機動戦士ガンダムSEED FREEDOM AMBUSH 作:筆先文十郎
ユーラシア連邦側の戦場からやや離れた森の奥深く。
木々の影に隠れるようにして、核ミサイルを搭載した装甲車がひっそりと設置されていた。
本来なら厳重な警備が敷かれるべき場所だが、戦線が混乱している今、ここを守る兵士たちは最低限の人数しかいない。
それでも彼らは信じていた。
──ファウンデーションは元々対立する組織であれど、今回に限ってはミケール捕縛のために協同作戦を行う仲間だ、と。
その
森の静寂を破ったのは、短い悲鳴と肉が裂ける音だった。
「ひぃ!?」
血飛沫が木の幹に散り、倒れた仲間の上に影が落ちる。
影の主──ダニエルは、唯一生かしておいた兵士の胸元を無造作に掴み上げた。
兵士の足は宙に浮き、恐怖で痙攣している。
「パスワード」
その声は、まるで天気でも聞くかのように軽い。
「……は?」
理解できない。
だが、兵士は無意識に核ミサイル発射のパスワードを脳裏に浮かばせた。
それで十分だった。
ダニエルは兵士を放り捨てると、まるでゴミを処理するかのように最後の一撃を加えた。
兵士の身体が地面に崩れ落ちる音が、森に吸い込まれていく。
「ここまではスサの作戦通り。簡単だったね」
ダニエルが肩を回しながら言うと、傍に歩み寄ったリューが淡々と答える。
「ま、我々だからこそ簡単に遂行できた。そう言うべきですね」
核ミサイル起動のパスワードを入力し、ミサイルランチャーが低い唸り声を上げて起動する。
二人はそれを確認すると迷いなく愛機へ向かい、施設の制御装置を破壊した。
証拠を残さないためだ。
「ん、あれ?」
ダニエルがふと遠くを見る。
視線の先にあった白い物体、それはキラ救援のために進路を変えたアークエンジェルだった。
「あー、見られちゃった?」
悪びれる様子もなく呟くダニエルに、リューは肩をすくめる。
《問題ありませんよ。こちらも
「
二人の声には緊張感がない。
まるでこれから昼食にでも向かうかのような軽さだった。
そのためには、痕跡を徹底的に消す必要がある。
もちろん──目撃者も。
先を行くリューの背中を追いながら、ダニエルはぼそりと呟いた。
「スサめ。あいつの予定じゃ、アークエンジェルはブルーコスモスの奴らが抑えているはずだったのに……いいかげんな策をたてやがって……」
《仕方がないですよ。ソニファーなんたらとかいう女は
「だな」
二人は笑い合う。
その笑いは、戦場の狂気を象徴するように軽く、冷たかった。
そして──
リューとダニエルは、