犴と鮫   作:鷲谷ヒメリ

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(コメディに振り切れすぎてポエム思い浮かびませんでした)


虚の選ぶ路
開戦カプリチオ


 藍染が十刃(エスパーダ)の上位三名を引き連れ、現世に向かった直後。一護は藍染が、織姫の居場所だと告げた第五の塔の方角を見ていた。

 覚えのある霊圧を感じる。これは、ウルキオラだ。どうやら既に、反膜の筺(カハ・ネガシオン)から脱出していたらしい。

「……剣八。あんたさっき言ったよな。空座町を護んのが俺の役目だって」

 天鎖斬月の柄を握る手に力が入る。正確には、そうじゃないと一護は一旦それを否定した。

「俺の役目は、仲間を護ることだ」

 そう言って、一護は跳んだ。織姫を助けるために。ウルキオラと決着をつけるために。

 残されたミラ・ローズは、ネルを抱えたまま迷う。一護を追いかけるか、ペッシェとドンドチャッカを探しに行くかを。

「その子、あたしたちがあずかろっか?」

 スカートの裾を引っ張られて、提案される。ミラ・ローズが驚いて振り向くと、そこにはやちるがいた。

「剣ちゃん強いから、ヘンなのきたって平気だよ。イッチーのこと追っかけたいんでしょ?」

「……それは……まあ……心配がないわけじゃ無いし……」

「じゃあさ」

「でも、いいや」

 やちるの言葉を遮ったミラ・ローズは、一護が走り去った方を見据える。その先にいるのは間違いなく、藍染の命を受けたウルキオラ。ネルのおかげで癒えて殆ど見えなくなった、ウルキオラに付けられた傷が少し痛む。

「ここで待つにしても、一護を追うにしても、ちゃんとアタシが守らなきゃ……ハリベル様に誓ったし。だから、悪いな」

「……そっかあ。なら、しょうがないね」

 やちるはそっとスカートを掴んでいた手を離した。ミラ・ローズは左手で頬を軽く叩くと、短く息を吸って、吐いて、気を引き締め直す。

「行ってくる」

「うん、いってらっしゃい!えぇーっと……」

「ミラ・ローズ。フランチェスカ・ミラ・ローズだ」

「わかった!がんばれ、ミラぴー!」

 やちるに見送られ、一護に遅れること数分。ミラ・ローズはネルを抱えてその後を追い掛けた。

 

 一方、空座町の上空。そこに垣間見えるのは藍染率いる十刃の上位三名とその従属官(フラシオン)に対し、護廷十三隊の隊長格を拝命する死神達。

 黒腔(ガルガンダ)は閉じた。退路を断つと共に、虚圏(ウェコムンド)に幽閉した四人の隊長格、及び旅禍達が現世に戻らないようにだ。

「相変わらずバケモンみてえな霊圧してやがるぜ……」

「恐ろしければ逃げても構わんぞ。腰抜け」

 恰幅の良い二番隊の副隊長、大前田稀千代が及び腰になるのを、隊長の砕蜂はバッサリと言葉で切り捨てる。

「ここは先ず、頭を叩くんがスジですかいの」

「いや、藍染の能力は特殊だ。集中して対処するには、周りを先に倒すべきだろう」

 黒いサングラスをかけた七番隊副隊長、射場鉄左衛門の案に、狼頭の隊長狛村左陣は待ったをかけた。将を欲するならば馬を先に射るべきだ。その馬が並の馬ならばともかく、赤兎や松風に値するならば尚更。

「誰が一番強いかな?十刃の三人の中で」

「難しいな……藍染に訊いてみない事には……それより……」

 飄々とした佇まいで冷静に相手の力量を見定めようとする八番隊隊長の京楽春水に、十三番隊隊長の浮竹十四郎はズレた答えを返す。その目線は意味深に、ハリベルの右隣に寄り添うアメミトへ向けられていた。

「ああ。問題は十刃(エスパーダ)との戦闘中に、藍染が手を出さない保証は無え、って事だ」

「……ですね」

 十四郎の視線の行き先を見ていない、子供の様に小柄な十番隊隊長日番谷冬獅郎は、十四郎が同じ懸念を抱いていると勘違いを起こしたまま、それを口にする。副隊長の松本乱菊が、静かに同感を示した。

