「ねえ!なんなの!?俺もう月に目を置いてないからわかんないって!」
「何を言いますか!何度も行き来していたのだから、早く月に帰してください!」
大体お前はどこから入って来たのだ!問い詰めれば、なるほど突然らしい。嘘発見器を使って調べた。信頼性?二人して試したさ。本物だよ。電撃痛かった。しかしまあ、突然か…場所も恐らくは月に付けた場所ではないし。茶を飲んで頭を回したいが…わからん。なんでだ?何をどうしたら…全然わかりましぇん。原因…八雲紫とか、摩多羅隠岐奈…いやでもあいつら関わりたくないだろうし。
「ごめん原因わかんない。でもお前が行方不明なら直ぐに捜索されるだろ?どうする?ここで籠る?」
「篭らなければ?」
「地上で戦争が起こる。か、俺が八雲紫に頼んで移動できるか試すこともできる。」
「さっさと月にまで行きましょう」
そんなに一緒は嫌か。八雲紫を呼ぶ。筋斗雲ー!と言った感じで。八雲紫は出て来た瞬間うげっとした顔が出たが直ぐに元に戻し、依姫がいないかのように振る舞い始めた。さて月にこいつを連れて行きたいと言ったらどうなるか。私、気になります!というわけで聞くわけだ。
「こいつを月にまで連れて行って」
「…嫌だと言ったら?」
「いまここで私と貴方達全勢力で戦争をしましょう。」
「全く…良いけど、時間はかかるわよ。こればっかりはどうしようもない。後殺風景だから…正気でいられるのかしら?」
「…いいでしょう。ちゃんと辿り着けるようにこの者を連れて行きます」
「あ、俺?」
というわけで月までの距離を歩くことに。スキマってのはあれじゃないのか。どんな場所からも好きな場所へ出られるってわけじゃないのか。そのまま依姫に連れられる。確かに八雲紫が言っていたように殺風景だ。その上目玉がぎょろぎょろとコチラを見てくる。気持ち悪いな。こう言ったところが結構苦手だったりはする。俺の部屋?好きな目の視界を映せるから…
「あんがっ」
「まだ歩き始めて一時間も経ってませんよ」
「ごめんって…」
「こんな空間で眠れるとは、謀った相手と対等に話せる精神も納得できますね」
「…いや、八雲紫はなぁ…今いねえから言うんだけど、戦争に関しては俺止めてたからな。全力で。」
「ほう?」
「元々俺の言うことは大体なんでも聞いてくれたんだけど、戦争に関しては意地でもやめなかった。だから参加して謀った。」
八雲紫はそれまでもそれからも俺第一だったのだが、なぜか月だけは譲らなかった。一体何があったのか。恐らくは若気の至りだろうか。いやそれをするには俺も八雲紫もしっかりとはしていた。俺は不確かだが…まあいい。とにかくだ。そう、聞いてくれはしたはずなんだよ。ほんと、その雰囲気が嫌で戦後はほとんど月にいたし。
「…わかるかな。こう、いつもと同じ反応じゃなくて、なんなら真逆の反応をされて傷ついたんだよな。」
「一応、理解はします。でも、ある程度の法則性があれば。」
「そう?まあ良いけど…ねえそろそろ走らない?」
「ついて来れますかね」
「蝙蝠になってお前の肩に」
「着いたら切り刻んで見せますが」
「チッ」
テクテクと歩き回り、いやはや月は遠いんだよなと先のことを思い嫌になる。あとどれくらいこいつと歩けば良いの?泣いちゃうよ?あー、最近になって動き始めたの失敗だったかな。さて、俺の姉を名乗る奴がいない今この間、かなり気が楽なはずなのだ。この妹君がいなければ。そろそろ会ったことのない月の賢者に会いたいものだ。
「おや、引導を渡すのは私では不満ですか?」
「毎回引導を渡そうとしてくるから飽きちゃった」
「浮気者」
「そうは言っても、俺にもアンチ八雲紫協会があるからさぁ?死なんよ。」
「まだやっていたのですね」
「月でやっちゃいけないのであって、地上ではやって良いはずだ。八雲紫も許可してるしな」
「…アンチを?」
「名前を使うこと」
「そっちでしたか」
そのまま歩き続ける。依姫はたまに歩みを止めるが、基本止まらずに進む。豊姫の方からこっちに接触してくれると嬉しいが…どうにも、それは難しいのかわからないが全然来ない。それこそ、もう一人の月の賢者に頼れば良いものの。あいつのせいで何回死にかけたか…言霊にも程がある奴だったことしかもう覚えていないが。
「…はぁ。少し休憩しましょう」
「ん、疲れたのか」
「いえ…この環境に参っている所です。景色が変わらないから進んでいるかもわからない…」
「そうか。まあそれが妥当ではあるけど…こっちに進んでたよな。」
目印を置く。そうしないと進んでいた方向を忘れる為だ。ちなみにだが、月の目印もある。以前月に向かった時に残したものがあるから、それを見つけたらゴールとのことだ。いや、スキマってのはこんな感じのキツさだったか。何よりも気まずい相手ってのが。気が重いぜ?しかしだ。依姫は確かに参っているような雰囲気だ。どうしたもんかなぁ
「はぁ…」
「そうだな。殺風景が嫌なら、俺の能力を使えば多少マシになるぞ。気分転換も出来るし」
「どのようにするんですか?」
「お前の腹に目をつけて、そこ経由して地上から物持って来たり」
「良いです。貴方の部屋で眠るくらい以外で頼りたくないです」
「あっそ…でも、さっさと帰さないと姉君がブチギレるから、気分転換したくなったら言えよ。」
「わかりました」
豊姫「買い出しにでも行ってるのかしら」