魔法使いたちの骨肉相食む血筋争いが見たい 作:reverofllaF / 永遠下降
虚空より弾き出され、吹き飛ばされるようにして現出する
すぐさま追いかけてくるのは始祖CC。鬼気迫る顔で次元剣……「空間」を圧し固めて作り上げた剣を振り上げ、己へ追撃を仕掛けようとしている。
「っ、シエルちゃん!?」
「おお、良い所に出られたようだねェ。始祖シエル・デルメルサリス。君の暗殺計画もこれで破綻だ──そうだろう?」
「暗殺には失敗しても、今ここで殺してしまえばいい。そうでしょう、『平民』さん」
無論これは茶番だ。
けれど、己の認識錯誤と
始祖CCの迫りくる攻撃に対し、壁へと着地した己が取る行動は……迎撃。
赤雷が走る。それは雷という事象ではなく、「空間」と「空間」が互いを叩き合う時に見えるもの。この場に現れるはずのないものが現れる時や、何かを「創り変える」時に発生する余剰エネルギー。
次元剣の一太刀よりも大きな気配が威を示すは究極の一つ。
「これもある意味開示だよ、始祖シエル・デルメルサリス。君達にはまだ辿り着いていない領域がある」
ナノマシン謹製のステッキに込め行くはナノマシンという構造体の持つ力場の集約。
本来その場を作り上げているだけの力場をまとめ上げる、名前の無い力。
「
繰り出すは突き。腰も使っていなければ腕にも力を込めていない、一見して軽いその一撃は──まるでそこに暴風を召喚したと思わせるほどの空間歪曲を生じさせる。
赤と黒の入り混じるその暴風は次元剣での一刀を易々と受け止め……ることはおろか、巻き込んで割り砕いて、始祖CCへと穿ち迫る。
魔力を感じることはできないだろう。当然、現世界における魔力法則を用いていないのだから、魔法使いがデフォルトで有する魔力視では捉えられない。
ただ。ただ。ただ。
軽いとしか思えない、見えない、その突きが。
始祖CCの肉体を壊さんとするその様相が見えるに終わ──。
「……おや。そちらを助けるんだね、始祖ビアンカ・フィジクマギア」
らなかった。まぁ元々茶番だから己にも彼女を貫く気などなかったけれど、そのフリをするまでもなく始祖Bが始祖CCの身体を奪い、逃げ果せたらしい。
寸止めするつもりだった、なんてことでは格好がつかないので、そのまま突進して
まるで脅威から守るかのように始祖CCの前で手を広げる始祖B。
「己は殺されかけていたんだ。君への依頼内容を見るに、君が守るべきは己だろう。だというのに……これではまるで己が悪者だね」
「もう勝負はついたでしょう? シエルちゃんにはあたしから強く言って聞かせます。だから……もうやめてください」
「そこの始祖シエル・デルメルサリスが己を平民だと認めて、且つスヴェナやエンジェに手を出さないことを誓い得るのなら、己も退こう。その言葉が吐けないのなら、ここで殺しておくべきだ。規律会の総意としてもそうだろう?」
ステッキをくるくると回して一度地面へ突いた後、もう一度構えを取る。
自然、手を広げた体勢からファイティングポーズに移っていく始祖B。口からは何も漏れていないけれど、その身に多重の……凄まじい量の強化がかかっていく。
始祖CCは……薄ら笑いを浮かべているね。いやはや、まだこの茶番を続けたいのかな。
早いところ言葉を吐いて、終わりにしてほしいものだけど。
「シエルちゃん、今は従って……この子、おかしいくらい強い!」
「……昔からですけど、ビアンカは真面目ですね。けど……私にも退けない理由があるの」
「それは命より大切なこと?」
「まぁ、それを言われたら……そんなことはない、ですね」
「ならお願い!」
己には与り知らない話だけど、始祖同士にはそこそこの付き合いがあるらしい。何十年に一回か定例会のようなものも開いているらしいし。
