機動戦士ガンダムSEED FREEDOM AMBUSH   作:筆先文十郎

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第3章-17 策謀者達の盤上

 アウラ達がファウンデーションをシャトルで脱出した後。

「ふふっ……スサと立てた策通り、上手くいったな」

 核の爆発による燃え上がる首都イシュテリアを見る事無く、シャトルの中でオルフェはスサと策を立てたことを想い返した。

 

 オルフェの私室

『失礼するぞ』

 軽いノックの後に入室の許可を出すと赤銅色の髪の男、ファウンデーション軍参謀総長、スサ・スクトゥムが入室する。二人は机を挟んで立つ。

『では早速だが。我々の目的はラクス・クラインを手に入れること。そしてデスティニープランの実行だ』

『……』

 オルフェの言葉にコクリとスサは頷く。

『そしラクス・クラインを手に入れることもそうだが、デスティニープランを実行に移すには邪魔者を排除する必要がある。先の大戦でデゥランダルのデスティニープランに対立したオーブ、そしてキラ・ヤマトのような邪魔者を』

『あぁ。だから』

 そう言ってスサは持ってきた地図を机に広げる。それはファウンデーション首都イシュテリアを中心とした地図だった。イシュテリアに黒いキングを置く。

『ラクス・クラインを手に入れるには彼女をこちらに迎え入れるか力づくで強奪するか。しかし後者はキラ・ヤマトを始めとする邪魔者が入り犠牲は必須。愚策と言わざる得ない』

『確かに。後者は犠牲も多く時間を浪費させる愚策だ』

 スサの言葉にオルフェは同意する。

『しかしどのような理由で彼女をここに迎え入れる? 理由もなく彼女がここに来るわけがない……だが、お前ならもうすでに考えているんだろう?』

 (うなが)す目でオルフェはスサを見る。

『その通りだ』

 ニヤッと笑ったスサは赤いポーンをユーラシアにある軍事緩衝地帯に置く。

『ブルーコスモスの奴らを利用する』

『ほう、どうやって?』

『まずは情報を流す。『ファウンデーションは食料・エネルギー不足解決に頭を悩ませている』と』

『……そういうことか』

 オルフェは瞬時にスサが考え抜いた策を見抜く。

『我が国の食糧・エネルギー不足を速やかに解決するには他国からの援助がもっとも効果的だ。

 しかしファウンデーションはユーラシアから独立したためユーラシアに目をつけられている。腐っても大国のユーラシアに目をつけられてまで我が国を支援しようという国はいない。

 ではどうするか?

 答えは簡単だ。分かりやすい国際貢献を世界に見せつければいい。それが』

『そう。パルチザンと化したブルーコスモスの頭、ミケールの逮捕だ』

 スサは赤いポーンを先に置いたポーンの隣に置く。

『ミケールの傍にはソニファー・リーブランというちょっとだけ頭がいい女がいると聞く。我々が流した情報を聞いた女はこう思うはずだ。

『ファウンデーションは世界に国際貢献をしたというのをアピールするためミケール大佐を利用するはずだ。そして危険な橋は平和監視機構コンパスに渡らせて自分達はそのミケール大佐逮捕に貢献したという果実だけを得るつもりだ』。と』

『そう思ったその女はそれを利用して自分に有利な所でコンパスを迎撃して全滅する計画を思いつく。ラクス・クラインを手中に収めるという目的の我々がそのように仕向けたということに気がつくことなく』

『ところでスサ。ラクス・クラインをファウンデーションに招き入れ、キラ・ヤマトを始めとするコンパスの連中が彼女から離れたとはいえ、我々が彼女を完全に手中にいれたわけではない。ラクス・クラインに異変があればすぐに駆け付け奪還されれば意味がない。それをどう考える?』

 すでに考えているのだろうと思いながらも、オルフェは試すような笑みをスサに見せる。

 その笑みに答えるようにスサも同じように笑う。

『それにはこれを使う』

 そう言ってスサはある地点を指差す。そこはエルドアでの戦いでユーラシア連邦が核ミサイルを搭載した装甲車を配置する森だった。

『なるほど、考えたな』

 オルフェは満足げに頷き『つまりこういうことだな?』と続ける。

『実際に撃つつもりはなくとも撃てる状態(・・・・・)を見せる(・・・・)ことで敵への抑止力につながる。だからこの地点に核ミサイルを搭載した装甲車をユーラシア連邦は配置するはず。

 その核ミサイルをファウンデーションに向けて撃たせることで安全な場所(・・・・・)への誘導(・・・・)という形で自然に、かつ確実にラクス・クラインとコンパスを引き離すことが出来る、そういう訳だな?

 そして我々が核の攻撃を受けた被害者とすることでユーラシア連邦を攻撃する大義名分にする、と』

『オルフェは頭がよくて助かるよ、無駄な説明をしなくてすむ』

 ハハハッ! と笑い合う二人。その後スサは用済みになったブルーコスモス、キラを始めとする邪魔なコンパスの排除をオルフェに提案。

 スサの案に同意したオルフェはスサの策を元に微調整を行った。

 

「まさかここまで上手くいくとは!」

 自分以外の人間に聞かれない音量で呟いたオルフェはニヤリと笑った。

「ふふ……スサと立てた策通り、全てが思惑通りに動いた。世界は我々の掌の上だ」

 その後シュラからの報告でキラが死んだことを知ったオルフェとプラントにいるスサは、自分達の理想が確実になったことを確信したのであった。

 

 

 オルフェが勝利を確信したその瞬間、プラントでもまた一人の男が同じ報告を受けていた。

「ラクス・クラインを確保し、キラ・ヤマトも消えた。次は……邪魔になり得る者をどう排除するかだ」

 ジャガンナートから与えられた自室でラクスを確保。キラ・ヤマトを始めとする計画の障害となる存在がいなくなったと報告を受けたスサは今後自分達を妨害するだろうイザーク・ジュールやディアッカ・エルスマン、アンドリュー・バルドフェルドなどにどう対処するべきかに思考を切り替えた。

 スサにとってソニファーもガルガリンも、ただの()にすぎない。

 その駒がどうなろうと、彼の関心は一切なかった。

 




ここで前半が終了です。
その後ソニファー率いるブルーコスモスがどう動き、スサが何をし、ミレイユがどう困難を乗り越えるか。
皆様のご期待に添えられたら幸いです。

(後半は8割くらい完成しているのですが
①サンライズガンダムの強化機体、グローリアサンライズガンダムの武装が決まってない。
②オルフェが演説をしていないのにソニファーが演説の内容を知っている
などの矛盾があったので投稿に穴が開きます。
次を期待されている方がいましたらこの場を借りてお詫びします。
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