 総隊長、山本元柳斎は相対する十刃たちを一瞥し、一瞬燦光する翠玉(エメラルド)に目を向けてから藍染を睨む。そして、斬魄刀から杖の形をした鞘を取り払った。

「皆、退がっておれ」

 その一言があれば詳細など不要。隊長達は一斉に意図を汲み取った。

「万象一切灰燼と為せ、流刃若火」

 解号と共に、大凡始解で出ていいものか疑問のある規模の炎が燃え盛る。

 一刀の元に炎が藍染へ向かって走った。炎は藍染たちを取り巻き、壁を造り、牢獄の様相を為した。城郭炎上という、敵を分断、拘束する技である。

「ひゃあ、あついあつい。ムチャしはるわァ、総隊長サン」

 自分たちを囲う炎の壁を見上げ、市丸は全く困っていない顔と声色で心にも無いことを口にした。胸の片隅で、猫の様に気分屋のところがある幼馴染と、最近になって懐かれたオレンジとブルーのヘテロクロミアを気にかけながら。

「どないします?藍染隊長。これやったらボクら参加でけへんよ」

「何も。ただ、この戦いが我々が手を下す迄も無く終わる事になった。それだけのことだよ」

 市丸に確認の為の問いを投げかれられた藍染は、眉一つ動かさず、目が揺れることもなく、余裕を持ってそう返した。

 一方、炎の壁の外側では、比較的近くに構えていたスタークが熱波に煽られて慌てふためいていた。慌ててリリネットを連れて炎の壁から離れたスタークは、距離を取って尚あまりの熱さに辟易しながら手で顔を扇ぐ。

 ふと、スタークの耳が女にしては低い音で笑う声を拾った。

 声の方を向けば、ハリベルが左手で口元を押さえて俯いている。よく見れば肩が細かく震えているのに気付いて、スタークはこの時点から既に目尻がひくついた。苛立ちで。

「プッ……クク……ッ、ダッッッッサ」

「ハリベル!!!!」

 スタークがカッとなってハリベルに突っかかろうとしたのを、リリネットが腰にしがみついて制した。敵を前にしてボドゲをやってる時みたいな喧嘩などしている場合ではない、という至極真っ当な意見を添えて。

 それを敢えて聞こえてないフリをしたハリベルは立て襟で隠した仮面の下でニヤケ面をしたまま、子供っぽい声音を意図的に出した。

「やーいやーい。ドジ、ポンコツ、おっちょこちょいの昼行燈」

「お前後で覚えとけよ本トに!!絶対泣かすからな!!」

「やめとけってスターク!そう言って今まで散々返り討ちに遭いまくってただろ!?どうせ口ではハリベル達に勝てっこないんだからマジでやめとけって!」

 威勢良く突きつけられたスタークの人差し指がハリベルを指す。ハリベルは全く堪える様子もなく、スタークに対してかなり辛辣な言葉を浴びせるリリネットを見てカラカラと大袈裟に笑った。

「やれるものならやってみろ。ぴっぴろぴ〜っ」

「腹立つアイツゥ!!クッソ腹立つアイツゥ!!!」

「スターク!!」

 幼稚なケンカを横目に見ていたスンスンとアパッチは、苦笑いを浮かべていた。緊張感が来い。

 とはいえ。

「……わざとですわね」

「ああ。わざとだな」

 ハリベルの従属官(フラシオン)である二人は察していた。何せ、十人中九人が煽りカスだのクソガキだの生意気だの評するハリベルだが、いつもの煽り方とは明らかに違っていたからだ。

 遊んでいる時ならともかく、普段ならあんなあからさまな挑発はしない。もっと自然体で、平時と同じ声で、小馬鹿にした様な顔では無くもっととぼけた顔で、サラッと刺すのだ。なお酷い。

 ハリベルがそうする理由も、二人は大凡推測できた。スタークは普段からダウナー気味ではあるが、いつもよりも意気消沈しているのを感じ取っていたのだろう。

 無理も無い。遊び仲間だったチルッチが侵入者に倒され、更にはアーロニーロを皮切りにして、ゾマリ、ザエルアポロ、ノイトラと立て続けに十刃(エスパーダ)の同胞が討たれたのだから。見た目よりもずっと寂しがり屋なスタークが落ち込むのも頷ける。

「部下のモチベ維持すんのは上司の役目じゃねえのかよ……ったく」

 そうぼやいて、アパッチは溜め息を吐いて髪を掻く。

 言ってしまえば、ハリベルのあの挑発は応急処置だ。元々高いとはいえない意欲が一層萎えてしまったスタークを、やる気にさせる為の。精神的な強さを外部から補強して、この戦いにおける生存率を上げる為の。いつもならあのスタークがそれに気付かない筈がないのだが、それだけ同胞の死が堪えているのだろう。

