アンチ八雲紫協会吸血鬼支部長   作:覚め

18 / 31
命蓮「僕の名前が寺に?」
白蓮「はい」
命蓮「…恥ずかしいのでやめてください」
白蓮「いやです」


残念な弟

「え、いや、えと」

 

「それは本当なんですか?では一体何故…」

 

「じゃあね!」

 

「逃しませんよ」

 

「ひいっ」

 

尋問の始まりである。くっ、どうして。一体どうしてこんな目に。まあ監視した俺が悪いけどさ。少なくとも、少なくともだよ?こんな目に遭うほど見てない。これが聖白蓮…待てよこの第一印象ならまずもって姉を自称する事はないのでは?…姉を名乗らないのにあれだけ強いなんて、まるで風見幽香みたいだ。それはそれとして尋問長いな。

 

「…。仏の考えは嫌いだ」

 

「そうですか?」

 

「そもそも妖に仏の考えは通じ…ているのか、そこの人外どもは」

 

「いいえ?たまにお酒を飲むので、やはりまだまだ…」

 

「へぇ。んじゃま、今度こそさよならでぇっ」

 

「これを機に仏教へ」

 

「嫌です」

 

「さあ、こちらに」

 

「ざけんなお前、力強!?」

 

俺の部屋へ連れ込む。こういう字面では駄目だが、さっさと身を翻し聖白蓮から距離をとる。あーばっちい。妖怪が尼さん連れ込むなんて馬鹿馬鹿しいし、存在としておかしい。まあそれは別として、俺も俺でバカだとは思う。でもね。離さないアンタが悪いんだ。俺は悪くない。八雲紫なら同意する。

 

「さて…どうします?」

 

「帰ってよ」

 

「帰してください」

 

「わかったよ…」

 

「ほら、こちらに来なければ帰せないのでしょう?」

 

ドロップキックで帰す。よろけた隙に蹴飛ばして帰す。そのままどうにか帰る。あーこっわ。また八雲紫に頼むっていう選択肢が出てた。いかんわ。おのれ八雲紫…あ、でもそうか。姉を頼るのは普通なのか。いや妖怪の普通ってなんだ?人間とは結構違うはずだけど…あー、うん。良いやめんどくさい。

 

「…たまには素直に甘えてくれない?」

 

「なんだよいきなり」

 

「久しぶりに昔の姿を見てたのだけど、随分と違うなーって」

 

「だからって甘えろと?」

 

「アンチ八雲紫協会だなんて遠回りな甘え方じゃなくてね?」

 

殴り飛ばすぞこのやろう。まあ良いわ。じゃあ人里に行こうとスキマ経由で出て行く。目の前に巫女が出ることを儚く期待してみるが…どうやら儚かったようだ。さて周りを見渡し、出会いたくないやつがいないことを確認。紫と手を繋いで飯処へ。あー駄目だ昼飯時だから全然空いてない。ウケる。

 

「…姉ちゃんの手料理が食べたいなぁ〜」

 

「え!?あ、あら、そ、そぉ?それじゃ、早く私の家にいきましょうか!」

 

「わーい」

 

「あ、その前に食材よね!?確か、えーと…そう、山葵が好きだったわよね!?」

 

「…そうだっけ?」

 

「あれ?」

 

山葵はあれだ、味全部変える力があるから好きで食ってたんだ。あの時は飯がどれも不味くて…。さっさと行ってもらおうか。八雲邸へと赴き、そのまま食卓に。藍と橙はいなさそうだが…どこにいるのやら。何が良いのか鼻歌を挟みつつの調理音が聞こえてくる。眠い。眠気を我慢してまで食う飯は美味いのか?ノー。少し寝させてもらおう。

 

「こんにちは」

 

「お前が出てくると寝た気がしないんだよ黙ってすっこんでろ」

 

「まあまあ…いえ、現実世界のあなたを見て…くっ、あ、駄目だ笑っちゃう」

 

「ドレミー、お前明日からどっさんにするからな」

 

「それならドッスンが良いです。」

 

「感性とかある?」

 

「それはそれとして…たまには素直に甘えてみては?」

 

「うっせ夢の住人」

 

「貴方の本音を話す貴方がここにいるのですが」

 

徹底的に俺を破壊する。本人に無許可で複製すんなぶち殺すぞ。あいや、俺には殺せねえんだったわ。しゃーなし、悪口で済ますか。月への通り道のくせに。で、俺に言いたい事は以上なようでドッスンは呑気に茶を飲んでいる。ムカつくわぁ…すんごいムカつく。素直に甘えるなんてこの歳で出来るかよ

 

「ご飯のおねだりは?」

 

「…この話はここまでにしよう」

 

「言っておきますけど私は起こしませんからね」

 

「やい夢食い」

 

「はい?」

 

「悪夢消して」

 

「…はぁ?」

 

「消さないならここで何もかもをさらけ出す。まずは上着から」

 

起きた。起きたら横に八雲紫が寝ていた。寝ている体は重いが仕方ない。抱えて無理やり体を起こさせ、背中を叩く。起きろ、飯の時間だぞ。食わせろ。しかし季節はどうなってんだ?少ししか寝てないはずなのにもう夕方…ついさっきまで昼飯時だったろ?…そういや最近寒いか…あ、もう冬か。じゃあなんで八雲紫は起きているんだい??

 

「…まだお昼寝気分よ」

 

「もう夕方だぜ」

 

「あら…あら!?え、あえ!?そんな、も、もう一泊!」

 

「んー…そ。食べるぞ」

 

「藍達に一日延長を頼まなきゃ…」

 

「おいお前何やってんだそれ」

 

「いくら私の式といえど、私と弟の時間を邪魔して良い資格はないのよ」

 

「えぇ…」

 

よくわからんが、まあ良いわ。うん。ナチュラルに弟呼びしてきたことも見逃そう。出てきたご飯を食べ、風呂へ…行くのはやめておこう。混浴とかされたら敵わない。水場では一応弱くなるんだから、あまり風呂場には行きたくないんだ。お前んとこの橙と同じだなと笑うと、八雲紫は不服そうな顔をして先に風呂場へ行った。

 

「…こっちからも行くから」

 

「うわっぁ!?」

 

「もう一度一緒に入りましょ?」

 

「濡れた手で触らないでくれる?ピリピリする」

 

「…はい乾燥させた!一緒に入りましょ!」

 

「もう混浴は避ける歳だろ!?」

 

「良いじゃない!姉弟水入らずでの一日なんだから!」

 

「摩多羅隠岐奈でも避けたんだぞ!?」

 

「っ…あいつ混浴しようとしたのね…!」




八雲紫「どういうこと?」
摩多羅隠岐奈「その件はもう亡霊ごとボコられたから良くない???」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。