魔法使いたちの骨肉相食む血筋争いが見たい 作:reverofllaF / 永遠下降
大陸には及ばずとも、巨島と呼ばれる程度には大きな島。
真っ黒な木々。真っ黒な大地。真っ黒な……死骸たち。
降り注ぐ樹殻の枝は灰燼が叩き落とし、激しさを増せどもその防御を破ることはできていない。
ここなるは
「まさか、まさかまさか、白スーツさんの方から来てくれるなんて……あは、夢みたい♪」
「こちらも事情が色々と変わっていてね。……それにしても、あの頃のコロニーのメンバーは、誰一人として欠けていないのか。継ぎ接ぎもしていない様子だけど、君が守っているのかい?」
「ですよぉ。基礎的な武力で言えば、現代魔法使いには遠く及ばないですし、見た目も現代風じゃないから、外に出したらすーぐに討伐されちゃいますからねぇ」
始祖D。ディアナ・ネクロクラウン。
何かと己を狙ってくる……少々頭のネジの抜けている少女。
「強くしようと思えばできるだろうに」
「みんなは思い出で、トロフィーみたいなものなので……別にみんなの力を借りなくてもやっていけますしぃ」
「それはまぁ、そうだろうけれどね」
外部にいる
その名の通り死霊術を得意とし、魂を使役することもできる……己としては真っ先に"魂の言語"を獲得するのではないか、とさえ思っていた魔法の使い手。
読みは、まぁ、正しかったのだろう。まさか樹殻の存在にまで……その中の魂にまで気付き得るとは思っていなかったけれど、子供時代の彼女が樹殻についてを親から聞いていたのだとしたら、特に驚くことでも無かったのかもしれない。
「それで──」
「用件が何か、っていうのはわかってますからぁ、もうちょっとだけゆっくりしてくださいよぉ」
「……まぁ、構わないよ。面と向かって話すのは……三百年ぶりくらいだからね」
昔戒律機関にいた頃はよく訪れていた。討伐対象……というのは表向きの理由で、つまり「君がやったので合っているよね?」という確認をするための訪問だ。
そして、大体がそう。彼女は素直なので全てを認める。己はそれを戒律機関に持ち帰る。ただそれだけの関係性。
「そういえば、新しい恋人作ったんですねぇ。わたしのアプローチにはなぁんにも応えてくれないのにぃ」
「今までの恋人はメリットデメリットで作っていたから君のアプローチに応えないのは当然だったんだよ。ただ今回のは……己でも己を測りあぐねている状態でね。もしかしたら君を強い嫉妬の炎に巻いてしまうかもしれない」
「……そういうこと、平気で言ってくるのが白スーツさんですよねぇ」
「最初の時の君ならその『アイジョウ』を受け取るのは難しかったけれど、今の君ならワンチャンスあったかもねェ」
「うぅ……子供の頃といいますか、今も子供ですけどぉ、……あの頃は本当に情緒が不安定で……」
飲食をしない、とは伝えてあるはずなのに、始祖Dは毎回己に紅茶と茶菓子を振る舞う。特に何の薬物も入っていないそれを。
つまるところ、普通のおもてなしだ。
そう、今彼女が言った通り、最初の頃の少女Dから比べて今の始祖Dは大分落ち着いている。
始祖A、始祖CC、始祖Eと同程度には話の通じる存在になりつつあるのだ。やっていることがやっていることだけに、エンジェからの心象を気にする今の己では無理だけど。
「……彼女、そんなにいいんですかぁ? エンジェちゃん、でしたっけ。アンジェリカの子孫の」
「それすらも理解したとはいえない状態での恋仲だねェ」
「むぅ。……それってなんだか、本物の恋心みたいで……ずるいです」
「それを言うのなら君も、なのではないのかい? 用件と絡んでしまうけれど、君と彼は」
「ちーがーいーまーすー。彼とはただのビジネスパートナーで、そこに恋愛感情なんてありませんよぉ。というか、わたしが言うのもなんですけど、あんな人格破綻者誰も好きにならないでしょー」
