Rebirth Of Gashly   作:KUNIEDAの植木鉢

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本編で描写が無いのなら、オリ設定で盛り放題。
古事記にもそう書いてある。


黒い霧の怪人

「・・・」

 

深夜、人通りのない通りを歩く影。

長身で全身黒づくめ、顔は真っ白な仮面で隠され、おまけに傘と本を常に持っている。

見るからに怪しい格好だが、その正体は不審者なんてレベルではない。

 

「いたぞ!!」

 

影の前に降り立ったのは5人の男女。

彼らは、通報を受けて駆け付けたヒーローである。

 

「リ、リーダー!こいつは・・・」

 

1人の男が、動揺したようにリーダーに目をやる。

目を向けられたリーダーの方も、黒い影を見て動揺しているらしかった。

 

「マジかよ・・・!て、抵抗するなよ!大人しく牢獄に戻れ!”嬰児樹“ギャシュリー!」

 

影の正体は“嬰児樹“ギャシュリー。

オール・フォー・ワンによってタルタロスから解放された凶悪(ヴィラン)の一人である。

 

「・・・」

 

仮面に空いた穴が、ヒーロー達の方に向けられる。

言葉を発すること無く、その凶悪な個性が発動される。

 

足元に霧が展開され出したのを確認したリーダーは、戦闘を開始する。

 

「いくぞ!取り押さえ──」

 

リーダーは仲間に指示を出そうとしたが、その声は途中で止まる。

 

「お、おい・・・!?」

 

一瞬目を離した隙に、仲間達は全員地面に倒れ伏していた。

何をされたのか、さっぱり検討もつかない。

 

「お、おい!起きろっ!」

 

ギャシュリーから目を逸らさないようにしつつも、リーダーは仲間達を起こそうと試みる。

 

その様子を見つめるギャシュリーは、どこか楽しそうな雰囲気を纏っていた。

 

 

「・・・」

 

パタン。

 

ギャシュリーが手に持っていた本を閉じた。

それと同時に、ヒーローの体が動き出す。

 

「おい、大丈──ひっ!?」

 

一瞬、仲間が目を覚ましたのかと思ったリーダー。

しかし、痙攣するように奇妙な動きをする仲間達を見て、その可能性が低いことを悟った。

 

「お前っ!一体何しやがった!!」

 

怒鳴りつけても、ギャシュリーは無言のまま。

仮面をつけているので表情は分からないが、リーダーはニヤニヤと笑っているように感じた。

 

そして、ヒーロー達の体が一際大きく震えたかと思えば、次の瞬間、その肉体が弾けて飛び散った。

 

「うっ・・・おえっ・・・」

 

仲間の内臓やら体液やらが、リーダーの体にまで飛んできた。

まだほのかに温かいそれを払い除け、吐き気を堪えてリーダーはギャシュリーに飛びかかる。

 

「お前ぇぇぇっ!!」

 

しかし、それを阻む4つの影。

 

「マァぁぁまぁァァ・・・」

 

「えウぅ~あうゥブぅ~」

 

「キャッ、キャッキャッ」

 

「えへヒ、エふへひっ・・・」

 

4つの死体の中から這い出てきたのは、赤子のような姿をした異形。

全身がぶくぶくと膨れ上がり、奇妙な泣き声をあげながら襲いかかってくる。

 

「クソッ、どうなってんだよ!」

 

一体どこから、コイツらは現れたのか。

奴の個性で現れたのは間違いないが、情報によればあの化け物は足元の霧から生み出すものであるはず。

 

「・・・」

 

ギャシュリーはリーダーから目を逸らし、4人の死体に目を向ける。

内側から破裂した(・・・・・・・・)ような状態のソレは、もはや原型を留めていなかった。

 

「(霧・・・化け物・・・4体(・・))・・・っ!!」

 

リーダーの脳内に恐ろしい説がよぎった。

いや、そんなまさか。

だとすれば、俺はすでに手遅れではないか(・・・・・・・・・・・・・)

 

「・・・どうやら気付いたようだね」

 

