アリウスクソボケオオバッタ   作:カブライニキ

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ブラボの新規小説書きます。

ちなブラボ要素は皆無なもよう


第二十四話 犠牲

 

 

「いい加減諦めろこのババアが!!」

 

 

アルトはゼロツープログライズキーから生成された大量の剣をベアトリーチェの体に滅多刺しにする。

だが、それを破壊してまだベアトリーチェは向かってくる

 

ライダモデルによる無限再生。

そこ知れぬ回復力にアルトは少しの恐怖心を抱いていた。

 

 

「何も......諦めるものなど......っ!!」

 

 

「もう勝負はついてんだよ!!バルバラとか言うバケモンはサオリ達が倒した!後はテメェが倒れるだけなんだ」

 

 

『ファイナルストラッシュ』

 

 

「よっ!!!」

 

 

 

プログライズホッパーブレードから飛ばした銀の刃をベアトリーチェはモロに喰らった。

 

その衝撃と斬撃によりベアトリーチェの体は真っ二つになったが、まるで蔓のように伸びた触手が上半身を絡め取り、そのまま下半身に結びついた。

 

 

「無駄......何度やっても無駄ッ!?」

 

 

「......ははっ、よーやく効いてきたか」

 

 

アルトはなぜか悶え苦しみ始めたベアトリーチェに向かって左手を翳し、そのまま捻り切るように指を折った

 

 

 

「がふっ!!!?」

 

 

その動きに連動するように、ベアトリーチェのつながったハズの体が再びねじり切れた。

 

 

「一体......ッ!この私に何を!!」

 

 

上半身が床に転がり、さらにベアトリーチェは悶え苦しんでいる。

まるで、装甲の内側で何かが暴れているように装甲板が隆起し________

 

 

 

 

「が、はぁっ!!?」

 

 

 

 

左胸からバッタ状に変形したクラスターセルが飛び出した。

 

いわゆる、エイリアン式胸抉り

 

 

「テメェのリアクターコアと心臓......探し当てるまでに結構かかるもんだな......!」

 

 

「き、さま......ァ!!」

 

 

なんとかベアトリーチェは半分になった体から蔓を伸ばし、歪な人型に変形した。

 

 

「さぁて......テメェもようやく年貢の納め時だぞ。ババア」

 

 

再び剣を向け、アルトは切り掛かる

 

 

「“アルト!やっぱり心臓が原因だった!このまま何度か破壊すれば倒せる!“」

 

「了解ッ!!」

 

 

ベアトリーチェの無限再生は、ベアトリーチェ自身の心臓から発生する触手によるものだと先生が推測。

 

そして、先生自身がベアトリーチェの心臓をクラスターセルによる内部攻撃で食い破る作戦を決行。

 

 

「えげつねー作戦だけど......」

 

 

アルトも内心引いてはいるが、いつにもなく怒りの色を滲ませている先生に向かって何かを言う気も暇もなかった。

 

 

「私は......っぐ.......私こそが......!崇高に.......上位の存在に......ぃ......!」

 

 

クラスターセルによる内部攻撃が相当の痛みを作り出したのか、ベアトリーチェは息も絶え絶えに再びアルトに向き直った。

 

 

「......テメェは、上位の存在なんかじゃねぇ。ただの傲慢で、クズ野郎のババアだ」

 

 

アルトのマスク越しの冷ややかな視線を向けられたベアトリーチェは、激昂してうねりを挙げた。

 

 

「口を......ぉ......!!慎めぇぇぇぇ!!!!」

 

 

 

不格好であまりにも醜い突撃。

こんなやつが仮面ライダーの称号を得ている時点で、俺としては嘆かわしいね

 

 

「これで、終わりだ」

 

 

だから、ここで全ての禍根を断つ

 

 

俺の過去を

 

 

俺の今までの苦しみを

 

 

こいつに全部押し付けてやる

 

 

 

「“今だッ!!“」

 

 

「ああ。ありがとう、先生」

 

 

剣を地面に投げ捨て、ドライバーに装填されたプログライズキーを再び押し込む。

 

 

 

 

「.......じゃあな」

 

 

 

 

『メタルライジングインパクト』

 

 

 

突撃してくるベアトリーチェに、アルトは背を向ける

 

 

 

 

「ライダー、キック」

 

そして

 

 

 

「私こそが上位者に“ぃ!!?」

 

 

 

インパクト

 

 

 

仮面ライダーカブト式、回し蹴りライダーキックを叩き込んだ。

 

 

 

 

 

 

「......まじか......まだ生きてるよ」

 

「“い、生きててよかった......“」

 

「あんたのえげつねー作戦の大勝利だ」

 

「“う“っ......“」

 

 

ドライバーからメタルクラスタホッパープログライズキーを引き抜き、アルトは人間の体に戻った。

 

どうやらライダーシステムの補助に体が慣れていたようで、多少体がぐらつく。

 

 

「けほっ......げほっ......まぁ、それのおかげで勝てたんだ。本当にありがとう」

 

 

「“なら、よかった“」

 

 

先生は笑みを浮かべ、ふらつくアルトの体を支える。

 

「......ほんと、ありがと」

 

「“これが私の役目だから“」

 

 

......これで、終わったんだな

 

 

ようやく

 

 

 

「アツコを......早く......」

 

 

そして、磔にされているアツコを救おうとアルトは振り返る_________________

 

 

 

 

 

「もう......形式も外聞もどうでも、良い.......!」

 

 

そこには、さっき倒れていたハズのベアトリーチェが元の形に戻り、アツコに向かって『サウザンドジャッカー』を向けている姿があった。

 

 

「私は......そう私はッ!!絶対的でなくてはならないッ!!!」

 

 

 

「このっ!!クソババアがァァァァァァァ!!」

 

 

「“アルト!!ダメだ!“」

 

 

先生の静止を振り切り、アルトは人間の体のままベアトリーチェに突っ込んだ。

そして、一気にブレードを振り翳す

 

 

 

今度こそ、いやッ!ここで!!

