白蓮「はい」
命蓮「…恥ずかしいのでやめてください」
白蓮「いやです」
「え、いや、えと」
「それは本当なんですか?では一体何故…」
「じゃあね!」
「逃しませんよ」
「ひいっ」
尋問の始まりである。くっ、どうして。一体どうしてこんな目に。まあ監視した俺が悪いけどさ。少なくとも、少なくともだよ?こんな目に遭うほど見てない。これが聖白蓮…待てよこの第一印象ならまずもって姉を自称する事はないのでは?…姉を名乗らないのにあれだけ強いなんて、まるで風見幽香みたいだ。それはそれとして尋問長いな。
「…。仏の考えは嫌いだ」
「そうですか?」
「そもそも妖に仏の考えは通じ…ているのか、そこの人外どもは」
「いいえ?たまにお酒を飲むので、やはりまだまだ…」
「へぇ。んじゃま、今度こそさよならでぇっ」
「これを機に仏教へ」
「嫌です」
「さあ、こちらに」
「ざけんなお前、力強!?」
俺の部屋へ連れ込む。こういう字面では駄目だが、さっさと身を翻し聖白蓮から距離をとる。あーばっちい。妖怪が尼さん連れ込むなんて馬鹿馬鹿しいし、存在としておかしい。まあそれは別として、俺も俺でバカだとは思う。でもね。離さないアンタが悪いんだ。俺は悪くない。八雲紫なら同意する。
「さて…どうします?」
「帰ってよ」
「帰してください」
「わかったよ…」
「ほら、こちらに来なければ帰せないのでしょう?」
ドロップキックで帰す。よろけた隙に蹴飛ばして帰す。そのままどうにか帰る。あーこっわ。また八雲紫に頼むっていう選択肢が出てた。いかんわ。おのれ八雲紫…あ、でもそうか。姉を頼るのは普通なのか。いや妖怪の普通ってなんだ?人間とは結構違うはずだけど…あー、うん。良いやめんどくさい。
「…たまには素直に甘えてくれない?」
「なんだよいきなり」
「久しぶりに昔の姿を見てたのだけど、随分と違うなーって」
「だからって甘えろと?」
「アンチ八雲紫協会だなんて遠回りな甘え方じゃなくてね?」
殴り飛ばすぞこのやろう。まあ良いわ。じゃあ人里に行こうとスキマ経由で出て行く。目の前に巫女が出ることを儚く期待してみるが…どうやら儚かったようだ。さて周りを見渡し、出会いたくないやつがいないことを確認。紫と手を繋いで飯処へ。あー駄目だ昼飯時だから全然空いてない。ウケる。
「…姉ちゃんの手料理が食べたいなぁ〜」
「え!?あ、あら、そ、そぉ?それじゃ、早く私の家にいきましょうか!」
「わーい」
「あ、その前に食材よね!?確か、えーと…そう、山葵が好きだったわよね!?」
「…そうだっけ?」
「あれ?」
山葵はあれだ、味全部変える力があるから好きで食ってたんだ。あの時は飯がどれも不味くて…。さっさと行ってもらおうか。八雲邸へと赴き、そのまま食卓に。藍と橙はいなさそうだが…どこにいるのやら。何が良いのか鼻歌を挟みつつの調理音が聞こえてくる。眠い。眠気を我慢してまで食う飯は美味いのか?ノー。少し寝させてもらおう。
「こんにちは」
「お前が出てくると寝た気がしないんだよ黙ってすっこんでろ」
「まあまあ…いえ、現実世界のあなたを見て…くっ、あ、駄目だ笑っちゃう」
「ドレミー、お前明日からどっさんにするからな」
「それならドッスンが良いです。」
「感性とかある?」
「それはそれとして…たまには素直に甘えてみては?」
「うっせ夢の住人」
「貴方の本音を話す貴方がここにいるのですが」
徹底的に俺を破壊する。本人に無許可で複製すんなぶち殺すぞ。あいや、俺には殺せねえんだったわ。しゃーなし、悪口で済ますか。月への通り道のくせに。で、俺に言いたい事は以上なようでドッスンは呑気に茶を飲んでいる。ムカつくわぁ…すんごいムカつく。素直に甘えるなんてこの歳で出来るかよ
「ご飯のおねだりは?」
「…この話はここまでにしよう」
「言っておきますけど私は起こしませんからね」
「やい夢食い」
「はい?」
「悪夢消して」
「…はぁ?」
「消さないならここで何もかもをさらけ出す。まずは上着から」
起きた。起きたら横に八雲紫が寝ていた。寝ている体は重いが仕方ない。抱えて無理やり体を起こさせ、背中を叩く。起きろ、飯の時間だぞ。食わせろ。しかし季節はどうなってんだ?少ししか寝てないはずなのにもう夕方…ついさっきまで昼飯時だったろ?…そういや最近寒いか…あ、もう冬か。じゃあなんで八雲紫は起きているんだい??
「…まだお昼寝気分よ」
「もう夕方だぜ」
「あら…あら!?え、あえ!?そんな、も、もう一泊!」
「んー…そ。食べるぞ」
「藍達に一日延長を頼まなきゃ…」
「おいお前何やってんだそれ」
「いくら私の式といえど、私と弟の時間を邪魔して良い資格はないのよ」
「えぇ…」
よくわからんが、まあ良いわ。うん。ナチュラルに弟呼びしてきたことも見逃そう。出てきたご飯を食べ、風呂へ…行くのはやめておこう。混浴とかされたら敵わない。水場では一応弱くなるんだから、あまり風呂場には行きたくないんだ。お前んとこの橙と同じだなと笑うと、八雲紫は不服そうな顔をして先に風呂場へ行った。
「…こっちからも行くから」
「うわっぁ!?」
「もう一度一緒に入りましょ?」
「濡れた手で触らないでくれる?ピリピリする」
「…はい乾燥させた!一緒に入りましょ!」
「もう混浴は避ける歳だろ!?」
「良いじゃない!姉弟水入らずでの一日なんだから!」
「摩多羅隠岐奈でも避けたんだぞ!?」
「っ…あいつ混浴しようとしたのね…!」
八雲紫「どういうこと?」
摩多羅隠岐奈「その件はもう亡霊ごとボコられたから良くない???」