「ええ、全く。自分の仕事放り出して何をしていらしたのでしょうね。あの陰険オールバック」

 スンスンは炎の壁を睨みつけ、その中にいる藍染に悪態をついた。

「ところで、とうとう取っ組み合いの喧嘩まで発展してんだけど。どうすんのアレ」

「ほっときなさい。殴り合いまでいってないだけまだ可愛いものでしてよ」

「そうだけどさ……」

 二人して子供かよ。アパッチが溢した言葉に肯定の意味で頷いたスンスンは、髪だの服だのを掴み合って蹇々轟々言い争うハリベルとスタークを一瞥した。十刃の上位三名の内の第1(プリメーラ)第3(トレス)の姿がこれか。

「……さァて、どうしたもんかのォ」

 そんな騒ぎをよそに、第2十刃(セグンダ・エスパーダ)のバラガンが一歩前に出る。

「敵は山程、ボスはあのザマだ」

 バラガンは眼前の護廷十三隊を一瞥し、次いで藍染達を取り囲む炎の壁を見据え、フン、と鼻を鳴らした。

「どうしたどうした、バラガン。目の上のタンコブが戦力外になった途端浮かれ始めて。鬼の居ぬ間に洗濯する様な働き者でも、況してや忠義者でもあるまいに」

「慇懃無礼で口が減らんのは、昔から変わらん様だな。アメミト」

 ハリベルとスタークのケンカが度を超えない様に見守っていたアメミトが揶揄する。バラガンはアメミトを釘を刺す様に睨むと、従属官らに向けて指を鳴らした。

 背後に控える六人の従属官(フラシオン)の内三人が、抱えていた袋の中身を一斉にぶちまける。袋の中身は、骨であった。

 ぶちまけられた骨が一人でに集まり、芥骨の玉座を拵える。バラガンはそれに座し、従属官達は膝を着いて首を垂れた。

「……そこのアホガキ共はさておき……」

「おい待て。誰がアホだクソジジイ貴様!!先に水底に沈めてやろうか!?」

「共って言ったか!?俺も入ってる!?それ俺も入ってるのかバラガン!!?」

 互いの髪と服とを引っ張り合っていたハリベルとスタークがギュンッ、とバラガンへ顔を向ける。そこにすかさず、アメミトの手刀が二人の頭頂部へ振り下ろされた。鈍い音と共に二人分の悲鳴が上がる。

「二人とも、いちいち揚げ足を拾ってないで十秒黙っていろ。できるな?一生話が進まないから」

「「……ウッス」」

 なんか見たことある光景だな。具体的には霊術院とかで。春水は傘を深く被り直して笑いを堪えていた。今は笑っている場合じゃない。いくら向こうが愉快に過ぎることをしていたとしてもだ。

 大きく息を吐いて、バラガンは続ける。

「……ボスが身動き取れん以上、儂が指令を出させて貰う。文句は言わせんぞ」

 バラガンが他の二人、主にスタークを睨み付ける。静かにこっそりハリベルと足の踏み合いをしていたスタークはそれに気付くと、肩を竦めた。

「いいんじゃねえの……あ痛!!」

 背後からスタークが誰かに尻を蹴られる。リリネットだ。それに乗っかって、ハリベルとアメミトもスタークを一斉に無言で蹴り始める。

「何すんだよリリネッ……痛い!!アメミトまで!!3対1になるのは聞いてねえって!!痛っっってえ!!脛はやめろォ!!!」

 女三人にスタークが袋叩きにされるのを音だけで知覚して、やはり阿呆ではないかと呆れ果てるバラガンは現状を紐解く。

 眼下にある重霊地は、尸魂界(ソウルソサエティ)で造った模造品(レプリカ)と入れ替えられている。藍染は尸魂界まで攻め込み、重霊地を手に入れれば良いと答えたが、そのような面倒事をする必要は無いとバラガンは考えた。

