岸辺露伴、キヴォトスを往く。   作:匿名気取りのNoir。

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実写版「懺悔室」見たら投稿したくなったので初投稿です。

それとキャラの口調などついては指摘があったら教えてください。




岸辺露伴、キヴォトスへ降り立つ。

 

 

 岸辺露伴。漫画家。27歳。

 

 少年向け漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』にて、『ピンクダークの少年』を連載している人気漫画家。

 漫画に登場する独特の擬音や個性的なキャラクターが人気を博し、大人子供問わず多くの人に愛読されている。

 

 何故そこまで人気なのか。

 それは、(ひとえ)に彼が"リアリティー"を大切にするからだろう。

 

 例えば、蜘蛛。

 

 一瞬しか登場しないとしても、その生き物について無知であれば、そこに"リアリティー"は生まれない。

 

 体の形は?足は何本ついている?味はどうだろう?攻撃された時の反応は?

 

 描こうとする対象について深く知り、"体験"する事で、そこには"リアリティー"が生まれる。

 

 それこそが、岸辺露伴の信条であり、プライドであり、矜恃。

 お金の為でも、地位や名誉の為でもなく、『読んでもらう』為に描く。

 "そこ"にリアリティーがあるならば、それは()()()()()()()()()()()()()になり得る。

 

 彼は常にそう考えながら、漫画を描き、ネタを求めて取材する。

 

 これは、そんな彼がネタ探しの際に出会(でくわ)した、長く、そして奇妙な物語。

 

 

 

 

✑✑✑

 

 

 

 とある日の昼下がり。

 

 露伴はカフェのテラス席に座っていた。

 集英社発行の『週刊少年ジャンプ』、その女性編集者である〈泉 京香〉と共に、今度の読み切りについての打ち合わせをしており、ちょうどそれが終わった所だ。

 不意に、露伴は語り始める。

 

 

『雪国』、という小説がある」

 

 

 突然、そんな事を言い出した露伴に困惑する京香。

 しかし露伴は、そんな様子の京香を全く気にすること無くさらに続ける。

 

 

「一般的に作者は『川端康成』と言われ、一九三五年に『文藝春秋』という雑誌に『夕景色の鏡』、というタイトルで掲載された長編小説だ」

 

 

 露伴の口から出て来たのは、京香でも名前くらいは知っているような『文豪』、とされる人物の名だった。

 雪国について話すのは構わないが、何故今なのだろうかと京香は疑問に思う。

 それでも、露伴の語りは続く。

 

 

「国内外で"名作"と名高い『雪国』だが、何故"名作"なのかと問われれば、それは温泉町に生きる女の"徒労"を美しく描いているから、だ」

 

「あの……露伴先生?さっきから何を言いたいんです?」

 

 

 思わず露伴に問いかけてしまった京香だが、それすらも露伴は無視して続ける。

 

 

「女達の悲しみや怒り、苦悩、そして愛。様々な想いを抱えて懸命に生きる女達の精神の揺れ動き、エネルギーでもある"感情"を、自然の風景と共に繊細に書き表している。漫画家───ひいては作家には、そういう精神的なパワーが非常に大切だと僕は考えている」

 

「それを元に言わせてもらえば、『川端康成』という作家は精神的パワーを上手く作品に落とし込んだ、と言える」

 

「しかしそういった精神的パワーを日常の中で得るのは難しい。その点、よく作品のテーマにされる『青春』の二文字は、少年少女達の"感情の発露"が多く含まれているだろう」

 

 

 ひとしきり言い終えた露伴は、結局放置されている京香をおいて、最後にこう締めくくる。

 

 

「改めて思えば、"あそこ"での経験は僕にとっての宝物だった」

 

「……いや。彼女達風に言うのならあれは───」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ───青春の記録(ブルーアーカイブ)、だったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 七月十六日。

 

 露伴は、ネットで見かけた都市伝説について調べるためにとある山へと赴いていた。

 ネットによれば、その山では植物が生きたように動くのだという。

 

