機動戦士ガンダムSEED FREEDOM AMBUSH   作:筆先文十郎

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セレーネブリッツガンダム
ネロブリッツガンダムの武装を一部取り除き、分析能力・通信能力・索敵能力を強化した機体。機体色は黒と青。ソニファー専用の指揮官機。
多層光学センサー+通信アンテナ+解析ユニットを複合した展開式のバイザーが前頭部に搭載されており、バイザーを展開することでセレーネブリッツの索敵・分析・通信能力が最大化する。

バイザーは精密な上、接近戦では視界の邪魔になるため収納される。

【武装】
・攻盾システム《トリケロス・セレーネ》
右腕装備。ネロブリッツのトリケロスを再設計されたもの。
盾には耐ビームコーティングが施され、近接戦での防御にも使用可能。

主武装はランサーダート。
索敵データと連動し、遠距離から敵MSの急所を精密に貫く暗殺兵器で、複数を搭載する。

・有線式ロケットアンカー《ルナクロー》
左腕に装備された、有線式ロケットアンカーの改良型。
ブリッツガンダムのピアサーロック「グレイプニール」をベースに、

①射出音を極限まで抑えた静音仕様
②透明化状態でも位置がバレない低光量設計
③伸縮速度の向上
④ワイヤーの切断耐性強化
⑤索敵データと連動した精密制御

が強化されている。
ワイヤーを短くロックすることで手甲クローとして近接戦にも使用可能。

・光学撹乱スモーク《ムーンフォグ》
敵センサーを一時的に無力化する特殊な煙幕。ミラージュコロイドと併用可能。
バックパックに装備。



ソードカラミティガンダムナイト
ソードカラミティガンダムを、ソド・パーン専用に徹底改修した近接殲滅特化型MS。

【武装】
・耐ビームコーティング剣《グラムブレイカー》×2
両手の甲に装備された、耐ビームコーティングが施された大剣。本機の主要武器。
ビームを受け止める前提で作られているため盾として使用することも可能。
グラムは北欧神話のシグルドが持つ魔剣グラム。ブレイカー(Breaker)は破壊者・粉砕者・叩き割る者。

・胸部砲:580mm複列位相エネルギー砲
ソードカラミティと同等の威力を持つ胸部主砲。ソドが自分の腕で敵を倒すことを好むため、使用されることはほとんどない。

・ビームサーベル×2

・対装甲用コンバットナイフ《ミスティルテイン》×2
近接戦用の実体ナイフ。
装甲の隙間を狙う刺突に特化しており、グラムブレイカーでは届かない急所攻撃に用いられる。
ミスティルテインは北欧神話の光の神バルドルの命を絶ったとされるヤドリギの枝未スティルティンから。

【備考:残像発生機構】
各所に絶妙に配置された高出力スラスターの急加速によって空気が圧縮されて生じる衝撃波の残滓と、高温排気による空気の揺らぎが発生する。
さらに、空気の裂け目を強調する装甲形状が組み合わさることで、視覚的にもセンサー上でも複数の機体が存在する(・・・・・・・・・・)かのように敵へ誤認を誘発する。
なお、この残像は

①高度な操縦技術
②極めて高いG耐性
③本機の特異なスラスター配置

が揃って初めて成立するため、ブルーコスモスではソド以外のパイロットでは再現不可能である。
また廃熱による冷却の必要があるため長時間の連続使用は出来ない。



ヴェルデバスターガンダムスター
狙撃に特化させたヴェルデバスターガンダムの強化仕様。
シース・シュリンクスが搭乗。

【武装】
・ヴェルデ・アストラル・ロングレンジキャノン
超遠距離狙撃砲。通称《アストラル砲》。アストラル(Astral)は星・星光・天体を意味する。
地平線の向こうを撃ち抜けるほどの射程距離があり、弾速が速すぎて着弾までの音が存在しない。
反動と熱量が異常に大きく、ヴェルデバスタースター専用の耐衝撃構造が必須。
また一発事に冷却が必要のため連射は不可能。

本機の特徴を知り尽くしているシースの精密な射撃技術と、機体の特殊構造が揃って初めて扱えるため他の機体&パイロットでは扱うのはほぼ不可能に近い。

・アストラル・シールド
ヴェルデバスタースター専用の軽量高剛性シールド。アストラル砲を撃つための狙撃台兼防御装置という意味合いも持つ。
狙撃時は地面に突き立てて狙撃の安定と無防備状態になる自機を守る固定盾としての役割を持つ。
内側には姿勢制御フィン、反動吸収ダンパー、照準補助センサー、追加冷却ユニットが内蔵されている。

・ヴェルデ・ミドルレンジ・スナイプライフル
通称《ミドルスナイプ》。折り畳み式の中距離精密射撃ライフル。射程はアストラル砲の1/5程度ながら反動は小さく、移動しながら撃てる。
精度は高いが、アストラル砲ほどの破壊力はない。
1発ごとに冷却が必要だがアストラル砲よりは圧倒的に早い。

本機が自衛しながら距離を取るための武器としての使い方が主。

・ヴェルデ・スティレットナイフ
刺突特化の細身の短剣。遠距離戦が主体の本機における最低限の近接自衛用武器。

・マイクロ・スクランブル・バルカン
頭部バルカン。狙撃機である本機にとって重要な「敵を近づけさせない」に特化した武器。微弱なEMP(電磁バルス)と高密度散弾による複合弾。
敵センサーにノイズを発生させ、僅かながら誘導兵器を狂わせることが出来る。軽装甲なら貫通も可能。弾薬の特殊性と軽量化のためバルカン砲を持つ他のMSと比べて装填数は少ない欠点を持つ。