 本物と模造品(レプリカ)を入れ替えたカラクリは、街の四方に柱を立て、その機能を持ってそっくりそのまま入れ替えたというものだとして。

「だったら、その柱を壊せばどうなる?」

 バラガンは従属官の一人、フィンドールを呼びつける。フィンドールは右手に付けたカタールを兼任するホイッスルを鳴らした。

 その音に呼応するように、黒腔(ガルガンダ)が新たに四つ開く。その向こうから、不完全な破面(アランカル)擬きが身を乗り出すように姿を現した。

「柱の場所は判っとる。こういうもんは東西南北四方の端に造るのが定石じゃ」

 破面擬きがそれぞれ柱に迫る。だが、しかし。

「莫迦者めが」

 次の瞬間、破面(アランカル)擬き達が一斉に仮面ごと頭を潰され絶命した。

「そんな大事な場所に、誰も配備せん訳があると思うか。ちゃんと、腕利き共を置いておるわい」

 元柳斎は悠然と構えている。それを合図とするように、それぞれの柱に死神が立った。

 十一番隊三席、斑目一角。

 同じく五席、綾瀬川弓親。

 三番隊副隊長、吉良イヅル。

 九番隊副隊長、檜佐木修兵。

 転界結柱の防衛を拝命した、益荒雄共である。

「そりゃそうだろうなあ。なんの備えもせず白日の下に急所を晒すマヌケが、一体この世の何処にいる」

 アメミトはくつくつと笑うと、バラガンへ試すような目を向けた。初手はあっという間に潰されてしまったぞ、と揶揄うように。

 だが、バラガンはそれでも尚、その程度は障害足り得ないと鼻で笑う。

「兵隊が4匹……それがどうした?4匹の蟻が守る柱なら、4匹の龍で踏み潰せばいい」

 バラガンは従属官六名の内の四人を指名する。

 チーノン・ポウ、シャルロッテ・クールホーン、アビラマ・レッダー、フィンドール・キャリアスが一歩前に出た。

「潰せ」

 命令はその、たった一言。その一言をもって、指名された四人の従属官はそれぞれ四方へ飛んだ。

 

「おう。来やがったな、新手が」

 一角の所へは、ポウが。一角はその巨大に思わず嘆息する。

「見掛け倒しじゃねェことを祈るぜ」

「祈る?何にだ」

 ポウは一角を見下ろして問うた。死神を名乗る貴様等に、神などいるのかと。

 一角は一瞬悩んだ。事実、死神に信仰対象としての神は存在していない。強いて挙げるのであれば三界を創生した霊王ではあるが、アレは信仰の拠り所とするものでもない。

 気を取り直して、一角は声を張り上げる。

「いよォし、わかった!何でもいいや!!オメェんとこの神にでも祈ってやるよ!!」

「……そうか。ならば問題は無い」

 ポウはただ、平静そのもので返した。

「貴様と私では勝負にならぬということは、我が神である王が誰よりも理解しておられる」

「……ほォ」

 

 一方、修兵の所へはフィンドールが赴いていた。フィンドールは修兵を見据えて、腕章が無いことを確認すると一つ問う。

「……最初に訊いておきたい。君は何席だ?」

「檜佐木修兵。九番隊、副隊長だ」

 修兵は淡々と答える。フィンドールはそうか、とその返答を受け取って、決定する。

「それでは俺も、副隊長相当の力(・・・・・・・)で戦うとしよう」

 どういうことだ、という疑問が修兵の胸中に過った。

 

