FOXに脳を焼かれた、PMC兵士達のお話   作:アッポラピッタポン

3 / 36
ちょっと間延びしてるかも


監視任務

 

 

 

どうしてこうなった?

 

 

それが、警戒対象を追跡していたら対象が遭難しており、熱中症になりかけている所を観測していたRAPTOR小隊の総意だった。

 

「街の中で遭難するとは……」

 

「見た所、地図どころか水筒すら持っていない様に見えるのですが?」

 

思わず声を漏らしたRAPTOR6に対して、RAPTOR8が余計に絶望的な情報を追加してくる。

正直に言って、余り聞きたくなかった。

 

「救助しますか?」

「だが、存在を知られる訳にも……」

「見殺しにする訳にもいきませんがね……」

 

「ん?対象の後方より何者かが接近してきています!」

 

救助するかどうかという人道的な面で悩んでいたRAPTOR1が思考を断ち、双眼鏡を覗き込む。

 

見てみると、自転車に乗った生徒がシャーレに水筒を渡していた。

「……救助の必要はなさそうだな……」

 

「え、口つけて飲んでません?あれ」

「限界だったんだろ……それでも俺ならやらんが……」

「写真に撮って、クロノスにでも……あの子アビドスの子じゃないですか?」

 

校章ついてますよ?というHOMEの言葉に、全員が凝視する。

……側から見ると女子高生を凝視する、大人8名という絵面になっている事は本人達は考えもしなかった。

 

「大人をおんぶして自転車で移動って……」

 

「相変わらず、ああいう面では羨ましいな」

 

「にしても、パッと見ると誘拐犯にしか見えんな……」

 

「てか、メチャクチャ速くないか!?早く追いつくぞ!」

 

あまりにもあんまり過ぎる移動方法に溜め息を漏らしつつ、RAPTOR小隊は

凄まじい速度で離れていく自転車を追うのだった。

ちなみ、アビドス生がいるのだから近いと思っていた学校は、自転車を漕いでいるのが軽く200kmを走る怪物だったために、あまりに離れており後悔する事はまた別の話……

 

 

 

なんとかアビドス高校にたどり着いた隊員達は監視のために、狙撃地点の確保やセンサー、カメラの設置を始めようとしたのだが……

 

「HOMEよりRAPTOR隊へ、そちらに中規模の部隊が接近中です。作業を中断して下さい」

 

「……こちらRAPTOR1、恐らく理事の雇っているヘルメット団だろうな……敵ではないとはいえ、バレるのも問題だな……各員はすぐに戦闘予想場所から退避しろ」

 

「アビドスの連中の戦闘力を測るには絶好の機会ですね……」

 

「念の為、持ってるカメラ付けとくか……」

 

手持ちの機材をなんとかつけ終わった時、アビドスとヘルメット団の戦闘が始まった。

隊員達は廃墟の陰から盗み見る様に見守る。

 

「……流石に5人で学校を守り抜いてきただけはあるか……」

 

「高校生の動きだとは思いたくありませんね……」

 

「まったくだ、特に厄介なのは……」

 

「自転車娘と暁のホルスだろ、動きが違う」

 

「……天性の才能って奴か……嫌になるな……」

 

「にしても、ヘイローの無い生身の人間が前線に立つか……」

 

「オレらからしたらチビりそうな話だな」

 

「恐怖心が無いのでは?」

 

あっと言う間もなく、ヘルメット団が壊滅し、残党が逃走して行く。

 

「……戦闘終了か……いや、追いかけてアジトの追撃戦か……」

 

「合理的ではありますが……誰も負傷してないというのは恐ろしいですね」

 

「普通なら1人くらいは離脱するんだがなぁ……」

 

「あれはチンピラにどうにかなるレベルじゃないでしょう」

 

「……そうだな、理事は傭兵でも雇うのかもな」

 

いつの間にか、アジトについており、戦闘を開始したアビドスの面々をドローンで見ながらRAPTOR1は命令を出す。

 

「……まぁいい、ここからは8時間交代で監視する、良いな?」

 

「では、最初のメンバーは誰に?」

 

「あぁ、まず————

 

 

 

 

 (数十分後)

 

 

 

 

「……こちらRAPTOR1、RAPTOR3現状を報告せよ」

 

『RAPTOR3……特に異常なし、はぁ……あっついなぁ……』

 

