みなさまこんにちは、作者です。
祝 全話数六十話でございます
みなさま、いつも感想ありがとうございます
もう、読ませていただくたびに小躍りしてますよ。はい
これからも、余裕があれば……お願いします……
「しっかり捕まってろよぉ!!先生ェェェ!!!!」
「“ウワァァァァァ!?“」
バイク後方、先生の悲鳴をBGMにバイクのエンジンをさらに加速させる。
「邪魔だっ!!!」
邪魔なユスティナやら障害物やらは無視か破壊して進む。
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「あ、アルト兄さん1人で......!?」
「おう。んで、バシリカ直通便だ」
アルトはバイクのエンジンを鳴らしながら、みんなに軽く説明する。
「俺と先生が風穴を開けて、その隙にサオリのチームが、ここから侵入」
スマホの画面に記されためっちゃくそに簡略化されたバシリカ内の地図。
アルトは頻繁に出入りしていたため、その図面を暗記していたのだ
「速攻で駆け抜けてアツコを救出。俺とサオリ、そしてホシノとヒナでベアトリーチェをぶっ潰す」
前は1人でも勝てたんだ。それに、少しではあるけど俺だってあの時から強くなってる......きっと、おそらく、メイビー
「ってことで、だいぶ荒っぽいドライブになるけどさ、ひとっ走り付き合えよ。先生」
アルトはそう言って、先生にヘルメットを手渡した。
「“し、死なない程度なら......“」
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「“死なない程度でって、言ったよねぇぇぇぇ!?“」
「これぐらいで死なれたら困るぞ!!ついでにッ!頭下げといてくれ!!」
『ファイナルストラッシュ』
「“おわっ!?“」
クラスターセルを纏わせた剣をバイクの加速に乗せて一気に振り抜く。
「チッ......やっぱ出てきやがったなぁ......」
アルトは軽く舌を打ちながら、剣を片手に正面の敵を見据える
「アンブロジウス......」
「“な、なにあれ?!“」
「説明は後だ!このまま無視して突っ切る!!」
一度ギアをバックにいれ、急速にバックして_________________
「“ど、どうなってるのォォォ!?“」
「できたァァァァァ!!」
廃墟の壁をバイクで走る。
なにを言っているかわからないと思うが、それが事実なのだ
「テメェの炎じゃ空中にはとどかねぇだろうが!!」
スプリングを一気に跳ねさせ、バイクごとアンブロジウスの頭上に持ち上げる。
そして
「さっさとおねんねしてなァァァ!!」
バイクの前輪を、クラスターセルで刃のように加工してアンブロジウスのヘイローを砕いた。
やはり、ヒエロニムスに比べて圧倒的に耐久値自体は低いらしい
「大丈夫か?」
「“大丈夫......じゃない、かも......“」
「甘ったれてんじゃないよぉ!!限界超えろォォォ!!」
さらにバイクのギアを上げ、目の前に大きく構えている『バシリカ』の大型の木製の扉を目指す
「ぶっ、壊れろォォォ!!!!!」
喉を張り上げ、正面から堂々と教会内部に突っ込む。
「......よし。着地成功」
「“ぐ、グエェ......“」
パッションに満ち溢れているアルトとは対極的に、先生はすでにグロッキー状態。
「......やっぱ、正面となると随分多いな」
バシリカの内部には待ってましたと言わんばかりに変身済みのユスティナ達が立ち塞がっていた。
だが、カタコンベで見たような数はいないらしい。これなら
「十分、俺でもやれる」
床にへばりついている先生を無視して、アルトはクラスターセルを展開。
「......やっぱ、使いやすいなこれ」
ホルダーから抜いた二丁の拳銃は驚くほどアルトの手によく馴染んだ。
それに加えて、どちらとも流石はゲヘナ製。普通の拳銃よりも圧倒的に攻撃力が高い
ユスティナの弾丸、さらにはブレードを的確に避ける。
「ほら、あぶねぇからそろそろ立ってくれ先生」
「“ぐえっ“」
首根っこを掴んで多少雑に先生を起こす。
そのまま先生の脇を通すように銃弾を放った
『まさか正面突破を選ぶとは......やはり侮れないガキですねぇ......』
「まぁな。テメェには俺1人が順当ってわけだ」
『ですが、どうせ何か企んでいるのでしょう?』
「今言った通りだ。お前程度俺で十分っつったんだ、何回も同じこと言わせんなよ。認知症か?」
隠す気のない怒りを上げながら、教会内に響くベアトリーチェの声の発生源も順々に潰していく。
「先生頭下せ!!」
アルトは後ろに待機させていたバイクのハンドル部分をしっかりと握り________________
バイクを最後のユスティナに向かって振り下ろした。
「......これで、終わりか」
戦闘中についたであろうオイルのような液体をコートの袖でぐしぐしと拭い、バイクを再び地面に下ろす。
「オッケーだ先生。先を急ごう」
「“う、うん“」
後ろで立っていた先生の前に立ち、ずんずんと先に進んでいく。
「“......アルトって、強いんだね“」
「......まぁ、鍛えてますから」
どこぞの鬼のようなセリフを吐きつつ、しとしとと雨の音が響く教会内を歩いていく。
「......相変わらず、気色悪りぃ」
なにを模ったものなのかもわからない偶像に、無惨にも床に散らばってしまっている経典
カタコンベとはまた違ったベクトルで、不気味
「......先生」
「“?“」
「これから、俺はベアトリーチェと戦う」
先生の方を向かずに、歩いたまま言葉を連ねる
その後ろ姿には、どこか怯えの色が含まれているようにも見えた
「......まだ話してないことが、結構あったりする」
「“......うん“」
「だから、さ」
アルトは正面に鎮座している大きな扉を目の前にして、一拍。
「帰ったら、全部話すよ」
アルトはいつものような朗らかな笑顔を向けて________________
扉を、開いた
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神とは、なにをもってしての定義なのだろうか
ギィィィィィ.........
