公爵令嬢アリアドネの(世界が)破滅(するかもしれないSCP)配信   作:[Brrd_Kakeruは存在しません]

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推奨BGM: Happy Birthday to You



File14. SCP-1239-KO - 侮蔑の魔法少女 イザベラ・ローザ

 

御機嫌よう、わたくしの大切な友人の皆様。公爵令嬢アリアドネでございます。「魔法少女」と聞いて、皆様は何を思い浮かべますか? コンパクトで自在に姿を変える女の子? 月の力で戦う美少女戦士? 白と黒の力を合わせる2人で1人の伝説の戦士? 近年は、願いの代償に苦しむような、陰鬱な物語が主流でしょうか。今宵は、SCP-1239-KOという、謎と悲嘆に満ちた物語の断片をお聞きくださいな。

 

この物語は、第09K基地の片隅にある暗く静かな収容室から始まります。部屋の入り口には「106号室 239番貨物収容中」という札がかけられておりますが、その意味するところは誰も知りません。

 

部屋の中は、基準次元の常識を超えた現実性で満ち満ちており、スクラントン現実錨やカント計測器などの補助なしには、近づくことも許されません。かつて、人間型アノマリーの製造を目的とした研究がおこなわれていたという痕跡はありますが、その証拠は時の彼方に消え去り、今となっては詳細は闇の中でございます。許されざる者たちが無理にこの部屋へと踏み入れば、身体・精神共に重い呪いに侵されるでしょう。

 

時折この部屋は、自らの意思を持つかのように、過去の情景を繰り返し映し出します。その間は、扉は閉ざされ、外へは音も光も漏れ出しませんが、部屋の中では確かに誰かが存在し、行動し、そして消え去ります。毎年同じ周期で訪れるそれはまるで祝福か、呪いか、知るものは既にどこにもおりません。

 

部屋の中には、物語を紐解く鍵が点在します。赤いクレヨンで12日にマークされたカレンダー。現実改変能力を調整する薬剤、注射器。悲しみと痛みを示す床の染み。テーブルの上のビデオは、月の少女戦士の姿を、繰り返し映し出します。そして開かれたノートには、魔法のステッキを振りかざす「わたし」の拙い絵。「イザベラ・ローザ」の名前に込められた祈りを受け取るものは……。

 

「Happy birthday to ...」

 

そして、周期的な現象が始まります。部屋の温度が微増し、歌声が響く。やがて歌詞は闇に溶け込み、少女の泣き声だけがかすかに聞こえます。風の音、爆発音。そして「貴女は魔法少女だから、できるでしょう?」という声が希望を語る。しかし、その希望も現実の分離と共にオレンジ色の影に覆われ、消え去る。爆発、落下、破壊。そして雑音が部屋を支配する。

 

「ねえ、本当にやらなきゃダメ?」

 

SCP-1239-KOの過去は、闇に包まれ、私たちが知るのはほんの一部の物語だけ。部屋の中で響く声、現象は、ただこの部屋の秘密として残されています。

 

以上、SCP-1239-KOの物語の断片を、公爵令嬢アリアドネがお送りいたしました。ご清聴、ありがとうございました。

 

 





【関連項目】
幸せのため、喜んで地獄に飛び込むことを選んだ少女たちの物語。
悲鳴の魔法少女 リズベル・カラーレス
妄想の王女 ルイーザ・ダエーバ
斬首の魔法少女 カルキスト・ミナ・スカーレット


【クレジット】
 SCP-1239-KO - 侮蔑の魔法少女 イザベル・ローザ
 written by POI_Damgi
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