驚くことに、その定例会にはあの始祖Dも出席するのだとか。どこへ行っても全ての元凶扱いされる彼女が出席する理由は……まぁ、己の情報が欲しいから、だろうけど。
「はぁ……わかりました。わかりましたよ。ビアンカの頼みですし……ええと、『平民』さん、あなたには
「いいや、己は始祖の言葉が相応の重みを持っていることを信じるよ」
「そうですか。……私の攻撃の全てを往なし、その上でこの身の命を奪いかねない攻撃を繰り出す『平民』。ビアンカ、
「面目なんか気にしないよ、あたしは」
純粋極まるその言葉に始祖CCは「そっか」とだけ呟いて……指を鳴らす。あの行為に多分意味はない。己にはわかる。よくやるからね、己も。
そしてその指鳴りと同時、己と始祖CCの衝突で罅が入っていた
時間には手出しできないけれど、
「はい、じゃあ、私の無様はこれで終わりです。
「そんなことしないよ。二人も、しないって約束できるよね?」
「己にそれをする権利はあるだろうけれど、生憎と友人が少なくてね」
「ぁ……は、はい。しません……」
か細い声は……アゼル・ヴィントルか。そうだった、君もいたね。
何はともあれ。
スヴェナ・デルメルグロウの魔力の大部分を持っていく魔法発動。而して確定禁術の魔法は、確りとした効果を世に齎す。
血の海──その表現が正しいだろう。
ジェヴォーダンの魔物は同次元に現れた自分自身に圧し潰され、呆気の無い死を迎える結末となる。
「一応……見え得る限りは、殺しました、が……再生力の高さ……を思えば、一応、さらに、凍らせておくべき、です」
「おいおい、息も絶え絶えじゃねぇか……。が、よくやった。ウォーラーバーン! 氷と来たらてめぇらの出番だろ!」
「あいよー、最下級生に全部持ってかれちゃあ立場がないからね!」
「つーか初学生の使う魔法じゃねえだろ今の規模……だから怖いんだよ
「ぶつくさ言ってないで合わせてくれ! ──行くぞ!」
顕現するは氷結。ウォーラーバーン……四大元素が水特化の分家によって編まれた氷属性の魔法。それは血肉の河を氷河へと変え、スヴェナの言う通りまだ動かんとしていたジェヴォーダンの魔物らの生命活動を終了させる。
そしてその場にいた最上級生全員に気付かせるのだ。
「……おい、こいつら……
「ッ、魔力を使っていないやつは下級生の応援へ向かえ! 室内運動機能場が危ない!」
探すべきは発生源。
その発生源がどこにあるか、というのを。
さて、ところ変わってエンジェ、シャニア、アリスだ。
彼女らは強いけれど、初学生であることに変わりは無い。ことエンジェに至っては姉の心配こそあれど、「あの人なら大丈夫」と割り切って……生徒たちの避難誘導をする、つもりだった。
「ッ、この、横からも下からも……なんなのよ!」
「文句を言っている暇があったら走って! 死角からの攻撃は私が防ぐ!」
「アリスも手伝い──きゃぁ!?」
腕。腕腕腕腕腕。
襲い来るは腕だ。毛むくじゃらの腕。それは亡者のが生者へと縋りつく腕のようでありて、濁流か雪崩を思わせる物量でもあった。
避難誘導は他の生徒が行えばいい。任せるべきだ。
だって、腕の狙いは確実にエンジェなのだから。
「アリス!」
「だ……大丈夫です、私は無事です、お姉さま! けど……」
分断された。廊下の床を突き破って出てきた腕の集合体は、アリスを一人にする。
けれど腕たちは相変わらずエンジェにしか興味が無いらしかった。なれば、とエンジェはアリスを置いて走り出す。
「アリス、アンタは室内運動機能場へ急ぎなさい! 道中にこの魔物がいたら全部燃やして!」
「は、はい! お姉さま、シャニアさんもお気を付けて!」
姿も声も一瞬で遠のいていく。それほどの速度を二人が出しているというのもあるけれど、襲い来る腕が起こす破砕音がとんでもないが故でもある。
