アリウスクソボケオオバッタ   作:カブライニキ

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曇らせの感覚を忘れている気がする。もっとこう、血反吐を吐かせたいのに胡散臭いアルト君ばかりが出てくる


第七話 嘘吐きとその代償

 

 

「あ、アルト兄さん、撤退準備できました......」

 

「おう。お疲れ様」

 

 

アルトとヒヨリは大きな瓦礫の上に立っていた。

ヒヨリはすでに準備を終え、その大荷物を背中に背負っていた。

 

 

「......ケホッ、ケホ......」

 

「だ、大丈夫ですか?」

 

「うん......ライター、どっかに落としちゃってさ......持ってない?」

 

 

「ごめんなさい......持ってないです......」

 

「あー......げほっ.......まぁ、ヒヨリには別に期待してなかったから大丈夫だけど......」

 

 

「うわぁぁん!!どうせ私は無能ですぅぅ......」

 

 

喚くヒヨリを横目に、アルトは再び足元に目線を落とした。

 

 

「まぁ、そう気を落とすなって、アコちゃん」

 

 

「づぁ............ぐ.........」

 

アルトの足元には流体金属の塊で拘束されたアコの姿があった。

 

見れば傷は一つもない。

 

 

 

「......あー、クソ......吐きそう」

 

機嫌悪そうに頭をぐしぐしと掻きむしり、アルトは火のついていない煙草を咥えた。

こうでもしていないとストレスでどうにかなってしまいそうだったから

 

 

「あとは......先生、アンタを回収して終わりだ」

 

 

アルトは胃の痛みを堪えながら虚な目をしたヒナを抱えている先生の元へ歩き出す。

 

 

「“.........アルト“」

 

「何?まぁ、これからどっかに連れてくけど、殺されないだけいいと思ってついてきてくれよ」

 

 

イライラが募って、先生の回答を聞かずにアルトは先生に向かって手を伸ばした。

 

 

「“.........私は、君を信じるよ“」

 

 

「.........は?」

 

 

罵倒か手を叩き落とされると思っていたが、帰ってきたのはにこやかな笑顔と穏やかな声だった。

 

 

「......ははっ、さっきも言った通り俺がアンタらにいい顔を向けてたのはただの代償行為に過ぎないって言ったでしょ?何も信じられることはしていない、逆に今俺はアンタらの信用を一挙に失った。それに等しい行動をしてるんだ」

 

 

頼むよ

 

 

「“それでも、私はアビドスで一緒に戦ってくれた君を知っているから“」

 

 

頼むから

 

 

「“あの時、私が信じただけで嬉しそうにしていた君を知っているから“」

 

 

やめてくれよ

 

 

「......先生、それは多分アンタの思い違いだ。俺はその後のことばかり考えて行動してたぞ?アンタの信用を勝ち取るにはこれが1番だと「“それでも“」

 

 

やめろよ

 

 

「“私は君を信じる。たとえ、君がそれを否定しても“」

 

 

 

頼むから、優しい言葉をかけないでくれ

 

 

「ははっ、思った通り、アンタは重度のお人好しだ。だから俺なんかに騙されて、こんなことになるんだよ」

 

 

頼むから、俺なんかを信じないでくれよ

 

 

あんな事を言って、こんな事ばかりしてしまう俺を軽蔑してくれよ。下手な同情はまっぴらなんだよ。

 

 

 

「“うん。それでも“」

 

 

 

“私は君を“

 

 

“信じる“

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

やめてくれよ。

 

 

これ以上俺に優しくしないでくれよ

 

 

 

俺なんかに優しくしないでくれよ。こんな、誰かを傷つけるのが最善だなんて考える俺をいっそ罰してくれよ

 

 

 

家族を守るために他人を犠牲にできる俺を叱ってくれよ

 

アンタならできる筈だろ俺ができないことを

 

 

俺が何もできなくなっちゃうだろ。

 

みんなに忘れられるように努力することも、誰かに冷たい言葉を吐く努力をすることも、先生に家族を任せようと努力することも

 

 

 

 

 

全部全部辛いのを思い出して、泣き出してしまうだろ。30超えてるおっさんが泣くぞ

 

 

だから、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺のことを、どうか嫌ってくれ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒンッ

 

 

 

 

風鳴りの音?