 

「もっとも……僕はあまり期待していないがね」

 

 

 昔から、ネタ探しのためにあらゆる都市伝説や怪異について調べてきた露伴にとって、今回の都市伝説はいつにもまして胡散臭かった。

 だとしても、僅かにでも可能性が存在しているなら行く。漫画家とはそういう生き物なのだ。

 

 と、そこで。山へと足を進めている最中に、露伴の"スタンド使いとしての何か"が反応したような気がした。

 咄嗟に山の方へと視線を向ければ、山の中腹に出来た木々があまり無い場所に、大きな黒い渦が存在していた。

 

 

「なんだ……?あれは……」

 

 

 見たことも無いような物に警戒した露伴だったが、直ぐにその警戒は"好奇心"へと変貌する。

 そして山へと向かうスピードを上げ、半ば小走りで山へと向かう露伴。

 

 

「いいじゃあないか……。久々に、面白いネタを見つけられそうだ……」

 

 

 そうして歩を進めている内に、(くだん)の山へと辿り着いた。そのまま山道へと入り、黒い渦があるであろう山の中腹を目指す。

 

 二十分も歩けば、目的の場所へと到着した。

 

 わざわざ探す必要も無く。

 山道の横へと逸れれば、そこには大きな黒い渦が、自身の存在を主張するかのように中空に浮いていた。

 

 

「何だこれは……。ゲームで言う所の、〈ワープホール〉の様なものか……?」

 

 

 そう言いながら、黒い穴に手を伸ばしてみれば。

 

 ギュンッ!! そんな効果音が聞こえてくるほど急激に、露伴の体は渦の中へと引っ張られ、一瞬の浮遊感と共に落下し始めた。

 

 

「うおおォォ────ッ!?!?」

 

 

 為す術も無く、露伴は叫び声を上げながら黒い穴の底へと落ちるのであった。

 

 

 

✑✑✑

 

 

 

 冷たい床の感触。少し埃っぽい空気。

 それらを感じながら、露伴は目覚めた。

 

 

「何だったんだ、さっきのは……?スタンド攻撃、にしては僕自身に何ともない……。それにここは……」

 

 

 辺りを見回してみれば、いくつかの場所が崩れている、コンクリ製の部屋が目に入った。恐らくだが、ビルの部屋か何かだろう。

 幸いにも外は明るく、部屋の中や外を確認するには困らなかった。

 

 室内には特に何も無く、人がいた形跡すらない。まるで、建築してから誰もこの部屋に入った事がないような雰囲気を感じる。

 事実、人がいたならば少なくとも家具を取り付けていた跡などが付くはずの壁や床には、特に傷は見当たらない。

 

 次に、窓から空を見上げた露伴は驚愕する事になった。

 

 

「なんだあれは……ッ!?」

 

 

 見上げれば、透き通るような澄んだ青空に巨大な(ヘイロー)が浮かんでいた。

 その中心部分には一本の細い線のような物が、地上からその輪に向かって上っていた。

 

 この時の露伴には知る由もないが、"それ"はこの世界において〈ヘイロー〉と呼ばれている物。

 しかし、空に浮かぶその巨大なヘイローは、誰も『いつからあるのか』知らないし、起源が全くの不明となっている。

 

 だが、岸辺露伴にとって"分からない"というのは()()()()()()()()()()でもある。

 何かがヤバいという直感よりも、理性が鳴らす警鐘よりも、自らの好奇心に従って行動する。

 

 そんな彼が、『さっきまでいた場所とは全く違う所』に、これまた〈未知の巨大な輪〉が浮かんでいるとなれば、大人しくしている訳も無かった。

 

 

「理由を探すのは後だ。まずは、この僕自身も知らない世界を探索といこうじゃあないか……。何か新しいネタが見つかるかもしれないからな……」

 

 

 そう言って露伴は、自身の居る廃ビルから抜け出し、少し遠くに見える住宅街を目指して歩き始めた。

 