第4章-27 襲撃オール基地

 オール基地 深夜。

 

「……しかし何だよ。急に訓練だなんてよ」

 〈ほんとにな。こんな深夜に叩き起こされるなんて初めてだ〉

 予定されていなかった深夜の軍事訓練に、パイロットたちは眠気と苛立ちを隠せずにいた。

「それにしてもよ……訓練にしちゃ規模がデカすぎねぇか?」

〈どういう意味だ〉

「見ろよ。サルパの戦力の半分以上(・・・・)がこの基地に集まってんだぞ?訓練でこんな大集合、聞いたことねぇ」

〈確かに……。でも上がそう言ってるんだ、訓練なんだろ〉

「訓練は訓練なんだろうけどよ……理由くらい説明してくれてもいいだろ。昨日まで通常警戒で問題なしだったのに、いきなり全機出撃準備(・・・・・・)ってどういうことだよ」

〈まあ……ユーラシアの連中が事前協定を破ったコンパスへの報復でファウンデーションとエルドアに核を落として世界は混乱している。……もしかしてサルパ王国(うち)が攻め込もうとしてたりして〉

「おいおい、冗談に聞こえないぞ!ま、まるでどっかの国に攻め込むみたいな──」

 仲間の冗談を男は冗談交じりで返す。

 その瞬間だった。

 空気が裂ける音と共に何もない空間から鋼鉄の槍が飛び出し、話していたパイロットのコクピットを貫いた。

〈────!?〉

 何が起きたか分からないまま爆散する仲間。

「な、何だ!? 何が起きたんだ!?」

 男が戸惑いの声を上げた直後、基地中にサイレンが鳴り響く。

〈敵襲! 敵襲! 全員持ち場に着け!〉

 深夜の静寂は、一瞬で地獄へと変わった。

 

〈敵襲だと!?〉、〈どこからだ!?〉、〈おい、どこに敵がいるんだよ!?〉

 

 緊急放送と混乱した通信が飛び交い、状況を把握しようとする声が重なる。

「な、何がどうなっている……!?」

 男は震える手で操縦桿を握り、周囲を確認する。その時だった。

 

〈ギャアッ!?────〉、〈な、何が起きてやが──〉、〈い、いやだ!死にたく──〉

 

 空間から突如現れる鋼鉄の槍によって僚機が次々と貫かれていく。

 

〈な、何が起きて……ウギャアァァァッッッ!?────〉

 

 視線の先にある機体が突然現れた爪のようなものでコクピットを貫かれる。ぽっかりとコクピット部分が空いた機体は地面に倒れ、火花が推進剤に引火し爆発する。

 悲鳴とともに四散する味方達。

 その理解不能な状態が更なる不安と混乱をパイロット達に蔓延(まんえん)させていく。

 そして。その混乱をさらに増大させる事態が迫る。

 

〈な、何だコイツ!?ギャアァァァッッッ!?────〉、〈全機あの機体に対処し、グアアアッッッ!!────〉、〈ひぃ、助けて!!死にたく──〉

 

 別方向からの悲鳴と爆炎、爆音に男が振り返る。そこには地面を滑るように高速で接近してくる、複数の機体が同時に走っているように見える黒い影(・・・)

 黒と深紅の謎の機体は残像をまといながら、両手の甲から伸びる長い実刃で僚機を易々と両断していく。

 

「う、うわああああああぁぁぁぁぁぁっっっ!!」

 

 男は恐怖に耐えられず、謎のモビルスーツへビームライフルを乱射した。

 しかしビームはすべて残像(・・)を貫くだけ。

 衝撃波の残滓と空気の歪みが生み出した影に吸い込まれ、本体には一発も当たらない。

 黒い悪魔は、容易く男との間合いを詰めると振り下ろした。

 男の機体は温められたバターをナイフで切ったかのように真っ二つになると爆発を上げた。

 

 

 

 オール基地 司令室。

「どうなっている!?」

 突然モビルスーツが爆発するという怪現象(・・・)から始まり、謎の黒い機体が基地の施設とモビルスーツを次々と破壊していく。

 

 敵を駆逐した情報もなく、敵戦力の全貌も分からない。

 

 司令官ザハールは苛立ちと焦りが隠せなかった。

(……突然、何もない空間から鋼鉄の槍が現れた。それはおそらく大西洋連邦やザフト、オーブなど高い技術力を有する国や組織だけが持つ機密中の機密、ミラージュコロイドというものだろう……)

 ミラージュコロイドは数ある軍事技術の中でも極秘中の極秘。それ故に露出の機会も限られる。ザハールを含むサルパ軍の大半は、噂として(・・・・)聞いたことが(・・・・・・)あるだけ(・・・・)というのが現実だった。

 その伝説級の透明化技術(・・・・・・・・・)が自国の基地で使われるとは誰も思っていなかった。

 故に誰もが疑いはするが確信は出来ない。

「くっ、まずは敵母艦がいるかどうか──」

 少しでも情報を集めようとザハールが命令を出そうとした矢先、司令室の壁を貫いた実弾が司令官と室内の士官達をまとめて吹き飛ばした。

 

 

 

「よし。まずはリーブラン少佐の計画通り、敵の頭は潰せたようだな」

 シースはブルーコスモスの情報部から事前に入手した司令室の位置情報をもとに、その棟を正確に撃ち抜いた。

「さて、次の目標は……」

 敵基地に侵入したソニファーとソドの援護、そして混乱をさらに拡大させるため敵に悟られないよう適度に狙撃位置を変えながら、燃料施設や軍艦などの軍事拠点や高価値目標を次々と撃破していった。

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