「ノーコメントで」
酷い言われ様だ。まぁ理解できなくはないのだけど。
「ビジネスパートナーというと……彼の行動に付き合って、何か君にメリットがあるのかい?」
「それもう用件じゃないですかぁ。もう少し世間話とか近況報告とかしましょうよぉ」
「……君以外だと露骨な時間稼ぎか、と思うのだけど、君は違うだろうから、いいよ」
「やったぁ」
しかし、世間話に近況報告か。
「この空模様だと、世間話が世間話にならなそうだけど」
「それでも結構完璧に防げている方だと思いませんかぁ? まぁ予め彼に対策法を聞いておいた、というのが大きいんですけどぉ」
「対策法? 樹殻の枝に対しての対策法なんてあったのかい? 己のように力業で消す、とかでなく」
「ああはい。別に口止めされてないんで言っちゃいますけどぉ、結局アレって植物なのでぇ、そこまで回る頭を持ってないそうで……だから、上空に適当な魂を集めておいておけば、それが避雷針のような役割をしてくれて、地上までは降ってこないんですよぉ」
……いやまぁ対策と言えば対策だけど。
コストパフォーマンスが悪すぎる……あ、そうか。
「そのための塵灰なのか。樹殻の枝に対抗するためじゃなく、散らばった魂を集めるための」
「はい~。樹殻とか魔物とかどっかの誰かさんが使っちゃうせいで、ヒトの魂はもう数が限られてきてますからねぇ。リサイクルですよぉ~。巡り巡って時代はECO!」
にしても今日はテンション高いけど。
いやいつもこんなものか。少なくとも己に対しては。
「でも君、結構な量の魂を隠し持っているだろう?」
「まー、むかーしからイーリシャちゃんに言われてましたから~。魂の総量が足りなくなる日が来る、って」
「へえ。……しかし、どうやって樹殻の枝付近に塵灰を漂わせているんだい? あれはナノマシンを消滅させるだろう?」
「そこも植物なのでぇ、考えなしなんですよねぇ~。自分の速さが自分の纏う消退フィールドを突き破ってる? とからしくって」
ああ……そういえばそうか。
樹殻の枝による攻撃は光にほど近い速度で行われる。その状態の枝は、ナノマシンを吸収・圧縮するフィールドを纏い続けていられないのか。……成程ねェ、やっぱり作者がいると対策の早いこと早いこと。
「ちなみに他の始祖へはそういう情報の共有は」
「してないですねぇ。する義理がないですしぃ」
「だと思ったよ」
始祖Dと始祖CCは昔から協調性がないからね。
まぁ始祖CCは取り繕っている方ではあるけれど。
「世間話や近況報告というのなら、君の現状も聞いておきたいところだね。用件に関わる話は後で構わないから」
「ん~。まぁ、分家の端っこの方が、ちょっと色々やってるみたいで? わたしがやった悪さじゃないものまでわたしがやった扱いにされているのが気に食わないなーとか」
「日頃の行いだねェ」
「そもそも
「日頃の行いだねェ」
「あと……『
「日頃の行い……だけど、欠片程度は己のせいかもしれないねェ。彼と君の関係を『
「白スーツさんがやったことなら許しますよ~。わたしの手駒が増えるだけですしぃ」
では、そんなところかな。
「……これ以上彼の話をしないで話を進めるのは無理そうですねぇ。……じゃ、話しますか。コルリウムさんのこと」
「そうしてくれると助かるよ。まぁ聞きたいことはわかっているのだろう?」
「はい~。なぜわたしが彼に助力したか、ですよねぇ。わたし……魔法世界なんかどうでもよくって、人類の存亡なんて欠片も考えてないわたしが、なぜ、って」
そうだ。
仮に……というかまぁ十中八九本心なのだろうけど、仮に「アルター・コルリウム」の掲げていた「理想」が真実だとしても、その「理想」に準ずるには始祖Dの性格が合わな過ぎる。だから己は彼と彼女が恋仲なのではないか、と疑ったのだ。そこを覆せるとしたら、愛の力だけだろうから。
