アリウスクソボケオオバッタ   作:カブライニキ

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なんかUA数で言ったらメインのより増えてる気がする……


第−3話 秤アルトは予言する

 

・記録12

 

標準時56分。対象が『1番目の預言者(ケテル)』と接触。

 

 

抵抗とワイヤーによる撤退も虚しく、会敵から2分25秒で信号をロスト。

ケテルの本体をどこかに持ち去り、その後約12時間後に再来。

 

デカグラマトン本体の自動販売機に対してハッキングを行使し、USB内にデカグラマトンのAIを幽閉

 

以降も捜索が続いている。

 

 

・記録43

 

またやられた。

今度は『5番目の預言者(ゲブラ)』を持ち去られ、その上で助けに入った『2番目の預言者(コクマー)』を半壊。

 

ムカつく。あんなに大事にしてたのに

 

何よりムカついたのは、なぜかケテルがあの男に協力していたこと。

預言者に対してのハッキング攻撃や洗脳は意味がない。

 

だからこそ、あの男は『ケテル』を説得し、協力させた......?

......いずれはゲブラも敵になるのだろうか

 

 

 

・記録124

 

あ“あ“あ“あ“あ“あ“!!!

ほんっとに大っ嫌い!!!現存している預言者をほとんど奪われた。

 

4番目の預言者(ケセド)2番目の預言者(コクマー)もあの男と行動を共にしている。

 

しかも何?『こっちに協力するならこっちからも力を貸す?』ふざけんじゃない!!

 

『禁術』に手を染めた愚かな人間のくせに!!!

ヘイロー無しのくせに!!

 

剣一本だけでこっちの施設をぶっ壊してショットガン一本で研究内容をぶっ壊して!

 

しかもケテルの高速移動とゲブラの水中機動力で撹乱されて追跡は不可能だし!!!

 

何より逆鱗に触るのが最後に残していくクソみたいなギャグ!!!!

『コロネが焼ける頃ね⭐︎』

『くぅ〜!疲れます!!』

『殺すぞ〜〜〜〜〜!!!』

『チキンナゲットは、箱ごと飲み込みます!!』

『武勇伝武勇伝⭐︎武勇デンデンデデンデン⭐︎』

『あなた達を詐欺罪と器物損壊罪で訴えます!!!』

 

『はいっ!アルトじゃあないとォォォォ!!!』

 

 

あの男のせいでどれだけ煮湯を飲まされたか分からない。

 

 

『姉様』が復活したら、真っ先にあの男から殺す。

 

 

 

・記録1231

 

もうやらぁぁぁぁぁ......

 

 

怖い......あのバッタみたいなの怖い......

 

 

機械みたいに精巧でした......!あとでゆっくり見せてもらわないと!

 

 

 

 

_________________

 

 

「......よし。起動できたな」

 

 

『............ここは...............?』

 

 

アルトはUSBメモリを『投影機』に差し、内部にデカグラマトン本体を保管する。

あとは『説得』が上手くいけばライダーシステムは事実上完成する。

 

「こんにちは......ってやつか?AIさん」

 

『......貴様が、飛蝗の少年か......』

 

「ば、飛蝗?」

 

急に飛蝗扱いされて少々ギョッとする。

 

 

『非合理的な建前と前置きは不必要だ。目的を教えろ』

 

「じゃあお言葉に甘えて。」

 

こうやって合理的に判断してくれる感覚があるのは助かる。

 

「単刀直入に言う。俺に手を貸してくれ」

 

 

最初にコイツの話を聞いたのは、知り合いのカイザーコーポーレーションの社員の噂だった。

 

高性能。それもキヴォトス最高峰のセキュリティを誇る学園を一瞬でハッキングできてしまうほどの。

 

それがあれば、もしや『ライダーシステム』を完成させる手掛かり、または完成に近づく。

ドライバー自体が完成しても衛生に変わる『ライダモデル』の観測台兼投影機が必要。

 

だが、人工衛星は作るのも打ち上げるのもそもそも不可能。

ならば、宙ではなく地下ならば可能なのでは?

 

実際、作品本編でも『衛星アーク』はデイブレイクタウンの湖に鎮座していた。

 

この理論ならば少しい弄れれば閉鎖空間でも投影ができるのではないのだろうか

そう思った時には行動に移していた。

 

何ならAIとか前世であんまり見なかったから結構楽しみであった。

 

 

「ってことで、その投影機として働いてほしい。もちろん無理強いはしないけどさ」

 

AIと聞いていたからもっと機械的なものを想像していた。

実際コイツと出会う前、変なロボットみたいなやつと戦った。

 

あいつはかっこよかった。つい持って帰ってしまった

 

 

『目的を述べよ。』

 

「家族を守るためだ」

 

有事の際のために奥の手を残してはいるが、『ゼロワン』の強さはその拡張性の高さだろう。

それに、奥の手は強力すぎる。

 

少なからず基礎となる力は必要だろう

 

 

『家族、とは』

 

「ん?んー......そうだな、家族......家族か......」

 

家族という概念を知らないのかな。

確かに家族とは何かと問われれば少し行き詰まる。

 

 

「最愛の、人かな」

 

