公爵令嬢アリアドネの(世界が)破滅(するかもしれないSCP)配信 作:[Brrd_Kakeruは存在しません]
御機嫌よう、わたくしの大切な友人の皆様。公爵令嬢アリアドネでございます。本日は、SCP-192-KOという、自然界の謎めいた存在について、語らせていただきますわ。
SCP-192-KOは、とある異常性を持つ多種多様な樹木の総称です。この地球上に存在するどの種の木々であっても、その中に極まれにSCP-192-KOが出現する可能性があるでしょう。彼らはまるで人間の存在を知り、触れ合おうとするかのように、その姿を現します。
SCP-192-KOは近づく人間に茎葉を伸ばし、必死に接触を試みます。成功するとその異常性が顕わになり、人間の一部を自らの養分として吸収します。筋肉組織、血液、骨髄。あらゆる部位が特殊な酵素で分解され、SCP-192-KOの急速な成長を支える贄となるでしょう。けれども、このイベントが発生することは極めて稀なことであり、生態系が崩壊するようなリスクはほぼないとされていますの。
なぜかといえば、SCP-192-KOがその恐怖の力を発揮するには、長時間にわたって微動だにしない人間と接触し続ける必要があるものですから。自然の摂理と人間の活動が交差するこの条件の達成など、ほぼ不可能というもの。実際に、この異常性が活性化した記録は、森や山で遭難し、「死」という万物にいずれ訪れる終焉が訪れ、動かなくなった肉体のもとで発見されたというものがほとんどですわね。
SCP-192-KOの生態は、死者を新たな生命へと変換するかのような、自然の残酷さと美しさの象徴。けれど、彼らは積極的に人を害するわけではなく、むしろ死体の栄養を利用する賢さを持っていますわ。そして、この樹木の存在は、もし人類の数が急激に減少した場合に、自然がどう変化するかを示すものでもありますわね。
人類が消え去り、自然がその領域を取り戻さんとする時、彼らは真っ先に活動し、都市を新たな森へと変えるでしょう。都市部が冷たく硬いアスファルトやセメントで覆われていても、そこに人間の遺体があれば、そこに根を降ろすことができるのですから。シミュレーションによれば、人類の滅亡後、わずか7か月で都市を覆うことができるとされています。
けれども、このシナリオが問題になることはないでしょう。人類が存在しなくなった時点で、我々が「正常性」を議論する意味もなくなりますから。SCP-192-KOの恐るべき可能性は、人類が消えた後の物語、自然が再びその力を示す瞬間にこそ輝くものです。
それゆえ、SCP財団はこの樹木を正常性を脅かすものとは見なさず、むしろその異常性を教育に利用することにしています。新任の研究者たちが、異常生物学の深淵を学ぶための第一歩として、SCP-192-KOを「飼育」しているのです。
SCP-192-KOは、自然の恐るべき力と美しさを教えてくれる存在。私たちが自然をどれほど支配していると思い込んでいるか、そしてそれがどれほど脆弱であるかを示す鏡です。自然はいつでもその主権を取り戻す準備をしており、我々はその一部に過ぎないことを忘れてはなりませんわ。
さて、皆様、SCP-192-KOについてどう思われましたか? 自然と人間の関係性を再考させるこの存在は、我々に何を示すでしょうか。
以上、公爵令嬢アリアドネがお送りいたしました。ご清聴、ありがとうございました。
最後にひとつ。今回の配信にあたっては、わたくしの大切な友人の皆様より、未翻訳記事の翻訳というフォローをいただきました。皆様のご厚意にいつも支えられております。心より、感謝しておりますわ。