アンチ八雲紫協会吸血鬼支部長   作:覚め

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日常に非ずんば、非日常に非ず。
お姉ちゃん選択ルートにおいてバッドエンドは華扇でごわす。


日常

「姉さ〜ん」

 

「何〜?」

 

「俺の服は?」

 

「全部コレよ」

 

「…全部?」

 

俺が手に握るのはいつぞやの道士服。八雲紫の服で紫色のところが緑になっている。姉さん曰く、『私を私たらしめて、貴方を貴方たらしめる色よ』と言われた。よーわからん。ベロの話か?まあでも別に良いか。濡れてないから弱体化もない。まあ濡れてる服自体俺は嫌だが。腕を組んで藍の真似をする。んー、あんまり面白くない。

 

「霞野」

 

「苗字呼びなんだ」

 

「ちょっと友人巡り」

 

「また酒?」

 

「酒じゃないわ。今度は会食!」

 

目的地は地底。萃香さんの所らしい。俺も連れられワイワイガヤガヤうるさい鬼の住む場所へ。勇儀さんにすんごい驚かれて背中バンバン叩かれた。痛い。姉さんの近くにいながら勇儀さんに背中をバンバン叩かれるため、両名からのアレコレが。姉さんからは頭を撫でられ、勇儀さんに背中を叩かれる。いかん。もうそろそろアザになりそう。

 

「勇儀さん、そろそろ背中痛いっす」

 

「お、すまんすまん!いやしかし…お前の姿をあいつ(華扇)が見たら泣くだろうな」

 

「え、泣くんだ」

 

「それくらい大切なんだよ。ところでどうだ、私を姐さんと」

 

「駄目」

 

「…姉さん酒の臭いすごいから近づかないで」

 

「あぅっ」

 

「駄目かぁ…ま、仕方ないか」

 

そう言って姉さんが怒りながら俺を引きずってどこかへ行く。次はどこだろうか。そうだなぁ…幽々子さんのところとか、それこそ博麗の巫女とか。摩多羅隠岐奈のところもありうる。というわけで次はどこかと聞けば、どうやら予想は外れ。そのままベッドインらしい。は?意味がわからない。そこから謎の説教が始まった。

 

「貴方のお姉さんは私なの。」

 

「華扇と摩多羅隠岐奈は?」

 

「養姉よ」

 

「あ、そう来るんだ」

 

「私的には養護施設か託児所のつもり」

 

「華扇には感謝してるよ?摩多羅隠岐奈はそんなだけど」

 

「私もね。天狗から守ってくれたのは感謝してる。だから姉を名乗るのを許しているし」

 

「そういうシステムなんだ」

 

途端に腕を掴まれる。かなりあざが残りそうなほどに強い力だ。そこからふっと力が緩んだと思えば急に泣き出した。酒が入っているのか?それともこれが素面なのか?おかしいな…俺は姉さんが泣いたところを一切見たことがない。いやまあ、嘘泣きとかよよよとか言って泣くのは見たことはあるが、涙を流す方は見たことがない。

 

「姉さん?」

 

「本当のことを言えばね。別々が嫌なのよ。霞野がどこかにいて、それこそ…風見幽香みたいな奴に出会って危険な目に遭って欲しくないから。」

 

「はえー」

 

「もっと言えば一つになりたい。比喩なしに」

 

「本当にできるんだから困る…」

 

「なんで月に住んでたのか。なんであの時私を謀ったのか。疑問はいっぱいだけど、それ以上に失いたくないの」

 

「だから姉はもう増やさない、と?」

 

「当然。」

 

そこまで行った後に姉さんはどこかへ行った。ただ布団に置かれた俺の体が藍に拾い上げられ、立たされるまでの間に言われたことの整理に勤しんだ俺は責められなかろう。姉弟の考えとしてはほとんど一緒なのだ。確かに月の戦争で仲間は死んだ。確かに恨んでいる。でも俺は姉さんが大好きだったし、姉さんが死なずに戦争が済んだことに安堵していたわけでもあり。

 

「もしかして俺ってめんどくさい…?」

 

「紫様よりは」

 

「そー?藍もすまんね、急に住むなんて言って」

 

「弟様はしっかり者なので…それを除けば歓迎しますよ」

 

「除けばって言った?普通そこが歓迎されるでしょ?」

 

「まあそれは私の好みの問題ですが…」

 

「主人等に好みを求めるな。そんで?姉さんはどこ行ったんだろ」

 

「私は何も。一応これでも紫様不在の時は弟様の面倒を頼まれていますので」

 

「…俺の面倒を見るのは姉さんが良い〜」

 

「はは…(弟様の面倒を見る)紫様のお世話がわたしもしたいです」

 

「なんか今意味変じゃなかった?」

 

「何を言いますか」

 

藍が作業に熱中し始めた頃、椅子の上で俺の頭が船を漕ぎ始めた。ガクンガクンと揺れつつある俺の頭をなんとか支えようと頑張る俺の首はかなり褒められるべきだろう。そしてついに船を漕ぐのをやめて沈没船のように動くことさえやめ始めると顎を固定されたように顔を起こされた。寝ぼけた頭なので全然わからないが、藍は目の前にいるはずだ。

 

「お姉さんのお帰りよ。ほら、ちゃんと起きて」

 

「んぁ…」

 

「寝るなら私と一緒か私の体を枕にしないと嫌でしょ?」

 

「あー…流石に寝ぼけてもそうはならない」

 

「失敗か」

 

「合ってるのが二つしかない」

 

「!?!?!!!?!?」

 

「ちなみに藍と華扇の膝枕でも可」

 

「は??」

 

「私を巻き込まないでもらいたい…」

 

そこから。淡々と時間が過ぎて行き、俺の頭は船を漕ぐ代わりに姉さんの膝に移動した。眠過ぎて何もする気が起きず、一瞬思いついたことも忘れ去ってしまう。だって頭の中に霧があるような感じで、何も進まない。そのまま寝るのはアレなので、歩いていようか。いや駄目だわ。起きれないくらい眠い。死ぬわけじゃないんだけど、本当に眠い。

 

「あー、眠そうな私の弟可愛すぎ」

 

「紫様…お仕事はしてくださいよ」

 

「わかってるわよ。じゃあちゃっちゃと布団に入れてくるから」

 

「…私も眠いなぁ」

 

「藍は自分で寝なさいよ?」

 

「…じゃあ弟様と一緒にねてきますね」

 

「霞野に危害加える奴皆殺しだからね〜」




最終回ってことでね。
ちなみに霞野の周りからの評価は「なんとなく八雲紫に似てる」です。
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