大変私事でございますが、私のエックスアカウントのフォロワーさん方が200人を突破しました。
フォローしてくださった方々はありがとうございます
こちらも少し頻度は少なくなってしまい、申し訳ございません。
これからも皆様が笑って泣ける楽しい作品を作れるように頑張ってゆきます!!
応援よろしくお願いします!
「はぁ......疲れた」
「トリニティからゲヘナは直通便が無いからなぁ」
アルトたちはそうぼやきながら電車を降りる。
実際電車移動は4時間以上に渡り、疲れが溜まるのも仕方がないことだろう
「こ、ここが噂の......」
「自由と混沌......治安が悪いと聞いていたが、そうは見えないような......」
「ここは風紀委員会の真正面の駅だからな。不良も気軽に動けねんよ。ま、たまにお構いなしで暴れるヴァカもいるけどな」
頭の中で『はーっはっはっは!!』という笑い声が再生される
あいつらはいつになったら
「......アリウスよりはマシなんじゃない?」
「あそことは別ベクトルのヤバさを持ってるからな、油断すれば死ぬるぞ」
アルトはいつも通りのキャリーバッグを引き、その後ろにスクワッドの4人がひっついてくる
まるでカルガモの親子のようだ
「みんなでどこかへ出かけるなんて、初めてじゃないかな」
「......だな」
横から顔とカメラを覗かせるアツコに笑顔を向けつつ、俺たちは駅を出た。
「じゃ、俺は寄るとこあるから。サオリ、任せて大丈夫か?」
「ああ、任せてくれ」
「どこに行くんですか?」
「ヤクザの事務所」
「ええっ?!」
「嘘、じょーだんだよ。にははは」
コロコロ表情を変えるヒヨリが可愛くてついついイジってしまう
俺の悪い癖だな
「ちょっと、借り物を返してなくてな」
懐に手を突っ込んで、一本の銃を取り出す
白と黒の対比が実に美しい。
......あの時借りて、借りっぱなしだったからな
......怒られるの嫌だしパッと行ってパッと返してこよーっと
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「......遅い」
「いや、その......ほんますいませんって」
「事情があるのも分かるし、アルトが動き回りづらいのも知ってる。それでも遅すぎ」
アルトは『事務所』に入った瞬間、パーカーの少女に詰め寄られていた。
あ、あれぇ?この時間帯にカヨコは居ないはず......だよな自販機ィ!?
『そんな話をした覚えはない』
き、喫茶マーン!!
「どうせアルトのことだから、私が居ない時間を狙ったんでしょ?」
「......ソンナコトナイヨ」
バッチリばれてら。
「はぁ......まぁいいよ。アルトがそういう人なのは知ってるから」
「流石話のわかるお人!!」
「ふざけるならほんとに怒るよ?」
「大変申し訳ございませんでした」
おふざけを諌められたアルトは腰を九十度に曲げてあまりにも流麗な礼を見せた
危ない危ない。カヨコが怒るとマジで怖えんだ
「とりあえず座ったら?時間ある?」
カヨコは2人以外誰も居ない事務所のソファに座り、隣をポンポンと叩く
「んじゃ、お言葉に甘えまして」
懐から銃を取り出しながら、アルトはカヨコの隣に座る。
男女の距離にしては近すぎるが、そんなものは2人とも気にすることはない
だってこれが、日常の距離なのだから
「ほんとに助かった。ありがとう」
「どういたしまして」
アルトから差し出された銃をカヨコは受け取る。
「条約ん時以外でも使わせてもらったから、メンテとかはしておいた」
「別に、そこまでしなくたっていいのに......」
「長期間借りちゃったからな、これぐらいはさせてもらわないと俺が申し訳なくて病むわ」
エデン条約の際、アルトのサブウェポンとして活躍したカヨコの愛銃である『デモンズロア』
アルトの言う通り、綺麗にメンテナンスされている
「今までは剣を多用してたけど、銃もかなり使いやすかった。俺もこの際買っちゃおうかな〜」
それにかっこいいからな。あー、これからの令和ライダーにスタイッシュに銃を扱うエージェントとか出ないかなぁ。ま、
「......じゃあ、これあげるよ」
「ん?なにこれ」
「アルトに貸してる時に使ってた。性能も使いやすさもちょっとクセがあるけど、使ってて違和感はないと思うから」
カヨコが取り出したのはデモンズロアと同じ形式のハンドガン
デザインは同じだが、カラーリングは黒で統一されている上にサイレンサーもついていない
アルトはそれを受け取ると軽くチャンバーやトリガー部をチェックする
カヨコの言う通り全くの違和感のない一級品だ
「ほんとにもらっていいのか?」
「いいよ、私が持ってても使わないから。それに.........」
それに、と言ったところでカヨコの言葉が止まった。
どこかはっとした表情をしているし、なぜか顔が赤くなっている。風邪か?