「うおおおおおおおおおお!!」

 他方、イヅルの所にはアビラマが向かっていた。アバラマは宙空で中腰になり、雄叫びを上げる。

()ってやる、()ってやる!!()ってやるぜえ〜〜〜〜〜〜〜ええ……って!オイ!!何でオメーも一緒にやんねーんだよ!!暗れー奴だな、おい!!」

「やるって……何を?その絶叫ごっこをかい……?」

「絶叫ごっこって何だコラ!!無えよそんなごっこは!!バカにしてんのか!!」

 斬魄刀の柄に手をかけたまま引き気味に見据えるイヅルに、アビラマは出鼻を挫かれ不満を垂れた。いかんせん、性根の向く方向が違い過ぎる。

「これは儀式だ!!互いをブチのめしてやるって気持ちを叫びに込めて、互いを鼓舞する戦いの儀式なんだよ!!いくぜ!やれよ!!せ〜〜〜〜の!!」

 アビラマが再び中腰になって腕を振り下ろす。イヅルはやはり、スルーを決め込んでいた。

「やれよ!!!」

「嫌だね。相手をブチのめす気持ちを込めるって……そんな後ろ向きな儀式に乗っかる筋合い無いよ」

「死ぬほど後ろ向きなツラした奴に言われる筋合いこそ無えよ!!」

 ある意味でごもっともである。それはそれとして、ハカよろしく雄叫びを上げながらトンチキな儀式とやらを強要するアビラマにも問題はあるのだが。

「とんだフヌケに当たったモンだぜ……まァいい。バラガン陛下の従属官(フラシオン)、アビラマ・レッダーだ。名は何だ、死神」

 舌打ちして切り替えたアビラマが問う。

「三番隊副隊長、吉良イヅル」

 返ってきたイヅルの回答に、アビラマは成る程、と目を細めた。

「何だお前———……市丸ギンの下か」

 その瞬間、イヅルの目が見開かれ、顔が強張った。その眉間には、数秒前よりも深く皺が寄っている。

「尸魂界に棄てて来たとは聞いたが、納得だぜ。こんなフヌケじゃあ、棄てるのも止むなしって———」

 アビラマが言い切るより先に、イヅルは抜刀してその左頬を裂いた。アビラマが頬を斬られた事に気付いた時には、イヅルの姿はその背後に。

「———その名を……僕の前で軽々しく口にしないことだ。同じ命を落とすにしても———傷、浅いまま死にたいだろう?」

「……何だよ。できるんじゃねェか、そういう顔もよ」

 剣呑な殺気を滲ませるイヅルに対し、アビラマは獰猛に口角を引き上げた。

 

 そして最後の一箇所、弓親の所へは。

「はいはいはい、はぁ〜〜〜〜い。ちゅうも〜〜〜〜〜〜〜く!」

 柏手を四度打って、決めポーズを取る屈強な身体と中性的な仕草が合わさった破面(アランカル)

「バラガン陛下の第一の従属官、シャルロッテ・クールホーンちゃんが来ましたよォ〜〜〜〜〜〜〜〜!」

 第二従属官でありながらアメミト等の友人でもある、クールホーンが降り立っていた。

 ノーリアクションの弓親が背を向けたままなのを訝しんだクールホーンは、バレエのような足運びで弓親の正面に回り込む。

 弓親はきゅっと萎んだスポンジのように目を固く瞑っていた。

「僕は醜いものは見ない主義でね」

 弓親の答えに間を置かず、クールホーンの無言の平手打ちが放たれた。なかなかいい音が出て、叩かれた弓親の左頬が赤く腫れる。

「何しやがんだこの野郎!!!!」

「何しやがんだはコッチのセリフよ!!初対面の相手つかまえて醜いって何よ、醜いって!?いい!?本当に醜いっていうのはね……他人を見た目で判断する……そう、あなたの心の様なことを言うのよ……」

 クールホーンがそう説くが、弓親は全くスタンスを変える気は無いとばかりに目を閉じていた。いっそ潔い。

「良いこと言ってんだから顔ぐらい見なさいよ、ブサイク!!!」

「顔見る必要なんか無いし大したことも言ってないだろブサイク!!!」

 瞬間湯沸かし器よりも早くカッとなったクールホーンが、斬魄刀を抜いて斬りかかる。

「陛下の御前で無様な敗北は赦されないし、この後友達とお茶会の予定もあるから、化粧直しの時間も欲しいのよね。というわけで……」

 ギリギリと鍔迫り合い、クールホーンは斬魄刀の刃を徐々に横に倒していく。

「なるべく早く死んでもらうわよ、ブサイク!」

 完全に地面と刀身が平行になった瞬間に、弓親の斬魄刀が弾かれた。

「へえ。君と友人なんて随分奇特な奴がいたもんだね。残念だけど、その予定……キャンセルしてもらっておきなよ。ブサイク」

 美しさを信念の軸とする者同士の、珍妙な戦いの幕が切って落とされた。




問い:スタークにやる気を出させるためにはどうすればいいか答えよ

ハリベルの回答:怒らせればいいじゃん(ただし前提として、マ○カで赤甲羅構えてケツをつけ回したり桃○でキングボンビーを擦り付けあったりス○ブラでスマートボムを直撃させてもなあなあで済ませられる程度の信頼関係があるものとする)


オマケ:アランカル大百科
『リリネットが気になること』
リリネット:ねーねー、アメミト
アメミト:どうかしたか?リリネット
リリネット:前から気になってたんだけどさ、なんでいつもハリベルの右側に立ってんの?
アメミト:えっ。な、なんで?
リリネット:左側に立ってた方がよくない?もし襲われたりした時、右側立ってたらすぐ戦う姿勢に入れなくない?
アメミト:えぇ〜……まあ、一理はあるんだけど……
リリネット:けど?
アメミト:左側だと、寄りかかった時に仮面が刺さって痛いじゃん。ティアが
リリネット:…………ふ、ふーん……そっかあ……

アパッチ:あんまあの二人のアレそれを突っつかない方がいいぞ。火傷しちまうから
リリネット:そういうことは早く言って……

最後に

【挿絵表示】

ハリベル誕生日おめでとう!
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