青蛾「(なんでこいつ一緒に朝食食ってんだ…?)」
布都「(なんでこいつ一緒に朝食食ってんだ…?)」
芳香「(飯食えねえ…)」
屠自古「ちゃんと食べれるか?」
霞野「少食だからって顎が退化したわけじゃないからね」
「美味しかったー」
「ん、それは良かった」
「可愛らしい妖怪ですこと。貰っても?」
「お、未曾有の災害出すか?」
青蛾さんとの会話は程々に切り上げ、どこかへと屠自古さんはどこかへと行った。俺はそれを無視して、果て何をしようか思案することに。幻想郷にこんな数の知り合いがいるのだから、あと何人かは知り合いがいても問題なかろう。つーかいるだろ。そんなことで頭を埋め尽くしていると、青蛾さんが何やら話しかけて来た。
「貴方は若返ったりしないの?私の知る吸血鬼と違って随分と老けてるけど」
「妖怪の在り方だ。たまに例外がいるが、基本精神年齢に引きづられるはず。それ以外は知らん」
「なるほど…」
「というか、俺は和製吸血鬼だからな。他とは違う」
「え」
「日本生まれ日本育ち。わかった?」
驚いたような顔でこれまた青蛾さんもどこかへ消えた。そうなるとこの場において俺の話し相手はいない。久しぶりに運動でもするかとこたつから抜けて庭へ。俺の部屋からサンドバッグを取り出して…吊るすやつ無いから無理じゃね?いやでも…無理か。吊るさずに出来るかな?とりあえず目は付けておくか。
「…何をしておる」
「見てわかりませんか布都さん。サンドバッグでリフティング」
「カタカナばっかじゃ…これからこの国は一体どこへ」
「随分とジジイくさいやつだな。俺の姉を自称する奴に教えてやりたいくらい」
「何を言っておる、身内は大事にすべきじゃ」
「どーだか。俺が認めてる近親者は屠自古さんと八雲紫だけだよ」
「…そうか。やはり主らはそういう関係で…ああ待て、もちろん他言無用じゃろう。安心せい、言いふらしたりはしない」
「屠自古さんに甘えてた時期はなぁ…あれだ。天狗の巣でいじめられた後だな。鬼さんの支配者抜けたらいじめられた」
「格差社会かぁ」
布都さんの話を聞き流し、サンドバッグをしまう。そろそろここを出ようか。なんの用事もないが…あ、アンチ八雲紫協会。屠自古さんを勧誘しようかな。会長母…ダメだ。あいつらに何言われるかわかんね。特に風見幽香。まあまあ、個人で会いに行けば良い話だから。それじゃあ屠自古さんに別れを告げて、…どうやって帰るんだ、これ。
「ここに目をつけるのは無しだよ」
「うわっ…え、そういうことわかるの?」
「耳が良くてね。今気持ち悪とか思った?」
「…さとり妖怪みたいで気持ち悪」
「言葉でも言った!?」
まあとにかく。俺の部屋を経由して行けば良いわけだ。ちなみにこの理屈を言うと豊郷耳に『まるで仙人だな』と言われた。まあ知らんが、仙人も結界を操るらしい。ちなみに俺の結界術は八雲紫直伝。この部屋を作った時も八雲紫に見せており、八雲紫はこの部屋に自由に出入りできるのだ。…俺ってまだ八雲紫と暮らしたかったのかな?見せる意味ないのに見せて…なんでだろ。
「八雲紫と喧嘩でもしようかな」
「…それ、紅魔館でやるつもりなの?」
「どっちが良い?」
「やったら本気で殺しに行くわよ。フランと」
「おーこわ」
「要するに、姉離れが出来てないんでしょ。さっさと離れなさい」
「今の言葉そのままフランドールに伝えてくるわ」
「私たちは別。まだ幼いもの。と言うかまずなんでウチのバルコニーにいるのよ。不法でしょ?」
普通百年以上生きてれば精神的にはかなり成長するはずなんすがね。わかってるか?…まあ良い。まあ良いさ。幼い同族のためにもやめてやりますよ。多分やるとしてもスキマの中だろうけど。ちなみに俺はスキマの中は嫌い。あれだけ目があると、自分がどこに仕込んだか忘れるんだよね。後端が無いに等しいし。有限の空間であれよ、気持ち悪い。殺すぞ。
「…じゃあ、喧嘩する同胞に一言アドバイス」
「何?」
「殴られる寸前、泣いてみなさい。」
「悪いがその手は既にやった。喧嘩自体は何度もやってたしな。八雲藍がついてからはしたことないけど」
「あら、ほうなの。いやでも本当に、紅魔館を巻き込まないでくれる?」
「巻き込むならアンチ八雲紫協会だけだ。つまりフランドールを遠ざけておけ」
「…最近咲夜も興味を持ち始めてるのよ?無理でしょ」
「あのお嬢さんに渡したことはあっても勧誘した覚えはないが?」
「ポスター貼っておいてよく言うわ…」
瞬間、首元に槍が来る…わけもなく。腕を振り始めた段階でさっさと反対側に行くのがベスト。こんなところで死ぬほど弱くないが、お前と戦って生き延びる確信があるほど強くはない。八雲紫なら自信がある。というか、初見は無理なだけ。八雲紫の戦い方をどれだけ見てきたと思っている。ある程度の癖は覚えてはいるのだ。
「速いのね」
「…次やったらここ巻き込むからな」
「ごめんって」
「しかしだレミリア嬢。俺も八雲紫の攻撃を喰らえばひとたまりもない。逃げ場程度には活用する」
「巻き込むなって言ってんでしょ!?」
「…いや、姉に俺の出会った奴らを見せてやりたいだけだ」
「それは巻き込んでるって言うのよ」
「だーまーれ。お前、姉にするぞ」
「え、今の何?脅し?馬鹿馬鹿しい脅しね」
「ちなみにここの賢者はほとんど俺の姉を自称している」
「マジで?身内最強じゃない」
さていつ喧嘩しようか。恐らくは最後の喧嘩になるんじゃなかろうか。屠自古さんと出会ったことで、何かこう、初心を戻せた気がする。要は俺は、寂しがり屋というだけだ。なんとも嫌な自覚だ。なんだかな。同じような立場のフランドールにでさえ理解をもらえない意見だというのは既に理解できているので。共感を得るのは不可能だと理解している。
「俺の喧嘩が見たければいつでも見せてやる」
「ええ…」
「ただ事前申し込みが大事でな」
「パチュリーかフランドール辺り以外は興味もないわよ」
華扇「(私も姉を名乗ったから参加して良いよね…)」
摩多羅隠岐奈「(私も姉を名乗ったから参加して良いよね…)」