いやぁ、やっぱり嬉しいものですね!(´艸`)
それでは本編にどうぞ!
──星穹列車、車両内
丹恒と共に待機をしていたとある人物は、仲間である星から送られてきたチャットの内容に頭を悩ませていた。
「どうした、何かあったのか?」
「いやな?星からチャットが送られてきたんだが……」
「……"今すぐ黄金の刻に来て"か。なるほど……俺ならまだしも、確かにリンにとっては難しい頼み事だな」
「そうなんだよ……問題はこれが素で忘れてるのか、それとも火急の用があって頭からすっぽ抜けてるのか……」
「……忘れていないという選択肢は無いんだな」
「忘れてなかったらホテルのロビーに来てって言うと思うんだ俺は」
呆れ、溜息を吐く彼の名は"リン"。訳あって星穹列車に搭乗し、開拓の道を歩む彼は……ある事情によって夢を見ることが出来ないでいた。
故に夢の国であるピノコニーに行っても、どうせ夢境に入ることも出来ずにロビーで待機しているしかないからと、彼は悲しみに昏れながら丹恒、そして車掌であるパムと一緒に待機をしていたという所での先のチャットである。
"もしや忘れた訳じゃなくておちょくっているのか"と、文句の一言でも言ってやろうかと思った矢先……"ピロン♪"という通知音とともに、メッセージが届いた。
──"リンに会いたいっていう人が居る"
「……」
……さて、どうしたものか。からかっているわけでは無さそうだということは分かったし、可能ならば呼び出しに応じたいが難しい。
自分に会いたいという人物は一体誰なのか、ロビーで会うことは出来ないのかと改めてチャットを送ろうと思ったその時──
『──私が連れて行ってあげようか?』
「「……ッ!」」
──招かれざる客が星穹列車に訪れる。
二人が振り向いた視線の先には、仙舟"羅浮"に訪れる前に現れた星核ハンター"カフカ"の仲間──銀狼の姿があった。
◇◇◇◇◇
ホログラムで姿を現した銀狼に対して、二人は警戒心を露わにする。
「星核ハンター"銀狼"、一体何の用だ」
『あれ、聞こえてなかった?……そこのあなたを夢境へ送ってあげようと思っただけなんだけど』
「聞こえていた。……そのうえで、何が目的だと聞いている」
庇うように前に立ちながら、毅然とした態度で対応する丹恒。直接言葉にしてこそいないものの……"仲間に妙な手出しはさせない"という態度がありありと感じ取れ、銀狼は面倒くさそうに溜息を吐く。
『はぁ……言わなきゃダメ?』
「言ってくれないと判断のしようがない。……もしほんの少しでも虚実を混じえたら、星と…俺に会いたいって言ってる人には悪いが、君の提案には応じない」
丹恒の後ろを覗き込むように体を傾けて質問を投げかけた彼女は、予想通りの返答に顔を顰めた。
……しかし、一体何を言い渋っているのか……悩みに悩んだ彼女は程なくして、どう足掻いても言わなければならないと観念し、己の目的を列車組へと伝えることにした。
『ああもう、言えばいいんでしょ言えば………先に言っとくけど、笑ったりしたらこの列車に蓄積された電子情報全部デリートしてやるから』
『……私はただ──』
──あんたに会いたいって言う、友達の願いを叶えてあげたいだけ
「友達……まさか、今星と一緒にいるのが?」
『そういう事。……そして、あんたと同じグラモスの生き残りでもある』
「なるほど……星核ハンター"サム"の事か」
彼女の目的は理解した。何処で情報を仕入れたのかは不明だが、自分の事をグラモスの生き残りだと知っているならば会ってみたいと思うのも不思議では無いのかもしれない。
……しかし、話を聞いても一つだけ納得がいかないことがある。
「……なぁ、丹恒」
「どうした?」
「……今の内容に、笑うような要素あったか?」
「いや、無いな」
『ぐっ……素で言ってるっぽいのが逆にムカつく……!』
その後幾つか質疑応答を経て、通常とは異なる方法での夢境入りとなる為に密航者扱いとなる事や、夢から覚めるための方法などの注意事項を把握したリンは彼女の提案を受け入れることに。
丹恒やパムはギリギリまで反対していたものの……最終的には彼の
「リン、気を付けるんじゃぞ」
「お前なら大丈夫だとは思うが、くれぐれも無理はするな。いざと言う時は……」
「みなまで言わなくても分かってるよ。それじゃ、行ってくる」
◇◇◇◇◇
銀狼に連れられ、星穹列車を後にした彼は今……ピノコニーのとある一室にいた。
『……いや、部屋取ってるなら言ってよ』
「すまん、姫子さんが念の為にって言って取ってくれてたの忘れてた」
『はぁ……まぁいいや、それならそれでやり易いし。ほら、そこに寝転がって』
銀狼に指し示された方へと視線を向けると、そこには人ひとりが寝そべっても余裕のある大きさの貝殻を象った物に、なみなみと何かしらの液体のような物があった。
「……あれに?……濡れない?」
『まぁ濡れるだろうね。……先に言っとくけど、脱いだりしないでよ?』
"裸で夢境に入りたいなら止めないけど"──という言葉を耳にした彼は服に触れた手をそっと下ろし、ドリームプールへと足を踏み入れる。
『準備は出来た?』
「問題ない、始めてくれ」
『オッケー、それじゃあ送るよ。……あ、さっきは密航者扱いになるって言ってたけど、あなたは一応ドリームプール経由での夢境入りになるからそこについては気にしないでいい……と思う』
「……なんで疑問形?」
『仕方ないでしょ?あくまでもドリームプールを経由するってだけで、本来の方法とは違う入り方であることには変わらないんだし。……ま、そこは私の範疇外だし、もし何かあったりしたらその時はそっちで対処してよ』
「なるほど……気を付ける」
『わかったならよし。……それじゃ──』
"
◇◇◇◇◇
──静寂が辺りを包む。リンがしっかりと眠りについた事を確認すると、銀狼は彼の側へとゆっくりと近づいていく。
『さて、と……それじゃあこっちはこっちで調べさせてもらおうかな。貴方がどうして──』
──鉄騎を纏わずに、過ごすことが出来るのか
◇◇◇◇◇
水底に沈んでいくような感覚を覚えたかと思えば、今度は宙に放り出され……眼下に拡がる煌びやかな街並みに目を奪われる。
「ほんと、行く先々で面倒事って起こるよなぁ……」
……ことは無かった。最初は自分の立ち入れぬ世界であるピノコニーに対して純粋に思いを馳せたりもしていたが、今は仲間からの連絡によってこの煌びやかな世界の裏に隠された陰謀の存在について知ってしまっている。
故に彼は夢境の地へと惹かれかけた気持ちを押し込め、"問題解決するまでは観光はお預けだな……"と、代わりに溜息を吐きながら街並みを見渡す。
(星は……あそこか)
目的の人物は見つけた。星核ハンターの姿は見えないが、
ファイアフライ-I──起動
唱えたその瞬間、蒼い炎が彼の全身を包み込み……弾け、黒鉄の鉄騎が姿を現す。
鉄騎を纏った彼は空中で留まると、眼前に再び蒼い炎を生み出し──躊躇いなく炎へ向けて、己が身を投げ出した。
(そういえば、銀狼は夢境に入る前に"再会"がどうのこうのって言ってたけど……俺のグラモスでの知り合いは──)
「──
オリ主の名前の由来:燐光
次回もお楽しみに!