 

「住宅街があるということは……。少なくとも、在り(きた)りな〈異世界転生〉なんかでは無さそうだな……。もっとも、僕から言わせてもらえば(ほとん)どが"リアリティー"の無い駄作だがな……」

 

 

 誰に言う訳でも無く、自身の考えを整理する為に、周囲を観察して気付いた事を口に出しながら思考を続ける。

 その際、わざわざ余計な一言が付いているのは、彼自身の性格によるものだろう。

 

 しばらく歩いている内に、ビルや住宅が乱立した"都市"と呼べるような場所の、入口の様な場所までやって来ていた。

 そこで露伴は一旦立ち止まり、自身が今どのような場所に居るのか観察しようとして、驚愕した。

 

 

「なんだと……?」

 

 

 なんと、露伴の周囲を歩いている女性達──恐らく学生だろう──は、こぞって背中や肩、腰部分に"銃"を背負っていたのである。

 流石の露伴もこれには動揺し、自身の居る場所が日本では無いのかと考え始めた。

 

 とはいえ、いつまでもここにいる訳にもいかず。

 とりあえず周囲の女生徒達に幾つか質問する事にした。

 

 

「……すまない。君、ここがどこだか教えてくれないか?」

 

「あぁ?アンタ、そんな事も知らずにどうやってここまで来たんだよ。ここは〈ゲヘナ〉だろうが」

 

 

 露伴は、今まで生きて来て一度も聞いた事が無い地名に困惑した。

 自身の思い違いで無ければ、日本に〈ゲヘナ〉と呼ばれるような場所なんて存在していなかった筈だ。

 

 やはり、自分は日本以外の、いや、岸辺露伴という漫画家が生きていた世界とは別の世界へとやって来てしまったのか。

 

 今すぐ帰るつもりはさらさら無いが、だからと言ってこの場所に永住する訳にもいかない。

 露伴の描く漫画を楽しみにしているファン達が待っているのだ。

 どうにかして、ここから帰る方法を見つけなければならないだろう。

 

 

「……分かった。つかぬ事を聞いたな。ありがとう」

 

「おいおい!人に聞いといてお礼の一つも無しかぁ?さっさと有り金寄越しな!」

 

 

 礼を言って露伴が別れようとすると、女生徒がいきなり銃を構えて此方へと向けてきた。

 

 銃を持っていた時点で薄々予感していたが、どうやらここは日本よりも倫理観が終わっているらしい。

 幸いにも、周囲に人は少ない。ちょうどこちらが見え辛い場所にいる事も相まって、今からしようとしている事に気づく者は居なさそうだ。

 

 そう考えた露伴は、もっと詳しい()()のために指を1本、ペンの様にして構え、宙へと振った。

 

 

「このまま去ろうと思っていたんだがな……。仕方ない。〈天国への扉(ヘブンズ・ドアー)〉。今、心の扉は開かれる」

 

 

 露伴がそう呟いた瞬間。

 目の前の女生徒の顔に一筋の縦線が走り、そこを起点に皮膚が捲れ、その下は本のページへと変わっていた。

 

 〈天国への扉(ヘブンズ・ドアー)〉。

 杜王町にて"スタンドの矢"に刺された事により発現した、露伴の幽波紋(スタンド)

 

 その能力は、『対象を本へと変え、その者の"人生"を読む、又は命令を書き込む』というもの。

 

 この場合の"人生"とは、その者の人となり、経歴や能力、本心といった個人情報の事を指す。

 ただし、露伴自身の『遠い記憶』と『運命』を読む事は出来ない。

 また、本のページに文言を書き加える事である程度の命令に従わせる事も可能。

 

 この能力によって、露伴は幾度も窮地を脱してきた。

 

 

「そうだな……とりあえず、『岸辺露伴を攻撃出来ない』。それと……君の人生、読ませて貰うぞ」

 

 

  

クソッ!!

