「よっ」
「きゃっ吸血鬼」
「お前もだろ、フランドール」
実は前回襲われた時に仕掛けたのだ。気付かなかったかな?言ってないから気付かなくても当たり前だけどね。え?服にはつけないって?まあこいつの場合、服に目をつけても大丈夫なところ多いし。なんならこいつ吸血鬼だから、着替えるとも思えん。つーか吸血鬼って裸になる時あるのか?俺はあるが、西洋の奴らは知らんぞ。
「アンチ八雲紫協会入らんか?あくまでもアンチは八雲紫個人で、幻想郷のシステムに氾濫する気がなければだけど」
「…肩書き長くない?」
「仕方ないだろつい最近までは俺と博麗の巫女とで二人だったんだぞ」
「博麗の…ああ。なら入るわ」
「お、まじか。」
「ちなみにその博麗の巫女はどんな肩書きなの?」
「アンチ八雲紫協会人間支部長」
「…短いんだか長いんだか。よくわからないわ」
ちなみにフランドールが入ると、そうだな…強さ的には申し分ないから、アンチ八雲紫協会吸血鬼支部長か、アンチ八雲紫協会副会長かのどちらかを進呈しよう。会長はダメ。お前子供だから。いやだって、子供に責任負わせるのはさ。こう、倫理的に危ない行為ではあると思うんだよね。普通に。
「あ、そうだ。ちょい失礼」
「や、どこ触ってるの!!」
「あだっ!?」
「いきなり胸元触るとか、マナー以前の話でしょ…」
「そこに目を仕込んだ俺はどうなるんだ」
「目?」
更に説明。俺の能力は素晴らしいぞ!君もレッツ監視下!ってね。普通に引かれたし、つけてた件でもう一回叩かれた。これやる順番間違えてなかったら叩かれるの一回で済んだのではないか?…いや、過去のことを心配するのは良いか。たられば嫌いだし。そんなこと言っても後の祭りだよね。あ、フランドールさん、ちょっと離れないで。
「吸血鬼支部長なら喜んで入るわ」
「野望があるように見えたんだが」
「そうすれば、私の姉が入っても私の下は逃れられないでしょう?」
「…あいつ会長狙ってきたから副会長くらい取るんじゃないか」
「そこは貴方がなんとかしてよ」
「おっしあいつ二人でボコそうぜ」
「疲れるからパス」
「…2対1なら負けねえんだってまじで」
「それで威張らないで恥ずかしい…協会抜けようか?」
「いや?一生退会できないぞ」
嘘、と小さい悲鳴の後でなんたらかんたらと喚いていたが知らん。俺は説明してないだけで、聞かなかったお前が悪い。よって俺は悪くない。オーケー?まあそうとして、俺がここに入った時からどうやら外が騒がしい。なんだろ、侵入バレた?そんなバカな…どうやって気付いたというのか。フランの中から出てきたような俺の侵入なんて、それこそ魔女くらいしか気付かないと思うが。
「妹様から離れなさい、そこの吸血鬼」
「おっと、あぶない」
「…で?用件だけなら命の代わりに聞いてあげるわ」
「私を勧誘しにきただけよ」
「妹様を…?一体どんな自滅願望があるんですか?」
「は?」
「冗談です」
なんだろ、問われたはずの俺が蚊帳の外で、あいつらだけで会話成立してる気がする。今のうちに逃げるか。んー…レミリア嬢の寝室の前に目を置いてあったはずだが。あ、なんか壺で目の前塞がれてる。なんだよ実力者は全員気付くのか?いやそうなると摩多羅隠岐奈が弱くなるな。偶然だろ偶然、別の目から出ましょ。
「よっと」
「あら、不届者を翼で摘んでしまったわ」
「翼から出れば気付かれないと思ったんだ」
「このまま美鈴ににんにく料理を作ってもらいましょう。鼻栓は…」
「ちょい待て、俺は俺の話をしに来ただけだ。というかさっさとでないとやばい」
「フランに何かしたのね」
どうにかして抜け出す。あっぶねー!死ぬかと思ったぜ?いや死んだことないから寸前を知らんが。あーでも、骨何本折れたのかな。よくわからんよ俺には。というかさっきの翼で締め上げたやつ、どうやったの?翼にそんな力入るとは思えないんだけど。鍛えたわけ?吸血鬼が、翼を?…いや翼で飛んでたらそうなるのか。
「貴方、吸血鬼なのに欠如してるものばかりね」
「それを踏まえた上で、同族に話そうとしてるんだ」
「それが人の翼から出た理由?」
「どっちでも良いでしょそこんところは。まあ大事なのかもしれんけど」
「そもそも。紅魔館に仕掛けて欲しいなんて頼んだ覚えがないのよ」
「…バレてた?」
「館の中に6個。違う?」
「んー…待って俺の知らない奴が一個あるな」
「あ、ならそっちは八雲の方かしら」
気が合うのか合わないのか。八雲紫が監視していたから俺がここに来ても何も言わなかったのか。八雲紫の手のひらで踊りたくはないが、頭の良さで俺があいつに勝てるわけもなし。面倒ごとは何千年も前から八雲紫に投げてきた俺なんだから、こういう事態に出会ってどうするか見当もつかん。まあアンチ八雲紫協会も育ってきたから、いざとなれば助けてくれるでしょう
「それで?貴方自身の話は?」
「俺が翼無くした経緯とか、失明した経緯とか、八雲紫と出会った経緯とか話そうかなって」
「…惚気話なら間に合ってるから。帰って」
「あいつの昔の姿とか気になるでしょ?」
「ならない」
「弱みとか」
「そんなものに頼るのは弱者のすることよ」
「…まあ良いや。昔の日本だとな、俺ら吸血鬼は天狗の仲間だったんだ」
「あら、そういう話なら大歓迎よ」
八雲紫「勝手に話さないでー!」
摩多羅隠岐奈「興味あるから聞きに行こうかな」
八雲紫「やめてー!!」