学舎の再建費用……など、今は考えている場合ではない。
「エンジェ、発生源は本当にそこで合っているんですね!?」
「そこからボトボトこいつらが生まれてきてるのは確実! 発生源はそこで間違いないけど、魔法使いがそこにいるかどうかは謎!」
「なら……ここまで壊れたのなら、魔法で壊そうが魔物に壊されようが同じでしょう!」
エンジェが「はぁ?」なんて言葉を返す前に
……どう頑張ってもジェヴォーダンの魔物では作り出せない傷が生まれることにはなったけれど。
「さぁ、早く!」
「ありがたいんだけど、アンタ後で怒られないワケ!?」
「どちらにせよ生き残ったのならば、でしょう!」
言い合いは無用。エンジェに逡巡は無かった。
であれば向かおう。
発生源……聖護魔導学園の最上階、鐘楼のある場所へ。
果たして、そこには肉塊があった。
どくどくと脈動する肉塊。そこから時折べちゃ、べちゃと……ジェヴォーダンの魔物が産み落とされている。
以前エンジェとスヴェナ……アンフィを襲ったジェヴォーダンの魔物は、特殊な薬物を人間が飲んだ末のものだった。けれどこれは。
「私が凍らせるから、シャニア!」
「裁断しましょう」
否、真相を考えている暇はない。
これを壊せば少なくともジェヴォーダンの魔物の増加は止まる。そうなればあとは殲滅戦だ。考えるのは後で良いと、対象を凍らせる魔法をかけようとして……彼女は、そのかかり難さに眉を顰めた。
肉塊に塗りたくられている液体。独特な煌きを持つそれは。
「
「犯人は大層ご丁寧な人物でしょうね。……しかし、困りました。エンジェの干渉力の及ばない程の
「シャニア、アンタ確かこの辺り一帯の地図覚えてたわよね、馬鹿みたいに!」
「一言余計ですが、覚えていますよ」
「海はどれほど覚えてる!? 島が全くない方向とかわかる!?」
海。聖護魔導学園のほど近い場所に海は存在するけれど、海には小島が点在している。
中には人の住む島もあるし、浅瀬続きで陸地と接合されている場所も少なくはない。
意図は──正しく伝わった。
「最も水深のある場所へ向けて、
「話が早くて助かる! ──干渉し得ないなら、ぶっ飛ばすまでってね!」
風と火。編まれ行くは複合属性の魔法。
火種の無い火と無から生まれる風による加熱と圧縮の合わせ技。
射出レーンは用意された。脈動の感じからして、次なるジェヴォーダンの魔物が生み出されるまで刹那とないだろう。
「シャニア、私の後ろに! ──ぶっ飛ばすわ!!」
肉塊より毛むくじゃらの腕が突き出る。それは殻を突き破った雛鳥のように何かを探して動き回り……そして、「見つけた」と言わんばかりにエンジェへと。
「さ、せねぇよ!!」
向かうその腕を押出結界で圧壊させるはケニス・デルメルクラン。
彼の身体はところどころ血にまみれていたけれど、命を損なうほどではない。であればエンジェもシャニアも彼の心配を心情から消し去った。
行うべきはただ一つ。
こいつを海へ──深海で処理を行うというただ一点。
脈動。押出結界を圧し返さんとする産声。
「
祝福されるべき誕生を彼方へと消し飛ばすは加減をやめたエンジェ・エレメントリーの最大。
火と風の複合魔法、
空中にて撒き散らされかけるジェヴォーダンの魔物は──押出結界によって阻まれる。
「ふー……危なかった」
目視不可能な距離まで飛んでいった肉塊を見送ってエンジェが一息を吐けば、動く影が二つあった。
一つはシャニア。彼女はエンジェを支えるような位置に立ち。
もう一つ──ケニス・デルメルクランによる凶刃を防ぐ。
なんでもないことかのように。
「……やっぱり偽物?」
「はい。彼には申し訳ありませんが、彼の行使可能な射程距離はあそこまでの距離を保てませんから」