岸辺露伴を攻撃出来ない

相変わらずなんて強さしてんだ空崎ヒナ!

チビのくせに強すぎんだろ!!

 

 

 

「違うな……。このページじゃない。僕が知りたいのは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、だ。『空崎ヒナ』なんて名前の生徒を知りたい訳じゃあない」

 

 

 (恐らく)不良の生徒によれば、その『空崎ヒナ』という生徒はかなりの強さを誇っているらしいが、露伴自身が戦闘をするような武闘派では無い為、今回はあまり関係ない。

 

 露伴が求めているのは、ゲヘナやその他の地区の名前を知る事、そのゲヘナなどの地区が存在する国の名前についての情報だ。

 未知の場所で取材をしようにも、そこで情報を得られるのなら積極的に知ろうとするべきだ。それが『知ったら祟られる』などの厄介事でない限り。

 

 

 

風の噂で聞いたが、このキヴォトスには

最強』と呼ばれるやつが何人か居るらしい。

あの空崎ヒナと同格って言われてる、

ミレニアムの『美甘ネル』やトリニティの『剣先ツルギ』、

アビドスの『小鳥遊ホシノ』。

こいつら揃って滅茶苦茶強いのだと。本当か?

 

 

 

「ギリシャ語で方舟を意味する『キヴォトス』、キリスト教の千年王国『ミレニアム』、キリスト教で三位一体を意味する『トリニティ』、エジプト神話オシリス神復活の地『アビドス』……。ここは神話が関係している土地なのか?」

 

 

 やはりここは、露伴が居た日本とは全く違う場所、または世界に存在している国なのだろう。

 

 キヴォトスやミレニアム、トリニティなどの言葉は神話か宗教に関する物だ。だがそれらが地名になっているなんて話は聞いたことが無い。

 もしこの場所が神話に関係しているのなら、それだけでここには大きな力が秘められている可能性がある。人間の信仰心はバカにできないのだ。

 露伴は過去に、そういった類の厄介事に何度も遭遇してきた。それはそれとして、余程の事で無い限り良い経験をしたと露伴は考えているが。

 

 それはさておき、文章から読み取るに『キヴォトス』、それが露伴の居る国、または地域の名前なのだろう。

 一先ずの所、この『キヴォトス』について取材していくことになるだろう。

 

 

「だが……。まずは衣食住をなんとかしないとな……」

 

 

 露伴がそう独りごちたと同時、眼前の少女の姿が元に戻っていく。

 数秒経過すれば、完全に本来の顔へと戻っていた。

 

 

「はっ!?てめぇ、何しやがっ……!?」

 

 

 意識が覚醒すると同時、その少女は目の前の露伴に手に持った銃を向け引き金を引こうとした。が、何故か体にロックがかかったように指が動かず、しばらくして諦めた。

 

 その姿を見た露伴は、答え合わせをするようにして言い放った。

 

 

「ああ、一応言っておくが、()()()()()()()()()。君が僕に攻撃しないようにな」

 

「は?てめぇ、何を言って……?」

 

 

 露伴が言った内容を理解出来ずに聞き返す少女だが、それを無視した露伴は〈ゲヘナ〉以外の地区へと行くために歩き出した。

 

 全くと言っていい程には見たこともない土地を歩く露伴は、行く当てもなく気ままにぶらついていた。

 衣食住を確保するのも大切だが、だからと言って焦ってどうにかなるものでも無い。

 取り敢えずは、この見知らぬ土地を知るために適当に歩いていても問題は無いだろう。

 

 

「歩く犬や猫……。参考にするにはちょうどいいか?」

 

 

 周りを見渡せば、女生徒以外にも歩く犬や猫、ロボットが点々と存在していた。

 どうやらここは露伴の常識とはかけ離れた生態系が確立されているらしい。

 見れば、歩く犬や猫──便宜上『獣人』と呼ぶが──達はしっかりと会話も出来ている。露伴の知る犬や猫は存在しないのかもしれない。

 