軋轢音を立てながら、ゆっくりと扉が開いた。
楽園とは、何のためのものなのだろうか
コツ、コツ
二つの足音が、足並みを揃えて音を響かせる。
誰のためのものなのだろうか
「......来ましたか」
己が利己のために、それを求むベアトリーチェ?
「ああ。約束通りこっちから来てやったぞ」
それとも、家族を守るという純粋な願いを持った秤アルト?
それとも________________
「......アツコを返せ」
「それは無理な相談というものです」
パチン、とベアトリーチェが指を弾くと、足元から歯車の回る振動が伝わってくる
「......アツコは、私の計画の要なのですから」
ジャリジャリ、と鎖の絡む音を立てながら、十字架が地下から引き出される
「......ッ!!!」
『ファイナルストラッシュ』
腰から垂れ下げていたプログライズホッパーブレードを居合の要領で引き抜き、アツコが磔にされている十字架の根元を狙った。
だが
「随分と焦っていますねぇ......?」
ベアトリーチェの扇子によって、クラスターセルごと弾き飛ばされた。
「......返せ」
「くくっ.....何度も言わせていただきますが、それは無理です」
「あっそ。なら、交渉決裂だ」
アツコが出血している。
アツコがあそこにいる時間から逆算して、リミットは大体.........
「......夜明けが、限界か」
『Everybody JUMP』
「サポート頼んだ、先生」
「“任せて!“」
アルトと先生はそれぞれ『メタルクラスタホッパープログライズキー』と『シッテムの箱』を取り出した。
「社交辞令とはいえど、最初は対話から始めるものでは?」
「社交辞令ってのは人間に対して使うもんだ。テメェに気を使う必要はねぇ」
なるほど、なるほど
そう呟きながらベアトリーチェはその玉座から離れた。
本来ならば、正式な生徒会長の継承者が座るはずであった、アリウス生徒会長の椅子。
「ですが、あなたは私のいうことを聞く他ない」
ヒールの音を鳴らしながら、ベアトリーチェは階段から一歩づつ降りる。
「......どういう意味だ」
「もちろん」
突如、目の前にモニターが映し出された。
どこかの固定カメラのような、映像
「て、めぇッ!!」
「そのままの意味ですよ........フフッ.........」
モニターに映し出されたのは
『なんで急に、数が.....ッ』
『うへぇ......どーやら、相手の方が一枚上手だったかな?』
大量の変身したユスティナと交戦しているサオリ達の姿だった。
「どれだけあなたが優秀を演じようとも所詮は子供の浅知恵。私にバレていないとでも思っていたのですか?」
ベアトリーチェがさらに2人に近づき、三メートルほどしか距離の差が無くなる
「私の一存で、『聖女』をあそこに送り込むことも可能なのですが.........」
わざとらしく考えるそぶりをしながら、アルトに向き直る
「......この、腐れ外道が......ッ」
怒り、憎しみ、殺意、嫌悪
そして、焦り
そんな感情が混じった表情を見たベアトリーチェは、笑いを堪えられないとでも言うように笑い声を漏らしている
「やはりお前も子供。子供を御せない大人など、いる訳もない」
満足そうにそれだけ呟くと、ベアトリーチェは空間に穴を開けた。
文字通り、空気中に黒い穴が開いたのだ
「私は、他者との接触は地獄だと考えています」
その中に手を突っ込み、何かを取り出した
「“あれは......アルトの?“」
「いや、初めて見る」
『データベースに登録なし』
『不正権限を用いて使用』
『クラスターセル及び『鉄煙』とよく似た性質のコアモジュールを確認』
「互いが憎しみあうことで、その実在を証明して要るにほかならない......お前にも、経験があるはず。暁のホルスの神秘を求め、騙し、憎み合う.........自分自らがこの説の証人になっている」
ベアトリーチェは手に持っていた扇子を地面に落とし、ドライバーをアルトと同じように腰部に装着。
『エデンドライバー』
「愚かな子供に代わり、私は私のためだけの楽園を創造する......それが、それこそが」
『ルシファー』
「私が求めた『崇高』に他ならなかった.........!」
プログライズキーをスイッチによって展開。
ベアトリーチェの足元から侵食するように、液体や骸のようなライダモデルが展開される
「......お前は......アツコを使って、何を......!」
歯が軋むほどにアルトは奥歯を噛み締める
「今、見せてあげましょう」
ベアトリーチェは、静かにキーをドライバーに装填した。
『プログライズ』
『アーク』
散らばった液体のライダモデルがベアトリーチェの体に纏わりつき、白色のアンダースーツが形成される。
「変、身」
両腕を開き、体全体をまるで花弁のような骸が包み込んだ。
それがゆっくりと開いた
『The creator who charges forward believing in paradise.』
純白のドレスを思わせる白色のライン、そして胸部には薔薇のような装飾が現れる
そして表情は、まるで骸骨を重ねたかのようなマスク
「ここからは、私が楽園の創造主となる」
OVER THE EDEN.
スペックはエデンよりも高いくせに、劇中では中途半端な活躍しか見せなかった仮面ライダールシファー。
でも、大人として中途半端って意味では、アルトくんはもしかしたらベアトリーチェと同類なのかもね