これまで一切口を開かなかったギャシュリーが、唐突に喋りだした。

透き通るような女の声で、彼女は淡々と話し続ける。

 

「君達は気づいていなかっただろうが、私の()を君達は既に吸い込んでいる。故に体内に可愛い子達が召喚されて・・・そう(・・)なる」

 

飛び散った4人の残骸を見遣り、続けて彼女はリーダーに目をやった。

 

「ここまで説明してあげれば・・・自分の末路は理解できただろう?」

 

それを聞いて、リーダーは絶望の叫びを上げようとした。

しかし、声が出なかった。

既に喉の奥より、赤子の手が這い出していたから。

 

かくして、ギャシュリーと相対したヒーロー達は全滅の憂き目を見たのである。

 


 

「・・・」

 

足元に広がる霧の中に、哀れなヒーロー達の残骸が沈み込んでいく。

これでまた、私の戦力が増強された・・・もっともっと集めていこう。

 

タルタロスで前世の記憶を取り戻した時には頭を抱えたけれど、まさかこんな素晴らしい個性を持っていたとはね・・・。

 

やぁ諸君、ごきげんよう。

私の名はギャシュリー、タルタロスから脱獄した(ヴィラン)の1人だ。

 

前世で見た漫画では、このギャシュリーというキャラクターはよくわからない存在だった。

なんか強いらしいが、ろくに戦闘描写がされることもなくいつの間にかやられていた存在。

あまりにも描写が少ないので、私と原作のギャシュリーで違いがあるかもよくわからない。

何ならセリフすらない。

 

まぁそんな話は置いといて、私の個性を紹介しよう。

私の個性は『再誕』。

死体を影の中に放り込むと、放り込んだ分だけ霧から『赤子』が呼び出せる。

 

出せる『赤子』の数の上限は、これまで影に放り込んだ死体の数と同じ。

例え『赤子』が破壊されても死体を補充する必要はないが、破壊された分を再召喚するにはクールタイムが必要である。

 

今の私が呼び出せる『赤子』の総数は、4,671体。

自分で殺した死体でなくともカウントされるので、病院やら火葬場やらを襲撃して戦力を増強している。

 

ほぼ無限に戦力を呼び出せる以外にも、先程やったような戦い方もできる。

『霧』は体内に入ろうが一定の濃度があれば効力を失わない。

もし吸い込んだら、体内で『赤子』が召喚されてお陀仏である。

 

「ふむ・・・コレも良さそうだな」

 

私が今読んでいるのは、古書店の奥底に眠っていた怪しげな書物。

具体的に言えば、邪教の儀式入門書的なアレである。

 

超常黎明期と呼ばれる時代、異形系を『神の子』とみなしたり、逆に『悪魔』とみなすカルト宗教が乱立した。

もはやそれらの多くは壊滅してしまっているが、『宗教』という個性に対するアプローチは間違っていないように思われる。

 

個性因子に記憶が宿り、個性が肉体を乗っ取ったりすることがある以上、『個性』はその人の魂とも言えるだろう。

実際、『ワン・フォー・オール』の中には百年以上前に死んだ人物の意識が残っていたし、オール・フォー・ワンは死柄木弔の肉体を乗っ取った。

 

で、あるならば。

『個性』を『魂』と見なしてみれば、オカルト的な儀式の数々も成功するかもしれない。

『再誕』というオカルトチックな個性もあることだし、宗教でも興してみようかな。

 

「・・・何にせよ、実験あるのみだな」

 

時間はまだある。

レディナガンと緑谷出久の戦闘、緑谷出久と1年A組の合流、死柄木弔とスターアンドストライプの戦闘。

これらのイベントが最終決戦までの間に挟まるはずである。

 

“ダツゴク“の1人たる私としては、ヒーローを殲滅して希望の未来へレディ業!としたいものだ。

 

なにはともあれ、好きにやろう。

なんたって私は(ヴィラン)なんだから。




個性『再誕』
死体を影に入れたら『赤子』を引っ張りだせるようになる。
なお、『赤子』は少年誌でお見せできないレベルの外見。
一般市民に見せたらSUN値が削れるので気を付けよう。

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