 路地裏の様な場所から大通りへと出れば、そこは多くの人(人以外も居るが)で賑わっていた。遠くでは爆発が起きたりしているが。

 辺りを見回すと、どうやら商店街の様な場所らしく、料理店やスーパーなどが道の両脇に立ち並んでいた。

 

 

「さて……。商店街に来たは良いが、今の僕は一文無しだ。日本円が使えるなら手持ちがいくらかあるが……まぁその可能性は低いだろうな……」

 

 

 今の露伴には、生活していくために必須の仕事戸籍などが全く無い状態だ。

 このキヴォトスに戸籍が無くても働ける場所があるなら良いが、ここまで都市が発展しているならそういった場所はほぼ存在しないとみていいだろう。

 

 そうして露伴が悩みながら商店街を歩いていると、何やら少々騒がしい、四人組の少女達が目に入った。

 軽く見ただけだが、先程の不良少女の様な雰囲気は感じられない。

 それならば、この地域に暮らす現地人に仕事を貰える場所がないか聞くのもありだろう。あわよくば漫画系の仕事であって欲しい所だが。

 

 

「なぁ、君たち。ここら辺で仕事を貰える場所を知らないか?あいにくと今は無一文でね」

 

 

 露伴にそう問われた、コーラルレッドの髪を持つ少女は露伴がここら辺では見ない顔だったからか少々驚きながらも答えてくれた。

 

 

「えっと、教えられない事は無いけれど……。あなた、銃は一体どうしたの?このキヴォトスで銃を持ってない人なんて初めて見たわ」

 

「銃だと……?ここでは銃を所持しているのが当たり前なのか?……生憎だが、その問いにはNOと答えさせてもらおう」

 

「NO……NOですって!?あなた、銃を持たずにどうやって生きてきたのよ!?」

 

 

 そう返した露伴に、少々大げさと言ってもいいほどのリアクションを返すコーラルレッドの少女。

 

 銃を所持していない事が、ここではそんなに驚かれるようなことなのだろうか。少なくとも露伴の知る限りでは、日本において一般人は銃を持つ事を許可されていない。

 にも関わらずこのコーラルレッドの少女も、恐らくは少女の友人であろう周りの女生徒達も、さも当たり前のように背中や腰に銃を携帯している。

 

 本来はそんな物を学生が持っているはずがないのだが、どういう訳かここ〈キヴォトス〉では銃を持っている方が"普通"らしい。

 はっきり言って、学生がそんなものを持っているこの場所は『狂気的』だ。その事に疑問を覚えない本人達も、周りの人間も。

 

 だが───露伴にとっては、その限りでは無い。

 

 

「ふむ……。"いい"な、実に"いい"。君達のような社会を知らない子供が、人に対して銃を向ける事をどのように感じているのか、とか……。その"重み"を理解しているのか、だとか……。"リアリティー"の為に知っておきたい。是非とも取材したい所だな」

 

「ねぇ……アンタは一体誰なの?いきなり話しかけて来てそんなこと言い出すなんて……はっきり言って怪しいよ」

 

 

 露伴を少し警戒しながらそう言ったのは、白と黒のツートンカラーの髪を持ち、後頭部から黒い角が生えている少女。コーラルレッドの少女とは違って、少し大人びたような雰囲気を纏っている。

 

 今回の場合、少女の言う事は全面的に正しい。悪いのは露伴の方であり、日本で同じような光景が目撃されたなら通報されるのは露伴の方だろう。

 が、しかし。露伴にとってそんな事は関係ない。ネタがあるなら取材する。それだけだ。

 

 

「ああ、そう言えばまだ名乗っていなかったな……。

君たちは当然知らないだろーが、ぼくの名は『岸辺露伴』。マンガ家だ」

 

 

 そう言われた少女たちの表情は、誰が見ても"困惑"の二文字が浮かぶものだったという。

 

 

 

 

 

 

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