アンチ八雲紫協会吸血鬼支部長   作:覚め

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天子「私!?人里でご飯食べてるくらいしか地上には降りてこないわよ!」
紫苑「(嘘だ…私と遊ばないときもかなり地上にいるし拾い食いしてる)」


天人探し

「まあもうアンチ八雲紫協会やってる意味あるのかって言われたら首傾げるが」

 

とにかく探している。天人を。聖白蓮を連れて。どうやら貧乏神の妹の方と知り合いらしく、その天人の特徴を聞いているらしい。青髪、黒い帽子、白と青を基調とした服、自信満々な顔。後全体的に自信ありそう…と、うーん。特徴か?これ。態度って言った方がいいんじゃないかな。ちなみに聖白蓮は厄介そうなので布教をやめた。

 

「え、私貧乏神よりも厄介なんですか?」

 

「うん。組織の長とかはさ、組織ごと入ってきそうで嫌だから」

 

「なるほどそういう…」

 

「まあ普通に嫌な部分もある」

 

「えっ」

 

「さて…人里でよく飯を食べているらしいが。人里って以外と髪色多彩だな」

 

「私もですが…青はなかなかいないはずです」

 

「いないねぇ…」

 

幻想郷上のルールにおいて、人里内での争いは御法度。人を巻き込めば巫女がすっ飛んできて泣かされるという。ちなみに最近では博麗よりも恐ろしい巫女がいるのだとか。守矢かな?まあ、諏訪子の家系なら妥当ではあるが。アイツの血がどれだけ濃いかで変わっては来るが、まあ…あれだ。知らんよってこと。天人は飯食いに来てんだから飯屋巡ればいるだろ。

 

「うーす」

 

「すみません、私お肉がダメで…」

 

「そういうことは飯屋入る前に言おうよ」

 

「すみません…」

 

「…いやでもここサラダあるからここにしようぜ」

 

「えっこれお酒が」

 

無理矢理入らせる。テーブル席で、ごゆるりと。俺はそんなに食える腹ではないけど、それでも八雲紫から開放されてからも動いてたのでまあ多少は食えるはずだ。食えなくても最悪俺の部屋に転送すれば…。聖白蓮の前でそれは悪手かもしれん。俺もサラダを頼もう。季節のもの混ぜ混ぜサラダとかいう頭の悪そうなメニューで。

 

「肉入ってるのにサラダなのか」

 

「すみません…私のところのお肉をお届けします」

 

「お前失礼以前にはしたないと思わんのか?」

 

「これも仏教の教えですので…」

 

直後、大きな声。怒号でも罵声でもない、酔った勢いで出た、なんだろうか。女の声。しかし昼から酔っ払うとは、時間に余裕があるのかな。それとも一日暇なのか…あ、八雲紫も該当するわ。いやでもあいつ、夜か花見の時しか呑まないよな。どちらかといえば酒を飲むのは俺が拉致した妖精…まあそもそも妖精は時間なんて概念持ってなさそうだが。

 

「今の声は…村雨?」

 

「ムラサ?よくわからんが…知り合いか?」

 

「ええ。命蓮寺に所属している私の友人なのですが…」

 

「声の様子だけでいえば全然酒に酔えてる感じだな。良いの?」

 

「すみません、少し席を外させていただきます。お代はここに。店の前で待っていてください」

 

「…まあ、サラダ食い終わってるなら良いか」

 

その後、店の前から衝撃波のような怒号が飛び、俺は少し身震いした。閻魔様に初めて怒られた日を思い出す。八雲紫と一緒に遊んでいたら閻魔に二人共々怒られたのだ。八雲紫はともかく、俺はその時八雲紫が手に入れた死体やらなんやらで生きながらえていた雛鳥みたいな妖怪だったのになぜ説教を喰らうのか。これがわからない。

 

「…ふぅ。聖白蓮、終わったぞ」

 

「村雨、帰ったらお話の続きですよ。

 

「はい…」

 

「さあ、天人さんを探しましょうか」

 

「ういよ」

 

「しかし、村雨がお酒を…何度目でしょうか…」

 

「破戒僧…いや尼さんか。」

 

「そろそろ本気で怒らなければ…」

 

「あ、あれで本気じゃないの嘘でしょ?」

 

それでサラダひとつの飯で済ませるって、どんなエネルギー効率してんの?なんかこう、おかしいよ。お前一応生物でしょ?あ、でも人外か。それに魔法使いでもあるらしいし。嫌だとしてもおかしい。それはおかしかろうと思われます。まあ良いや。しかし青髪ってのも探してみるとなかなかいないようで。

 

「わ、天狗」

 

「わっ」

 

「あ、すまん」

 

「急に抱きつくのはやめましょう」

 

「八雲紫にはこういう態度だったし」

 

「…どういう関係なんですか?」

 

「古い付き合い。自称だけど、あいつは俺の姉らしい」

 

「はぁ…私にも弟がいました」

 

「死んじまったか」

 

話を適当に聞き流す。天人はいない。黒い帽子に青髪なんて、目立って当然だが。はてどこにもいない。小休憩と題して二人して壁に寄りかかって…いや聖白蓮は直立不動だが。そんな状態でようやく聖白蓮の話は終わったようだ。ここまでそもそも青髪と出会ってすらないのだが、あの貧乏神達の言うことは本当なのだろうか。少し不安になってきた。

 

「…何故天狗を見て怯えたのですか?」

 

「昔は虐められてたからねえ」

 

「あぁ、それは…」

 

「ところであれは命蓮寺の妖怪では?」

 

「どこですか?」

 

「ほら、あそこの。黄色い髪で…なんか、肉食ってる」

 

「…また席を外させていただきますね」

 

「うい」

 

まーた命蓮寺の奴だよ笑えないな。衝撃波のような声がまた響く。さて。俺はどうしようか。天人が見つからないのであれば仕方ない、帰って寝ようか。それとも命蓮寺で少し世話になろうか。実は今腹が一杯なのだが、このまま寝るのはちょっと。少し動くならやはり命蓮寺か…行くか、寺。今日の感じで行けば自称姉は存在しないだろうし。皆杞憂だなぁ。

 

「…仏教徒なのに酒飲んで拗ねてるのか、お前」

 

「ふん…いや悪いのは私だけどね。少しくらい飲んでも良くない?」

 

「あら、少しのお酒であんなに大声が出るのなら、もうお酒は禁止するしかないわね」

 

「っ…」

 

「正座何時間目?」

 

「六時間目…」




聖白蓮「え?亡き弟を他人に重ねてその他人を弟に?あり得ない…」
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