公爵令嬢アリアドネの(世界が)破滅(するかもしれないSCP)配信 作:[Brrd_Kakeruは存在しません]
御機嫌よう、わたくしの大切な友人の皆様。公爵令嬢アリアドネでございます。前々回の配信では、罪を犯した人間を追跡するハンター、ナイト・オウルをご紹介させていただきました。今回は、同様に特定の個人を執拗に追いかける、より理不尽で、そして滑稽なアノマリー──SCP-4135をご紹介いたします。
ある日、なんの前触れもなく、ターゲットに選ばれた不幸な人間の周辺に、黒い羽根を持ったカモ──「魔ガモ」が出現します。カモの種類は、マガモであったり、アメリカオシドリであったり、あるいはクビワキンクロであったり。ターゲットの選定ごとに異なる個体が現れると言われています。姿を現したカモは、ターゲットを執念深くどこまでも追いかけ、つつき、はたき、殺害を試みるのです。ターゲットの選定基準は一切明らかになっておらず、大まかな年齢層以外には、特にルールはないと考えられていますの。つまり、ターゲットはなんの落ち度も罪もなく、理不尽に追い回される日々を送ることになりますわ。
これら魔ガモは、普通のカモとは違い、傷つけられてもあっという間に元通りになりますの。刃物で切りつけられようと銃弾で貫かれようともものともしません。食料、水分、酸素も不要で、ターゲットが死ぬまでは何があっても生存します。ただし、その肉体の強度は通常のカモと変わらないため、丈夫な壁などで囲ってしまえば無力化は容易であるそうですわ。
ひとつの時代に出現する魔ガモは1羽のみ。1度封じ込めに成功すれば、ターゲットが自然に死亡するまで新たな魔ガモが現れることはありません。ターゲットは概ね18〜35歳程度の働き盛りの人物から選ばれるため、50年ぐらいの猶予が得られますの。
財団はこの奇妙な現象による被害を減らすため、機動任務部隊ファイ-71「ダックハント」を編成しています。彼らは世界中を駆け巡り、「魔ガモ」とターゲットを捜索します。多くの場合、カモにストーキングされていること以外に、ターゲットが大きな被害を受けていることはないため、魔ガモの確保後は、簡単な記憶処理を受けた後に日常生活に戻ることができますわ。
とにかくタフなカモが、ただただ特定の人間を追いかけ続けるだけのアノマリー。その背景には、何か特別な物語があるのか、ないのか。得られる情報があまりに少ないため、研究は進んでいません。
さて、皆様、SCP-4135の物語は、どのように感じられましたか? この不思議なアノマリーは、我々に何を教えてくれるでしょうか。
以上、SCP-4135について、公爵令嬢アリアドネがお送りいたしました。また次の配信で、お会いいたしましょう。
えっ……、最新の魔ガモはカオジロガンの姿で出現したんですの? 大型のガンの筋力は、翼の一撃で人間を骨折させるほど……? これ、滑稽だなんて言っている場合じゃなかったり、しますの?