「どした?大丈夫?」
「っ......い、いや。なんでもない」
明らかになんでもないという表情ではないのだが、18の年頃は隠したいことも多いだろう
うんうん、死ぬ前の俺も今の俺もそんな感じだからわかるわかる
「じゃ、ありがたく頂く」
「......うん」
左脇のホルダーに銃を入れ、再度背もたれに体重を預ける
「そういえば、みんなはどうした?」
「今は外周りに出てるよ。多分そろそろ帰ってくるだろうし、アルトのこと見たらまたわちゃわちゃし出すだろうから、会うのはまた今度にしたほうがいいかもね」
「よく俺が今日忙しいってわかったな」
「アルトは分かり易いから。黙ってても分かるよ」
「ほえー......なんかアレだな......」
「アレ?」
アルトは少し考えたのち、再びカヨコの顔を見て________________
「奥さん、みたいな?」
「.........ぁえ?」
「あっ......いやごめん!!今のは全然他意はなくてね?!」
唐突にとんでもないことを言い出したアルトに、カヨコは目を白黒させる
「ほんとごめん、くっそ気持ち悪いこと言った.........」
「い、いや......別に......気にして、ないから」
実際、本当にカヨコは気にしていない。
むしろ、もうすでにお気づきだろうがどっからどう見てもそれを喜んでいる
逆にアルトがそれに気づかないのがおかしいのである。なんらかの神秘が働いているとしか思えない
「あ......ごめんカヨコ、呼ばれたからそろそろ行かなきゃ......」
「う、うん、わかった......」
そそくさと軽く荷物をまとめ、アルトは席を立つ
「これのお詫びは絶対するから......じゃ......」
アルトはそこで事務所から出る
「......っ〜〜〜〜!!」
カヨコは無責任にそんなことを吐いて出て行ったアルトを反芻しながら、床にしゃがみ込む
「......くそぼけ......」
2年前となにも変わっていない
分かり易い態度をしていても、絶対に気づいてくれない
「......ばか」
アルトは、知らない
私がどれだけ、君に救われたのか
カヨコは自分の髪の毛をキュッと握り、アルトが出て行った扉を眺める
「ただいまー......ってカヨコ、どうしたの?」
「っ!?」
熱っぽい視線で見上げていた扉からアルとムツキが現れる
「どしたの?顔赤くなーい?」
アルトと違い、赤くなった表情に速攻で気づかれた
「な、なんでもないから......」
「か、風邪ですか......?でしたら薬が......」
「ほ、ほんとに大丈夫だから......」
「え〜?じゃあさっき一緒にいたのは先輩じゃなかったんだ〜、残念〜❤︎」
「はぁっ!?なんでそれ......っ」
「あ、図星?」
「はぁっ!?!???!!?」
その後、見事に騙されたカヨコの怒りのデモンズロアが火を吹いたそうな
普段のカヨコならばこの程度の騙し打ちに引っかかることはないのだが、クソボケにリソースを奪われていたのである
恐るべし、クソボケパワー
そろそろ、完結させるか