機動戦士ガンダムSEED FREEDOM AMBUSH   作:筆先文十郎

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第3章-11 ステア死す

「ヴォルケ! ……クッ!」

 イーサとステアの連携で機体を爆散させた仲間の死に、流れそうになる涙をジェットストライカー装備のウィンダムに乗るスパークは必死に押し殺す。

(認めたくはないがガルガリンは強い。一瞬の迷いや停止が死に直結しかねない。そんな状況で、涙で視界が見えなくなったばかりに死んだなんてなったら死んだ仲間達に顔向けできない!)

 その思考の隙をつくかのように、イーサのマシンガンがスパークに向けて火を噴く。

「くっ!」

 とっさに盾を構えて機体を半身ずらしたスパークは直撃を避ける。しかし防げなかった銃弾が脇腹部をえぐり回路をショート。わずかに漏れた推進剤に燃え移り小規模な爆発を起こす。

「クッ……ならば!」

 もう自分は助からない。

 機体が爆発するという自身の未来を悟ったスパークは、イーサの攻撃で防御に回った自分の隙を突き、一気に間合いを制圧しビームサーベルでトドメを刺そうとしたステアの片腕ジムに突進した。

 

 

 

 イーサの攻撃で怯んだ隙に一気に間合いを侵食しビームサーベルで攻撃しようとしたステアだったが、目の前のウィンダムの爆発で驚き意識を一瞬停止させた。火だるまになりながら自分目がけて突っ込んでくるウィンダム。

「クッ!」

 一気に間合いを詰めようとスラスターを噴出したのが仇になった。急停止も旋回も不可能。ビームライフルに持ち変える暇もなかった。盾で防ぐことも奇襲部隊の攻撃で盾を持った左腕を消失したことで不可能になっていた。

(私の後ろはガルガリン。もしあの機体がガルガリンにぶつかったら……)

 燃え盛るウィンダムの突撃は回避できない。仮に回避できたとしても後ろには絶対に守らなければならない母艦ガルガリン。相打ち覚悟で突っ込んでくる敵兵同様、ステアも覚悟を決めた。

「ガルガリンは……皆の居場所は……私が守る!」

 突進するウィンダムのコクピットを貫いたジムが決定打となり爆発するウィンダム。その爆発をゼロ距離で受けるジム。

「ごめんなさい、みんな」

 艦長のエリオスを始めとしたガルガリンの乗組員たち、同じパイロットたちにステアは詫びた。

「ごめんなさい、パットン少佐」

 最初『死神』と恐れた女性が強く、実は誰よりも優しい人だったと知ったステアは自分の死に人一倍涙するだろう隊長に詫びた。そして

「……クーちゃん」

 

 ありがとう。

 

 今でも尊敬する亡きセレーナ以上に「この人のようになりたい」と思える強さと優しさを兼ね備えた軍人、ミレイユ・パットン。そんな人物に出会わせてくれた無二の親友、クレア・バートンに向けて悲しげながらも微笑みを浮かべたステアは爆発する機体に身を委ねた。

 

 

 

「え、ウソ……ウソだよね………………スーちゃああああああぁぁぁぁぁぁんんんッッッ!!」

 紅蓮の炎に包まれた僚機に、目の前で戦うヒートのワイルドダガーを忘れたクレアの悲痛な叫びがコクピットに木霊した。

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