 

 

 

 

突如、脳内に警告音が響き渡る

 

 

『警告:大型巡行ミサイルの接近を確認』

 

『提案:最優先行動』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『槌永ヒヨリ及び全員の保護』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「変身ッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

『ライジングホッパー:前面防御・成功率0%』

 

『シャイニングアサルトホッパー:シャインシステムによる防御・成功率0%』

 

 

 

 

 

 

 

『メタルクラスタホッパー:クラスターセルによる防御・自身の生存率を無視した場合・成功率』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『99.8%』

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

記録:トリニティ総合学園へのアリウス分校によるミサイルテロ

 

 

 

「失礼します、重症者が通りますので道を開けてください」

 

 

 

シャーレの先生:多少の火傷はあるがほぼ無傷

 

 

「はぁ!?こっちは避難してるのよ!!ここだけでもいっぱいいっぱいなのにそんな厄介もの運び込まないでよ!!」

 

 

「そんなことを言っている暇はありませんできるだけ早く通してください。でなければ実力行使させて頂きます」

 

 

 

トリニティ大聖堂『通功の古聖堂』:謎の兵士達に占領され、39%が使用不可。

 

多数の生徒が避難生活を余儀なくされた

 

 

「そうよ!!そんなのここに入れないでよ!!」

 

「こっちに近づけないで!」

 

 

「ひっ、穢らわしい......っ」

 

 

 

事実上、トリニティ総合学園の3分の1が陥落

 

 

 

 

「2度目の警告です。道を開けてください」

 

 

 

正義実現委員会の一部及びシスターフッドの大多数の生徒はこれを侵略行為と断定し、現時点でも侵略及び破壊行為を続けている兵士を『アリウス分校』と断定

 

 

 

「そもそも!そいつがテロリストじゃない!!」

 

 

「え、そうなの?」

 

「うん、ほら、ネットに上がってる」

 

 

来賓:ティーパーティー・代表三人及び委員は『腹筋崩壊太郎』のお笑いショーを鑑賞のため、負傷者無し

 

 

「早くどこかへやってよ!!」

「そんなやつにやる薬なんてないわよ!」

 

 

「.........やむを得ません」

 

 

正義実現委員会:『アリウス分校』の兵士に多数の戦果を上げ、負傷者無し

 

 

「キャァァァ!!」

 

「ゲヘナは医者まで野蛮人なの!?」

 

 

 

「撃たれたくなければ道を開けてください」

 

 

ダンッ!!ダンッ!

 

 

 

救護騎士団:負傷者無し

 

 

 

「......重症者の受け渡しに参りました」

 

 

「ゲヘナの医学部長は患者を『死体』と呼称することが多々あるとお聞きしましたが......」

 

 

「今はそんなことを言っている場合ではないと、判断しましたので」

 

 

 

ゲヘナ風紀委員長空崎ヒナ及び行政官天雨アコ:首謀者と思しき『アリウススクワッド』のリーダー、『秤アルト』と交戦し、どちらとも負傷なし

 

 

 

 

「トリニティ総合学園三年生、『救護騎士団団長』蒼森ミネと申します」

 

「お、同じくトリニティ総合学園二年生、鷲見セリナです......」

 

 

この騒動を引き起こした首謀者

 

 

 

「.........申し遅れました。ゲヘナ学園三年生、『救急医学部部長』氷室セナです」

 

 

 

 

『アリウス分校』三年生、秤アルト:肋骨損傷・靭帯損傷・肋の解放骨折・頭蓋損傷・その他多数の内臓の機能不全及び眼球の機能不全

 

救護騎士団団長蒼森ミネによると、『生きているのが不思議なほどの重症』

 

 

 

 

「では、彼を早く」

 

 

「すでに準備は済んでいます」

 

 

 

 

 

 

追記

 

 

首謀グループである『アリウススクワッド』のメンバーは、近くに居た狙撃手、『槌永ヒヨリ』以外見つかっていない

 

 

 

 




大変恐縮ですがこれ、私のX垢です。

よければ見てもらってやってください……
なんでこんなことするかって?俺は作品を褒められたりするとすぐみんなを好きになっちゃうからだよ!!

https://x.com/t3dfqaqtxk54980?s=21
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