機動戦士ガンダムSEED FREEDOM AMBUSH   作:筆先文十郎

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第3章-15 ソド撤退

 ソドは愛機のソードカラミティナイトのコクピットに身を沈め、崖の上からキラとシュラの戦いを静かに見下ろしていた。

 参戦することは出来る。しかしソドはその選択をせず状況を観察することに徹していた。

 理由は一つ。

(何が原因でソニファーの策が崩れた?)

 その疑問からだった。

 静観を決め込むと思われたファウンデーションが進軍し、味方のはずのコンパスを攻撃する。

 味方同士の誤射や混乱では説明できない、明確な敵意(・・)がそこにあった。

 理解不能な状況の中、キラはシュラの猛攻に耐えながらも徐々に追い詰められていく。

 フリーダムの動きは鈍り、シュラのシヴァはまるで獲物を追い詰める獣のように執拗だった。

 そして──シヴァの胸部から放たれた無数の針がフリーダムを貫き、フェイズシフトダウンを引き起こした。フリーダムの装甲が色を失い、無防備な状態へと変わっていく。

「……!」

 ソドは目を見開く。

 その瞬間を狙ったかのように味方であるはずのギャンがフリーダムへ刃を向けたからだ。

 全身に針を刺され翼と四肢をもがれ、仰向けで地面に倒れるフリーダム。

「キラ・ヤマト。ここで死んだか」

 ソドは思わず呟いた。

 ギャンの刃がフリーダム振り下ろされようとした瞬間──背後からの攻撃がギャンを弾き飛ばした。

「どういうことだ!?」

 ソドは即座に光学センサーを最大出力にし、ギャンが攻撃された動線を探る。そして、視界の端にそれ(・・)(とら)えた。

「何だ、あの機体は?」

 視界に飛び込んできたのは背面にフライトユニットを装備した、ずんぐりとした水中用モビルスーツのような機体。識別システムは〈UNKNOWN〉を示している。

 猛スピードで迫る謎の機体はその勢いを維持したまま、フリーダムを守ろうとギャンに攻撃を加える。

 シヴァは即座に反応しギャンの前に出て防御。二機は激しい交戦を開始する。

「ん?」

 空中で一回転した謎の機体の足裏に、一瞬だけ空洞(・・)のような不自然な空間が見えた。

 ソドは直感する。

「……着ぐるみのような外装をつけている?」

 気になったソドはなぜそのようなことをしているかを考える。

(外装というのは防御力を高めるとか武装を追加するとか色々な意味があるが……どう見てもあの機体はそんな感じじゃない。ということは……)

「本来の機体を隠すための偽装……」

 ソドは思わず呟く。

 その後。シヴァはギャンを抱えて飛び去り、謎の機体はキラを回収して戦場を離れようとする。

 その光景を見た瞬間、ソドの背筋に冷たいものが走った。

「ここにいたら危険だ!」

 嫌な予感に突き動かされるように、ソドはソードカラミティを反転させ、急いでその場を後にした。

 今まで自身の危機を何度も救ってきた本能が告げていた。

 

「この戦場に、とんでもない爆弾級のことが起きる!」

 

 と。

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