「ま、短い付き合いだけど、コイツがスヴェナを放ってこっちに来るとかあり得ないしね」
血塗れのケニス・デルメルクラン。
発生源である肉塊は飛んでいった。であれば、
当然。
「アンタが騒動を起こした黒幕ってワケね。──観念しなさい」
「魔法発動の兆候が見えた瞬間、四肢を切り飛ばします。余計なことは考えないように」
「……」
ケニス……否、彼の偽物は。
うすら寒い笑みを浮かべた。
「──始祖のために」
言葉と共に、その身を爆ざして。
爆炎、そして血肉。鐘楼の柱にこびりつくは赤と黒。
「っぶなぁ……! っていうか、自爆とか……いつの時代よ」
「良かった、そちらはそちらで防御していましたか。自身の防御は間に合ったのですが、一瞬最悪を考えましたよ」
「あー……まぁ、今の奴の魔法構成より速く動く奴を毎日のように見てるから……」
自爆だ。だから証人はいなくなった……わけでも、ない。
「血液及び肉片を回収しておきます。後で解析してもらいましょう」
「ま、それで今回の事件を引き起こした家はわかるわね。……認めるかどうかは別だけど」
「はぐれが起こした騒動、と言われて突き放される未来しか見えませんね」
魔法使いの血肉。それは証拠品となる。
魔力を多分に帯びる血液、その血液に常時浸されている肉体は、それぞれの家の特色をそのまま残すのである。
専用の検査機へとかければ一発だ。
ただ。
「そんなことがわからない黒幕であるとは思えない、ですね」
「ええ。やり口は……というか、この魔物を作ったのは
「なんにせよ、残党狩りに私達も参加しましょう。まだまだいるようですよ、この魔物」
「わかってる。……室内運動機能場は……規律会がちゃんと守ってくれてるみたい。じゃあ、学舎に残った奴をどうにかしないと」
「広範囲感知。便利ですね、
ああ、便利だろう。
大変な場所はないか、と近くを広げたエンジェが……顔を蒼褪めさせて身体を掻き抱く程度には。
「エンジェ?」
「……なに、なにこれ、こいつら……全部繋がって──」
それはあるいは『彼』に言わせれば、「お約束」なのかもしれない。あるいは「天丼」か。
地が揺れる。拍動だ。
本能的に理解する。理解して、シャニアは地面を見た。未だ血肉の痕跡残る鐘楼の床。さらにその先、先の先。
オ──オオ、──オオ、と。
まるで遠鳴りのような音が響く。揺れる。学舎が揺れる。
様々なものが零れ落ち、崩れ落ちていく聖護魔導学園。その頂上、鐘楼の柱に掴まりて二人が見上げるは──巨影。
毛むくじゃら。その、起き上がった上体。
学園の学舎を己の上に乗った邪魔なものであるかのように払い除けて、大きな巨きな極きな──ジェヴォーダンの魔物が、その産声を上げる。
耳をつんざく咆哮。構造物へと罅を入れ、地を割り、人々の脳さえも破壊するその声に。
「うる、さい、です!!」
──始祖の拳が突き刺さった。
まぁ、驚きはしたよね。
山を越えて、聖護魔導学園が見えてくるだろう、という頃合いで……その聖護魔導学園を押しのけて巨人が立ち上がったのだから。
あんぐりと口を開けて物を発せなくなるアゼル・ヴィントル。「おお、珍しいものが見られたね」なんて呑気な言葉を吐いた己。
直後、暴風と共に始祖Bは消えていた。というか巨人の頭部にまで辿り着いていた。
「……」
「これが、
「へっ? な、何を」
「此度の事件。その前身において、エレメントリーの分家が画策していたことは二つ。一つは違法薬物を用いた己の魔物化によるエンジェ・エレメントリーの負傷。本家の血が手に入ればいいと考えた分家は、その総力を結集させての襲撃に出た。且つ、出た者は余計なことを言わないよう、その違法薬物を服用することを
しかし、それとは別に動いている計画がもう一つ。
