機動戦士ガンダムSEED FREEDOM AMBUSH   作:筆先文十郎

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お詫び
前話の『第3章-12 ヒート死す』でミレイユがヒートを刺すシーンが抜けてました。
この場を借りてお詫び申し上げます。


第3章-13 ソニファー撤退

「……どういうことだ、これは?」

 ミラージュコロイドで姿を隠しながら、ソニファーはアークエンジェルが見える位置まで慎重に接近した。

 だが、視界に飛び込んできた光景は、彼女の理解を完全に裏切るものだった。

 

 味方であるはずのコンパスを、ファウンデーションが攻撃している。

 

 その事実が脳に届くまで、数秒の空白が生まれた。

 ソニファーはただ、呆然と立ち尽くすしかなかった。

 二機のルドラとモビルスーツ部隊による飽和攻撃。

 アークエンジェルは回避もままならず、武装と装甲を削られながら不時着を余儀なくされていく。

「そんな……あり得ない……」

 呟きは震えていた。

 視線の先で、マーズとヘルベルトのゲルググメナースが援護に入る。

 二人は迷いなくルドラへビームを放ち、サーベルで斬りかかる。

 だが──ビームは直撃前に霧散し、サーベルは幻影を斬り抜けるだけだった。

「幻影……? いや、違う……!」

 ソニファーの分析が追いつく前に、背後へ回り込んだルドラがゲルググのコクピットを貫いた。

 爆炎が上がり、ヘルベルトの機体が崩れ落ちる。

 もう一機のゲルググも幻影に惑わされ、脇腹を斬られた。

 爆発の光が森を照らし、ソニファーの顔に影を落とす。

「……っ!」

 異変に気づいたムラサメ改が、ゲルググを葬ったルドラへビームライフルを連射する。

 しかしルドラは瞬間移動したかのように回避し、ムラサメの腕を切り落とした。

 さらにもう一機のルドラが脚部を切断。

 ムラサメはグレネードを放ちながらきりもみ落下し、地面へ叩きつけられた。

 二機のルドラは撃墜したと判断したのか、興味を失ったようにその場を離れていく。

 その直後。地面にぶつかる寸前で体勢を立て直したムラサメがモビルアーマー形態へ変形し、アークエンジェル後部デッキで座り込む女性、マリュー・ラミアスを回収して飛び去った。

 ソニファーはその一連の光景を、ただ黙って見つめていた。

「……」

 味方であるはずのコンパスを、ファウンデーションが攻撃した理由。

 ソニファーには理解できなかった。だがこれだけは理解できた。

 

(ファウンデーションはブルーコスモスを利用した。そして自分はその舞台で知らぬ間に踊らされていた!)

 

 と。

「……ッ!」

 胸の奥で、怒りが静かに燃え上がる。

 だが同時に、冷静な判断がソニファーの頭を支配した。

(ルドラが去った……何かに急かされるように。つまりここに長く留まるのは危険……)

 ソニファーは怒りを押し殺し、地下通路の奥へと移動した。

(生き残らなければ。真相を暴き、仲間を守り、ブルーコスモスを立て直すために!)

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