けれどそれは彼女に否定されてしまった。ではやはりなぜ、と。
「理由は二つあってぇ、一つ目の方は簡単なんですよねぇ~。──あの人格破綻者、なんでもかんでも思い通りになると思ってそうなのが鼻につくので、明かしてやろうかな、ってぇ~」
「……つまり信頼関係などどこにもないと?」
「はい~。彼が時間を越え、過去へ赴き、わたしが樹殻の中の彼の魂を取り出して続きを、とかいうのが計画ですけどぉ、勿論その時点でコルリウムさんはわたしの支配下です。だから、普通に自殺志願であってるんですよねぇ」
「その動機には、彼が樹殻を作ったことへの恨みも入っているのかな」
「それは、どうでしょうねぇ。白スーツさんも言ってましたけど、樹殻が作られていなかったら……わたしたちは産まれてすらいなかったって、そう思えるのでぇ、そこは別にどうでもよくってぇ。ただ、天才だからなんでもかんでも思い通りになると思ってる、っていうのが嫌い。ただそれだけですよぉ」
うーんシンプル。良い理由だ。
「もう一つは?」
「前にも話したと思うんですけどぉ、わたしの夢は、始祖を含む全魔法使いの掌握ですからぁ、そのためにはコルリウムさんの暗躍は丁度いい隠れ蓑でぇ。……あ、エンジェちゃんと、スヴェナちゃん? には手を出さないので安心してくださいよぅ。……だから……魔法世界に壊滅的なダメージを与えた上で、これからわたしを含む始祖をも巻き込まんとしているコルリウムさんは、色々好都合だった、って話です」
これもまたシンプルだ。
しかし、そうか。情緒が安定したといっても、本質が変わるわけじゃない。
彼女は生物を愛することができない。死体にしか興味が無い。その点、生きても死んでもいない己は魅力的なのだそうだけど、それは割愛して……ある種、エンジェと同じような博愛主義を持っている始祖Dからしてみれば、他の始祖も魔法使いも皆愛情を注ぐ対象だ。
けど、生きているのは嫌だから、殺して自身の死霊へと。
成程確かに現人類の七割を殺し尽くす計算で励起された樹殻は彼女にとって酷く都合が良いね。
そして、恐らくは生命の次元階位を上げる、なんてことに欠片も興味を持っていない彼女からしたら、コルリウムをも支配下においてしまえば……あとは天下を取りに行くだけ。あるいはコルリウムの天才性をそのまま利用できるのなら、他の始祖の攻略の手立てとなるかもしれない。
ビジネスパートナー。まさに、だね。
「他に聞きたいことはありますかぁ?」
「いや、そこだけが気になっていただけだったから、もう無いかな」
「えー。もっとお話しましょうよぉ」
「そうは言われてもね。そっちだってもう話題、ないだろう?」
「……それはそうなんですけどぉ」
あとの話題は……語り尽くした過去の話ばかりになる。
あの頃に何があったとか、あの時はどうだったとか、既に通り過ぎた道をなぞるだけ。
「あ、そーだ。これは雑談でもなんでもなく依頼なんですけどぉ」
「依頼? 珍しいね。君、使い魔を使えば割となんでもできるだろうに」
「どうにもならない場所もあるんですよぉ。それが海聖の森でぇ」
「ああ……あそこか」
海聖の森。その名の通り、海の中にある森だ。
海に沈んだ森ではなく、海面上昇の後に森として成立した稀有な場所であり、その木々は多分にナノマシンを含んでいる。第二次魔法大戦の時のナノマシン濃度上昇で急激に発達した森であり、魔核も至る所にある危険地帯だ。
とはいえそれでも始祖Dの使い魔ならあそこを攻略するなんてワケ無いと思うのだけど……。
「わたしもワケないと思ってたんですよぉ。でも、飛ばした使い魔の一匹があの森から戻ってこなくなっててぇ、接続もできないから、何かに妨害されてるのかなぁ、って」
「妨害……あの辺にジャミング装置なんかあったかな」