「君達は、分家の血全てを合わせたのなら、本家の血に匹敵する
こんな簡単なこと、五千年もあれば誰かしら思いつく。そして思いつくたびに実行されて、失敗して、危険な知識であると封印されて。
恐らく
愚かしいことだね。「こんな簡単なことをなぜ今まで誰もやっていなかったのか」というクエスチョンへのアンサーは、「失敗してきたから」だと……なぜわからないのか。
「人を魔物にする薬品。その逆があれば最高だったのかもしれないけれど、残念ながらそんな便利なものは作られなかった。ただし、魔物と成り果てた者にも微かな意識がある、ということがわかった。使われたのは平民や先細りの激しい分家の幾人か。話題にもならない
あの時。少女A''の命が損なわれた時のことだ。
少女A''は正直言って強い。彼女は油断などしていなかったし、常に魔物の変化には気を配っていた。
それでも、魔物の進化にはついていけなかった。当然だ。アレはあの時、埒外の速度で進化を……新たな能力を獲得するに至ったのだから。
「死に際において、自らと同じ種族と融合し、一個体になる。捨て身の戦法に見せかけて、実はそれこそが主目的。それを行えば分家の血を全て合わせる、という実験が成功するし、その結果どういう効果がが得られるのか、どれほどの能力向上が見られるのかを観測できる。──そして見事、十数人の分家を合成した
さて。
「けれど、愚かしいことに……分家は一枚岩ではなかったね。このまま
「……」
「エンジェの言ったヴィントル家は大丈夫、というのは、ヴィントル家がそのどれにも賛成しなかったからだ。少なくともヴィントル家の本家は、ね。分家の本家というのもややこしい話だけど、君の両親は君を信じた。規律会のメンバーにもなっている君を。……ただ、別に、他家の暴走を止めることはしなかった。本家に露見した様々に対し、"裏ではまだこんなことが動いている"という旨を話さなかった」
「そ……れは」
「君が己の護衛に名乗りを上げたのは、知っていたからだ。これから起こり得る全てを。風特化の家だ、感知は得意だっただろう。……そうして、というか、且つ。君は
果たして、始祖Bと己のせいで、少なくとも四日はかかるはずだった小旅行は日帰り弾丸旅行になってしまったけれど。
「先程挙げた最後の一派はこう考えた。──各地にいる
聖護魔導学園には、各家出身の将来有望な魔法使いの卵が通っている。
それらすべてを殺し尽くせたのなら──全魔法使いの中で、最も数が多いとされている
やろうと思えば世界征服だって夢じゃない。そんな陳腐なことを考えているのだろう。
「あの魔物はエレメントリーの血筋を積極的に狙うけれど、それが尽きたのなら他の魔法使いにも手を出すだろう。──このままここで見ている気かい、アゼル・ヴィントル」
「……でも、もう、どうしようも……」
「ふむ」
やはり。生徒Aからは何も感じない。
あの時少女Aが見せた、ナノマシンにも頼らない「異常さ」は彼女には無い。覚醒もしないようだし……もう眼中に入れる必要もないだろうね。
とあれば、己がすべきはただ一つ。
「エンジェ、それにシャニア・デルメルサリス。スヴェナ、ケニス、後はまぁ、アリス・フレイマグナもかな」
「何を」
「今挙げたのが己の『友人』だ。己は彼ら彼女ら個人個人の行く末には何ら興味を持っていないけれど、彼ら彼女らがこれから綴るであろう物語には興味がある」
特にケニス・デルメルクラン。君に与えた機会が、こんなどうでもいい怪獣映画に破壊されるのはいただけない。
確かに中身は血筋争いの結末なのかもしれないけれど、異能力バトルも大怪獣バトルも己の求めるバトルじゃあないんだよ。
「君もエレメントリーの系譜だ。道中には気を付けると良い」
さぁ、己の愛する『日常』を返してもらおうか。