アンチ八雲紫協会吸血鬼支部長   作:覚め

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海が命の始まりなら、冥界に海はなかろう。


冥界で花見

「んわっ」

 

「あら」

 

「幽々子〜、遅れてごめんね。私の弟よ!」

 

幽々子さんは何やら俺と八雲紫を交互に見てどこかへ行った。八雲紫の後をついていく俺だが、見るからに御屋敷なここなのだから門番くらいいるはずだ。おそらく招かれてない俺がいたらやばいのでは?まあ今更か。やばかったら門番が速攻で切り捨てるはず。いやでも八雲紫の近くは離れないようにするか。でっへへこれぞ八雲家の防衛術よ。八雲家の家系図にいないはずだけどな。

 

「藍は?」

 

「ここに」

 

「あ、いた」

 

「ちょっと見ててくれる?ここの庭師さんに説明通してないし」

 

「わかりました」

 

「…藍さんって俺のことどう思ってます?」

 

「紫様の弟」

 

うん、やっぱり。縁側に座り込み、日向で丸まってる橙を膝に乗せる。行為自体に意味はないが、俺が楽しいので良しだ。藍さんの膝に頭を預け、腹の上に橙を移動させ、至福のひととき。欠点があるとすればこれをやっていると次起きたら八雲紫に変わっていることくらいか。それ以外は心地の良いに尽きる。

 

「ふぁ…いかん寝るわ」

 

「左様で」

 

「さて…花見までにどれくらいかかる?」

 

「後…弟様はどっちの時間帯を使ってますか?」

 

「PMPA」

 

「後一時間ほどです」

 

「昨日から用意してたの?」

 

「まあ、はい」

 

偉いねえ。しかし主人がその最中に男とつるんでるなんて誰も思わんだろう。いや、八雲紫に限れば思える限りか。まあなんにしろ俺と言う部外者が入ったわけだが。すまん。俺も酒は持って来たんだ。月の光印の酒…はもう飽きたので。フランドールに協力を仰いだ破壊酒。酒以外破壊し尽くした上でまた酒にした酒だ。よくわからん?俺もわからん。

 

「ほいよ」

 

「わぁ…」

 

「ところで、今俺たちの目の前で刀振ってるのは?」

 

「ここの庭師です」

 

「…ああ、そう…」

 

「ところでこのお酒、飲んだら死ぬとかないですよね?」

 

「酔っ払うと支離滅裂になる。飲みすぎると死ぬ。普通の酒と一緒でしょ」

 

「どれくらい飲んだら…」

 

「全員一緒で2リットル飲めば死ぬ」

 

「…お返しします」

 

味は美味い。ただ死ぬ。飲み過ぎ注意。大体酒だな。ちなみに成分調査とか死ぬとかがわかったのはパチュリーという魔女のおかげらしい。らしいっていうのは…うーん。フランドールに投げたら帰ってきた結果だから、あまり知らないというのがあるからだが。ちなみにこいつ以上に酒らしい酒はないと鬼からのお墨付き。

 

「さぁ!始めるわよ!」

 

「妖夢〜」

 

「持って来ました!」

 

「藍も」

 

「はい」

 

「…起きろ橙。」

 

「んにゃ!」

 

「お酒は全員に行き渡った?」

 

「こら橙、お前はまだ駄目だ」

 

「…行き渡ったようね。じゃあ、乾杯!」

 

料理は美味しかった。藍さんが作ったのは勿論、ここの庭師が作ったご飯も。庭師なんだよな…?まあ良いが。庭師にしては美味しいご飯を作るものだ。八雲紫と二人で生きてた時代の俺に届けたいくらい美味い。酒は少しずつ呑む。一気に行くと酔い潰れる。酒は苦手なんだな。作るのは好きだけど。不味くても八雲紫が呑んでくれるし。

 

「んー…」

 

「弟様、お酒が」

 

「酔うと能力暴発するからねぇ…やめとこ」

 

「えー!?」

 

「うるさっ」

 

「酔わせたら可愛いのにー」

 

「後酔うと完全に空も飛べない」

 

ので、橙と戯れること数分。目の前に隙間が開き、その先には八雲紫。恐怖を覚え、退く。するとそこには酒瓶が。背後にいた庭師にはぶつかってしまい申し訳ない。しかしまあ、なんというか。能力暴発するから酒は控えろと言ったのは八雲紫だろう。もしやあれか?お姉ちゃん呼びの時みたく気絶の恐れがあるからか?馬鹿?

 

「幽々子さん…八雲紫が強制的にお酒を飲ませて来ます」

 

「駄目じゃない。いくら甘える姿が見たいからってお酒は」

 

「えっ」

 

「初めて会った時も言ってたのよ。弟はお酒が入ると甘えてくれるって」

 

「…あ、あれ〜?そういうこと言ったかなぁ〜?」

 

「声震えてるぞ」

 

まあそれは良しとして。振り返ると庭師…妖夢って言ったかな。妖夢がこっちに刀を振ろうとしていた頃だった。真剣白刃取り!ミスって体を浅く斬られる。俺なんで斬られてるの?何?酔うと魔性なうんたら?それはただの厨二病だよ?いやでも俺も今現在そんなものか。お仲間だな!そう言うと腕が斬られた。八雲紫も幽々子さんも驚きで固まっているらしく何の関与もしない。

 

「藍」

 

「あ、はい」

 

「妖夢ちゃん、おちついて?」

 

「ぅ〜…何だかぐるぐるします…でもこれの正体も斬ればわかるぅ…」

 

「完全に酔っ払ってるわぁ」

 

「両腕元に戻りました」

 

「良し。」

 

フランドールに協力を仰いだ酒に術式的なものをかける。魔法でもあるんだが、日本古来のものも混じっているのでよくわからないものになっているのだが、こうすることでこの酒は薬となる。目的となるものを少量飲むだけで破壊する薬に。つーわけで飲ませる。今回はアルコールを破壊するように指示した。俺の知らんアルコールまでは破壊しないでほしいが…

 

「あっ…ぁ…え?」

 

「もう!幽々子ってばこういうこと忘れてるんだから!」

 

「ごめんなさいね〜。妖夢ってばお酒に酔うと人を斬る癖があって」

 

「そんな奴花見に混ぜるなよ」

 

「まあ、そうなんだけど…ね。」




幽々子「参加したがってね…」
八雲紫「一体何故…?」
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