アリウスクソボケオオバッタ   作:カブライニキ

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さて、ここからは反撃の時間ですよ


第十三話 反撃の足掛かり

 

 

ぽつりぽつりと雨が肌を刺す中、俺たちは水音を立てながら駆けていく

 

 

「アルト、大丈夫か?」

 

「......大丈夫だよ」

 

「そうか。苦しかったらいつでも言ってくれ」

 

「いや、体は大丈夫なんだけどさぁ......」

 

 

そんな中アルトは、なぜか顔を真っ赤にしていた。

 

なぜなら________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これおかしくない!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サオリに、がっつりおんぶされているからである。

 

 

 

『“アルトはまだ本調子じゃないし......何より、サオリが望んだことだよ?“』

 

 

「だからっておんぶはねぇだろ!?」

 

アルトは耳元の通信機に向かって叫ぶ。

そこからは先生の声だけではなく、おそらく大人数のざわざわとした声がかすかに聞こえていた。

 

 

『“まぁ、我慢してもらって“」

 

 

「っ〜〜〜〜〜〜〜!!」

 

 

こうなったのには、訳がある

 

 

 

 

_______________________

 

 

 

 

「はぁ!?アリウス自治区に殴り込む!?」

 

 

「おう。それが1番確実で成功率の高いやり方だ」

 

 

 

 

1時間前、トリニティ総合学園

 

 

「あ、あとアコにもごめんな」

 

 

「いやっ私だけ軽くないですか!?」

 

「すまんな、時間がなくて」

 

 

「時間が無いで許されると思ってるんですか!?.........っ.........あ、頭撫でないでくださいっ.........」

 

 

よしよし。これでアコちゃんはOK。

 

 

「私だからってぞんざいに扱っていい訳じゃ無いんですよ!」

 

いつもの横乳服で喚いているアコちゃん。

喚いてはいるが、撫でられているアルトの手を払いのけることも、そこから移動することもしていない

 

 

「また今度、何かお詫びするからさ」

 

 

「全く.........先輩に愛想を尽かさないのなんて、私ぐらいですよ......」

 

 

できるだけ怒ったふうに顔を背けるが、紅潮した顔が普通に晒されている

 

 

「“えーと......わ、私は話していい感じかな?“」

 

 

少し甘い雰囲気になった空間に割り込む先生。

もちろん割り込みたかったわけではないし、割り込む気もなかったのだが

 

 

「すんません先生。お願いします」

 

 

アルトはいい加減アコの頭から手をどかし、先生の方を向いた。

 

 

「ぁ......」

 

 

アコは一瞬残念そうに声を漏らすが、自分自身がそれに気づいて再び顔を朱に染めている

 

 

「“なんでそれが得策だと思ったの?“」

 

 

アルトは真面目な表情に戻り、再び説明を始めた。

 

 

「......まず、アリウス自治区は完全秘匿された土地です。もちろん衛星写真には映らないし、誰かが迷い込むことだってほとんど無い」

 

 

自治区の全貌を表した地図でもあればよかったのだが、今はそれが無いため口頭で説明することしかできない

 

 

「なんでだと思う?」

 

 

「“えーと......“」

 

先生はグルグルと思考を巡らせるが、急には思いつかない

 

 

 

「正解は、地下にあるから......でしょう?先輩」

 

 

「......せーかい。流石ぁ」

 

 

隣に座ったヒナの頭も撫でる。

やっぱりこうやって甘えてくれる方が嬉しいかもしれない

 

 

「“......自治区全体が地下にある!?“」

 

 

「ああ。しかも、そのルートはかなり複雑に構成されている上に一定周期ごとに形状を変える」

 

 

それがいちばん厄介な部分だ。

 

アリウス自治区へとつながる唯一のルート。それこそが『カタコンベ』

 

 

「だから、俺たちが使ったルートを通るのは不可能。すでにバラバラになったパズルみたいに道順、形、危険度も全て遷移した」

 

 

自販機の演算能力を持ってしてもカタコンベのルートパターンを解析、解読は不可能。

 

「“攻略法はないの?“」

「“こういうのって、ゲームとかだと大抵裏道とかがあったりするんだけど......“」

 

 

そう、攻略法自体はある。

 

 

「一応。二つだけ」

 

 

だがそれは、さまざまの運要素が絡んだ上でそれに加えて成功率も低い

 

 

「一つ目は、すべての壁をぶち抜いて無理やり自治区に到達する方法」

 

 

これが1番確実と言えば確実。

 

 

「それなら先輩のライダーシステムを利用すれば......」

 

 

「そこなんだよなぁ......」

 

 

そう、それができるのなら俺だって悩んだりしないだろう

 

 

「カタコンベ内では、こいつが使えない」

 

 

そう言ってアルトはゼロワンドライバーを取り出す。

 

 

「俺のライダーシステムはアリウスの拠点にある投影機から『ライダモデル』を射出してそれを纏うって方式だ。一応メタルクラスタって例外もあるにはあるけど、閉所戦闘に向いていない上にアシストがないからおそらく暴走する」

 

 

そう、それが1番の障害である。

 

 

「“なるほど......万能な力じゃないんだね“」

 

「本来は万能なはずなんですけど、俺じゃあこれが限界でしたね」

 

 

一応ライダモデルをそのまま射出できる奥の手も存在するが、そっちはあんまり使いたくない

 

 

「それで、二つ目の案は?」

 

 

「......そっちが本命」

 

 

 

 

________________________________

 

 

 

 

 

『“そろそろ合流するよ“』

 

 

「......お家で大人しくしてもらっても大丈夫だぞ?」

 

 

『“生徒がボロボロで頑張ってるのに、私が休んでる暇なんてないよ“』

 

 

 

おぶられつつ、だいぶ順調にサオリの歩は進んでいく

向かうは『通功の古聖堂』

 

 

 

「......んじゃ」

 

 

 

アルトはサオリの背から一度降り、『プログライズホッパーブレード』を軽く手に握る

 

 

もちろん、左手には『アタッシュカリバー』

 

 

 

サオリも同じくアサルトライフルのチャンバーを引き、軽く構え、ミサキは『セイントプレデター』にサイドアームである拳銃を。

ヒヨリはトランクから『アイデンティティ』を取り出す

 

 

 

 

 

「アリウススクワッド、作戦開始」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本命の作戦

 

 

 

 

 

 

『アツコとの神秘の繋がりを手繰り寄せる』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第三章 楽園と彼の証明    〜完〜




さて、ここで第三章は終わりとなります。

ここからはゲーム本編である『エデン条約編』から抜け出し、彼らの物語を描いて行きます。
果たして彼らはベアトリーチェを打ち倒すことができるのか!

それでは次章、『第四章 Take off toward a dream.』

でお会いしましょう!!
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