る。

 

 

「混乱してるところ悪いけど、説明は後。今は私が突破口を開いて____」

 

 

 

 

ヒナが再び銃に神秘を込めようとした瞬間

 

 

 

 

「づっ!?」

 

 

死角からの一撃に頭が揺れる。

激しい衝撃によりヒナは脳震盪のような状態に陥った。

 

 

「軍勢相手にしてて、尚且つ混乱してたのは分かるがけど、護衛対象がいる時に視覚に頼り切るのは些かどうかと思うぞ」

 

 

「え、えへへ......辛いですよね、苦しいですよね......?すみません撃っちゃって......」

 

めまいを振り払いながら、ヒナは声の方向を睨みつける。

おそらく、対物ライフルのようなもので狙撃されたのだろう

 

 

視界のもやが晴れ、だんだんとその姿が見え始める。

 

 

「“..........アル、ト?“」

 

 

「この前ぶりです、先生」

 

 

その言葉に、ヒナは硬直する。

視界が晴れる前に、目の前にいる人物がわかってしまったから。絶対に、分かりたくなかった真実を。

 

 

 

「ヒナも、この前振り」

 

 

「秤、先輩?」

 

 

 

晴れた視界の先には、灰色のマスクを顎まで下げた(大好きな人)がいた。

 

 

 

 

異形達の軍勢を、背後にしながら。

 

 

 

 

 

 

 

_____________________

 

 

 

 

「マコト、俺さぁ実は『アリウス』なんだよ」

 

 

「.........は?」

 

 

時は遡り、アルトがゲヘナでバイトしていた一週間。

アルトは万魔殿議長に向かってそう言い放った。

 

 

「......キキッ、貴様が私に向かって冗談を言うのは珍しい「冗談じゃねぇ」

 

 

最後の可能性に賭けたマコトのセリフを一蹴し、アルトは言葉を連ねる。

 

 

「これは冗談でもなんでもない、紛れもない真実だ」

 

「......なぜそれを私に言う。なんのメリットがある?」

 

 

マコトはいつも通りの飄々としたアルトを切れ目で睨み、その真意を問いただそうとする。

 

 

「......別に、メリットなんて考えてもいなかったさ。だけど、これはきっとお前にしか頼めない」

 

至極真剣な瞳で、アルトはマコトを見つめた。

 

 

「......それは、貴様から私への『お願い』か?」

 

 

「ああ、だいーぶ不本意だが下手に回る。頼むよ」

 

 

その男の言葉に、マコトはニヤリと.......いや、口角を上げて破顔(わら)う。

 

 

「それはつまり、その願いを私が聞き届けた暁には貴様が私に貸しを作ると言うことか?」

 

「ああ、貸し一つ......いや、お前の好きなだけ貸す」

 

 

いつも忌々しい男が、今は自らの下手に回って助けを乞うている。

 

優越感、幸福感、勝利感!!

 

 

 

その感覚が、彼女の口角をさらに持ち上げた。

 

 

「キキキッ!いいだろうその願いとやらを聞いてやる。その代わり.........」

 

 

マコトは無駄に大きいデスクから立ち上がり、正面の椅子に座っているアルトを見下ろした。

 

 

 

「代償は、高くつくぞ?」

 

 

「ああ、構わない」

 

 

その言葉を聞いて、マコトは再びキキッ、と笑みを浮かべた。

 

 

 

そして、満足気なマコトに彼はその願いを伝える。

 

「______________これが、俺の頼みだ」

 

 

「......何?」

 

「これなら、とりあえずは誰も傷つけることなくことを収められる」

 

 

彼は言いたいことを言い切って背もたれに体を預ける。

 

 

「......貴様」

 

 

「死ぬ気はねぇ。俺が死んだら悲しんでくれるみんながいる」

 

 

ギィ、と椅子が軋んで彼が立ち上がったことをマコトの耳に伝えた。

 

 

 

「.........わかった。その手筈で進める」

 

「ありがとよ。飛行船と爆薬の準備はこっちでやる」

 

 

アルトはポケットから錠剤のようなものを取り出して、無理矢理飲み込む。

 

 

「......もしも死んだら、死体と名義は好きにしてくれ」

 

 

「......貴様っ!」

 

 

その言葉に自らの言葉を返そうとしたマコトだったが、彼の姿はすでに無くなっていた。

 

 

「......はぁ.........」

 

 

満足感、優越感。

 

勝利感

 

 

「死ぬつもりはない?」

 

 

そんなものは、すでに別のものに置き換わっていた

 

 

 

「これは、貴様の棺のようなものではないか」

 

 

 

マコトは珍しく、煩わしい声を潜めてアルトの書いた計画書を見据えた。

 

 

 

___________________

 

 

 

 

「ほら、集中力が切れてる」

 

 

「っ!秤、先輩っ!どうして......!」

 

 

銃身とアタッシュカリバーが鍔迫り合い、火花が散る。

 

 

「戦いを放棄するな」

 

 

そのまま刀身を押し込んでヒナを牽制。その隙をヒヨリに狩らせる。

 

 

だが、対物ライフルの弾丸はヒナの機敏な動きによって躱わされた。

 

 

「どうして、こんなこと......っ!!」

 

 

「どうして......?ああ、ミサイルのこと?」

 

 

 

「“あれも君がやったの?“」

 

 

アルトは攻撃をやめ、ヒヨリにも止まる指示を出す。

 

そして、先生とヒナの質問に段々と答え始めた。

 

 

 

「まぁ、俺だね」

 

「“っ......なんでっ!“」

 

 

「大義のため」

 

 

間髪入れず、彼はそう答えた。

 

「俺ね、家族がたくさんいるんだ」

 

 

指を折りながら、彼はゆっくりと教えていく。

 

 

まず、親指を折った

 

 

「錠前サオリ、みんなのまとめ役で、まぁ、俺がいない時のリーダー」

 

 

「“......何を、言って“」

 

突然の説明と、彼の纏う異様な雰囲気に気圧されてか細い声しか出ない。

 

アルトは無視して、人差し指を折った

 

 

「先生も知ってると思うけど、白洲アズサ。これについては感謝してる。アズサを素敵な場所で教え、育ててくれてありがとう」

 

 

敵意、と言うにはあまりにも慈愛に溢れた表情で双方に笑みを浮かべた。

 

 

「槌永ヒヨリ。あ、後ろにいるあの子ね。いっぱい食べる子なんだ」

 

アルトは中指を折って、楽しそうに説明を続けた。

 

まるで、託児所に子供を預ける前の父のような眼差しを、先生に向けている

 

 

「んで、さっき先生も会ったと思うけど、戒野ミサキ。ああ見えて1番寂しがり屋だったりする」

 

 

薬指を折って、最後の小指が残った。

 

 

「......秤アツコ。俺の、妹」

 

軽く目を瞑り、またゆっくりと開く。

 

 

 

「............これが終われば、みんな自由になれる」

 

 

折りきった指をゆっくりと撫でて、剣を構える。

 

 

「だからさ、先生、ヒナ」

 

 

2人を順に見つめて、いつもとは全く違った、ちぐはぐの笑みを2人に向けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大義の為の、犠牲になってくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________嗚呼

 

 

 

 

 

吐きそうだ。

 

 

 




なんかすごい伸びててびっくりしました
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