「その後上空から探査系の使い魔を飛ばしたんですけどぉ、どこにもいなくてぇ。別に無くなってもいい使い魔なのでいいことはいいんですけど、気になりはする、っていうかぁ」
「……ふむ。わかった、少し見てきてあげよう。それで、依頼というんだ、報酬はあるのかな」
「わたしの全部~! ……とか言っても見向きもしてくれないのはわかっているので、コレとかどうですかぁ?」
コレ、と言って彼女が見せてきたものは……シリンダーに入った脳と心臓。……魔法世界に似つかわしくないものを持っているじゃあないか。
「それは、誰かな」
「わたしが試験的に樹殻から取り出した魂ですよぉ。それに脳と心臓をくっつけてみましたぁ。ここからさらに肉体を、となるとコスト的に面倒臭いので、白スーツさんなら簡単かなぁ、って」
「体よくゴミ箱として使おうとしていないかい?」
「わたしがそんなことするわけないじゃないですかぁ」
それはそうなのだけどね。
状況証拠がね。
「ま、使い魔の様子を見てくる程度の依頼だ。その程度の報酬で引き受けてあげるよ」
「ありがとうございますぅ」
シリンダーを受け取り、虚空へとしまう。後で
「うーん……でもこれで、本当に話すことなくなっちゃいましたぁ」
「そうかい。それじゃ、己はそろそろ失礼しよう」
「そうですねぇ。……じゃあ、いつも通り──出られるものなら出てみてくださいよぅ!」
──周囲、全方位。
作り出されるは死霊の壁。己たちの使う転移は魂を移動させるものだから、確かにこれは壁となろう。
であれば。
「
魂に何を、という話ではあるけれど……物理的に突き崩す。
液状化したブラックホールは死霊の壁に穴を開け……たに思われたが。
「……自ら穴をあけるのかい?」
「だって魂勿体ないですしぃ。その技をこの目で見ることができた、というのが何よりもの収穫なのでぇ」
「そうかい。己は一杯食わされたわけだ」
「今度のお茶会で皆に自慢しますねぇ。それじゃ、また来てください、白スーツさん」
「用ができたらね」
今度こそそこを去る。
転移ではなく、普通に飛んで。
見下ろす光景は──死霊も屍兵も、皆一様に己へと手を振っての見送りをする異様な光景。
ここなるは巨島、
島のかつての名を……不死山。虫が去ってから地球ナイズしたこの星の、ある種の観光名所でもあった場所。……まぁ元ネタより二千メートルほど高くなってはいるけれど。
前に立ち寄ったことのある惑星だけど、マグヌノプスが死しているのなら……もう一度行ってみたいねェ。あの神にも会ってみたいし。
そして、少々ばかりの「やること」を済ませてから、海聖の森へとやってきた。
凄まじいまでのナノマシン濃度。水棲の魔物もほとんどが寄り付かないその場所を、精神体の姿で行く。
始祖Dの使い魔はコウモリやカラス、蛇の姿をしていることが多い。状況によって簡単に姿を変えられる上、危機に陥った場合周囲の何かしかに擬態する性質をつけてあるそうで、始祖Dにも今の姿がなんなのかはわからないそうだ。
ただ生きていないモノであることと
しかし──。
「うーん。ソナーには引っかからないか。となると、魔物が食べてどこかへ持っていってしまった、という可能性も……」
この森はそれなりに広大であるため、ナノマシンを用いたソナーを使ってみたのだけど、特に何かが引っかかるということもなし。
己自身の感知はこういう時にはあまり役立たない。対象が何かわかっていない状況だからねェ。
仕方がないので
そうやって地道な探索を続けていく内に、おかしなものを発見した。
機構だ。
「『DOUBLE SCISSORS』……? 動力源を失っているようだけど……」
機構『DOUBLE SCISSORS』。過去、己が勤めていた民間企業の商品の一つである……ものの、売れ行きはあまり良くなかった商品の一つ。
