Rebirth Of Gashly 作:KUNIEDAの植木鉢
『これは・・・
猛烈な勢いで展開されていく、膨大な数の『赤子』達。
建物を破砕し、全てを平らに均しながら進んでいく。
『ビルが・・・』
高層ビルが一瞬で異形の津波に飲み込まれ、砕けて消える。
鉄筋コンクリートの建造物でさえそうなるのだ、人間が飲み込まれればどうなるかなど、想像に難くない。
『あっ、あそこに人が立っています!」
『赤子』の群れの上に、1人の少女が立っている。
その少女はヘリの方を向くと、ニヤリと笑い・・・消える。
『えっ・・・?』
次の瞬間、轟音と共にヘリが大きく揺れ、映像が乱れる。
短い悲鳴が聞こえた後、映像は安定した。
『ごきげんよう、みなさん。私はギャシュリーと呼ばれている者だよ』
レポーターとは明らかに違う声の人物が、カメラを持って話し始める。
『下のやつらは私の個性で呼び出したものだ・・・ほら』
カメラの前を右手が横切る。
すると、あれだけいた『赤子』が全て消失してしまった。
『これは警告だ。もし君達が、この国のヒーローを援護なんてしようとしたら・・・』
『さっきのアレが、君達の街を平らに均しに行く』
『賢明な判断を期待するよ・・・』
ブツンという音と共に、映像が途絶えた。
「ハウザーインパクト!!!」
猛烈な爆発が、オール・フォー・ワンへ迫る。
「あ、ちょっと失礼」
「何だぁっ・・・!?」
突然横から現れた影が、オール・フォー・ワンを掻っ攫った。
「なんとか間に合ったね・・・ほんとギリギリだけど」
「・・・やはり、風はまだ僕に吹いているらしいね」
子供になったオール・フォー・ワンを抱え、空中から爆豪を見下ろす少女。
「・・・なるほど。君は
「誰だテメェ!!」
得心した様に笑うオール・フォー・ワンと、突然の乱入者を睨みつける爆豪。
「私はギャシュリー・・・あぁ、覚えなくてもいいよ?どうせ君達のことはすぐ殺すし」
危ない危ない、オール・フォー・ワンが消滅する前で助かった。
ギリギリセーフといった感じかな。
「ギャシュリーだァ・・・?ソイツは多古場にいる筈だろ!」
そう怒鳴る爆豪勝己に、私が無言でシンリンカムイとリューキュウの個性を発動して見せてやると、爆豪の表情はさらに厳しくなる。
「テメェも『
うーん。
個性を複数扱えるのはそうなんだけど、『AFO』ほど使い勝手はよくないんだよね。
使えるのは劣化コピーした『赤子』のやつだし。
「いやいや、私のは使い勝手が悪くてねぇ・・・。性質上、
「・・・テメェ」
爆豪の視線がさらに鋭くなったのは無視して、小学生くらいになっているオール・フォー・ワンに話しかける。
「あ、そうそう。個性を渡していただければ、新たな肉体で『産み直す』ことができますけど・・・」
「それは都合が良い・・・お願いするよ」
オール・フォー・ワンがその手で私に触れる。
すると、私の中に彼が入ってくるのを感じる・・・なんか表現がキモい感じになったな。
「ふむ・・・これが『AFO』か。凄まじいね」
残ったオール・フォー・ワンの抜け殻はポイ捨てし、体の感覚を確かめる。
私の掌には穴が開き、オール・フォー・ワンや死柄木弔のようになった。
「さて。まずは君達を片付けてから考えようかな」
放置していた爆豪の方を見る。
『AFO』をも持っている今の私が、死に損ないのヒーローなんぞに負けるとは思えない。
しかし、相手は爆豪勝己。
高威力の新技を開発し、心肺停止しても(エッジショットの尽力があったとは言え)蘇生し、挙句の果てにはその瀕死状態でオール・フォー・ワンを消滅させた男である。
「ぽっと出の敵に、簡単に片付けられるかよ・・・!!」
「強がるなよ・・・さっきの大技で、立ってるのもキツいんだろう?」
油断はしない。
慈悲もない。
忌々しい駆藤・・・いや、爆豪。
少し意識が混濁しているね。
さっさと爆豪を始末して分離しよう。
「出し惜しみも手加減も無しだ・・・全因解放」
「
『赤子』全てを私の背後に一塊にして顕現させ、全ての個性を展開。
圧倒的な出力でもって、全てを消し飛ばさんとする。
それに対し、爆豪は・・・
「ハウザーインパクト!!!」
ボロボロの体を無理矢理動かし、私に自身の最大火力を叩きつける。
「ふふふ・・・凄まじい火力だね」
「ぐっ・・・おぉぉらああぁぁっ!!!」
莫大な質量の『赤子』達が、爆破の嵐で徐々に削られていく。
されど、全てを削り切ることなど到底できず。
全体の2割ほど削ったところで、無情にも発射準備が完了する。
「死に損ないにしては頑張ったね・・・まぁ、無駄だったけど」
「さようなら、爆豪勝己」
膨大な量のエネルギーが放たれ、閃光が全てを飲み込む。
そして、そこには何の奇跡も起こることはなく。
爆豪勝己は、散った。
真っ平らになった地上に降り立ち、私は一匹の『赤子』を腕に抱く。
「新たな体を与えよう。朽ちぬ体を与えよう。もう死なぬように、消えぬように」
自然と、そんな芝居がかった言葉が口を衝いて出る。
なにこれ、凄く宗教チックな感じ。
「ほら・・・起きなさい。貴方の母はここにいる」
『赤子』に『AFO』を渡す。
ついでに、いらない『赤子』の個性も流し込む。
すると、『赤子』は白髪の青年へと姿を変えた。
「調子はどうかな?」
「とても良い・・・ありがとう、
「礼には及ばな・・・ん?」
母?
まぁ、私の『赤子』から作ったんだから実質私の子供みたいなものだけど。
「母は子を産み、そして子に『与える』ものだろう?そういう意味では、君は私の正当な『母』さ」
うわぁ・・・(ドン引き)
「冗談はこのくらいにして・・・。『
微妙な顔をする私をよそに、彼はいつもの邪悪な笑みを浮かべた。