アルトにとっての家族とは、この世界にはアツコしかいない。

本物の自分をさらけ出せる人、自分の命を投げ打ってでも護りたい存在

 

 

『愛。理解した。だがそれは非合理的だ。愛というのは人生の重荷となり、思考と創作の妨げとなる。』

 

「合理性だけじゃ気付けないこともあるってことがわかってよかったな」

 

 

必死にひり出したパンチラインを一発で無碍にされ、普通に腹たつ

 

 

「力を貸すのか!?貸さないのかい!?どっちなんだいっ!!」

 

普通に会話が疲れてきたので無理やりギャグで押し通す。

 

『......少し、思考実験が必要だ』

 

 

......ちょっと考えさせろってことか。

 

 

「はいよ。心が決まったら教えてクレメンス」

 

 

『......何故だ?』

 

 

「何が?」

 

 

『飛蝗の少年、貴様ならば私を破壊する程度容易いだろう。何故それを脅しに使わない』

 

デカグラマトンは困惑する。

目の前の少年はあまりに非合理が過ぎる。

 

私を屈服させるほどの力を得ていながら、私に力を振るわない。

合理性を求めるのならば、その力を活用しない手はないだろう

 

 

「手伝ってもらうってきてもらったんだ。無理矢理従わせてもいい加減な仕事しかできないだろ?」

 

 

ゆっくり考えろ。

 

そう言って少年は去った。

 

 

.........理解不能

愛とは

 

力とは

 

秤アルト、とは

 

 

 

________________

 

 

「実験15。」

 

少年のつぶやきによって、私が入っているデータ端末が起動する

 

 

「今回は成功してくれよ」

 

 

HIDENメタルズアビリティ

 

 

『オーソライズ』

 

 

「変身」

 

 

大きなパスを起動させ、それを腰のガジェットに装填する。

 

すると、

 

 

 

「.........また失敗か」

 

 

少年の身体中から、血が吹き出した

 

 

『!?』

 

 

理解不能。

バイタル確認

 

 

......異常なし

 

 

よく見れば、体に何かに食い破られたような痣が出来ている。

 

「アツコに見られる前に、包帯でも巻いとくか」

 

 

少年は跡がついた部位だけを包帯で雑に隠し、再びパスとキーを構える

 

 

「変身」

 

 

『プログライズ!』

 

 

再び包帯を巻いた部分から血が吹き出す。

今度は、その部分だけ

 

 

「変身」

 

『プログライズ!』

 

血飛沫

 

「変身」

 

ぼとりと落ちる少年の指

 

 

「変し____

 

 

『そこで辞めておけ』

 

そこでようやく私に気がつき、少年はパスを下ろす。

 

『いったい何をしているかは検索に掛からなかった。だがその行動は合理性に欠く。』

 

「ん、ああ。確かにそうだ。痛覚なくて忘れてたけど俺って普通に死ぬんだった」

 

 

痛覚が、ない?

 

 

「今日はここで辞めとくか。教えてくれてありがと」

 

 

少年は確かにそこで実験をやめた。

 

だが、次の日も、その次の日も。

体を隠す包帯が絶えることは無かった

 

 

 

________________

 

 

「......変、しん」

 

 

『メタルラララララララララララララララララrrrrrrrrrrrrr』

 

 

「ごぷっ」

 

 

少年は、血を吹いて倒れた。

 

 

『......本当に死ぬ気か』

 

「......また、危ないとこだったな......助かる。」

 

 

少年はようやく『実験』を辞めると、すぐに立ち上がる。

驚異的なほどの自己再生能力。

 

千切れた指も、何事もなかったかのように治りきっている

 

 

「クラスターセル自体の群体制御は成功。あとは変身と暴走の抑制だな。」

 

 

すぐに血濡れの手でペンを持ち、ノートに結果を書き記していく

 

 

「プログライズブレード......作れっかな」

 

この少年はすぐに次の実験を思いつき、それを実行に移す。

その行為は、どうしてもただの人間。それも齢15歳程度の少年ができるような行為ではない。

 

体内を食い荒らされ、体表を食いちぎられ。

 

まるで、人間のすることではない。

何もかもに合理性を欠いた男だが、実験の時だけは恐怖を覚えるほどの冷静さと合理性を見せる。

 

その様相が、ちぐはぐで恐ろしい

 

 

......恐ろしい?

ただの人間に、私が恐怖した?

 

 

理解不能。

 

合理性に塗れ、非合理性に塗れている

それにしては己を重要視する様子を一度も見ていない

 

 

「よし。まとまったな。じゃあ次も記録と呼びかけ頼むわ。」

 

 

そう言い放ち、また研究室から出ようとする少年。

 

 

『......考えがまとまった』

 

「ん?」

 

 

 

 

この生き物(化け物)

 

 

『少年......いや、秤アルト。私はお前の計画に賛同する』

 

 

キヴォトスに、居てはいけない

 

 

管理と、観察を。

 

 




デカグラマトン扱いズレェェェ!!
今回は『どこからライダモデルが射出されているのか』との質問をいただいたのでそれについて書かせていただきました。
伸び方が尋常じゃなくて笑ウ。

あとルーキー九位に入りました。まじでどうなってんだ
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