 

 

殺すッ!!

 

 

最後の一撃がベアトリーチェの脳天に突き刺さる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ええ、そう来ると確信していましたよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことはなく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「.........は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ジャックライズ』

 

 

 

 

 

 

ベアトリーチェに振り下ろされたアルトの剣は地に落ち、その代わりに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先輩っ!!!!」

 

 

 

 

 

「あ.......ヒナ......」

 

 

 

 

 

 

ベアトリーチェの剣が、アルトの腹部に深々と突き刺さっていた。

 

 

 

 

 

 

 

「ははっ.........ハハハハハハッ!!!この瞬間を、待ち望んでいましたよッ!!」

 

 

 

ベアトリーチェはもう十分だと言わんばかりにアルトの体から剣を引き抜き、アルトを前蹴りによって階段から突き落とした。

 

 

力なく、アルトは階段から転がり落ちていく。

 

その後頭部に、すでに十字のヘイローは存在しなかった

 

 

 

 

「......せん、ぱい?」

 

 

「ね、ねぇ、っ、先輩......先輩!!」

 

なんとも間が悪く

 

 

 

「そん、な......?」

 

 

「嘘......」

 

 

もうずいぶん遅く

 

 

 

「......アルト?」

 

 

 

サオリたちが、到着した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ......アハハハハハハッ!!!随分と!遅かったじゃないですか?」

 

 

 

それを嘲るように、ベアトリーチェは階段の上で高笑いを上げている。

 

 

最も、誰もその声を聞いてなどいないが

 

 

 

「“早く止血を!!救護騎士団に連絡してッ!!“」

 

 

「今もうやったから!!」

 

 

今、殺さないためにミサキと先生は誰よりも早く動いた。

 

 

「っ......出血が酷い.....このままじゃ.....!」

 

「“ああっ......なんで、こんなっ......!“」

 

 

先生も珍しく、泣き言をあげていた。

それはそうだろう。自らが受け持った教え子の命の灯火が目の前で奪われそうになっているのだから

 

 

 

「あ、ぁ......アルト兄さん.......起きて、ください......」

 

 

「ねぇっ!!嫌だッ!!しんじゃやだぁッ!!」

 

 

「縁起でもないこと言うくらいなら黙ってて!!ヒヨリ!兄さんを動かさないでッ!!」

 

 

ヒヨリはその事実が受け入れられず、アルトの体を必死で揺すった。

 

ヒナは虚な瞳をしたアルトの横で半狂乱になりながら涙を流す

 

 

「そん、な......ハズ、は」

 

 

サオリは、片目を抑えながら、ゆらゆらと後ろずさる

 

 

「姉さんも手伝って!!お願いだから!」

 

 

「私、が.....私が、また......?」

 

 

「サオリ姉さん!!」

 

 

 

アルトの傷口を必死で抑えるミサキの声も、今のサオリには届かなかった。

 

 

 

「ついに......ついに手に入った!!この世界の理を超えた完全なる原型の神秘!!」

 

 

ベアトリーチェはさも満足そうにサウザンドジャッカーを掲げ、より雄弁に、より大声で慟哭する

 

 

「この時をずぅっと待っていた!!だからこそ秤アツコというブラフを仕込み、何年も......何十年も隙を伺ったッ!」

 

 

「これこそが......ああこれこそがッ!!」

 

 

そして、ベアトリーチェはそれを自らの体に突き立てた。

 

 

 

『願いを叶える神秘』ッ!!」

 

 

 

『ジャッキングブレイク』

 

 

「さぁ!!その力を、私の願いをォォォォォ!!」

 

 

虹の光の奔流が、ベアトリーチェから溢れ出した。

 

 

 

みるみるうちにベアトリーチェの体は変化し、頭は花弁のように割れ、体は骨と皮で構成されたような形に変貌する

 

 

 

 

「これこそが.......私の運命!!私の望み!!」

 

 

 

 

完全なる化け物に変貌したベアトリーチェの叫びに呼応するように、サオリたちが通ってきた通路からバルバラやアンブロジウスの雄叫びが甲高く響いた。

 

 

 

 

「......ベアトリーチェェェェェェ!!!」

 

 

 

 

サオリは、すでにボロボロの体とは思えないほどの声量で咆哮。

 

その瞳には、ただただの

 

 

 

「お前だけは......お前だけは絶対に許さないッ!!」

 

 

 

 

憎しみが、憎悪が

 

 

 

「いいでしょう......あなたで私の力を証明するとしましょうか」

 

 

 

 

_________________悪意が

 

 

 

 

燃え盛っていた

 

 

 





次回

『兄と妹』
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