一般人の俺が幻想郷を生き抜く為に   作:さわやか

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こんにちは。さわやかです。
今回は元気が出る話です。
どうぞごゆっくり。


幻想郷で生き抜く為に
活路への希望


あれから3日がたった。

 

俺はと言うと、未だにアリス宅に居候している。

定住場所を見つけると言っていた紫と霊夢からも音沙汰無しだ。

あの件以来アリスとは殆ど話さなくなった。

元々アリスも喋らない性格のため、必要最低限の会話しかなかった。

 

幻想郷の事は少しずつ理解しようとしているが、すればするほど元の世界に帰りたくなる。

幻想郷は文明社会と違い、不便な事ばかりだ。

また魔法ありきの生活が多いので、自分としては非常に生きづらい。

 

 

そんなある日、アリスが珍しく話しかけてきた。

 

「あの、話があるんだけど」

 

「?」

 

「今夜一緒に、外に出かけない?」

 

「・・・どういう?」

 

「あなたに見せたい物があるの。」

 

俺はアリスが何を考えているのか分からなかった。

だが、面白いものを見れるらしいので、快く承諾した。

 

 

その夜。

 

「どこまで行くんだよ?」

 

「湖まで。少し歩くわ。」

 

「湖?湖に何か有るのか?」

 

「まあ着いてみれば分かるわよ。」

 

事実、幻想郷で俺は殆ど夜に外に出なかった。

虫や動物はいないが、妖怪と遭遇するのは頂けない。

だがアリスと一緒なら別だ。魔法が使えるならある程度対処は可能だろう。

それにしても俺に見せたいものって・・・?

 

 

 

「もうすぐよ。・・・ここ。」

 

俺は目を疑った。そこには信じ難い景色があった。

広く開いた湖に月光が降り注ぎ、周りの木々に反射する。

心地よい風が吹き抜け、湖は輝いて見えた。

その光景は元の世界では絶対に見られないであろう。

まさに、「幻想」と呼ぶべき美しさであった。

 

「綺麗でしょう?」

 

「信じられない・・・こんな光景が見れるなんて・・・」

 

 

「・・・話があるわ。」

 

「・・・何だよ」

 

「確かに、幻想郷は外ほどの文明は無いわ。外から来る人なら不便だと思うのは当然だし、理不尽かもしれない。」

 

俺の心は見透かされていたのか・・・

 

「でも・・・でも、幻想郷の生活も、・・・悪くないと、思うわよ?」

 

その通りだ。俺は元々ここを不便な場所だと感じていた。

結界の件もあり、幻想郷に対して所謂偏見をもっていたかもしれない。

でも今、この光景を見て、少なくとも悪い場所ではないように感じた。

 

「そうだよなあ・・・」

 

しかし、一つだけ疑問があった。

 

「アリスは、さ。」

 

「何?」

 

「どうして、こんなに俺に優しくしてくれるんだ?」

 

アリスの励ましは心の大きな支えとなった。

しかしそれだけに、この事だけは聞いておきたかった。

 

「・・・私に、似ていたからよ。」

 

「??でも俺は普通の人間だけど?」

 

「昔の私に。 あまり遅くなるといけないわ、帰りましょう。」

 

「・・・??」

 

結局のところよくわからなかった。

でも幻想郷での生活も悪くないと、俺は思うようになった。

 

 

翌日。来るべき日がやって来た。

 

「久しぶり。場所が見つかったから、お邪魔しに来たわ。」

 

「ありがとう!よろしく頼むよ。」

 

俺は笑顔で言った。

今の俺なら、どんな所でも生きて行ける!そんな気がした。

 

「吹っ切れたようね。それと、訳ありになってしまうけどいいかしら?」

 

勿論だ、と俺は快く承諾した。

 

「では連れていくわね・・・その前に、お別れの言葉くらい言っておきなさい。」

 

そうだった。アリスには散々お世話になった。

 

「アリス、本当に今までありがとう!また会いに来るよ!」

 

「元気になったようで良かったわ。待ってるわね。」

 

「フフフ・・・それじゃあ、行きましょうか。」

 

そう言うと紫と俺は、黒い空間に飲み込まれた。

 

中では目のようなものがうようよと漂っている。

 

「そういえば、これは何なんだ?」

 

「これは空間の裂け目。スキマと呼んでいるけど。」

 

やっぱり紫も妖怪なんだな。流石にもう驚かないが。

もしかしてまともな人間って居ないのか・・・?

 

 

そうこう考えるうちに、一瞬で着いてしまった。

目の前には、非常に大きい・・・例えれば城のような建物が構えていた。

 

「ここがこれからあなたがお世話になる場所、紅魔館よ。」

 

「・・・マジですか・・・」

 

「あら、ご不満?」

 

「そんな事はない。しかしこんなデカイ建物があるなんて・・・」

 

「中はもっと大きいわよ。じゃあ私はこれで。」

 

「お、おい!もう帰るのか?」

 

「私寝てないのよ・・・中に入るのも、面倒になりそうだし。」

 

「・・・そうか、ありがとうな!」

 

「それはお互い様。せいぜい頑張りなさい。」

 

そう言うと紫はスキマへと消えていった。

 

 

 

男は歩き出す。吸血鬼の館、紅魔館へと。

・・・これから起こる災難も知らずに。

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