姉>>>>>>>>月>>>霞野>>>>>>>…>>>他
「待ってください」
「んだよお前…物持って来いって言ったのはお前だろ」
「気が狂いそうなこの空間に、私を一人で置いていくのですか?」
「わかったわかった。お前なんか今小物持ってる?」
「…いえ」
「んじゃこれだな」
取り出すのは大きめのサイコロ。一の目に目をつけて、六の目を下に向けた状態で置く。そのまま依姫を掴んで俺の部屋へワープ。気を紛らわすものはなんかあったかな…ないかも…ま、景色が変わるだけでも良いでしょと。博麗大結界から外に出る。この間、依姫は姫様抱っこの状態である。自分で飛べるもんと言われて手を離すが、景色がいい感じに落ち着かせてくれと願うばかりだ。
「…やはり」
「良いでしょ〜?外にいたら面倒なのが飛んでくるからあんまりこっち来たくないんだけどね」
「ふむ…ここを月の拠点として」
「あ、帰らない感じ?姉君呼ばせるよ?」
「いえ、それは結構です。少ししたら戻りましょう」
「姉君を待った方がいいと思うけどなぁ…」
言った通りというか、律儀なのか知らないけど本当に少しで行こうぜと言ってきた。サイコロの目から出て、進路方向の目印を見つけて進む。今度は俺が依姫に姫様抱っこで、依姫が全力で走りだす形に。一体何がどうなってんだ。でもあれだよな。俺をこんなふうに運ぶってことは、そんなに俺のこと嫌いじゃないよな?
「さて…着きました」
「速いなお前」
「ええ。それで?ここから出るにはどうすれば?」
「結界術だな。俺は…やりたくはないんだが、うーん…やるかぁ」
スキマを開く。八雲紫の弟だからと教えられた術だ。仮にもアンチ八雲紫協会会長をやっているのだから、スキマを開くのはこう、どうなのかと思って全く使っていない。だがまあ今なら仕方ないでしょ。俺を監視する奴なんか、この世に数人しかおるまい。摩多羅隠岐奈だろ?八雲紫、華扇…かせんはないか。
「…ほらよ。」
「感謝しますよ」
「じゃあ俺は帰るわ」
「えっ」
「なんだ?まだやることあったか?」
「…はい」
「なんだよ意味わかんねーな」
「目をつけても良いです」
「…はぁ?」
俺は巻き込まれた側で、地上で戦争が起きないように巻き込まれた身ながらも頑張っていたので、褒美が必要だろう、という理屈だ。何言ってんのお前?差し出してきたのは腕だよ?腕につけたらお前、丸わかりじゃん。姉君に殺されるよ。3秒くらいで。押し付けて来ないでよ怖いな。褒美は…あれだ。なんかこう、現物支給で。いつか渡してくれれば良いから。
「じゃあこうします。一週間後、私の腕につけた目から出てきてください」
「出てきた瞬間殺されるからね。」
「…包帯を巻けば、誰も気にはしないでしょう」
「あ、俺今日大事な用事があるから!さよならー!」
逃げる。一時期華扇があんなことを言い出した時があった。俺がいじめられた時に謝罪をとしつこく言って、その上で腕に目をつけろとも言われた。あの時期は…面倒だった。しかしだ。そう考えると、依姫もいよいよやばいか。姉を名乗るのが先か、姉君に殺されるのが先か…いや、そもそも月は穢れを嫌うのだから、姉を名乗ることはないか。
「…どうなってんだよマジで…」
「おかえり」
「はいただいま」
「私は認めませんからね!貴方に結婚はまだ早い!」
「お前は誰目線なんだよ」
「姉」
よくわからん。じゃあ華扇も摩多羅隠岐奈も同じことを言うのか、そう問えば多分言わないと言われた。華扇は喜ぶだろうし、摩多羅隠岐奈も喜ぶが品定めくらいはする。その上で合格なら祝福、不合格なら却下してくるだろうと言われた。なんだって自称姉はこんなに過保護で面倒な奴が多いんだ。意味がわからん。自称姉がいるのもわからん。
「いやぁ…ところでなんだけどさ」
「何?」
「俺の知らないうちに神社増えたらしいじゃん?なんて名前なのかなーって」
「あー…守矢神社でしょ?まあ、確かに。引きこもりだったからね」
「…モリヤ?」
「ええ、守矢」
俺が日光を克服した後、昼が楽しすぎてはっちゃけ、華扇からも八雲紫からも離れていた時。洩矢という苗字の神にぶち殺されかけた覚えがある。…いや、まさか。とは思うものの、やはり否定はできない。行かない方が良いか。つーかどうやってあの祟り神はこっちに来れたんだよ。気持ち悪い。誰があれを通した挙句に神社開業を許可したんだ…
「久しぶりに霧雨魔理沙にでも会うか」
「風見幽香に会ったら?少しうるさいのよ」
「俺が会いにいくのは機嫌の良さそうな時だけだからな。今みたいに草木が枯れる時期はピリピリしてるじゃん」
「それもそうねぇ」
ちなみにだが、俺の頭の中ではフランドールと風見幽香は二人とも同じ階級にいる。危険度で言えば、あいつら機嫌が悪ければ殺しに来ると言う点で同じだし、力もかなり強い。その上二人とも一応魔法が使える。けっ、気持ち悪い奴らだ。洩矢並みに気持ち悪い。蛇で丸呑みしてきやがる奴だ。
「…でもまあ、許してくれてるなら会いにいく価値はあるよなぁ…」
「…あそこの祟り神に何かしたの?一緒に謝りましょうか?」
「それはいらん」
と言うわけで、場所を聞き大結界から飛び出す。山の…どこかにあるとか、なんとか。山…か。なんで俺の嫌いなやつは山に集まってんだ。たまには河童に会いたいのに。八雲紫の采配か?見事だな、その分キレそうです。霧雨魔理沙とかもこっちにいれば色々と助かるんだが、なぁ。
「あれ、こっちは人多いな」
「お…んー?」
「うわ誰だお前!?」
「ぁ、すみません。私はここの巫女をやっています、東風谷早苗と申します」
「こりゃご丁寧に…」
姉君「体を許したの…?地上の穢れた妖と…?」