「……すまないな、我慢してくれ」

 

『いや、別に気にしてはないんだけど……』

 

『今どきお前のツンデレとか需要ないだろ』

 

『同感です……RAPTOR1、機材の設置は終了しました』

 

『RAPTOR1、射撃許可は出てるのか?目の前に的が2つもあるんだが?』

 

キレ気味の自隊唯一のスナイパーにため息をつくRAPTOR1

「…………RAPTOR3止めておけ。RAPTOR2、RAPTOR8もふざけるのは止めろ、俺はお前らの葬式に出る気はない」

 

『RAPTOR2了解、いや悪かったって』

 

『RAPTOR8了解しました。流石に悪ふざけが過ぎましたか……』

 

 

「……基本的には周辺を監視すればいい、連中が遠出する際は索敵用のドローンを使え、無理に動いても気付かれる、何かあれば連絡しろ」

基本的には基地にいるからな、という言葉に3人が反応する。

 

『って事は、隊長は監視任務につかないんですか?』

 

『……サボりか……』

 

『まったく、オレらは暑い中見張ってるてのになぁ?』

 

「……書類の手伝いをしてくれるなら大歓迎だが?人手は多い方が良いからな」

 

 

『『『……通信を終了します』』』

 

(ガチャッ)

 

「はぁ……部下の教育を間違えたか?」

 

「お疲れ様です、手伝いましょうか?」

 

疲れた身と心にHOMEからの申し出は染みる様にありがたかったが……

 

「いや、俺しか処理できない書類ばかりだからな……」

 

と断りを入れ、仕事の山と向き合う。

 

「……まぁ、クーラーがあるだけマシだな……」

 

と力なく笑い、ボヤきながら仕事を始めるのだった……

 

 

 

 

 

 

シャーレ監視報告書

 

1日目

代表報告者 RAPTOR2

RAPTOR1離脱後、ヘルメット団の壊滅を確認、戦力は殆ど残っていない様に見える。

だが、残党を率いて何かを企んでいる模様。

監視対象については相変わらず武器も無しにそこらを歩き回っている。

本人から持ち物に何らかの仕掛けが働いている可能性が高い。

アビドスの戦闘能力は3大校に比べれば劣るが、個人の力は高いと断定出来る。

特に『暁のホルス』こと小鳥遊ホシノの戦闘力は各校代表の戦闘力に遅れはとらないだろう。

なお、小鳥遊ホシノは夜間パトロールを行っている、遭遇しない様に注意されたし。

 

 

2日目

代表報告者 RAPTOR8、HOME

アビドス高の1年性である黒見セリカが朝から飲食店でアルバイトをしている事を確認、この自治区の住人には退去命令が出ている筈だが、未だに店が残っていた。退去命令を把握しているのかは疑問である。

 

ヘルメット団による誘拐が発生、対象は黒見セリカ

帰宅途中にヘルメット団に囲まれ、後頭部にFlak41改が命中し気絶した模様

ヘルメット団は黒見セリカを乗せ、アビドス砂漠方面に向かった。

以後は監視を交代し、報告者が変更される。

 

 

3日目

代表報告者 RAPTOR5、RAPTOR6

アビドスの生徒達が夜通しをかけ、誘拐された黒見セリカを発見、救助された。

だが、黒見セリカをどの様な方法で発見したかについては疑問が残る。

アビドスの面々が夜間中に校舎から離れていないのは監視員全員が確認している。考えたくもない話だが、シャーレが権限により、座標を確認した可能性も挙げられる。

補足だが、アビドスが回収された残骸から違法な兵器である事を察知した疑いがある。

 

逃げ出したヘルメット団の残党が何者かの手によって壊滅していた事を確認

RAPTOR1へ緊急連絡をしたところ、理事によって新しく雇われた傭兵である事を確認、以降ヘルメット団の監視は中止し、便利屋68(シックスティーエイト)の監視を開始する。

実力は申し分ないようだが、依頼を受けた組織での爆破率の高さは関係があるのだろうか?

 

 

4日目

代表報告者 記載無し

 

緊急事態発生を確認

アビドスがブラックマーケットに接近中

進行ルート上に基地を確認

各員は警戒を厳とし、細心の注意を払え。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




誤字脱字ありましたら、報告下さい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。