前身文明はナノマシンによる技術が大いに発達していたけれど、何もそれだけが技術の根幹にあったわけじゃない。ナノマシン技術は鹵獲された廃徊棄械から取り出された技術であり、他の技術体系を使っている者や国も存在した。
その中でもとりわけ奇矯とされていた国があって、そこではなんと「銅線」だの「鉄道」だのと、あまりにも時代錯誤なものを使って通信やら物資運搬やらを行っていた。
が、当然そんな国の寿命は短くて……いやまぁ長く続いた方ではあるのだけど、前身文明の中期あたりで滅亡。ナノマシン技術ではあまり使われない鉄やら銅やらの資源が大量に流出した。
この『DOUBLE SCISSORS』はその国の周辺国へ売りに出された機械であり、かの国が敷いていた「デンワセン」や「カイテイテツドウ」などを除去する役目を持っていた……のだけど、当然そんな限定的な機構はあまり使われ難く、また鉱物資源的にもそんなに美味しくない島であったことから国自体が放置され、『DOUBLE SCISSORS』が日の目を浴びることもなくなっていった。
そんな機構がなぜかここにあって、そんな機構の特徴ともいえる両腕の大きなハサミに……ウツボみたいな姿をした使い魔が挟まれている。
……何をしたらこの状況になるのだろう。
とりあえず使い魔を回収。これは……もう面倒臭いので転送するとして。
いやホント、なんで『DOUBLE SCISSORS』がここにいるんだ。何かを除去していた? それとも海聖の森の発達時に足を絡め取られて動けなくなった、とか? いやでも早々に製造は中止されていて、全機回収されていたはずだけど……。
まさか、時を越えてきた、とか。
……いやだから、なんのために?
よくわからないけれど、機構に動力を注入し、ログを辿ってみる。
えーと……? ……んー?
シリアルナンバーが……かなり昔の、というか初期段階のものだ。まだ売りに出していないプロットのもの。だからかどうかは知らないけれど、行動ログも何も残っていない。
突然ここに送り込まれて、どうすることもできずに何をすることもなくここで停止した……その最後の最後、運悪く泳いできた始祖Dの使い魔を鹵獲した。
う、うーん。『DOUBLE SCISSORS』はその設計上ナノマシン技術に対しての攻撃の意思を持たない。
だから使い魔を鹵獲する理由が無いのだけど……えーと、うーん。
……うーん?
ああでも……一つだけ、荒唐無稽な話を持ち出すのだとしたら……あるな。
それは『
もし、コルリウムがナノマシンの縦軸挙動の知識を有したままに過去へ赴いたとして……それを誰かに託していたとして。
その誰かか、もしくはその子孫らが
己には絶対に見つからないよう心掛け、コルリウムの生誕と同時くらいに彼へと接触し……当時の技術をそのまま彼に渡していたのだとしたら。
つまるところ、『DOUBLE SCISSORS』が何かしらの場面で邪魔になって、けれど破壊できなくて……アルベーヌよろしく「未来送り」にしていたとしたら。
仮定に仮定を重ねた気の遠くなる話だけど、この状況は作り得る。
別に『DOUBLE SCISSORS』が使い魔を攻撃したのではなく、使い魔が偶然『DOUBLE SCISSORS』の出現に巻き込まれ、ハサミに挟まれて動けなくなった、と。
偶然にも程があるけれど、でもそれくらいしか考えつかない。
そして、もしこの推理が当たっているのだとしたら、少々面倒なことになる。
つまり、未来送りという技術をサイキックという形ではなく単純な攻撃手段として有している者がいる、ということになるわけで。
……始祖Dはコルリウムを手中に収めようとしていたけれど、その辺のバックアップもしっかりしていそうだなぁ。
これは……もう少し始祖D、及びコルリウム周りを警戒しておくべき、かな。
始祖Dが未来送りにされてこの世から長期間消える、なんて面白みのないこと、己は望まないからねェ。